JP2549589B2 - コンクリートの分離防止用混和剤 - Google Patents

コンクリートの分離防止用混和剤

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JP2549589B2
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正弘 万木
昇 坂田
稔 岩井
昌義 南
政人 吉崎
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B24/00Use of organic materials as active ingredients for mortars, concrete or artificial stone, e.g. plasticisers
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    • C04B24/38Polysaccharides or derivatives thereof
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,分離抵抗性および流動
性に優れ且つ温度依存性のないコンクリートの分離防止
用混和剤に関する。
【0002】
【従来の技術】一般にコンクリートはセメントに代表さ
れる結合材に加えて種々の密度並びに粒度分布を持った
骨材が使用されるが,打設から硬化に至るまでの間に,
これら骨材粒子が沈降したり,また水が比較的軽い微細
物質を伴って表面へ上昇するブリージングが発生しやす
いが,これらの材料分離の現象は出来るだけ回避するこ
とが必要である。
【0003】骨材沈降による分離が生じると,豆板, は
ちの巣, ジャンカなどと通称されるポーラスな部分が発
生する。このような部分のコンクリートは力学強度が極
端に劣り, また水密性もなくなる。
【0004】他方,ブリージングを生じるような系で
は,表面だけでなく,内部においても水平鉄筋や粗骨材
の下側に水膜や空隙を形成し,また水みちを残したりす
る。その結果, 鉄筋とコンクリートあるいは骨材とセメ
ントペーストとの付着力が低下し,コンクリートの水密
性の低下をもたらす。
【0005】従来より,沈降分離やブリージングを防ぐ
ための処法として単位水量を低下させることが行われ
た。しかし,単位水量を低下させるとスランプフロー値
の低いコンクリートとなる。このためコンクリートが細
部まで行き渡らず, 鉄筋とコンクリートの間に空隙を残
したまま硬化するので高密度配筋部や複雑形状部への打
設には適さない。
【0006】このようなことから,硬化まで系に粘性を
付与することによって沈降分離やブリージングを防ぐ処
法が開発され,広く実際面で適用されている。系に粘性
(保水性)を付与する添加剤として,各種の水溶性高分
子が知られている。例えばカルボキシメチルセルロー
ス,メチルセルロース,ヒドロキシプロピルメチルセル
ロース,ヒドロキシエチルセルロース,ヒドロキシプロ
ピルセルロース,ポリビニルアルコール,ポリビニルピ
ロリドン,ポリアクリル酸ソーダ,ポリアクリルアミ
ド,無水マレイン酸−スチレン共重合体,無水マレイン
酸−イソブチレン共重合体,グアーガム,ヒドロキシエ
チル化グアーガム,ヒドロキシプロピル化グアーガム,
カルボキシメチルヒドロキシプロピルグアーガム,デキ
ストリン,可溶性澱粉等が周知である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし,これらの水溶
性高分子は,分離防止効果を得るに充分な量で系に添加
されると,系の粘度の増加に伴い流動性が低下するとい
う問題がある。また,その分離防止効果並びに流動性は
温度に大きく依存し,夏場と冬場の水温の違い等により
打設現場にてその添加量を微妙に制御する必要がある。
【0008】したがって,流動性を劣化させることなく
少量の添加でも充分な分離抵抗性を示し且つ温度依存性
のないコンクリート混和剤が強く望まれている。本発明
はかようなコンクリート混和剤の開発を目的としたもの
である。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明によれば,菌体番
号Alcaligenes ATCC 31555の菌
種によって産出する微生物醗酵多糖類からなるコンクリ
ートの分離防止用混和剤を提供する。この混和剤は,培
地として例えばグルコースを用い,これを当該菌により
醗酵させ,そして菌体外に産出された多糖類を精製し,
粉末状で使用できる。
【0010】当該多糖類の化学構造は一般式“化1”に
示すように,主鎖は2個のグルコース,1個のグルクロ
ン酸および1個のラムノースからなり,側鎖は1個のラ
ムノースまたは1個のマンノースより構成されている。
【0011】
【化1】
【0012】
【作用】当該多糖類は通常のコンクリート配合系に極少
量添加することにより著しいシュードプラスチック性を
示し,懸濁安定効果を発揮する。このため,流動性を犠
牲にすることなく硬化に至るまでのあいだコンクリート
の材料分離を抑制し,またこの分離防止効果は温度依存
性を広範囲の温度域で示さない。このようなことから,
本発明の混和剤を用いると,通常の大気中打設の構造物
はもとより,材料分離を起こし易い水中打設や湿潤地盤
等での構造物の構築でも,さらには吹き付け施工にさい
しても,均質な高強度構造物を安定して得ることができ
る。
【0013】このような作用は,接合材として通常のポ
ルトランドセメントを用いたコンクリート配合系はもと
より,他の水硬性結合材を用いた系であれば発揮でき
る。また骨材の種類は問わず,モルタル系やペースト系
でも同様の効果を発揮する。
【0014】添加量はコンクリート系の場合,混練物1
m3当り5gr〜1000gr好ましくは40gr〜400grで効果を発
揮する。5gr未満では充分な効果は得られず, 1000grを
越えると系の粘度が急上昇して流動性が低下するし不経
済でもある。モルタル系やペースト系では配合水量に対
