JP2549486Y2 - ワイヤーソー - Google Patents

ワイヤーソー

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JP2549486Y2
JP2549486Y2 JP1991001814U JP181491U JP2549486Y2 JP 2549486 Y2 JP2549486 Y2 JP 2549486Y2 JP 1991001814 U JP1991001814 U JP 1991001814U JP 181491 U JP181491 U JP 181491U JP 2549486 Y2 JP2549486 Y2 JP 2549486Y2
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wire
cutting
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繁 真崎
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Mitsubishi Materials Corp
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、採石場における石材の
切り出しや、ビル、橋梁、地下鉄構内壁、水中構造物等
の解体工事に際しての鉄筋コンクリート構造物の切断等
に使用するワイヤーソーに関する。
【0002】
【従来の技術】石材の切り出しや鉄筋コンクリート構造
物の切断等に使用するワイヤーソーは、一般に、スチー
ルワイヤーと、このスチールワイヤー上に所定ピッチで
固定されたダイヤモンド粒表面層を有する切削用ビーズ
と、隣合う前記切削用ビーズ間で前記ワイヤー上に固定
された合成樹脂、ゴム等の材料からなるスペーサとから
構成されている。又、上記ワイヤーソーは、種々のケー
ブル駆動用又はガイド用のプーリにより所定の走行路に
沿って案内されるようになっている。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】上記のように配置され
たワイヤーソーを駆動用プーリにより駆動すると、切削
抵抗によりワイヤーソーのワイヤーに張力がかかりこの
張力によってワイヤに伸びが発生する。
【0004】一方、スペーサは、個々にワイヤーに固定
されているから張力が作用せず、したがって、スペーサ
とこれに隣接する切削用ビーズとの間に隙間が生じる。
そして、この隙間に石材や鉄筋コンクリートの切断くず
が入り込むことにより、ワイヤーが摩耗し、あるいは劣
化し易くなり、寿命が著しく短縮されてしまう課題があ
った。
【0005】本考案はこの課題を解決するものであっ
て、その目的は、ワイヤーソーが駆動された際にスペー
サとこれに隣接する切削用ビーズとの間に隙間が生じる
ことを防ぐことにより、この隙間からの摩耗性細片の侵
入によるワイヤーの摩耗、劣化を防止し、ワイヤーソー
の寿命を延ばすことのできるようなワイヤーソーを提供
することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本考案に係るワイヤーソ
ーは、可撓性を有する金属製ワイヤーと、前記ワイヤー
上に所要の相互間隔をおいて設置した複数の切削用ビー
ズと、隣合う前記切削用ビーズ間の隙間を埋める弾性材
料のスペーサとから成るワイヤーソーにおいて、前記切
削用ビーズは、前記ワイヤーに外挿されるスリーブの外
周にビーズ本体が固定されているとともに、該スリーブ
の少なくとも一端が前記ビーズ本体の端面から突出した
構成とされ、該スペーサには、前記切削用ビーズを押圧
状態に付勢する圧縮ばねが、前記スリーブの突出部を内
挿するように埋め込まれて一体化されていることを特徴
としている。
【0007】
【作用】本考案に係るワイヤーソーは上記のように構成
されているので、圧縮状態のばねと一体のスペーサは、
圧縮ばねの弾性復元力によって隣接する切削用ビーズを
押圧する方向に付勢させられており、ワイヤーソー使用
時に作用する張力によってワイヤーが伸び、隣合う切削
用ビーズ同士の相互間隔が広がろうとする場合にも、ス
