JP2547801Y2 - バランサ装置付きエンジンにおける飛沫潤滑装置 - Google Patents
バランサ装置付きエンジンにおける飛沫潤滑装置Info
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- JP2547801Y2 JP2547801Y2 JP1991086927U JP8692791U JP2547801Y2 JP 2547801 Y2 JP2547801 Y2 JP 2547801Y2 JP 1991086927 U JP1991086927 U JP 1991086927U JP 8692791 U JP8692791 U JP 8692791U JP 2547801 Y2 JP2547801 Y2 JP 2547801Y2
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- shaft
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- gear
- lubricating oil
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- Lubrication Details And Ventilation Of Internal Combustion Engines (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、バランサ装置付きエン
ジンにおける飛沫潤滑装置に関する。
ジンにおける飛沫潤滑装置に関する。
【0002】
【従来技術】エンジンに用いられるバランサ装置は、ピ
ストンの往復慣性力をバランサウェイトの遠心力で釣り
合わせ、エンジンの振動の軽減を図る装置である。この
装置は、単気筒エンジンのように、ピストン相互の往復
慣性力の釣り合いによっては振動の軽減ができない場合
に有益である。このため、この装置は、単気筒エンジン
等に広く採用されている。一方、飛沫潤滑装置は、クラ
ンク室内の下部に溜められた潤滑油を跳ね上げ装置でク
ランク室内に跳ね上げ、潤滑油を飛沫にして、クランク
軸等に供給する装置である。この装置は、圧送潤滑装置
のように潤滑油ポンプや潤滑油供給通路を必要とせず、
簡易に構成することができる。このため、この装置は、
低コスト化が要請される汎用エンジンに広く採用されて
いる。
ストンの往復慣性力をバランサウェイトの遠心力で釣り
合わせ、エンジンの振動の軽減を図る装置である。この
装置は、単気筒エンジンのように、ピストン相互の往復
慣性力の釣り合いによっては振動の軽減ができない場合
に有益である。このため、この装置は、単気筒エンジン
等に広く採用されている。一方、飛沫潤滑装置は、クラ
ンク室内の下部に溜められた潤滑油を跳ね上げ装置でク
ランク室内に跳ね上げ、潤滑油を飛沫にして、クランク
軸等に供給する装置である。この装置は、圧送潤滑装置
のように潤滑油ポンプや潤滑油供給通路を必要とせず、
簡易に構成することができる。このため、この装置は、
低コスト化が要請される汎用エンジンに広く採用されて
いる。
【0003】バランサ装置付きエンジンの従来技術とし
て、図7に示すものがある。これは、クランク室101
内に架設されたクランク軸102と平行にバランサ軸1
03が架設され、このバランサ軸103にその回転中心
104から偏心したバランサウェイト105が形成さ
れ、バランサ軸103が調時伝動装置を介してクランク
軸102から回転連動されるように構成されている。こ
のバランサ軸103は、クランク軸102の横側に軸架
され、バランサウェイト105が潤滑油106の規定油
面107の上方で回転するように構成されている。
て、図7に示すものがある。これは、クランク室101
内に架設されたクランク軸102と平行にバランサ軸1
03が架設され、このバランサ軸103にその回転中心
104から偏心したバランサウェイト105が形成さ
れ、バランサ軸103が調時伝動装置を介してクランク
軸102から回転連動されるように構成されている。こ
のバランサ軸103は、クランク軸102の横側に軸架
され、バランサウェイト105が潤滑油106の規定油
面107の上方で回転するように構成されている。
【0004】上記従来技術では、次のような飛沫潤滑装
置が設けられている。すなわち、コンロッドキャップ1
08からオイルスプーン109が下向きに突設され、こ
のオイルスプーン109の先端部が回動軌跡110に沿
って、潤滑油106の規定油面107の上下にわたって
回動するように構成され、潤滑油106がオイルスプー
ン109の先端部でクランク室101内に跳ね上げられ
るようになっている。このオイルスプーン109はコン
ロッドキャップ108と一体鋳造で形成されている。ま
た、他に、オイルスプーン109が板金で形成され、コ
ンロッドボルト111でコンロッドキャップ108に固
定されたものもある。
置が設けられている。すなわち、コンロッドキャップ1
08からオイルスプーン109が下向きに突設され、こ
のオイルスプーン109の先端部が回動軌跡110に沿
って、潤滑油106の規定油面107の上下にわたって
回動するように構成され、潤滑油106がオイルスプー
ン109の先端部でクランク室101内に跳ね上げられ
るようになっている。このオイルスプーン109はコン
ロッドキャップ108と一体鋳造で形成されている。ま
た、他に、オイルスプーン109が板金で形成され、コ
ンロッドボルト111でコンロッドキャップ108に固
定されたものもある。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】上記従来技術では、次
