JP2549646Y2 - 自動保管検索装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この考案は、倉庫などにおける物
品の収納保管および検索取出しを自動的に行う自動保管
検索装置に関する。

【０００２】

【従来技術と考案の課題】この種の自動保管検索装置の
従来例として、複数の棚を配列した収納エリアの棚開放
側に沿って垂直コラムを水平方向に走行させ、この垂直
コラムに上下動自在に設けられたピッカーで収納エリア
の各棚に対し物品の出し入れを行なう一方、収納エリア
から外れた垂直コラムの走行路の終端側に設けられた搬
入・搬出部で垂直コラム上のピッカーから物品を搬出し
たり、外部から持ち込まれた物品をピッカーに搬入する
ように構成したものが知られている。

【０００３】しかしながら、上記した従来例の構成で
は、１つの物品の出し入れの動作サイクルが完了するま
で別の物品の出し入れ動作に移れないので、出し入れ処
理に時間がかかり非能率である。また、ピッカーを所望
の棚まで移動させるのに垂直コラムを駆動させなければ
ならないので、多大な電力を必要とし稼働コストが高く
なる。

【０００４】一方、本願出願人は、実開昭６０−６４９
１２号公報に開示された如き自動保管検索装置を提案し
ている。この装置は、収納エリアの棚を、各棚段ごとに
独立したエンドレスチェーンで水平方向に循環移動させ
る一方、その水平循環移動路の途中に物品を昇降移送す
る搬入・搬出装置を縦設して、各棚段の棚がこの搬入・
搬出装置と対向する位置に停止されたとき、棚から搬入
・搬出装置へ物品を搬出し、或いは搬入・搬出装置から
棚へ物品を搬入することができるように構成されてい
る。

【０００５】この装置の場合、各棚段ごとに独立して物
品の出し入れを行えるので能率が向上するものの、各棚
段ごとに棚全体を循環移動させる構成であるため、多大
な電力を必要とし稼働コストが高くつく。また各棚段ご
とに、棚から搬入・搬出装置へ或いは搬入・搬出装置か
ら棚へ物品を押し込むプッシャーを、棚の循環移動の妨
げにならないように設けなければならず、構造が複雑に
なる。

【０００６】そこで、この考案は、物品の出し入れを能
率良く行えるとともに、稼働コストが安くつき、構造も
簡単で設置スペースの有効利用が図れる自動保管検索装
置を提供することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、この考案の自動保管検索装置は、上下左右に複数の
棚をマトリクス状に配列した一対の収納エリアを、その
棚開放側が互いに対向するように設け、前記一対の収納
エリアの一方の一方端付近には、コンテナを上方に移動
する入庫装置あるいはコンテナを上方および下方向に移
動可能な入出庫装置を設け、前記一対の収納エリアの前
記一方の他方端付近には、コンテナを少なくとも下方に
移動する出庫装置あるいはコンテナを上方および下方に
移動可能な入出庫装置を設け、前記一対の収納エリア間
には、棚との間で前後方向にコンテナの出し入れが可能
で、かつ入庫装置および出庫装置あるいは入出庫装置と
の間で前後方向にコンテナの出し入れが可能なピッカー
を、各棚段に一つずつ、かつ各棚段ごとに左右方向に水
平移動自在に設け、出庫装置あるいは入出庫装置から前
後方向にコンテナの搬出あるいは搬入出を行い、また入
庫装置あるいは入出庫装置へ前後方向にコンテナの搬入
あるいは搬入出を行うため収納エリアの前面に配置され
た搬送手段をさらに設け、入庫装置あるいは入出庫装
置、および出庫装置あるいは入出庫装置を含む収納エリ
アの両端が対向する収納エリアの両端に揃うように前記
一対の収納エリアを配置するような構成を採用したので
ある。この考案の自動保管検索装置では、前記入庫装置
は、上方へ移動させる際にコンテナを支えるため前記棚
段のピッチと同じピッチで設けられた複数の支持板およ
び最下部で外部から前記支持板へコンテナを積み込むコ
ンテナ出入機構を有し、前記複数の支持板の上方への移
動を停止させて前記ピッカーとの間でコンテナを出し入
れ可能に構成され、前記出庫装置は、下方へ移動させる
際にコンテナを支えるため前記棚段のピッチと同じピッ
チで設けられた複数の支持板および最下部で前記支持板
から外部へコンテナを積み出すコンテナ出入機構を有
し、前記複数の支持板の下方への移動を停止させて前記
ピッカーとの間でコンテナを出し入れ可能に構成されて
いるものとすることができる。

