JP2545935B2 - 磁気抵抗効果薄膜およびその製造方法 - Google Patents

磁気抵抗効果薄膜およびその製造方法

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JP2545935B2 JP63174742A JP17474288A JP2545935B2 JP 2545935 B2 JP2545935 B2 JP 2545935B2 JP 63174742 A JP63174742 A JP 63174742A JP 17474288 A JP17474288 A JP 17474288A JP 2545935 B2 JP2545935 B2 JP 2545935B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は強磁性磁気抵抗効果(以下、MR効果と略す)
を利用して磁界を検出する磁気抵抗効果素子(以下、MR
素子と略す)に用いる強磁性磁気抵抗効果薄膜(以下、
MR膜と略す)に関するものである。
(従来の技術) 周知の如く、MR効果を用いて磁界を検出するMR素子
は、磁気センサー、磁気ヘッド、回転検出素子、位置検
出素子などとして、現在盛んに用いられている。このMR
素子の主要部分であるMR膜には、NiFeまたはNiCo合金薄
膜が広く用いられてきた。特に、NiFeは、異方性磁界が
40e程度と小さく、非常に良好な軟磁気特性を示すた
め、外部からの印加磁界に対する磁化の応答が良く、例
えば、MR効果を用いて微弱な信号磁界を読み出すMRヘッ
ドには最適であるとされてきた。
(発明が解決しようとする課題) ところで、現在、MR素子の高感度・高出力化が重要な
課題となっている。特に磁気記録の分野において、記録
密度の向上のためには、MRヘッドの磁界感度を高め、再
生出力を大きくすることが急務である。このためには、
MR膜において、より大きなMR比Δρ/ρ(最大比抵抗変
化量Δρと比抵抗の平均値の比)と良好な軟磁気特性が
必要とされる。特に、MRヘッドにおいては、磁界に対す
る線形応答性が必要とされるため、バイアス磁界をMR膜
に印加するが、その際、バイアスのかかり易さの点か
ら、MR膜の異方性磁界は約10Oe以下であることが望まし
い。
従来のMR膜であるNiFeよりも大きなΔρ/ρを持つ系
としてはNiCoが知られている(フジツウ サイエンス
アンド テクニカル ジャーナル、1974年、123ペー
ジ)が、磁気異方性が強く(異方性磁界〜200e)、軟磁
気特性がNiFeに較べてかなり劣っているため、高感度・
高出力のMR材料としては利用できないという問題点があ
った。
本発明は、以上の点に鑑み、NiFeよりも大きなMR比を
持ち、しかも異方性磁界の値が小さく良好な軟磁気特性
を示し、高感度・高出力のMR素子に適するMR材料を提供
しようとするものである。
(課題を解決するための手段) 本発明のMR膜においては、Ni、Fe、Coを主成分とし、
Niの組成比が80重量%以上83重量%以下であり、しかも
Coの組成比が6重量%以上9重量%以下であることを特
徴としている。
また、本発明のMR膜の製造にあたって、Ni、Fe、Coを
主成分とするMR膜の作製時でパタン化工程の前に200℃
以上400℃未満の熱処理を行うことによって、MR比5.1%
以上のMR膜を得ることができる。なお、熱処理によって
はMR膜の異方性磁界は影響を受けることがなく、第2図
に示すように本発明のMR膜では10Oe以下を実現できる。
(作用) 本発明において、Ni、Fe、Coを主成分とする合金膜を
採用し、組成範囲を上記の如く限定した理由、およびMR
膜に熱処理を施すことを指定した理由について述べる。
MR材料として用いられるNiFe(Ni:80〜83重量%)合
金は、比較的大きなMR比と、低磁歪および良好な軟磁気
特性を有している。一方、NiとCoが同様の組成比を持つ
NiCo合金は、非常に大きなMR比を示すが、軟磁気特性は
NiFeに較べてかなり劣っている。それ故、Ni、Fe、Coを
主成分とし、Niの組成比が80〜83重量%である合金薄膜
においては、Co濃度を選択することによって、NiFeの持
つ良好な軟磁気特性を保ちつつ、NiCoの持つ大きなMR比
を実現する可能性が考えられる。
第1図に、この三元合金膜におけるCo濃度とMR比Δρ
/ρとの関係を示す。各Co濃度の膜において、熱処理後
のΔρ/ρ(○)は、熱処理前のΔρ/ρ(●)よりも
大きくなっている。また、熱処理後の膜においては、Co
濃度が6重量%以上では、Δρ/ρはほとんど変化しな
いことがわかる。なお、熱処理温度に関しては200℃か
ら400℃の間で、ほとんど同じ処理効果が得られる。一
般に蒸着直後の膜においては、多分に含まれる構造欠陥
によって、MR比の値は、本来膜が持っている値よりも小
さくなっているが、アニールすることによって構造欠陥
が解消し、本来の値に戻ると考えられている。よって、
Co濃度が6重量%以上の膜では、本来のMR比には、ほと
んど差がみられないと結論できる。
次に、第2図に、Co濃度と異方性磁界との関係を示
す。異方性磁界はCo濃度の増加とともに増大する。特
に、Co濃度が9重量%あたりで増加の割合が大きくなっ
ており、それ以上のCo濃度の膜においては、異方性磁界
はNiFeの3倍以上の大きな値となっており、MR材料には
適さないことがわかる。なお、異方性磁界の値は熱処理
によって変化せず、熱処理は磁気異方性に悪影響を及ぼ
さないことがわかる。
以上の実験事実から、Ni、Fe、Coを主成分とし、Niの
組成比が80重量%以上83重量%以下の合金薄膜におい
て、Co濃度を6重量%以上9重量%以下とすることによ
って、NiCoと同程度の大きなMR比を持ち、しかも異方性
磁界の値がNiFeと同程度であって良好な軟磁気特性を示