の問題がある。 バランサ軸103がクランク軸102の横側に軸架さ
れているので、バランサウェイト105との干渉を避け
るために、クランク室101の横幅を広くする必要があ
り、エンジンが大型化する。
の問題がある。 バランサ軸103がクランク軸102の横側に軸架さ
れているので、バランサウェイト105との干渉を避け
るために、クランク室101の横幅を広くする必要があ
り、エンジンが大型化する。
【0006】オイルスプーン109がコンロッドキャ
ップ108と一体鋳造で形成されているので、このコン
ロッドキャップ108を圧送潤滑式エンジンと共用する
ことができない。圧送潤滑式エンジンにこのコンロッド
キャップ108を用いると、オイルスプーン109との
干渉を避けるために他の部品(例えば、オイル吸い込み
口のオイルストレーナ)の配置選定が制限される等、圧
送潤滑式エンジンを設計する上で大きな不利益が生じる
からである。このように、オイルスプーン109がコン
ロッドキャップ108と一体鋳造で形成されている場合
には、このコンロッドキャップ108は飛沫潤滑式エン
ジンの専用部品としてしか用いられず、コスト高とな
る。
ップ108と一体鋳造で形成されているので、このコン
ロッドキャップ108を圧送潤滑式エンジンと共用する
ことができない。圧送潤滑式エンジンにこのコンロッド
キャップ108を用いると、オイルスプーン109との
干渉を避けるために他の部品(例えば、オイル吸い込み
口のオイルストレーナ)の配置選定が制限される等、圧
送潤滑式エンジンを設計する上で大きな不利益が生じる
からである。このように、オイルスプーン109がコン
ロッドキャップ108と一体鋳造で形成されている場合
には、このコンロッドキャップ108は飛沫潤滑式エン
ジンの専用部品としてしか用いられず、コスト高とな
る。
【0007】オイルスプーン109が板金で形成され
たものの場合には、オイルスプーン109とコンロッド
キャップ108とが別部品となるため、オイルスプーン
109がコンロッドキャップ108と一体鋳造されてい
る場合に比べ、部品点数が多くなる。また、コンロッド
キャップ108を固定する際に、オイルスプーン109
をコンロッドボルト111で同時に固定しなければなら
ないため、コンロッドキャップ108の固定作業が繁雑
となり、エンジンの製造能率が低下する。
たものの場合には、オイルスプーン109とコンロッド
キャップ108とが別部品となるため、オイルスプーン
109がコンロッドキャップ108と一体鋳造されてい
る場合に比べ、部品点数が多くなる。また、コンロッド
キャップ108を固定する際に、オイルスプーン109
をコンロッドボルト111で同時に固定しなければなら
ないため、コンロッドキャップ108の固定作業が繁雑
となり、エンジンの製造能率が低下する。
【0008】クランク軸102の回転数が高まると、
オイルスプーン109の回転数も高まり、潤滑油106
の飛沫量が適量以上に増加し、これがブレザ室(図外)
の潤滑油分離能力を越え、ブレザ室から大気中に潤滑油
が吹き出す場合がある。
オイルスプーン109の回転数も高まり、潤滑油106
の飛沫量が適量以上に増加し、これがブレザ室(図外)
の潤滑油分離能力を越え、ブレザ室から大気中に潤滑油
が吹き出す場合がある。
【0009】本考案は、クランク室の横幅を狭くでき、
コンロッドキャップを圧送潤滑式エンジンにも共用で
き、少ない部品点数で能率的に製造でき、ブレザ室から
の潤滑油の吹き出しを防止できる、バランサ装置付きエ
ンジンにおける飛沫潤滑装置を提供することを、その課
題とする。
コンロッドキャップを圧送潤滑式エンジンにも共用で
き、少ない部品点数で能率的に製造でき、ブレザ室から
の潤滑油の吹き出しを防止できる、バランサ装置付きエ
ンジンにおける飛沫潤滑装置を提供することを、その課
題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本考案は、図1に例示す
るように、クランク室(1)内でクランク軸(2)の横側に
動弁カム軸(38)を配置し、クランク軸(2)の下方にバラ
ンサ軸(3)が架設され、バランサ軸(3)にその回転中心
(4)から偏心したバランサウェイト(5)が形成され、バ
ランサ軸(3)が、そのバランサ軸(3)に設けたバランサ
ギヤ(61)を介してクランク軸(2)から回転連動されるよ
うに構成され、ガバナ軸(47)が動弁カム軸(38)の下方に
配置され、ガバナ軸(47)が、そのガバナ軸(47)に設けた
ガバナギヤ(63)を介してクランク軸(2)から回転連動さ
れるように構成し、バランサ軸(3)とガバナ軸(47)と
が、クランク室(1)内下部に溜められた潤滑油(6)の規
定油面(7)付近にそれぞれ配置されることによって、バ
ランサウェイト(5)とバランサギヤ(61)とガバナギヤ(6
3)とが潤滑油(6)の規定油面(7)の上下にわたってそれ
ぞれ回転するように構成されたバランサ装置付きエンジ
ンにおいて、次のように構成されていることを特徴とす
る。
るように、クランク室(1)内でクランク軸(2)の横側に
動弁カム軸(38)を配置し、クランク軸(2)の下方にバラ
ンサ軸(3)が架設され、バランサ軸(3)にその回転中心
(4)から偏心したバランサウェイト(5)が形成され、バ
ランサ軸(3)が、そのバランサ軸(3)に設けたバランサ
ギヤ(61)を介してクランク軸(2)から回転連動されるよ
うに構成され、ガバナ軸(47)が動弁カム軸(38)の下方に
配置され、ガバナ軸(47)が、そのガバナ軸(47)に設けた
ガバナギヤ(63)を介してクランク軸(2)から回転連動さ
れるように構成し、バランサ軸(3)とガバナ軸(47)と
が、クランク室(1)内下部に溜められた潤滑油(6)の規