して0.01〜0.3 %程度添加すればよい。
【0015】 菌体番号Alcaligenes AT
CC 31555の菌種は公知の培養条件に従って増殖
できる。培地としては代表的にはグルコースが好適であ
るが,デンプン等も使用できる。培養温度は25〜33
℃の範囲であればよい。混和剤製品は,当該菌種によっ
て産出される当該醗酵多糖類を培養地から精製したもの
を使用するのがよい。精製にあたっては,アルコール沈
澱回収の処法を採用することができる。
【0016】本発明に従う混和剤の使用に際しては,先
に挙げた従来のコンクリート分離防止用(粘性付与用)
の水溶性高分子のいずれとも併用して用いることもでき
る。そのさい,流動化剤,分散剤,消泡剤,減水剤,そ
の他の混和剤を必要に応じて添加することもできる。
【0017】
【実施例】 〔実施例1〕 菌体番号Alcaligenes ATCC 3155
5の菌種によってグリコースを醗酵させ(醗酵温度25
〜33℃),この醗酵体からアルコール沈澱回収の操作
によって,前記の“化1”の多糖類を採取し,その乾燥
粉末を得た。
【0018】得られた粉末を下記配合の材料に外数で0.
1%添加し,混練物としたうえ流動性と分離防止効果を
調べた。 材料配合 (重量%) セメント 45% 石粉 (平均粒度 mm) 35% 水 23.6% ナフタレンスルフォン酸塩ホルマリン縮合物 1.4 % ─────── 合計 100%
【0019】練り混ぜにあたっては,セメント, 石粉,
および所定量の水溶性高分子を粉状で混合した後, ナフ
タレンスルフォン酸塩ホルマリン縮合物および水を加え
てプロペラ攪拌機にて18分混練した。
【0020】流動性は該混練物の20℃でのスランプフロ
ー値にて評価した。高密度配筋部や複雑形状部に細部ま
でコンクリートを行き渡らせるにはスランプフロー値が
50以上でなければならない。その結果を表1に示した。
【0021】分離防止効果の評価にあたっては,該混練
液を300ミリリットルのメスシリンダーに入れ, 5℃×
1時間および30℃×1時間そのまま放置した後,メスシ
リンダー内の液の表層部と底部よりピペットを用いてそ
れぞれ100グラムづつ磁器坩堝に採取し,それぞれの坩
堝を1050℃一定の電気炉に1時間入れ,水分を蒸発させ
て,乾燥後の重量を計測し,次式によって数値化した。
数字が大きいほど分離防止効果が大きいことを示す。そ
の結果を表1に示した。
【0022】比較のために,当該微生物醗酵多糖類粉末
に代えて,メチルセルロース 0.2%または 0.5%, ヒド
ロキシエチルセルロース 0.2%または 0.7%,ポリアク
リル酸ソーダ 0.2%または 0.4%を添加した以外は, 上
記と同様の試験を行い, 同様にして流動性と分離防止効
果を調べた。それらの結果も比較例として表1に示し
た。
【0023】
【表1】
【0024】 表1の結果に見られるように,菌休番号
Alcaligenes ATCC 31555の菌に
よって産出する微生物醗酵多糖類の水溶性高分子からな
る本発明のコンクリート混和剤は,従来の代表的な粘稠
剤であるメチルセルロース,ヒドロキシエチルセルロー
スまたはポリアクリル酸ソーダに比べて,少量の添加で
も分離防止効果が高く流動性も劣化させないことがわか
る。そして,比較例のものでは分離防止効果は温度によ
って変化するのに対し,本発明の混和剤は温度依存性が
ない。
【0025】〔実施例2〜4〕実施例1の当該微生物醗
酵多糖類粉末と従来の代表的な粘稠剤であるメチルセル
ロース, ヒドロキシエチルセルロースまたはポリアクリ
ル酸ソーダを表2に示す添加量で併用添加した以外は,
実施例1と同様にして分離防止効果と流動性を評価し
た。その結果を表2に示した。
【0026】
【表2】
【0027】
【発明の効果】以上のように本発明の混和剤を使用すれ
ば,流動性の極めて良好で且つ材料分離を起こさないコ
ンクリート材料が得られる。このため,高密度配筋や複
雑形状部に打設しても, 特に締固めを要することなく良
品質の構造物を得ることができる。また, 分離防止効果
によって水中打設や湿潤面への吹き付けなどへの適用も
可能となり,加えて夏場冬場の水温の変化によっても流
動性や分離防止効果が変化しない。したがって,コンク
リートの信頼性に大きく貢献できる。
フロントページの続き (72)発明者 岩井 稔 東京都調布市飛田給二丁目19番1号 鹿 島建設株式会社 技術研究所内 (72)発明者 南 昌義 大阪府大阪市中央区北浜東1番29号 北 浜ビル2号館 三晶株式会社内 (72)発明者 吉崎 政人 大阪府大阪市中央区北浜東1番29号 北 浜ビル2号館 三晶株式会社内

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 菌休番号Alcaligenes AT
    CC 31555の菌種によって産出する微生物醗酵多
    糖類からなるコンクリートの分離防止用混和剤。
  2. 【請求項2】 菌体番号Alcaligenes AT
    CC 31555の菌種によって産出する微生物醗酵多
    糖類と,他のコンクリート分離防止用の水溶性高分子と
    からなるコンクリートの分離防止用混和剤。
JP33416791A 1991-11-22 1991-11-22 コンクリートの分離防止用混和剤 Expired - Lifetime JP2549589B2 (ja)

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JP2889096B2 (ja) * 1993-09-07 1999-05-10 鹿島建設株式会社 地下連続壁コンクリートの製法
JP2923920B2 (ja) * 1993-11-08 1999-07-26 鹿島建設株式会社 コンクリート施工法
JPH0952749A (ja) * 1995-08-08 1997-02-25 Showa Denko Kk 高流動コンクリート用混和剤及びそれが添加されたコンクリート材

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