ペーサが伸長させられて、これら切削用ビーズに密着し
た状態で追従することができる。また、圧縮ばねの巻径
を大きくして弾性復元力がスペーサの径方向外方に作用
するようにしているので、ワイヤーソーを被切断体に巻
掛けた際に被切断体に対向する側のスペーサの外周面に
作用する圧縮力(切削用ビーズから離間する方向に作
用)を有効に軽減してスペーサに引張力を付与すること
ができる。しかも、当該圧縮ばねは、スリーブに案内さ
れながら伸長させられるので、隣接する切削用ビーズに
対するスペーサの追従性をより高めることができる。
【0008】
【実施例】図1に、本考案に係るワイヤーソーの一実施
例を完成時の断面図で示す。ワイヤー11は、一般にス
テンレススチール製で呼び直径5mm(実寸法5.2m
m)のワイヤーロープである。切削用ビーズ12は本実
施例においては、ダイヤモンド砥粒を含む複数個のリン
グ状のビーズ本体13を、金属製のスリーブ14上に外
挿してホットプレス法で焼結させ図1に示す一体物に形
成したものを用いる。この切削用ビーズ12は、スリー
ブ14の一端がビーズ本体13の図示左側端面から突出
(以下、突出部と称する)するように構成されている
【0009】このようにして形成した所要数の切削用ビ
ーズ12をワイヤー11に外挿し、所要の相互間隔をお
いて位置決めした後、スリーブ14上の所定の位置でか
しめ装置(図示しない)によりかしめ力を加えてワイヤ
ー11に対してかしめて固着する。切削用ビーズ12の
外挿位置決め時に、隣合う切削用ビーズ12間において
圧縮コイルばね10が前記突出部を内挿するように前記
ワイヤー11に沿って圧縮状態に装着する。ばね10の
装着は切削用ビーズ12のかしめ固着後に行ってもよ
い。装着完了時点においてばね10は隣接する切削用ビ
ーズ12から圧縮力Aを受けるように構成する。この圧
縮力Aは以後、スペーサ15成型時にも、又ワイヤーソ
ー200完成時においても保持される。
【0010】続いて、図1に示すように、ワイヤー11
に沿って隣合う切削用ビーズ12間に圧縮状態で装着し
た圧縮コイルばね10の外周からこのばね10を含んで
一体に、一般の成型装置(図示しない)により合成樹
脂、ゴム等の材料を溶融して被覆することにより、スペ
ーサ15を成型してワイヤーソー200を構成する。
【0011】本考案のワイヤーソー200は、上記のよ
うに構成されているので、圧縮状態で装着されたばね1
0は、スペーサ15と一体に成型された後ワイヤーソー
100の完成時点においても、図1に示すように、ばね
10の両側で隣接する切削用ビーズ12との間の一対の
接触面においてそれぞれ圧縮力Aを受けている。すなわ
ち、ばね10は圧縮力Aにより弾性変形状態にある。
【0012】図2は、従来技術によるワイヤーソーの一
例を完成時について示す断面図である。
【0013】さて、ワイヤーソーにおいて、一般に、駆
動用又はガイド用のプーリを配置した走行路に沿って駆
動用プーリによりワイヤーソー(100、200)を駆
動すると、駆動力によりワイヤーソー(100、20
0)のワイヤー(1、11)に張力がかかり、この張力
によってワイヤー(1、11)に伸びが発生する。この
場合、従来技術のワイヤーソー100においては前記の
ように、図2のスペーサ5とこれに隣接する切削用ビー
ズ2との間に隙間が生じる。
【0014】これに対して本考案によるワイヤーソー2
00においては、上に説明したように、ばね10がこれ
に隣接する切削用ビーズ12との間で圧縮を受けて弾性
変形しているので、ばね10とこれに隣接する切削用ビ
ーズ12とが相互に十分密着し、駆動時の張力によって
ワイヤー11に伸びが発生する際には、スペーサ15と
一体に成型されているばね10がスペーサ15と共に伸
びて密着状態を保持し、したがってスペーサ15とこれ
に隣接する切削用ビーズ12との間に隙間が生じること
はない。また、ばね10の巻径を大きくして弾性復元力
が切削用ビーズ12の径方向外方に作用するようにして
いるので、ワイヤーソー200を被切断体に巻掛けた際
にスペーサ15の被切断体に対向する側の外周面に作用
する圧縮力を有効に軽減してスペーサ15に引張力を付
