JP2547803Y2 - 移動式クレーンのフックブロック - Google Patents

移動式クレーンのフックブロック

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JP2547803Y2
JP2547803Y2 JP9782791U JP9782791U JP2547803Y2 JP 2547803 Y2 JP2547803 Y2 JP 2547803Y2 JP 9782791 U JP9782791 U JP 9782791U JP 9782791 U JP9782791 U JP 9782791U JP 2547803 Y2 JP2547803 Y2 JP 2547803Y2
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亀井  耕一
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Tadano Ltd
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、移動式クレーンにおい
てフックブロックの格納時にフックブロックおよびトラ
ニオンの揺動を阻止する技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図3〜図5に基いて説明する。移動式ク
レーンはブーム1先端のグースネック部2に設けたブー
ム先端滑車3を経過したワイヤロープ4を介して巻上げ
自在に吊り下げられるフックブロック5を持ち、フック
ブロック5は側板6、滑車を有するシーブブロック7、
このシーブブロック7の下側であって側板6の下端部に
揺動自在に枢支して取付けられたトラニオン8、および
トラニオン8に旋回自在に取付けられたフック9によっ
て構成されている。そして走行移動時の移動式クレーン
は、フックブロック5が他の物に衝突したり視界の邪魔
にならないために、フックブロック5を巻上げて格納し
フックブロック5の揺動を防止するようにしている。
【0003】ところで図3に示すように、シーブブロッ
ク7に、フックブロック5を巻上げた際グースネック部
2に揺動自在に取付けられたフックブロック格納アーム
11の下端に衝接して下方に押し下げられる押下部材10を
取付け、この押下部材10が下方へ押し下げられた際この
押下部材10の下端部の係合部がトラニオン8あるいはフ
ック9に係合するよう構成したものがある。ここでフッ
クブロック格納アーム11は、フックブロック格納アーム
11の下端がフックブロック5の両側板6および押下部材
10の上端に衝接するような幅(紙面に直角方向)を持っ
ている。
【0004】このように構成すればフックブロック5を
巻上げ、グースネック部2に揺動自在に取付けられたフ
ックブロック格納アーム11の下端に側板6と押下部材10
を衝接することによって、フックブロック5の揺動を防
止することができるとともに押下部材10の下端部の係合
部がトラニオン8あるいはフック9に係合し、トラニオ
ン8の揺動を阻止することができる。
【0005】また他の従来の技術として図4および図5
に示す構造のものがある。シーブブロック7に、フック
ブロック12を巻上げた際グースネック部2に揺動自在に
取付けられたフックブロック格納アーム16の下端に衝接
して下方に押し下げられる押下部材14を取付け、この押
下部材14が下方へ押し下げられた際この押下部材14の下
端部の係合部がトラニオン8あるいはフック9に係合す
るよう構成されている。ここでフックブロック格納アー
ム16は、フックブロック格納アーム16の下端がフックブ
ロック12のガイド孔15に案内されて押下部材10の上端に
衝接するようになっており、幅(図4の紙面に直角方
向)が小さくワイヤロープ4に囲まれた空間に位置して
いる。
【0006】このように構成すれば図3に示したものと
同様に、フックブロック12を巻上げ、フックブロック格
納アーム16の下端に押下部材14を衝接することによっ
て、押下部材14の下端部の係合部がトラニオン8あるい
はフック9に係合し、トラニオン8の揺動を阻止するこ
とができるとともにグースネック部2とフックブロック
12の間にフックブロック格納アーム16を挟んでワイヤロ
ープ4を緊張状態にするのでフックブロック12の揺動を
防止することができる。
【0007】
【考案が解決しようとする課題】従来の技術によれば、
フックブロック5,12を巻上げ、フックブロック格納ア
ーム11,16の下端に押下部材10,14を衝接することによ
って、フックブロック5,12の揺動を防止するとともに
押下部材10,14の下端部の係合部あるいはこの押下部材
10,14に連動連結された係合部材がトラニオン8あるい
はフック9に係合し、トラニオン8の揺動を阻止するこ
とができるのであるが、フック9の上方に滑車を持つフ
ックブロックに適用しようとした場合には次のような問
題点があった。
【0008】図3に示した構造では、フックブロック格
納アーム11は、フックブロック格納アーム11の下端がフ
ックブロック5の両側板6および押下部材10の上端に衝