定油面(7)付近にそれぞれ配置されることによって、バ
ランサウェイト(5)とバランサギヤ(61)とガバナギヤ(6
3)とが潤滑油(6)の規定油面(7)の上下にわたってそれ
ぞれ回転するように構成されたバランサ装置付きエンジ
ンにおいて、次のように構成されていることを特徴とす
る。
【0011】すなわち、バランサ軸(3)の回転中心(4)
側から周囲方向に延びたバランサウェイト肩面(8)で、
潤滑油(6)がクランク室(1)内に跳ね上げられるように
構成され、バランサ軸(3)の回転に伴い、バランサウェ
イト肩面(8)が、潤滑油(6)の規定油面(7)に対して沈
み込む位置よりも浮き上がる位置の方が動弁カム軸(38)
に近い側に位置するように構成し、ガバナ軸(47)の回転
に伴い、ガバナギヤ(63)の歯の部分が、潤滑油(6)の規
定油面(7)に対して沈み込む位置よりも浮き上がる位置
の方がクランク軸(2)に近い側に位置するように構成
し、バランサ軸(3)とガバナ軸(47)との間に1枚の遮蔽
板(9)を設けることによって、バランサウェイト(5)と
バランサギヤ(61)とガバナギヤ(63)とでそれぞれ跳ね上
げた潤滑油(6)のクランク室(1)内での飛散を抑制する
ように構成したものである。
側から周囲方向に延びたバランサウェイト肩面(8)で、
潤滑油(6)がクランク室(1)内に跳ね上げられるように
構成され、バランサ軸(3)の回転に伴い、バランサウェ
イト肩面(8)が、潤滑油(6)の規定油面(7)に対して沈
み込む位置よりも浮き上がる位置の方が動弁カム軸(38)
に近い側に位置するように構成し、ガバナ軸(47)の回転
に伴い、ガバナギヤ(63)の歯の部分が、潤滑油(6)の規
定油面(7)に対して沈み込む位置よりも浮き上がる位置
の方がクランク軸(2)に近い側に位置するように構成
し、バランサ軸(3)とガバナ軸(47)との間に1枚の遮蔽
板(9)を設けることによって、バランサウェイト(5)と
バランサギヤ(61)とガバナギヤ(63)とでそれぞれ跳ね上
げた潤滑油(6)のクランク室(1)内での飛散を抑制する
ように構成したものである。
【0012】
【作用】本考案は、次のように作用する。クランク軸
(2)が回転することによって、バランサギヤ(61)を介し
てバランサ軸(3)が回転連動されてバランサウェイト
(5)が回転し、また、ガバナギヤ(63)を介してガバナ軸
(47)が回転連動される。
(2)が回転することによって、バランサギヤ(61)を介し
てバランサ軸(3)が回転連動されてバランサウェイト
(5)が回転し、また、ガバナギヤ(63)を介してガバナ軸
(47)が回転連動される。
【0013】すると、潤滑油(6)が、バランサウェイト
肩面(8)やバランサギヤ(61)やガバナギヤ(63)によって
クランク室(1)内に飛沫状態で跳ね上げられ、この潤滑
油(6)がクランク軸(2)や動弁カム軸(38)等に跳ね掛け
られることで、これらの潤滑が行われる。
肩面(8)やバランサギヤ(61)やガバナギヤ(63)によって
クランク室(1)内に飛沫状態で跳ね上げられ、この潤滑
油(6)がクランク軸(2)や動弁カム軸(38)等に跳ね掛け
られることで、これらの潤滑が行われる。
【0014】この場合、バランサウェイト肩面(8)やバ
ランサギヤ(61)やガバナギヤ(63)によって跳ね上げられ
ようとする潤滑油(6)の一部は遮蔽板(9)に当たって、
クランク室(1)内への過剰な跳ね上がりが抑制される。
ランサギヤ(61)やガバナギヤ(63)によって跳ね上げられ
ようとする潤滑油(6)の一部は遮蔽板(9)に当たって、
クランク室(1)内への過剰な跳ね上がりが抑制される。
【0015】また、バランサウェイト肩部(8)やバラン
サギヤ(61)やガバナギヤ(63)で潤滑油(6)を跳ね上げる
ので、オイルスプーンを設けなくても、クランク軸(2)
や動弁カム軸(38)等への十分な潤滑が可能になる。
サギヤ(61)やガバナギヤ(63)で潤滑油(6)を跳ね上げる
ので、オイルスプーンを設けなくても、クランク軸(2)
や動弁カム軸(38)等への十分な潤滑が可能になる。
【0016】
【考案の効果】本考案は、上記のように構成され作用す
ることから次の効果を奏する。 バランサウェイト肩面が潤滑油に沈み込む位置より
も潤滑油から浮き上がる位置の方が動弁カム軸に近い側
に位置するようにバランサ軸が回転するので、バランサ
ウェイト肩部やバランサギヤによって跳ね上げられた潤
滑油は、動弁カム軸側へ向かいやすくなり、クランク軸
が低回転のときにも動弁カム軸やタペットを十分に潤滑
させることができる。
ることから次の効果を奏する。 バランサウェイト肩面が潤滑油に沈み込む位置より
も潤滑油から浮き上がる位置の方が動弁カム軸に近い側
に位置するようにバランサ軸が回転するので、バランサ
ウェイト肩部やバランサギヤによって跳ね上げられた潤
滑油は、動弁カム軸側へ向かいやすくなり、クランク軸
が低回転のときにも動弁カム軸やタペットを十分に潤滑
させることができる。
【0017】 上述のようにバランサウェイト肩面が
潤滑油に沈み込む位置よりも潤滑油から浮き上がる位置
の方が動弁カム軸に近い側に位置するうえ、ガバナギヤ
の歯の部分が潤滑油に沈み込む位置よりも潤滑油から浮
き上がる位置の方がクランク軸に近い側に位置するの
で、バランサウェイトとバランサギヤとガバナギヤとに
よって潤滑油は主にクランク軸や動弁カム軸に跳ね掛け
られ、潤滑油がクランク室の壁に無駄に跳ね掛かけられ
ることが抑制される。
潤滑油に沈み込む位置よりも潤滑油から浮き上がる位置
の方が動弁カム軸に近い側に位置するうえ、ガバナギヤ
の歯の部分が潤滑油に沈み込む位置よりも潤滑油から浮
き上がる位置の方がクランク軸に近い側に位置するの