与することができる。しかも、当該ばね10は、スリー
ブ14に案内されながら伸長させられるので、隣接する
切削用ビーズ12に対するスペーサ15の追従性が高め
られ、隙間の発生を効果的に防止している
【0015】この目的を達成するために必要とされる圧
縮力Aの値は、ワイヤーの直径、切削用ビーズの外径、
駆動時のワイヤー張力のほか、駆動速度等の諸要素によ
っても異なるが、ワイヤー呼び直径5mm、切削用ビー
ズの外径10.5mm の場合で約50〜100kgであ
る。
【0016】尚、本考案の実施態様は上記の実施例に限
定されるものではなく、本考案の精神と実用新案登録請
求の範囲を逸脱しない範囲において種々の変更が可能で
ある。
【0017】
【考案の効果】以上説明したように、本考案に係るワイ
ヤーソーにおいては、ワイヤーソー完成時においてスペ
ーサと一体に成型された圧縮ばねがこれと隣接する切削
用ビーズとの間に圧縮力を発生させるように構成したの
で、上記のように張力によりワイヤーが伸びた場合に、
圧縮ばねがその弾性復元力により、圧縮ばねと一体のス
ペーサとともに伸びて、隣接する切削用ビーズとの密着
状態を保つ。また、圧縮ばねの巻径を大きくして弾性復
元力がスペーサの径方向外方に作用するようにしている
ので、ワイヤーソーを被切断体に巻掛けた際にスペーサ
の被切断体に対向する側の外周面に作用する圧縮力(切
削用ビーズから離間する方向に作用)を有効に軽減して
スペーサに引張力を付与することができる。しかも、当
該圧縮ばねは、スリーブに案内されながら伸長させられ
るので、隣接する切削用ビーズに対するスペーサの追従
性が高められ、密着性が向上する。
【0018】このため、上記圧縮力の値を、ワイヤーソ
ーの使用条件に合わせて設定することにより、上記圧縮
力の作用でばね及びスペーサとこれに隣接する切削用ビ
ーズとの間に隙間が生じるのを容易に防止できるので、
この隙間が生じた場合に起こり得る摩耗性細片の侵入に
よるワイヤーの摩耗、劣化を防ぎ、結果的にワイヤーソ
ーの使用寿命を延長できる効果がある。
【0019】又、スペーサと一体に成型された圧縮ばね
によりこれと隣接する切削用ビーズとの間に発生する圧
縮力は、切削用ビーズ間の距離を一定に保つように働く
ので、ワイヤーソー使用中に切削用ビーズがワイヤーに
沿って移動する「切削用ビーズの寄り」現象の防止にも
役立つ効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案のワイヤーソーの一実施例の完成時の断
面図である。
【図2】従来のワイヤーソーの一実施例の完成時の断面
図である。
【符号の説明】
1,11 ワイヤー 2,12 切削用ビーズ 4,14 スリーブ 5,15 スペーサ 10 圧縮コイルばね 100,200 ワイヤーソー A 圧縮力

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 可撓性を有する金属製ワイヤーと、前記
    ワイヤー上に所要の相互間隔をおいて設置した複数の切
    削用ビーズと、隣合う前記切削用ビーズ間の隙間を埋め
    弾性材料のスペーサとから成るワイヤーソーにおい
    て、前記切削用ビーズは、前記ワイヤーに外挿されるスリー
    ブの外周にビーズ本体が固定されているとともに、該ス
    リーブの少なくとも一端が前記ビーズ本体の端面から突
    出した構成とされ、 該スペーサには、前記切削用ビーズを押圧状態に付勢す
    る圧縮ばねが、前記スリーブの突出部を内挿するように
    埋め込まれて一体化されていることを特徴とするワイヤ
    ーソー。
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JP4741216B2 (ja) * 2004-10-08 2011-08-03 旭ダイヤモンド工業株式会社 ワイヤソー
JP5831860B1 (ja) * 2014-06-16 2015-12-09 ヒョヨン キム ダイヤモンドワイヤーソー

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