接するような幅(紙面に直角方向)を持っているため、
フックブロック格納アーム11と他の部品との干渉が発生
し易くまた小型化の障害になるという問題点があった。
図4および図5に示した構造では、押下部材14は滑車を
避けて位置させなければならないため、押下部材14に衝
接するフックブロック格納アーム16がフック9の中心線
上にあるフックブロック12の重心から偏心した位置を押
すことになり、フックブロック12が傾くので、フックブ
ロック12の揺動の防止とトラニオン8の揺動を阻止する
ことが安定的にできないという問題点があった。
【0009】本考案の課題は、フック8の上方に滑車を
持つフックブロックに適用できる上記二点の問題点を解
決したフックブロックとトラニオン8の揺動を確実に阻
止可能な小型の移動式クレーンのフックブロックを提供
することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本考案の移動式クレーン
のフックブロックは、移動式クレーンのブーム先端のグ
ースネック部に設けたブーム先端滑車を経過したワイヤ
ロープを介して巻上げ自在に吊り下げられるフックブロ
ック、特に、側板、滑車を有するシーブブロック、この
シーブブロックの下側であって側板の下端部に揺動自在
に枢支して取付けられたトラニオン、およびトラニオン
に旋回自在に取付けたフックでもって構成したフックブ
ロックであって、シーブブロックに、フックブロックを
巻上げた際前記グースネック部の下端あるいはこのグー
スネック部に揺動自在に取付けられたフックブロック格
納アームの下端に衝接して下方に押し下げられる押下部
材を取付け、この押下部材が下方へ押し下げられた際こ
の押下部材の下端部の係合部あるいはこの押下部材に連
動連結された係合部材が前記トラニオンあるいはフック
に係合し、前記トラニオンの揺動を阻止するよう構成し
た移動式クレーンのフックブロックにおいて、フックの
上方に少なくとも一枚の滑車を配置するとともに、滑車
の上方に前記フックブロック格納アームを案内するガイ
ド孔を、フックブロックを巻上げた際正面視および側面
視においてフックブロック格納アーム、滑車、フックが
一直線上に位置するようフックブロックに配置し、前記
押下部材を前記滑車の側方に配置するとともに押下部材
の上端部に前記ガイド孔に案内されるフックブロック格
納アームの下端に衝接する受け部材を取付けたことを特
徴として構成したものである。
【0011】
【作用】走行移動状態にするときには、ワイヤロープ4
を巻上げてフックブロックを巻上げ、グースネック部2
の下端あるいはこのグースネック部2に揺動自在に取付
けられたフックブロック格納アーム16の下端に押下部材
を衝接する。下方に押し下げられた押下部材の下端部の
係合部あるいはこの押下部材に連動連結された係合部材
がトラニオン8あるいはフック9に係合する。係合によ
ってトラニオン8の揺動を阻止し走行移動状態になる。
クレーン作業状態にするときには、ワイヤロープ4を巻
下げてフックブロックを巻下げ、グースネック部2の下
端あるいはこのグースネック部2に揺動自在に取付けら
れたフックブロック格納アーム16の下端に衝接している
フックブロックと押下部材を離す。下方に押し下げられ
ていた押下部材の下端部の係合部あるいはこの押下部材
に連動連結された係合部材とトラニオン8あるいはフッ
ク9との係合が拘束を解かれる。トラニオン8の揺動が
自由になり、自由なクレーン作業ができる状態となる。
【0012】
【実施例】図1および図2に基いて説明する。従来の技
術として図3〜図5に示し説明した符号1〜4、8〜
9、16は、同義であるので説明を省略し用いる。21は、
フックブロック、22は、シーブブロック、22aは、滑
車、23は、押下部材、24は、ピン、25は、受け部材、26
は、係合部、27は、ガイド孔、28は、連結板、29は、ば
ねである。フックブロック21は、側板13、シーブブロッ
ク22、トラニオン8、フック9、押下部材23、ピン24、
ガイド孔27、連結板28、ばね29からなっている。シーブ
ブロック22は、フック9の上方に少なくとも一枚の滑車
22aを配置しており、側板13、13間に橋架されたピンを
持ち、このピンによって支持されている。押下部材23
は、滑車22aの側方にピン24によって回動自在に枢支さ
れ、押下部材23の上端部には受け部材25が設けられ、押
下部材23の下端部には係合部26が設けられている。ガイ
ド孔27は、滑車22aの上方でフックブロック21の重心の
上方に位置して設けられており、本実施例ではシーブブ
ロック22に軸支され、回転は側板13、13間を連結してい
る連結板28によって阻止されている。押下部材23の受け
部材25は、ガイド孔27に案内されたフックブロック格納
アーム16の下端が衝接するよう配置され、押下部材23の
係合部26は、押下部材23が衝接によって押し下げられ回
動するとトラニオン8あるいはフック9に係合するよう
になっている。ばね29は、押下部材23の係合部26がトラ
ニオン8あるいはフック9に常時は係合しないよう付勢
している。
【0013】作用について説明する。走行移動状態にす
