JP2547866B2 - 車両用のガラスアンテナ - Google Patents

車両用のガラスアンテナ

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JP2547866B2 JP1267422A JP26742289A JP2547866B2 JP 2547866 B2 JP2547866 B2 JP 2547866B2 JP 1267422 A JP1267422 A JP 1267422A JP 26742289 A JP26742289 A JP 26742289A JP 2547866 B2 JP2547866 B2 JP 2547866B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は自動車等車両の後部窓ガラスに設けたガラス
アンテナに関し、特にTV放送波とFMラジオ放送波を受信
するに好適なガラスアンテナに関する。
[従来と技術] 近年、AM、FMなどのラジオ放送波以外にもTV放送波を
受信するための車両用ガラスアンテナが要望されるよう
になり、前部窓ガラスに垂直アンテナを設けるもの(特
開昭61−203702号)、後部窓ガラスの防曇用加熱線条上
部余白分にFMラジオ放送波、TV放送波を受信するアンテ
ナを設けるもの(特開昭61−121603号)など種々の提案
がされているが、後部窓ガラスは複数の加熱線条が面積
の大部分を占めるためアンテナの占有面積が小さくな
り、単独のアンテナでは勿論、複数のアンテナを設けて
ダイバーシティ受信を行っても、必ずしも十分な受信利
得を得ることができなかった。
[発明の目的] 本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、
加熱線条と側辺ガラスエッジの間の狭い領域を利用する
ことにより、アンテナ占有面積の小さな後部窓ガラスに
おいて、FMラジオ放送波からTV放送波UHF帯までの非常
に広範囲の周波数帯域において受信利得を向上せしめた
車両用ガラスアンテナを提供することを目的とする。
[問題点を解決するための手段] 本発明は、車両用後部窓ガラスに防曇用加熱線条とと
もに線条アンテナを設けたガラスアンテナにおいて、前
記加熱線条と少なくとも一方の側辺ガラスエッジとの間
に、加熱線条に120mm以上に沿って設けた垂直アンテナ
と、加熱線条と上辺ガラスエッジとの間に、最上部の加
熱線条に沿って少なくとも20mm以上の長さに設けた水平
アンテナとの端部を接続し、これらのアンテナの合計長
さを400〜700mmの範囲とする第1のアンテナと、加熱線
条と上辺ガラスエッジの間に設けた水平エレメントを主
たる構成とする第2のアンテナ、あるいは加熱線条と下
辺ガラスエッジの間に設けた水平エレメントを主たる構
成とする第3のアンテナとを組み合わせて、第1のアン
テナと第2のアンテナにより、第1のアンテナと第3の
アンテナにより、あるいは第1のアンテナと第2のアン
テナと第3のアンテナによりダイバーシティ受信するよ
うにしたことを特徴とする。
[作用] 本発明者らは、本来、垂直アンテナが良好なアンテナ
であることに着目し、自動車用後部窓ガラスの加熱線条
と一方の側辺ガラスエッジとの間の狭い領域に垂直アン
テナを配設できないか鋭意研究いした結果、良好な結果
を得て特願平1−220238号(以下、先発明と略称する)
として出願した。
本発明は先発明を利用してさらに、良好なアンテナを
提供するものである。
従来使用されていない領域に設けた先発明アンテナが
垂直偏波の電波を受信するに好適なアンテナであること
に着目し、従来使用されていた領域すなわち加熱線条上
部あるいは下部に設けた水平エレメントを主たる構成と
する水平偏波の電波を受信するに好適な第2のアンテ
ナ、加熱線条と下辺ガラスエッジの間に設けた水平エレ
メントを主たる構成とする水平偏波の電波を受信するに
好適な第3のアンテナとを組み合わせて、第1のアンテ
ナと第2のアンテナにより、第1のアンテナと第3のア
ンテナにより、あるいは第1のアンテナと第2のアンテ
ナと第3のアンテナによりダイバーシティ受信すること
により、放送局から水平偏波あるいは垂直偏波として送
信された電波が建物、構築物などで反射され偏波面が変
化することに対応して、単独の場合に比較して、より好
適に受信することができるようにしたものである。
[実施例] 以下、図面を参照しながら本発明を詳細に説明する。
第1図〜第3図はそれぞれ本発明のガラスアンテナを
自動車用後部窓ガラスに設けた実施例1〜実施例3を示
す正面図、第4図(a)〜(c)は第1のアンテナの変
形例、第5図(a)〜(c)は第2のアンテナの変形
例、第6図(a)〜(d)は第3のアンテナの変形例を
示す。
実施例1 単板ガラスを自動車の後部窓として装着した例であ