で、バランサウェイトとバランサギヤとガバナギヤとに
よって潤滑油は主にクランク軸や動弁カム軸に跳ね掛け
られ、潤滑油がクランク室の壁に無駄に跳ね掛かけられ
ることが抑制される。
【0018】つまり、コンロッド大端部とクランクピン
との間や、動弁カムとタペットとの間や、ピストンとシ
リンダライナとの間のような潤滑が必要な箇所、あるい
はピストンの内側のような冷却の必要な箇所へ潤滑油を
効率よく跳ね掛けることができる。
との間や、動弁カムとタペットとの間や、ピストンとシ
リンダライナとの間のような潤滑が必要な箇所、あるい
はピストンの内側のような冷却の必要な箇所へ潤滑油を
効率よく跳ね掛けることができる。
【0019】 クランク軸の回転上昇に伴ってバラン
サウェイトとバランサギヤとガバナギヤとがそれぞれ回
転上昇したときに、動弁カム軸側及びクランク軸側への
潤滑油の飛沫量が過剰になることが1枚の遮蔽板で抑制
できるので、クランク軸の高回転時でも動弁カム軸やク
ランク軸を適正に潤滑できるうえ、バランサウェイトと
バランサギヤとガバナギヤとによる潤滑油の飛散を抑制
するために遮蔽板を複数枚設けなくても済む分、製造コ
ストの上昇を抑えることができる。
サウェイトとバランサギヤとガバナギヤとがそれぞれ回
転上昇したときに、動弁カム軸側及びクランク軸側への
潤滑油の飛沫量が過剰になることが1枚の遮蔽板で抑制
できるので、クランク軸の高回転時でも動弁カム軸やク
ランク軸を適正に潤滑できるうえ、バランサウェイトと
バランサギヤとガバナギヤとによる潤滑油の飛散を抑制
するために遮蔽板を複数枚設けなくても済む分、製造コ
ストの上昇を抑えることができる。
【0020】
【実施例】本考案の実施例を図面に基づいて説明する。
図1は本考案の実施例に係るバランサ装置を備えた飛沫
潤滑式空冷単気筒ガソリンエンジンの縦断面正面図であ
る。図2は図1のエンジンの下部の縦断面正面図であ
る。図3は図1のエンジンの横断面平面図である。図4
は図1のエンジンに用いられている遠心式ガバナ装置の
横断面平面図である。図5は図1のエンジンに用いられ
ている飛沫潤滑装置の斜視図である。
図1は本考案の実施例に係るバランサ装置を備えた飛沫
潤滑式空冷単気筒ガソリンエンジンの縦断面正面図であ
る。図2は図1のエンジンの下部の縦断面正面図であ
る。図3は図1のエンジンの横断面平面図である。図4
は図1のエンジンに用いられている遠心式ガバナ装置の
横断面平面図である。図5は図1のエンジンに用いられ
ている飛沫潤滑装置の斜視図である。
【0021】図1に示すエンジンは次のように構成され
ている。シリンダ本体10の下側にクランク室1が一体
成型されてシリンダブロック11が形成されている。ク
ランク室1の前側にクランク室カバー12(図3参照)
が組み付けられている。シリンダ本体10の上側にシリ
ンダヘッド13とヘッドカバー14とが順に組み付けら
れている。ヘッドカバー14上に燃料タンク15が配置
されている。クランク室1の下部に潤滑油6が溜められ
ている。
ている。シリンダ本体10の下側にクランク室1が一体
成型されてシリンダブロック11が形成されている。ク
ランク室1の前側にクランク室カバー12(図3参照)
が組み付けられている。シリンダ本体10の上側にシリ
ンダヘッド13とヘッドカバー14とが順に組み付けら
れている。ヘッドカバー14上に燃料タンク15が配置
されている。クランク室1の下部に潤滑油6が溜められ
ている。
【0022】また、シリンダ本体10にシリンダライナ
16が内嵌され、シリンダライナ16にピストン28が
昇降摺動自在に内嵌されている。シリンダヘッド13の
底面とピストンヘッド18にそれぞれ窪みが設けられ、
この窪みで燃焼室20が構成されている。ピストン28
にコンロッド21を介してクランク軸2が連動連結され
ている。図3に示すように、クランク軸2は、一対の前
後クランクアーム22・23の間にクランクピン24が
架設され、前後クランクアーム22・23から前後方向
に前後クランクジャーナル25・26が突設されて構成
されている。この前後クランクジャーナル25・26が
クランク室カバー11とクランク室1の後壁27とにそ
れぞれベアリング軸受を介して軸受され、これによりク
ランク軸2がクランク室1内で前後方向に軸架されてい
る。図1に示すように、クランクピン24はコンロッド
大端部57に内嵌され、図1に示すようにコンロッド大
端部57にはコンロッドキャップ17がコンロッドボル
ト19で固定されている。
16が内嵌され、シリンダライナ16にピストン28が
昇降摺動自在に内嵌されている。シリンダヘッド13の
底面とピストンヘッド18にそれぞれ窪みが設けられ、
この窪みで燃焼室20が構成されている。ピストン28
にコンロッド21を介してクランク軸2が連動連結され
ている。図3に示すように、クランク軸2は、一対の前
後クランクアーム22・23の間にクランクピン24が
架設され、前後クランクアーム22・23から前後方向
に前後クランクジャーナル25・26が突設されて構成
されている。この前後クランクジャーナル25・26が
クランク室カバー11とクランク室1の後壁27とにそ
れぞれベアリング軸受を介して軸受され、これによりク
ランク軸2がクランク室1内で前後方向に軸架されてい
る。図1に示すように、クランクピン24はコンロッド
大端部57に内嵌され、図1に示すようにコンロッド大
端部57にはコンロッドキャップ17がコンロッドボル
ト19で固定されている。
【0023】また、図1に示すように、燃焼室20に
は、点火プラグ30、吸気バルブ31、排気バルブ(図
外)が臨まされている。吸気バルブ31が設けられた吸
気ポート32は、気化器33と連通されている。吸気バ
ルブ31は、動弁カム34から動弁機構を介して動弁作
