JP2547563Y2 - 容 器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、弾性反転形キャップを
組込んで構成した簡易形の容器に関する。

【０００２】

【従来の技術】弾性反転形キャップとしては、いわゆる
３点ヒンジ形のものが代表的であるが、この種のものは
従来から多数提案され極く周知である。

【０００３】実願昭63-23348号はそ１例であるが、この
出願から明らかなように、キャップ本体の上面部に、こ
の本体の後部側上部に３点ヒンジで一体に結合され、開
閉の両状態が弾性によりそれぞれ安定保持される天蓋を
配し、閉蓋時には天蓋裏面の栓でキャップ本体頂面の注
出孔を閉栓し、開蓋時注出孔から栓を離脱させて開栓さ
せるようにしたものである。

【０００４】この弾性反転形キャップによれば、一部材
で形成でき、通常のねじ込み形のようにその都度とり外
すことなくワンタッチで開閉できる便利さから多種の容
器に用いられている。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】前記した弾性反転形キ
ャップは容器体側に螺合装着して取付けているので、キ
ャップ側はねじ溝を設けたキャップ本体を、また容器体
側はねじ山を設けた口頸部をそれぞれ肉厚として剛性に
形成しており、これらの結合部は構造上主要部となりコ
ストがかかる。

【０００６】従って、例えば携帯用の歯ブラシケース等
の簡易な容器にそのまま採用するには高級すぎる。

【０００７】本考案は弾性反転形キャップを用いる容器
において、肉厚で剛性の螺合結合部を要さず、従って低
コストで簡易に作製できる簡易形の容器を提供するにあ
る。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本考案の容器は、一部断
面が逆Ｖ形の２重環となるよう折込んで形成した剛性の
リング状の口部環１両側の内環２からは止め孔３を開孔
した内側押え板４, ４を、外環５の対応した個所からは
内向き突子６を突出した屈折可能な外側押え環７, ７を
それぞれ垂設し、かつ後部側からは３点ヒンジ結合の天
蓋８を一体に設けた弾性反転形キャップ９を、上部両側
に前記止め孔３に重合する遊び孔10を開孔した肉薄軟性
の底付き胴体11の上部開口部に口部環１を挟持させて取
付け、外側押え板７, ７の突子６を遊び孔10を通し止め
孔３に押込み結合させて組込んで形成した構成のもので
ある。

【０００９】

【作用】図１に示したように、弾性反転形キャップ９
を、両側の外側押え板７, ７を外方に屈曲した状態で口
部環１を内環２、外環５により底付き胴体11上部開口部
に挟持させ、この後外側押え板７, ７を倒して胴体11外
面に添わせ、このとき内向き突子６, ６を胴体11の遊び
孔10, 10を通しこの胴体11内面に添わせてある内側押え
板４, ４の止め孔３, ３に強く押込み結合させることに
より取付ける。図２は弾性反転キャップ９を取付けた完
成状態を示している。

【００１０】この容器において、片開きの天蓋８を開閉
して収納物を出し入れすることになるが、天蓋８は、
開、閉いずれの状態でも安定保持され、しかもワンタッ
チで開閉できる。

【００１１】

【実施例】以下図面を参照して一実施例を説明するに、
本考案の容器は、弾性反転形キャップ９と容器体側間の
螺合結合部を廃し簡易形構成にした点を特徴としてい
る。

【００１２】弾性反転形キャップ９は、一部断面が逆Ｖ
形の２重環となるよう折込んで形成した剛性のリング状
の口部環１の両側の内環２から、止め孔３を開孔した方
形の板状の内側押え板４, ４を垂下固定し、また外環５
両側の対応した個所から肉薄ヒンジ12を介し前記止め孔
３に固めに挿通される突子６を内向きに突出した方形の
板状の外側押え板７, ７を折り曲げ可能に垂設し、そし
て外環５の後部側背面からいわゆる３点ヒンジにより伏
せ皿状の天蓋８を片開き可能に一体に設けている。

【００１３】なお13は、閉蓋時に天蓋８の垂下周壁の前
部内面に接する如く位置してこの天蓋８を位置決めする
係合片である。この場合、係合片13前面にフックを設
け、天蓋８側のフック14と係合させて旋錠させるように
してもよい。また15は開閉操作用のつまみである。

【００１４】容器体側は、肉薄で軟性とした底付き胴体
11のみで形成しており、この胴体11の上部両側に前記止
め孔３, ３に重合するやや径の大きい遊び孔10, 10を開
孔してある。

【００１５】上記構造で、弾性反転形キャップ９は、図
１のように両側の外側押え板７, ７を外方に開いた状態
で口部環１を内環２、外環５により胴体11上部開口部に
挟持させて取付け、この後外側押え板７, ７を倒し、内
向き突子６, ６を遊び孔10,10を通し止め孔３, ３に押
込み結合させることにより胴体11開口部に組込んで図２
のように容器を形成する。

【００１６】この構成であれば、容器体側は口頸部が、
また弾性反転形キャップ９は口頸部に螺合する螺合結合
部が不要なのでいずれも構造が簡易化し、簡易形の容器
が得られる。

【００１７】

【考案の効果】上記した如く、本考案では弾性反転形キ
ャップを用いる容器において、容器体側は口頸部を有さ
ず、肉薄で軟性とした底付き胴体11のみで形成し、従っ
て弾性反転形キャップ９はねじ溝付きの螺合結合部を廃
し、単なる逆Ｖ形の口部環１を設け、この口部環１を胴
体11上部開口部に挟着させて取付ける構造としたので、
従来における肉厚剛性の螺合結合部が廃止でき、構造が
著しく簡易化した低コストの簡易形の容器が得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】一実施例の分解斜視図である。

【図２】同実施例の完成状態の外形斜視図である。

【符号の説明】

１ 口部環 ８ 天蓋 ９ 弾性反転形キャップ 11 底付き胴体

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 一部断面が逆Ｖ形の２重環となるよう折
   込んで形成した剛性のリング状の口部環１両側の内環２
   からは止め孔３を開孔した内側押え板４, ４を、外環５
   の対応した個所からは内向き突子６を突出した屈折可能
   な外側押え環７, ７をそれぞれ垂設し、かつ後部側から
   は３点ヒンジ結合の天蓋８を一体に設けた弾性反転形キ
   ャップ９を、上部両側に前記止め孔３に重合する遊び孔
   10を開孔した肉薄軟性の底付き胴体11の上部開口部に口
   部環１を挟持させて取付け、外側押え板７, ７の突子６
   を遊び孔10を通し止め孔３に押込み結合させて組込んで
   なる容器。