り、板ガラス1の車内側に防曇用加熱線条2、2・・・
2、バスバー3、3とともに、垂直アンテナ4aと水平ア
ンテナ4bから構成される第1のガラスアンテナ4を、そ
の端部を給電点5として、水平エレメント6aを主たる構
成としてこれらの水平エレメントを接続するため、ある
いはアンテナとして垂直エレメント6bを付加した第2の
アンテナ6を、給電点を7として、導電ペーストにより
スクリーン印刷、焼成して形成する。
このような車両用ガラスアンテナにおいて、、各部の
寸法をA1=1,180mm、A2=1,460mm、B=730mm、C=380
mm、D=150mm、E=5mm、F=16mm、G=10mm、H=56
0mm、I=310mm、J=600mm、K=280mm、L=440mm、
M=100mm、N=290mm、O=100mm、P=35mm、Q=30m
m、R=50mmとしたものによって76MHz〜108MHzのFMラジ
オ放送波、1〜12チャンネルにおけるTV放送波VHF帯、4
70MHz〜770MHzのTV放送波UHF帯の水平偏波と垂直偏波に
おける受信利得Gを測定したところ第1表に示す結果が
得られた。なお、受信利得Gは標準のダイポールアンテ
ナの受信利得を0dBとしたときの利得差(以下、ダイポ
ール比と略称する)であり、各バンドの平均値を表す。
この結果から明らかなように、従来の実用に供されて
いる良好な車両用ガラスアンテナの受信利得が水平偏波
のFMラジオ放送波、TV放送波VHF帯、TV放送波UHF帯に対
してそれぞれ平均値で約−20dB、約−20dB、約−18dBで
あり、垂直偏波のFMラジオ放送波、TV放送波VHF帯、TV
放送波UHF帯に対してそれぞれ平均値で約−19dB、約−1
9dB、約−17dBであるので、第1のアンテナ、第2のア
ンテナ単独でも、総ての帯域で上回っており良好なアン
テナであるが、水平偏波の電波に対しては第2のアンテ
ナが第1のアンテナより、垂直偏波の電波に対しては第
1のアンテナが第2のアンテナよりそれぞれ受信利得が
高く第1のアンテナと第2のアンテナを組合わせてダイ
バーシティ受信すると何れの帯域においても、さらに良
好な結果が得られることがわかる。
実施例2 加熱線条上部余白部に設けた第2のアンテナに代え
て、加熱線条下部余白部に水平エレメント8aを主たる構
成として、これらの水平エレメントを接続するための垂
直エレメント8bを付加した第3のアンテナを給電点9と
ともに設けた以外は実施例1と同じ構成にして、S=10
0mm、T=30mm、U=10mmとしたものである。
このような車両用ガラスアンテナによって76MHz〜108
MHzのFMラジオ放送波、1〜12チャンネルにおけるTV放
送波VHF帯、470MHz〜770MHzのTV放送波UHF帯の水平偏波
と垂直偏波における受信利得G(ダイポール比)を測定
したところ第2表に示す結果が得られた。
この結果から明らかなように、第3のアンテナTV放送
波UHF帯を受信するに好適なアンテナであり、この帯域
の水平偏波に対して第1のアンテナより受信利得が高
く、第1のアンテナと組合わせてダイバーシティ受信す
ると、さらに良好な結果が得られることがわかる。
実施例3 水平エレメント6aを主たる構成として、これらの水平
エレメントを接続するため、あるいはアンテナとして垂
直エレメント6bを付加した第2のアンテナ6を代えた以
外は実施例1と同じ構成にして、H=560mm、I=480m
m、J=460mm、K=120mm、L=30mm、M=20mm、N=6
0mm、O=60mmとしたものである。このような車両用ガ
ラスアンテナによって76MHz〜108MHzのFMラジオ放送
波、1〜12チャンネルにおけるTV放送波VHF帯、470MHz
〜770MHzのTV放送波UHF帯の水平偏波と垂直偏波におけ
る受信利得G(ダイポール比)を測定したところ第3表
に示す結果が得られた。
この結果から明かなように、本実施例の第2のアンテ
ナも、実施例のそれと同等の特性を有し、何れの帯域に
対しても、単独で実用に共しうるが、第1のアンテナと
組合わせてダイバーシティ受信すると、さらに好適であ
ることがわかる。
以上、好適な実施例により説明したが、本発明はこれ
らに限定されるものではなく、種々の応用が可能であ
る。
第1のアンテナについて、加熱線条(ブスバー)に沿
った長さは120mm以上、加熱線条と上辺ガラスエッジと
の間に設けた水平アンテナは20mm以上、アンテナの合計
長さは400〜700mmの範囲とすればよく、ブスバーとの間
隔は接触しない程度、例えば2mm以上、ガラスエッジと
の間隔は、理論上のアースである金属ボディ、カーボン
含有のダムラバー、接着剤等から垂直アンテナを5mm離
してこれらの影響を少なくする必要があることから15cm
程度以上離した方がよい。
例えば、第4図(a)〜(c)に示すような変形例も
