JP2544971Y2 - ゴミの貯留装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、住宅地等に設置されてゴミを一時的に収
納するためのゴミ貯留装置に関するものである。

〔従来の技術〕 近年、住宅地や団地等においては、一般家庭から出た
ゴミを、住宅地内に設置したゴミ圧縮機に一時的に収納
し、ゴミ圧縮機が満杆になると、そのゴミを塵芥収集車
で収集して搬出するゴミの貯留方式がとられている。

この種のゴミ圧縮機は、従来地表面に設置した架台上
に回転式の貯留ドラムを支持し、その貯留ドラムの内周
面にゴミ推進用のらせん羽根を設けた構造で成り、貯留
ドラムに投入したゴミを、ドラムの回転に伴なうらせん
羽根の推進力によりドラム奥側に送り込み、圧縮状態で
収納するようにしている。

〔考案が解決しようとする課題〕

ところが、上記構造のゴミ圧縮機においては、運転中
に貯留ドラムが回転したり、そのドラムの出入口に外側
に開閉する扉を備えるために、それらの動きにより周辺
の人間に騒音や危害を与えやすい問題があり、また、圧
縮機内に収納されたゴミの悪臭が周囲に漏れて、環境を
悪化させる不具合がある。

上記のような不具合に対処するため、ゴミ圧縮機全体
をカバーで覆う方法が考えられているが、このようなカ
バーの形状は極めて大きくなるために、設置した周辺の
美観を損なう不具合があるだけでなく、カバーだけでは
ゴミの臭気漏れを完全に防ぎきれない欠点がある。

そこで、この考案は、上記の問題を解決し、ゴミ圧縮
機を住宅地等の環境や美観を損なわずに設置でき、ゴミ
を安全に貯留することができるゴミの貯留装置を提供す
ることを目的としている。

〔課題を解決するための手段〕

上記の課題を解決するため、この考案は、回転式の貯
留ドラムを備えたゴミ圧縮機とその出口下方に設けた搬
出用コンベア手段とを地表面から掘り下げた孔に設置し
た昇降機に取付け、その昇降機上に上記ゴミ圧縮機の上
部を覆う覆い板を設けると共に、昇降機が下降状態にあ
るときその覆い板が上記掘り下げた孔の開口を覆うよう
に設定し、かつ、覆い板上に設けたゴミ投入口をゴミ導
入筒を介して、ゴミ圧縮機の入口に連通させ、上記搬出
用コンベアは先端が昇降機の上昇時にゴミ圧縮機外へ移
動自在とした構造としたものである。

〔作用〕

上記の構造においては、通常時、昇降機を下降させ
て、覆い板により昇降機とゴミ圧縮機を掘り下げた孔内
に密閉した状態におき、その状態で、覆い板上のゴミ投
入口からゴミ圧縮機内にゴミを投入して収納する。

また、圧縮機のゴミを排出する場合は、昇降機を上昇
させてゴミ圧縮機を地表面まで上昇させ、塵芥収集車に
ゴミを移し替える。

このように、ゴミ投入口は覆い板上に設けられてお
り、圧縮機は昇降機で上昇し、かつ上昇時にコンベア手
段が圧縮機から張出されてゴミ収集車に接続されるか
ら、ゴミ投入から、圧縮機内でのゴミの圧縮、ゴミ収集
車へのゴミ排出の動作が全体として極めてスムースに行
なわれる。

この構造では、ゴミ圧縮機を地中に収納して地表面か
ら隔離することができるので、住宅地等の周辺の環境を
阻害することなく、ゴミを安全に貯留することができ
る。

〔実施例〕

以下、この考案の実施例を添付図面に基づいて説明す
る。

第１図乃至第２図に示すように、実施例のゴミ貯留装
置は、地表面１に掘り下げた孔２の底面に、昇降機３を
設置し、その昇降機３の上部にゴミ圧縮機４を設けてい
る。

上記昇降機３は、基台５と昇降台６を伸縮可能な脚部
材７で連結し、その脚部材７を駆動シリンダ８で伸縮さ
せることにより昇降台６を上下動させる構造でなってお
り、その昇降台６上に、複数の支柱９によりゴミ圧縮機
４の上部を覆う覆い板10が支持されている。

この覆い板10は、平面形状が掘り下げた孔２の開口形
状と同じ大きさに形成されており、その掘り下げた孔２
の開口に嵌合して、孔２の内部を地表面１から隔離する
ようになっている。

上記の昇降機３の昇降ストロークは、下降状態にある
とき、第１図に示すように覆い板10を地表面１に一致さ
せて掘り下げた孔２を塞ぐように設定され、上昇状態の
とき、第５図に示すようにゴミ圧縮機４を地表面１より
上方に持ち上げて、塵芥収集車11のゴミ受入れ口に向き
合せるように設定されている。

一方、ゴミ圧縮機４は、ゴミを収納する貯留ドラム12
と、その貯留ドラム12を支持する架台13とから構成され
ている。

貯留ドラム12は、第４図に示すように、前後の両端が
開口した空洞のドラムであり、その前端の開口がゴミ入
口14に、後端の開口がゴミ出口15になっている。この貯
留ドラム12は、外周面が長さ方向途中から後端側が小径
となるテーパ状に形成されており、その前後の両側を架
台13に設けた大球軸受16、16により回転可能に支持され
ている。

また、貯留ドラム12の外周面には、ギヤリング17が取
付けられ、そのギヤリングぐ17に電動モータ18と連結し
た歯車が噛み合っている。この電動モータには、外部の
電源と接続する電源コネクタが設けられている。なお、
ドラムと電動機の減速機とにスプロケットを取付け、そ
の間をチェーンにより駆動するようにしてもよい。