るときには、ワイヤロープ4を巻上げてフックブロック
21を巻上げる。グースネック部2に揺動自在に取付けら
れたフックブロック格納アーム16の下端がガイド孔27に
案内され、押下部材23の受け部材25に衝接する。フック
ブロック格納アーム16の下端に衝接した受け部材25は、
衝接力がばね29の付勢力に打ち勝って押下げられ、ピン
24の回りに押下部材23および押下部材23の係合部26を回
動する。回動した係合部26は、トラニオン8あるいはフ
ック9に係合する。これで走行移動状態になる。押下部
材23に衝接するフックブロック格納アーム16がフック9
の中心線上にあるフックブロック21の重心線上を押すた
め、フックブロック21が傾かないので、フックブロック
21の揺動の防止とトラニオン8の揺動を阻止することが
安定的にできる。
【0014】本実施例では、係合部26のうち下端がトラ
ニオン8の上面に係合し、フック9側の側面がフック9
の軸部側面に係合するようになっているので、トラニオ
ン8の揺動を阻止することができるとともにフック9の
旋回を阻止することができる。またグースネック部2と
フックブロック21の間にフックブロック格納アーム16を
挟んでワイヤロープ4を緊張状態にするのでフックブロ
ック12の揺動を防止することができる。
【0015】クレーン作業状態にするときには、ワイヤ
ロープ4を巻下げてフックブロック21を巻下げる。受け
部材25に衝接したフックブロック格納アーム16の下端が
離脱すると、ばね29の付勢力によって、ピン24の回りに
押下部材23およびその係合部26F元の位置まで回動する
ので、係合部26とトラニオン8あるいはフック9との係
合が離脱する。さらにフックブロック21を巻下げると、
ガイド孔27からフックブロック格納アーム16の下端が抜
出す。フックブロック21が揺動自在になるとともに、ト
ラニオン8の揺動およびフック9の旋回も自在になり、
クレーン作業状態になる。
【0016】
【考案の効果】フックの上方に滑車を持つフックブロッ
クにおけるフックブロックの格納と揺動防止およびトラ
ニオンの揺動防止が、装置を大型化しないで、フックブ
ロックを巻上げるだけの簡単な操作で確実にできるの
で、作業の簡便化と安全化に効果の大きいものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の移動式クレーンのフックブロックの側
面図である。
【図2】図1のA断面図である。
【図3】従来の移動式クレーンのフックブロックを示す
説明図である。
【図4】従来の他の例を示す説明図である。
【図5】図4のフックブロックの正面図である。
【符号の説明】
8 トラニオン 9 フック 16 フックブロック格納アーム 21 フックブロック 22 シーブブロック 22a 滑車 23 押下部材 25 受け部材 26 係合部 27 ガイド孔

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 移動式クレーンのブーム先端のグースネ
    ック部に設けたブーム先端滑車を経過したワイヤロープ
    を介して巻上げ自在に吊り下げられるフックブロック、
    特に、側板、滑車を有するシーブブロック、このシーブ
    ブロックの下側であって側板の下端部に揺動自在に枢支
    して取付けられたトラニオン、およびトラニオンに旋回
    自在に取付けたフックでもって構成したフックブロック
    であって、シーブブロックに、フックブロックを巻上げ
    た際前記グースネック部の下端あるいはこのグースネッ
    ク部に揺動自在に取付けられたフックブロック格納アー
    ムの下端に衝接して下方に押し下げられる押下部材を取
    付け、この押下部材が下方へ押し下げられた際この押下
    部材の下端部の係合部あるいはこの押下部材に連動連結
    された係合部材が前記トラニオンあるいはフックに係合
    し、前記トラニオンの揺動を阻止するよう構成した移動
    式クレーンのフックブロックにおいて、 フックの上方に少なくとも一枚の滑車を配置するととも
    に、滑車の上方に前記フックブロック格納アームを案内
    するガイド孔を、フックブロックを巻上げた際正面視お
    よび側面視においてフックブロック格納アーム、滑車、
    フックが一直線上に位置するようフックブロックに配置
    し、前記押下部材を前記滑車の側方に配置するとともに
    押下部材の上端部に前記ガイド孔に案内されるフックブ
    ロック格納アームの下端に衝接する受け部材を取付けた
    ことを特徴とする移動式クレーンのフックブロック。
JP9782791U 1991-10-31 1991-10-31 移動式クレーンのフックブロック Expired - Lifetime JP2547803Y2 (ja)

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JPH0540287U JPH0540287U (ja) 1993-05-28
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