【０００８】

【実施例】以下、実施例について図面を参照して説明す
る。

【０００９】図１はこの考案の一実施例である自動保管
検索装置の斜視図を示す。

【００１０】この自動保管検索装置では、ハウジング１
内の前側と後側とに収納エリア２，３を有し、各収納エ
リア２，３はそれぞれ物品保管場所としての棚４が縦横
にマトリクス状に配列されて構成されている。前後の収
納エリア２，３は棚４の開放側が互いに向き合うように
配設され、これら前後の収納エリア２，３で挟まれる中
間の領域には、該収納エリア２，３の各棚段ごとにコン
テナ５を棚４に対し出し入れするピッカー６が左右方向
に走行自在となるように設けられている。すなわち、前
後の収納エリア２，３の各棚段に対応する高さ位置には
それぞれ一対のレール７が左右方向に並設されて、この
レール７上に上記ピッカー６が走行自在に載架されてい
る。このピッカー６には、例えば前記した垂直コラム方
式のピッカーと同様の図示しない出入機構が設けられて
いて、この出入機構により前後の収納エリア２，３の棚
４に収納されているコンテナ５をピッカー６上に取り込
んだり、ピッカー６上から棚４内へコンテナ５を挿入で
きるようになっている。

【００１１】一方、前側収納エリア２の左端部と右端部
とには、棚４に替えて、コンテナ５を各棚段まで搬入し
たり各棚段から搬出するための入出庫装置８がそれぞれ
設けられている。この入出庫装置８は、図２に斜視図で
示すように、ハウジング９内で左右に対向配置された一
対のエンドレスチェーン機構１０と、これらエンドレス
チェーン機構１０の間の最下位置に配置されたベルトコ
ンベア１１とを有する。左右のエンドレスチェーン機構
１０は、それぞれ前後一対の上部スプロケット１２ａ，
１２ｂと下部スプロケット１３ａ，１３ｂの間に前後一
対のチェーン１４ａ，１４ｂを掛け渡して構成され、前
後一対のチェーン１４ａ，１４ｂ間には、前記した棚４
の上下間隔に合せた等間隔で複数の水平支持板１５が横
架して固設されている。そして、これら左右のエンドレ
スチェーン機構１０は、互いの水平支持板１５が同じ高
さで対向し合って上下に循環移動するように同じ駆動源
（図示せず）により同期回転させられて、コンテナ５を
左右の水平支持板１５間に載置しながら昇降移動させる
コンテナ昇降機構１６を構成している。上記ハウジング
９の前後には、コンテナ５の出入りが可能な幅および、
棚４の最上位置に相当する高さを有する縦長の出入口１
７が形成され、ピッカー６の走行路側に向く出入口１７
は、同じ収納エリア２側の棚４の開放位置と揃うように
配置されている。

【００１２】また、上記したベルトコンベア１１は、図
示しない駆動源により双方向に回転可能なように構成さ
れて、入出庫装置８の左右の水平支持板１５間に載架さ
れて降下移送されてくるコンテナ５を外部に搬出し、ま
た外部から送られてくるコンテナ５を水平支持板１５間
に載架するコンテナ出入機構を構成している。

【００１３】つぎに、この自動保管検索装置の動作を図
３ないし図６を参照して説明する。

【００１４】図３はこの自動保管検索装置の任意の棚段
における概略の平面図を示す。図においてこの棚段のピ
ッカー６に所望の棚４からのコンテナ５の取出しが指令
されると、ピッカー６は指定された棚位置までレール７
に沿って水平走行して停止した後、ピッカーに備え付け
られた出入機構が作動して、棚４からコンテナ４が取り
出されピッカー６上に取り込まれる。取込み動作が終了
すると、ピッカー６は例えば搬出専用として指定されて
いる右端部側の入出庫装置８まで水平走行して、この入
出庫装置８の出入口１７の前で停止する。そして、以上
のピッカー６の動作は各棚段ごとにそれぞれ独立して行
なわれている。

【００１５】一方、搬出専用の入出庫装置８では、各水
平支持板１５が各棚段の高さに揃った位置でコンテナ昇
降機構１６が停止し、ピッカー６から対応する水平支持
板１５上にコンテナ５が移載される。この動作は各棚段
のピッカー６について同時に行なうことができる。

【００１６】図４ないし図６はコンテナ昇降機構１６か
らコンテナ出入機構であるベルトコンベア１１にコンテ
ナ５が移載される動作を示す説明図であって、図４に示
すように水平支持板１５上にコンテナ５が載置されてい
る状態から、コンテナ昇降機構１６がさらに降下動作を
行うと、図５に示すように、水平支持板１５はベルトコ
ンベア１１の載置面より低い位置に降下するため、ベル
トコンベア１１上にコンテナ５が移載される。ベルトコ
ンベア１１は外部の搬送コンベア１８と同期して排出側
に回転駆動され、図６のようにコンテナ５は入出庫装置
８の後部の出入口１７より外部の搬送コンベア１８上に
搬出される。