動されるようになっている。気化器33は調速機構で調
節されるようになっている。
は、点火プラグ30、吸気バルブ31、排気バルブ(図
外)が臨まされている。吸気バルブ31が設けられた吸
気ポート32は、気化器33と連通されている。吸気バ
ルブ31は、動弁カム34から動弁機構を介して動弁作
動されるようになっている。気化器33は調速機構で調
節されるようになっている。
【0024】動弁機構の構成は次の通りである。ヘッド
カバー14内にロッカアーム35が設けられ、このロッ
カアーム35の出力端部が吸気バルブ31の弁軸頭部に
接当され、入力端部がプッシュロッド36の頭部に接当
されている。プッシュロッド36の下端部はタペット3
7上に載置され、タペット37の下端部は動弁カム34
のカム面上に載置されている。動弁カム34が付設され
た動弁カム軸38は、図3に示すように、その前後端部
がクランク室カバー12の壁とクランク室1の後壁27
とにそれぞれ軸受けされ、これにより動弁カム軸38が
クランク室1内で前後方向に軸架されている。動弁カム
軸38は、後述する調時伝動装置を介してクランク軸2
から連動されるようになっている。
カバー14内にロッカアーム35が設けられ、このロッ
カアーム35の出力端部が吸気バルブ31の弁軸頭部に
接当され、入力端部がプッシュロッド36の頭部に接当
されている。プッシュロッド36の下端部はタペット3
7上に載置され、タペット37の下端部は動弁カム34
のカム面上に載置されている。動弁カム34が付設され
た動弁カム軸38は、図3に示すように、その前後端部
がクランク室カバー12の壁とクランク室1の後壁27
とにそれぞれ軸受けされ、これにより動弁カム軸38が
クランク室1内で前後方向に軸架されている。動弁カム
軸38は、後述する調時伝動装置を介してクランク軸2
から連動されるようになっている。
【0025】調速機構の構成は次の通りである。図1に
示すように、調速レバー39にガバナスプリング40を
介してガバナレバー41が連動連結され、ガバナレバー
41に連動ロッド42を介して気化器33のスロットル
バルブアーム43が連動連結されている。ガバナレバー
41の下端部はガバナレバー軸44の基端部に取り付け
られ、ガバナレバー軸44はクランク室1の横壁45に
回転自在に挿通され、ガバナレバー41が揺動できるよ
うに構成されている。ガバナレバー軸44の先端部は遠
心式ガバナ46に連携されている。
示すように、調速レバー39にガバナスプリング40を
介してガバナレバー41が連動連結され、ガバナレバー
41に連動ロッド42を介して気化器33のスロットル
バルブアーム43が連動連結されている。ガバナレバー
41の下端部はガバナレバー軸44の基端部に取り付け
られ、ガバナレバー軸44はクランク室1の横壁45に
回転自在に挿通され、ガバナレバー41が揺動できるよ
うに構成されている。ガバナレバー軸44の先端部は遠
心式ガバナ46に連携されている。
【0026】遠心式ガバナ46の構成は次の通りであ
る。図4に示すように、ガバナ軸47に椀状のガバナケ
ース48が回転自在が軸支されている。ガバナケース4
8の内底部にフライウェイト49の基端部が枢支され、
回転によってフライウェイト49の先端部が外向きに揺
動するように構成されている。フライウェイト49の基
端部に爪50がガバナ軸47に向けて突設されている。
ガバナ軸47の先端部にスライドキャップ51が摺動自
在に嵌められスライドキャップ51の先端面にガバナレ
バー軸44の先端部52が接当されている。スライドキ
ャップ51の基端にフランジ部53が設けられ、このフ
ランジ部53にフライウェイト49の爪50が接当され
ている。ガバナ軸47の基端部はクランク室カバー12
の壁に片持ちで支持され、遠心式ガバナ46がクランク
室カバー12から後ろ向きに突設されている。
る。図4に示すように、ガバナ軸47に椀状のガバナケ
ース48が回転自在が軸支されている。ガバナケース4
8の内底部にフライウェイト49の基端部が枢支され、
回転によってフライウェイト49の先端部が外向きに揺
動するように構成されている。フライウェイト49の基
端部に爪50がガバナ軸47に向けて突設されている。
ガバナ軸47の先端部にスライドキャップ51が摺動自
在に嵌められスライドキャップ51の先端面にガバナレ
バー軸44の先端部52が接当されている。スライドキ
ャップ51の基端にフランジ部53が設けられ、このフ
ランジ部53にフライウェイト49の爪50が接当され
ている。ガバナ軸47の基端部はクランク室カバー12
の壁に片持ちで支持され、遠心式ガバナ46がクランク
室カバー12から後ろ向きに突設されている。
【0027】この遠心式ガバナ46によれば、フライウ
ェイト49の回転速度が増加すると、フライウェイト4
9の先端部が矢印54のように揺動し、爪50が起き、
スライドキャップ51が摺動され、ガバナレバー軸の先
端部52が、矢印55のように押されて、図1に示すガ
バナレバー41が揺動され、気化器33のスロットルバ
ルブの開度が小さく調節されることになる。遠心式ガバ
ナ46は、後述する調時伝動装置を介してクランク軸2
から連動されるようになっている。
ェイト49の回転速度が増加すると、フライウェイト4
9の先端部が矢印54のように揺動し、爪50が起き、
スライドキャップ51が摺動され、ガバナレバー軸の先
端部52が、矢印55のように押されて、図1に示すガ
バナレバー41が揺動され、気化器33のスロットルバ
ルブの開度が小さく調節されることになる。遠心式ガバ
ナ46は、後述する調時伝動装置を介してクランク軸2
から連動されるようになっている。
【0028】このエンジンはバランサ装置を備えてお
り、これは次のようになっている。図3に示すように、