実施例1〜3と同等の受信利得が得られる。なお
(b)、(c)の10に示すように、インピーダンスの調
整、指向特性改善などを目的とする各種の補助エレメン
トを付加することもできる。
第2のアンテナについて、水平エレメントを主たる構
成とする第5図(a)〜(c)などに示すような各種の
アンテナも水平偏波の電波を受信するに好適であり、実
施例1と同様の効果が期待できる。
第3のアンテナについて、水平エレメントを主たる構
成とする第6図(a)〜(d)などに示すような各種の
アンテナも、水平偏波の電波を受信するに好適であり、
実施例2と同様の効果が期待できる。
ダイバーシティ受信について、第1のアンテナと第2
のアンテナのダイバーシティ受信、第1のアンテナと第
3のアンテナのダイバーシティ受信を行うだけでも効果
があるが、これらのアンテナを同一の窓ガラスに設け
て、例えばFMラジオ放送波、TV放送波VHF帯を受信する
ときには、第1のアンテナと第2のアンテナのダイバー
シティ受信、TV放送波UHF帯を受信するときには、第1
のアンテナ、第2のアンテナおよび第3のアンテナを組
合わせてダイバーシティ受信を行うと、さらに好ましい
結果を得ることができる。また、本発明のアンテナとそ
の他のアンテナ、例えば、加熱線条アンテナ、フロント
ガラスアンテナ、ポールアンテナ等と組合わせてFMラジ
オ放送波、TV放送波に対してダイバーシティ受信をする
ことも有効である。
また、後部窓ガラスに合わせガラスを使用する場合に
は、ガラスアンテナとして、銅線などの金属細線を中間
膜に埋め込んだものでもよい。
加熱線条について水平方向に配設したもの以外にも、
垂直方向に配設したものでもよい。
[発明の効果] 本発明のガラスアンテナは、従来、使用されていない
狭い領域に設けた第1のアンテナと加熱線条上部あるい
は下部余白部に設けた第2のアンテナ、第3のアンテナ
を適宜組合わせて、ダイバーシティ受信することによ
り、FMラジオ放送波からTV放送波UHF帯までの76MHz〜77
0MHzの非常に広範囲にわたる周波数帯域において受信利
得を格段に向上させるものである。
【図面の簡単な説明】
第1図〜第3図はそれぞれ本発明のガラスアンテナを自
動車用後部窓ガラスに設けた実施例1〜実施例3を示す
正面図、第4図(a)〜(c)は第1のアンテナの変形
例、第5図(a)〜(c)は第2のアンテナの変形例、
第6図(a)〜(d)は第3のアンテナの変形例を示
す。 1……板ガラス、2……加熱線条 3……ブスバー、4……第1のアンテナ 4a……垂直アンテナ、4b……水平アンテナ 5……給電点、6……第2のアンテナ 6a……水平エレメント、6b……垂直エレメント 8……第3のアンテナ、8a……水平エレメント 8b……垂直エレメント

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車両用後部窓ガラスに防曇用加熱線条とと
    もに線条アンテナを設けたガラスアンテナにおいて、前
    記加熱線条と少なくとも一方の側辺ガラスエッジとの間
    に、加熱線条に120mm以上沿って設けた垂直アンテナ
    と、加熱線条と上辺ガラスエッジとの間に、最上部の加
    熱線条に沿って少なくとも20mm以上の長さに設けた水平
    アンテナとの端部を接続し、これらのアンテナの合計長
    さを400〜700mmの範囲とする第1のアンテナと、加熱線
    条と上辺ガラスエッジの間に設けた水平エレメントを主
    たる構成とする第2のアンテナ、あるいは加熱線条と下
    辺ガラスエッジの間に設けた水平エレメントを主たる構
    成とする第3のアンテナとにより、ダイバーシティ受信
    するようにしたことを特徴とする車両用のガラスアンテ
    ナ。
  2. 【請求項2】車両用後部窓ガラスに防曇用加熱線条とと
    もに線条アンテナを設けたガラスアンテナにおいて、前
    記加熱線条と少なくとも一方の側辺ガラスエッジとの間
    に、加熱線条に120mm以上沿って設けた垂直アンテナ
    と、加熱線条と上辺ガラスエッジとの間に、最上部の加
    熱線条に沿って少なくとも20mm以上の長さに設けた水平
    アンテナとの端部を接続し、これらのアンテナの合計長
    さを400〜700mmの範囲とする第1のアンテナと、加熱線
    条と上辺ガラスエッジの間に設けた水平エレメントを主
    たる構成とする第2のアンテナと、加熱線条と下辺ガラ
    スエッジの間に設けた水平エレメントを主たる構成とす
    る第3のアンテナとにより、ダイバーシティ受信するよ
    うにしたことを特徴とする車両用のガラスアンテナ。
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