【００１７】これに対して、例えば搬入専用として指定
されている左端部側の入出庫装置８では、上記した搬出
専用の入出庫装置８と逆の動作が行なわれる。すなわち
コンテナ昇降機構１６の水平支持板１５は上昇動作し、
またコンテナ出入機構であるベルトコンベア１１は外部
の搬送コンベア１９からコンテナ５を入出庫装置８内に
取り込むように、外部の搬送コンベア１９と同期して回
転駆動して、外部から持ち込まれるコンテナ５を順次各
棚段に搬入する。そして、コンテナ５の収納指令を受け
た各棚段のピッカー６は、搬入専用の入出庫装置８の出
入口１７の前で停止し、目的のコンテナ５を水平支持板
１５から取り出し、指定された棚４に収納する。

【００１８】なお、この実施例では入出庫装置８として
搬入専用と搬出専用の２つを設けた場合について説明し
たが、１つの入出庫装置８で搬入と搬出に兼用するよう
に構成してもよいことは勿論である。

【００１９】また、入出庫装置８は、上記コンテナ昇降
機構に限定されず、通常の昇降機構を有するものであっ
てもよい。

【００２０】

【考案の効果】以上のように、この考案の自動保管検索
装置によれば、各棚段ごとに独立して動作するピッカー
により棚と入出庫装置の間でのコンテナの出し入れ・移
送が行なえるので、能率が大幅に向上するとともに、稼
働コストが安くつき、構造も簡単になるなどの効果が得
られる。

【００２１】また、入出庫装置を含む収納エリアの両端
が、対向する収納エリアの両端に揃うように両収納エリ
アが配置されているので、装置の設置スペースに無駄が
なく、スペース効率を高めることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案に係る一実施例を示す自動保管検索装
置の斜視図である。

【図２】同上の入出庫装置を示す斜視図である。

【図３】同上の任意の棚段を示す概略平面図である。

【図４】入出庫装置の動作説明図である。

【図５】入出庫装置の動作説明図である。

【図６】入出庫装置の動作説明図である。

【符号の説明】 ２，３ 収納エリア ４ 棚 ５ コンテナ ６ ピッカー ８ 入出庫装置 １０ エンドレスチェーン機構 １１ ベルトコンベア（コンテナ出入機構） １５ 水平支持板 １６ コンテナ昇降機構

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 実開 昭59−179823（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭56−64932（ＪＰ，Ｕ) 「石川島播磨技報」 昭和61年11月１ 日 石川島播磨重工業株式会社発行 Ｐ．374−379 高橋輝男編著「倉庫の自動化設計」 昭和48年９月25日 （２版発行） 日刊 工業新聞社 Ｐ．150−155

Claims (2)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 上下左右に複数の棚をマトリクス状に配
   列した一対の収納エリアを、その棚開放側が互いに対向
   するように設け、前記一対の収納エリアの一方の一方端付近には、コンテ
   ナを上方に移動する入庫装置あるいはコンテナを上方お
   よび下方向に移動可能な入出庫装置を設け、前記一対の
   収納エリアの前記一方の他方端付近には、コンテナを少
   なくとも下方に移動する出庫装置あるいはコンテナを上
   方および下方に移動可能な入出庫装置を設け、 前記一対の 収納エリア間には、棚との間で前後方向にコ
   ンテナの出し入れが可能で、かつ入庫装置および出庫装
   置あるいは入出庫装置との間で前後方向にコンテナの出
   し入れが可能なピッカーを、各棚段に一つずつ、かつ各
   棚段ごとに左右方向に水平移動自在に設け、 出庫装置あるいは入出庫装置から前後方向にコンテナの
   搬出あるいは搬入出を行い、また入庫装置あるいは入出
   庫装置へ前後方向にコンテナの搬入あるいは搬入出を行
   うため収納エリアの前面に配置された搬送手段をさらに
   設け、 入庫装置あるいは入出庫装置、および出庫装置あるいは
   入出庫装置を含む収納エリアの両端が対向する収納エリ
   アの両端に揃うように前記一対の収納エリアを配置する
   ことを特徴とする、自動保管検索装置。
2. 【請求項２】 前記入庫装置は、上方へ移動させる際に
   コンテナを支えるため前記棚段のピッチと同じピッチで
   設けられた複数の支持板および最下部で外部から前記支
   持板へコンテナを積み込むコンテナ出入機構を有し、前
   記複数の支持板の上方への移動を停止させて前記ピッカ
   ーとの間でコンテナを出し入れ可能に構成され、 前記出庫装置は、下方へ移動させる際にコンテナを支え
   るため前記棚段のピッチと同じピッチで設けられた複数
   の支持板および最下部で前記支持板から外部へコンテナ
   を積み出すコンテナ出入機構を有し、前記複数の支持板
   の下方への移動を停止させて前記ピッカーとの間でコン
   テナを出し入れ可能に構成されていることを特徴とす
   る、請求項１記載の自動保管検索装置。