し、高感度・高出力のMR素子に適するMR材料を得ること
ができる。また、成膜直後の、多くの構造欠陥を含むMR
膜に熱処理を施すことによって、異方性磁界の値に悪影
響を及ぼすことなく、膜本来のMR比を得ることができ
る。
本発明によるNi、Fe、Coを主成分とする合金薄膜にお
いては、適度な量のCo添加によって伝導電子散乱の異方
性が極大化し、NiCoと同程度のMR比を持つに至ったもの
と考えられる。また、構造欠陥を多く含む膜において
は、熱処理が施されることにより、構造欠陥が解消さ
れ、本来のMR比を示すことになると考えられる。さら
に、本発明において軟磁気特性が良好である理由につい
て考察するため、膜の磁気特性に大きな影響を与える結
晶粒の状態を、FE−SEMを用いて観察した。第1表に、C
o濃度と結晶粒径の関係を示す。
一般に、薄膜を構成する結晶粒が小さいほど、結晶磁
気異方性が抑制され、軟磁気特性は良好となると考えら
れている。NiCo膜においては、結晶粒径はNiFe膜と較べ
て非常に大きくなっており、第2図に示したように異方
性磁界が非常に大きくなってしまうことが理解できる。
一方、Co6重量%の膜においては、結晶粒径はNiFeと同
程度である。その結果、磁気異方性が小さく、軟磁気特
性がほとんど劣化しないものと考えられる。
このように、本発明によるMR膜は、良好な軟磁気特性
を保ちつつ、大きなMR比を示し、MR材料として優れた特
性を発揮するにいたる。
(実施例1) 第3図に、本発明の一実施例を示す。
第3図において、ガラス基板1上に、MR膜2として膜
厚1500ÅのNi82Fe12Co6(重量%)膜を蒸着した。その
後真空中(5×10-7Torr)にて熱処理(320℃−2時
間)を行った。次に、この膜上にAu3を蒸着した(膜厚
は2400Å)。さらに、このAu蒸着膜上にフォトレジスト
パターンを形成し、Arガス雰囲気中でイオンエッチング
を行い、感磁部分である矩形状のパターン4およびセン
ス電流を供給するための電極パターン5に加工した。こ
こで、エッチング条件は、加速電圧:500V、Arガス圧力:
1×10-4Torrである。さらに、このパターン上にマスク
となるフォトレジストパターンを形成し、選択化学エッ
チングを行うことによって、MR膜を長さ2mm、幅50μm
の矩形状のパターンに露出させ、MR素子を作製した。
このように作製したMR素子において、磁界印加を永久
磁石によって行い、電気抵抗を4端子法によって測定す
ることにより、MR比Δρ/ρを測定したところ、5.1%
という高い値が得られた。また、試料振動型磁力計を用
いて測定した異方性磁界の値は7.80eであり、バイアス
のかかり易さおよび磁界検出感度の点から望ましい値と
なっていることがわかった。
このように、本実施例において作製されたMR素子は、
非常に大きなMR比および良好な軟磁気特性を示すことが
わかった。そこで、この素子に数Oeのオーダーで変化す
る外部磁界を印加したところ、従来に較べて、より高い
磁界検出感度と、より高い出力を得ることができた。
(実施例2) 第3図において、MR膜2を5×10-3TorrのArガス中、
放電電力5.0W/cm2スパッタ法で成膜し、他は、実施例1
と全く同様にしてMR素子を作製した。本実施例において
も実施例1と同様に、大きなMR比および良好な軟磁気特
性が得られ、高磁界検出感度と高出力を得ることができ
た。
(発明の効果) 以上のように、本発明の磁気抵抗効果薄膜は、Ni、F
e、Coを主成分とし、Niの組成比を80重量%以上83重量
%以下とし、しかもCoの組成比が6重量%以上9重量%
以下とすることによって、NiCoと同程度の大きなMR比を
示し、しかも異方性磁界の値はNiFeと同程度に小さくな
り、高感度・高出力のMR素子に適したものである。
また本発明のMR膜の製造方法においては、Ni、Fe、Co
を主成分とするMR膜の作製時に、200℃以上400℃未満の
熱処理を行うことによって、成膜直後に多く含まれる構
造欠陥を解消し、膜本来のMR比を引き出すことができ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図、第2図は本発明にかかわるMR膜の基礎特性を示
す図である。第3図は本発明の一実施例を示す図であ
る。 図において、 1:ガラス基板、2:MR膜、2:Au膜、5:感磁部分である矩形
状パターン、6:電極。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】Ni、Fe、Coを主成分とする磁気抵抗効果薄
    膜において、Niの組成比が80重量%以上83重量%以下で
    あり、しかもCoの組成比が6重量%以上9重量%以下で
    あり、MR比が5.1%以上、異方性磁界が10Oe以下である
    ことを特徴とする磁気抵抗効果薄膜。
  2. 【請求項2】Niの組成比が80重量%以上83重量%以下で
    あり、しかもCoの組成比が6重量%以上9重量%以下で
    あるNi、Fe、Coを主成分とする磁気抵抗効果薄膜の製造
    方法において、200℃以上400℃未満の熱処理の工程を前
    記磁気抵抗効果薄膜のパタン化工程の前に含むことを特
    徴とする磁気抵抗効果薄膜の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPS60200935A (ja) * 1984-03-23 1985-10-11 Hitachi Ltd 磁気抵抗効果合金膜およびその製造方法
JPS61144893A (ja) * 1984-12-18 1986-07-02 Aichi Tokei Denki Co Ltd 磁気抵抗素子

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