貯留ドラム12の内周面には、全部開口に沿って複数の
かき上げ羽根19が一定間隔で取付けられ、そのかき上げ
羽根19から後端のゴミ出口15に向かう周面に、らせん状
の送り羽根20が取付けられている。このかき上げ羽根19
と送り羽根20は、貯留ドラム12が回転すると、入口14か
ら投入されたゴミを上方にかき上げて、貯留ドラムの後
端側へ移動する推進力を与え、順次そのゴミをドラム出
口の蓋21に押し付けて圧縮する。

上記貯留ドラム12のゴミ入口14には、その入口から立
ち上がって覆い板10の上方に突出するゴミ導入筒22が取
付けられ、そのゴミ導入筒22の上端にゴミ投入口23が形
成されている。

一方、貯留ドラム12の出口15には、上端を支点に上下
に回動する蓋21が取付けられ、その蓋21を支持するアー
ム24にそれを回動させる駆動シリンダ25が連結してい
る。

また、上記出口15の下方には、搬出用コンベヤ26が配
置されており、この搬出用コンベヤ26は、水平面上を揺
動する揺動台27を介して、前後方向に延びる案内レール
28にスライド自在に取付けられている。上記搬出用コン
ベヤ26は、前方に引き出した状態で、先端部が出口14よ
り突出して揺動台27と共に揺動し、後方に押し入れた状
態では、その先端部が貯留ドラム１の下側に収納される
ようになっている。

なお、この搬出用コンベヤは、第６図に示すように、
ドラム12の出口15の近傍部を支点として回動する構造と
してもよい。

このように搬出用コンベヤ26を揺動及び引き出し可能
としたことにより、塵芥収集車11を貯留ドラム12の出口
15に傾いて接近させた場合でも、揺動台27を揺動させて
搬出用コンベヤ26の向きを塵芥収集車11の受入口に合わ
せることができ、コンベヤ26を確実に受入口に挿入させ
ることができる利点がある。

この実施例のゴミ貯留装置は、上記のような構造で成
り、通常時においては、第１図に示すように昇降機３を
下降させ、ゴミ圧縮機４を掘り下げた孔２内に収納し
て、覆い板10で孔２を塞いだ状態におく。

この状態で、一般家庭から出たゴミを、地表面１上の
ゴミ投入口23から投入し、貯留ドラム12内に収納され
る。

一方、貯留ドラム12が満杯になると、第５図に示すよ
うに昇降機３を上昇させてゴミ圧縮機４を地表面１上に
持ち上げ、搬出用コンベヤ26を介して貯留ドラム12内の
ゴミ塵芥収集車11に移し替える。

上記の構造では、ゴミ圧縮機４を地中の孔２の内部に
収納し、ゴミ排出時だけ地上に上昇させることできるの
で、運転中に回転する貯留ドラム12や開閉する蓋21によ
って周辺の人間に危害を与えることがなく、また、貯留
ドラム12に収納したゴミの悪臭によって周囲の環境が阻
害されたり、騒音問題が生じることを防止することがで
きる。

また、ゴミ圧縮機４を地中に収納するため、覆い板10
の周囲に棚29等を設けて、その覆い板の上部を、公園や
自転車置場等のスペースに有効利用することができる。

〔考案の効果〕

以上のように、この考案は、ゴミ圧縮機を昇降機によ
り地表面から掘り下げた孔に対して昇降自在とし、地中
の孔内部に隔離できるようにし、ゴミ投入口は覆い板上
に設け、圧縮機の上昇時にコンベア手段が圧縮機から張
出されてゴミ収集車に接続されるようにしたので、ゴミ
圧縮機の動きにより人間に危害を与えたり、収納したゴ
ミの臭気により周辺の環境が阻害されることを有効に防
止でき、かつゴミ収集車へのゴミ排出の動作が全体とし
てきわめてスムースであるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は実施例のゴミ貯留装置を示す正面図、第２図は
同上のII−II線からみた横断平面図、第３図は同上の側
面図、第４図は貯留ドラムを示す一部縦断正面図、第５
図は同上の作用を示す正面図、第６図は搬出用コンベヤ
の他の例を示す縦断正面図である。 １……地表面、２……孔、３……昇降機、４……ゴミ圧
縮機、10……覆い板、11……塵芥収集車、12……貯留ド
ラム、20……送り羽根、22……ゴミ導入筒、23……ゴミ
投入口、26……搬出用コンベヤ。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−290602（ＪＰ，Ａ) 特開 昭57−48502（ＪＰ，Ａ) 特開 昭56−136707（ＪＰ，Ａ) 特開 昭60−31403（ＪＰ，Ａ) 特開 昭57−112994（ＪＰ，Ａ) 実開 昭48−1773（ＪＰ，Ｕ) 実開 平２−91854（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭59−149801（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭61−75408（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭63−13905（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭51−60677（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭51−21277（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭50−117677（ＪＰ，Ｕ)

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】回転式の貯留ドラムを備えたゴミ圧縮機と
   その出口下方に設けた搬出用コンベア手段とを地表面か
   ら掘り下げた穴に設置した昇降機に取付け、その昇降機
   上に上記ゴミ圧縮機の上部を覆う覆い板を設けると共
   に、昇降機が下降状態にあるときその覆い板が上記掘り
   下げた穴の開口を覆うように設定し、かつ覆い板上に設
   けたゴミ投入口をゴミ導入筒を介してゴミ圧縮機の入口
   に連通させ、上記搬出用コンベヤは先端が昇降機の上昇
   時にゴミ圧縮機外へ移動自在としたゴミの貯留装置。