クランク室1内にクランク軸2と平行にバランサ軸3が
架設され、このバランサ軸3にその回転中心から偏心し
たバランサウェイト5が形成されている。バランサウェ
イト5は前後に分配された半円柱状のブロック56・5
6として形成され、図5に示すように、その上面にバラ
ンサ軸3の回転中心4側から周囲方向に向かうバランサ
ウェイト肩面8が形成されている。図3に示すように、
バランサウェイト5を構成する両ブロック56・56
は、コンロッド大端部57と対向する小径部59で連接
され、バランサウェイト5とコンロッド大端部57との
干渉が避けられるようになっている。バランサ軸3の両
端部はクランク室1の後壁27とクランク室カバー12
の壁とにそれぞれ軸受けされ、これによりバランサ軸3
がクランク室1で前後方向に軸架されるようになってい
る。
り、これは次のようになっている。図3に示すように、
クランク室1内にクランク軸2と平行にバランサ軸3が
架設され、このバランサ軸3にその回転中心から偏心し
たバランサウェイト5が形成されている。バランサウェ
イト5は前後に分配された半円柱状のブロック56・5
6として形成され、図5に示すように、その上面にバラ
ンサ軸3の回転中心4側から周囲方向に向かうバランサ
ウェイト肩面8が形成されている。図3に示すように、
バランサウェイト5を構成する両ブロック56・56
は、コンロッド大端部57と対向する小径部59で連接
され、バランサウェイト5とコンロッド大端部57との
干渉が避けられるようになっている。バランサ軸3の両
端部はクランク室1の後壁27とクランク室カバー12
の壁とにそれぞれ軸受けされ、これによりバランサ軸3
がクランク室1で前後方向に軸架されるようになってい
る。
【0029】このバランサ装置によれば、回転によって
発生するバランサウェイト5の遠心力がピストン28
(図1参照)の往復慣性力と釣り合わされ、エンジンの
振動が低減されることになる。バランサ軸3は調時伝動
装置を介してクランク軸2から連動されるようになって
いる。
発生するバランサウェイト5の遠心力がピストン28
(図1参照)の往復慣性力と釣り合わされ、エンジンの
振動が低減されることになる。バランサ軸3は調時伝動
装置を介してクランク軸2から連動されるようになって
いる。
【0030】調時伝動装置は次のように構成されてい
る。図3に示すように、クランク軸2に大径クランクギ
ヤ59と小径クランクギヤ60とが嵌着されている。バ
ランサ軸3にバランサギヤ61が嵌着されている。動弁
カム軸38に動弁ギヤ62が嵌着されている。図4に示
すように、ガバナケース48の周囲にガバナギヤ63が
形成されている。図3に示すように、大径クランクギヤ
59とバランサギヤ61とが噛合され、小径クランクギ
ヤ60と動弁ギヤ62とが噛合されている。また、図2
に示すように、動弁ギヤ62とガバナギヤ63とが噛合
されている。
る。図3に示すように、クランク軸2に大径クランクギ
ヤ59と小径クランクギヤ60とが嵌着されている。バ
ランサ軸3にバランサギヤ61が嵌着されている。動弁
カム軸38に動弁ギヤ62が嵌着されている。図4に示
すように、ガバナケース48の周囲にガバナギヤ63が
形成されている。図3に示すように、大径クランクギヤ
59とバランサギヤ61とが噛合され、小径クランクギ
ヤ60と動弁ギヤ62とが噛合されている。また、図2
に示すように、動弁ギヤ62とガバナギヤ63とが噛合
されている。
【0031】この調時伝動装置では、図2に示すよう
に、クランク軸2とともに大径クランクギヤ59と小径
クランクギヤ60とが矢印64のように時計回りに回転
すると、バランサギヤ61が矢印65のように反時計回
りに回転連動され、また、動弁ギヤ62が矢印66のよ
うに反時計回りに回転連動されるとともに、ガバナギヤ
63が矢印67のように時計回りに回転連動される。こ
のため、クランク軸2が回転すると、バランサ軸3が反
時計回りに回転連動され、動弁カム軸38が反時計回り
に回転連動され、遠心式ガバナ46が時計回りに回転連
動される。
に、クランク軸2とともに大径クランクギヤ59と小径
クランクギヤ60とが矢印64のように時計回りに回転
すると、バランサギヤ61が矢印65のように反時計回
りに回転連動され、また、動弁ギヤ62が矢印66のよ
うに反時計回りに回転連動されるとともに、ガバナギヤ
63が矢印67のように時計回りに回転連動される。こ
のため、クランク軸2が回転すると、バランサ軸3が反
時計回りに回転連動され、動弁カム軸38が反時計回り
に回転連動され、遠心式ガバナ46が時計回りに回転連
動される。
【0032】このエンジンの飛沫潤滑装置は次のように
構成されている。図2に示すように、バランサ軸3がク
ランク軸2の下方で軸支され、バランサ軸3の回転中心
4が、潤滑油6の規定油面7付近に配置され、バランサ
ウェイト5が潤滑油6の規定油面7の上下にわたって回
転するように構成されている。これにより、バランサ軸
3の回転中心4側から周囲方向に延びたバランサウェイ
ト肩面8で、潤滑油6がクランク室1内に跳ね上げられ
る。また、バランサギヤ61の下半部と遠心式ガバナ4
6の下半部が潤滑油6に漬けられている。潤滑油跳ね上
げ側であるバランサウェイト5の右側で、潤滑油6の規
定油面7から下向きに遮蔽板9が設けられている。図5
に示すように、この遮蔽板9はクランク室1の後壁から
バランサギヤ61の右側を経てガバナギヤ63の左側に
まで導出されている。この遮蔽板9はシリンダブロック
11と一体鋳造で形成されている。
構成されている。図2に示すように、バランサ軸3がク
ランク軸2の下方で軸支され、バランサ軸3の回転中心
4が、潤滑油6の規定油面7付近に配置され、バランサ
ウェイト5が潤滑油6の規定油面7の上下にわたって回
転するように構成されている。これにより、バランサ軸
3の回転中心4側から周囲方向に延びたバランサウェイ
ト肩面8で、潤滑油6がクランク室1内に跳ね上げられ
る。また、バランサギヤ61の下半部と遠心式ガバナ4
6の下半部が潤滑油6に漬けられている。潤滑油跳ね上
げ側であるバランサウェイト5の右側で、潤滑油6の規
定油面7から下向きに遮蔽板9が設けられている。図5
に示すように、この遮蔽板9はクランク室1の後壁から
バランサギヤ61の右側を経てガバナギヤ63の左側に
まで導出されている。この遮蔽板9はシリンダブロック
11と一体鋳造で形成されている。
【0033】この飛沫潤滑装置では、図2に示すよう
に、潤滑油6が次のように跳ね上げられる。矢印68の
ように反時計回りに回転するバランサウェイト5のバラ
ンサ肩面8で、潤滑油6が矢印69のように跳ね上げら
れる。また、矢印65のように反時計回りに回転するバ
ランサギヤ61で、潤滑油6が矢印70のように跳ね上
げられる。また、矢印67のように時計回りに回転する
ガバナギヤ63で、潤滑油6が矢印71のように跳ね上
げられる。この潤滑油6の跳ね上げ状態は図5にも示さ
れている。
に、潤滑油6が次のように跳ね上げられる。矢印68の
ように反時計回りに回転するバランサウェイト5のバラ
ンサ肩面8で、潤滑油6が矢印69のように跳ね上げら
れる。また、矢印65のように反時計回りに回転するバ
ランサギヤ61で、潤滑油6が矢印70のように跳ね上
げられる。また、矢印67のように時計回りに回転する
ガバナギヤ63で、潤滑油6が矢印71のように跳ね上
げられる。この潤滑油6の跳ね上げ状態は図5にも示さ
れている。
【0034】この飛沫潤滑装置によれば、図2に示すよ
うに、跳ね上げられた潤滑油6の飛沫は、クランク軸2
や動弁カム軸38に跳ね掛けられて、コンロッド大端部
57とクランクピン24との潤滑や、動弁カム34とタ
ペット37との潤滑等が行われることになる。また、飛
沫の一部はシリンダライナ16の内周面に跳ね掛けら
れ、ピストン28(図1参照)とシリンダライナ16と
の間の潤滑が行われる。また、飛沫の一部はピストン2
8の内側に跳ね掛けられ、ピストン28の冷却が行われ
る。この場合、バランサウェイト肩面8、バランサギヤ
61、ガバナギヤ63でそれぞれ跳ね上げられようとす
る潤滑油6の一部は遮蔽板9に当たり、クランク1室へ
の跳ね上がりが邪魔されるので、バランサウェイト5、
バランサギヤ61、ガバナギヤ63の回転数の増加で潤
滑油6の飛沫量が異常に増加することがない。
うに、跳ね上げられた潤滑油6の飛沫は、クランク軸2
や動弁カム軸38に跳ね掛けられて、コンロッド大端部
57とクランクピン24との潤滑や、動弁カム34とタ
ペット37との潤滑等が行われることになる。また、飛
沫の一部はシリンダライナ16の内周面に跳ね掛けら
れ、ピストン28(図1参照)とシリンダライナ16と
の間の潤滑が行われる。また、飛沫の一部はピストン2
8の内側に跳ね掛けられ、ピストン28の冷却が行われ
る。この場合、バランサウェイト肩面8、バランサギヤ
61、ガバナギヤ63でそれぞれ跳ね上げられようとす
る潤滑油6の一部は遮蔽板9に当たり、クランク1室へ
の跳ね上がりが邪魔されるので、バランサウェイト5、
バランサギヤ61、ガバナギヤ63の回転数の増加で潤
滑油6の飛沫量が異常に増加することがない。
【0035】このエンジンはブレザ装置を備えており、
これは次のように構成されている。図1に示すように、
クランク室1がプッシュロッド室72を介してブレザ室
73に連通されている。ブレザ室73内にはリード弁7
4が設けられている。ブレザ室73はリード弁74の流
路下手側にある大気連通パイプ75を介して大気中に解
放されている。ブレザ室73はシリンダヘッド13とヘ
ッドカバー14とにわたって形成され、リード弁74は
シリンダヘッド13とヘッドカバー14とに挟まれて固
定されている。尚、プッシュロッド室72はロッカアー
ム室76とも連通されている。
これは次のように構成されている。図1に示すように、
クランク室1がプッシュロッド室72を介してブレザ室
73に連通されている。ブレザ室73内にはリード弁7
4が設けられている。ブレザ室73はリード弁74の流
路下手側にある大気連通パイプ75を介して大気中に解
放されている。ブレザ室73はシリンダヘッド13とヘ
ッドカバー14とにわたって形成され、リード弁74は
シリンダヘッド13とヘッドカバー14とに挟まれて固
定されている。尚、プッシュロッド室72はロッカアー
ム室76とも連通されている。
【0036】このブレザ装置によれば、燃焼室20から
クランク室1内に漏れ出たブローバイガスが潤滑油6の
飛沫を巻き込み、この飛沫をミスト状にし、これを伴い
ながら、プッシュロッド室72を介してブレザ室73に
流入する。そして、ブレザ室内73のリード弁74でブ
ローバイガスから潤滑油が分離され、潤滑油が除去され
たブローバイガスが大気連通パイプ75から大気中に放
出される。この場合、上述のように、バランサウェイト
5等の回転増加によって潤滑油6の飛沫量が異常に増加
することがないので、ブレザ室73から潤滑油が吹き出
すことがない。尚、ミスト状の潤滑油を伴ったブローバ
イガスはプッシュロッド室72からロッカアーム室76
にも流入し、ロッカアーム35に潤滑油が供給され、ロ
ッカアーム35の潤滑が行われる。
クランク室1内に漏れ出たブローバイガスが潤滑油6の
飛沫を巻き込み、この飛沫をミスト状にし、これを伴い
ながら、プッシュロッド室72を介してブレザ室73に
流入する。そして、ブレザ室内73のリード弁74でブ
ローバイガスから潤滑油が分離され、潤滑油が除去され
たブローバイガスが大気連通パイプ75から大気中に放
出される。この場合、上述のように、バランサウェイト
5等の回転増加によって潤滑油6の飛沫量が異常に増加
することがないので、ブレザ室73から潤滑油が吹き出
すことがない。尚、ミスト状の潤滑油を伴ったブローバ
イガスはプッシュロッド室72からロッカアーム室76
にも流入し、ロッカアーム35に潤滑油が供給され、ロ
ッカアーム35の潤滑が行われる。
【0037】
【図1】本考案の実施例に係るバランサ装置を備えた飛
沫潤滑式空冷単気筒ガソリンエンジンの縦断面正面図で
ある。
沫潤滑式空冷単気筒ガソリンエンジンの縦断面正面図で
ある。
【図2】図1のエンジンの下部の縦断面正面図である。
【図3】図1のエンジンの横断面平面図である。
【図4】図1のエンジンに用いられている遠心式ガバナ
装置の横断面平面図である。
装置の横断面平面図である。
【図5】図1のエンジンに用いられている飛沫潤滑装置
の斜視図である。
の斜視図である。
【図6】従来技術に係るバランサ装置を備えた飛沫潤滑
式エンジンの縦断面正面図である。
式エンジンの縦断面正面図である。
1…クランク室、2…クランク軸、3…バランサ軸、4
…3の回転中心、5…バランサウェイト、6…潤滑油、
7…6の規定油面、8…バランサウェイト肩面、9…遮
蔽板。
…3の回転中心、5…バランサウェイト、6…潤滑油、
7…6の規定油面、8…バランサウェイト肩面、9…遮
蔽板。
Claims (1)
- 【請求項1】 クランク室(1)内でクランク軸(2)の横
側に動弁カム軸(38)を配置し、このクランク軸(2)の下
方にバランサ軸(3)が架設され、このバランサ軸(3)に
その回転中心(4)から偏心したバランサウェイト(5)が
形成され、上記バランサ軸(3)が、そのバランサ軸(3)
に設けたバランサギヤ(61)を介して上記クランク軸(2)
から回転連動されるように構成され、 ガバナ軸(47)が上記動弁カム軸(38)の下方に配置され、
上記ガバナ軸(47)が、そのガバナ軸(47)に設けたガバナ
ギヤ(63)を介して上記クランク軸(2)から回転連動され
るように構成され、 上記バランサ軸(3)と上記ガバナ軸(47)とが、上記クラ
ンク室(1)内下部に溜められた潤滑油(6)の規定油面
(7)付近にそれぞれ配置されることによって、上記バラ
ンサウェイト(5)と上記バランサギヤ(61)と上記ガバナ
ギヤ(63)とが上記潤滑油(6)の規定油面(7)の上下にわ
たってそれぞれ回転するように構成されたバランサ装置
付きエンジンにおいて、 上記バランサ軸(3)の回転中心(4)側から周囲方向に延
びたバランサウェイト肩面(8)で、上記潤滑油(6)が上
記クランク室(1)内に跳ね上げられるように構成され、
上記バランサ軸(3)の回転に伴い、上記バランサウェイ
ト肩面(8)が、上記潤滑油(6)の規定油面(7)に対して
沈み込む位置よりも浮き上がる位置の方が上記動弁カム
軸(38)に近い側に位置するように構成し、 上記ガバナ軸(47)の回転に伴い、上記ガバナギヤ(63)の
歯の部分が、上記潤滑油(6)の規定油面(7)に対して沈
み込む位置よりも浮き上がる位置の方が上記クランク軸
(2)に近い側に位置するように構成し、 上記バランサ軸(3)と上記ガバナ軸(47)との間に1枚の
遮蔽板(9)を設けることによって、上記バランサウェイ
ト(5)と上記バランサギヤ(61)と上記ガバナギヤ(63)と
でそれぞれ跳ね上げた潤滑油(6)の上記クランク室(1)
内での飛散を抑制するように構成した、 ことを特徴とするバランサ装置付きエンジンにおける飛
沫潤滑装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1991086927U JP2547801Y2 (ja) | 1991-09-27 | 1991-09-27 | バランサ装置付きエンジンにおける飛沫潤滑装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1991086927U JP2547801Y2 (ja) | 1991-09-27 | 1991-09-27 | バランサ装置付きエンジンにおける飛沫潤滑装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0530406U JPH0530406U (ja) | 1993-04-23 |
JP2547801Y2 true JP2547801Y2 (ja) | 1997-09-17 |
Family
ID=13900499
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1991086927U Expired - Lifetime JP2547801Y2 (ja) | 1991-09-27 | 1991-09-27 | バランサ装置付きエンジンにおける飛沫潤滑装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2547801Y2 (ja) |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3054216U (ja) * | 1998-05-20 | 1998-11-24 | 詩通 李 | 自動車用冷房仕切りスクリーン |
-
1991
- 1991-09-27 JP JP1991086927U patent/JP2547801Y2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0530406U (ja) | 1993-04-23 |
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