JP2544908Y2 - 自動販売機の商品姿勢制御構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、特にサーペンタイン式
コラムを備えた缶または瓶入り飲料等の自動販売機に関
し、更に詳しくは、商品補充時に投入商品の姿勢を制御
してコラム内での商品詰まりによる搬送不良を防止する
構造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来より、例えばサーペンタイン式の商
品収納棚（以下コラムと呼ぶ）を備えた自動販売機にあ
っては、種類の異なる商品の各投入通路において、商品
の姿勢を制御してコラム内部での商品詰まりによる搬送
不良の発生を防止するようにした構造のものが知られて
いる。商品の姿勢制御を取り扱ったものとして、例え
ば、実開昭５７−４２４８５号公報に開示された商品収
納装置を含む多くの提案がなされかつ製品化されてい
る。これら各公報に開示された技術のうち、各コラムに
対応して商品の投入通路に沿って設けられるガイドプレ
ートを通路の方向に前後移動させる構造がある。

【０００３】即ち、ガイドプレートの最後端における落
下直前の通路寸法と、コラムの上端開口端における落下
直後の通路寸法とを、商品の径による大小サイズに合わ
せて調節するようになっている。これによって、商品が
コラムに立った状態で投下されることに伴う、詰まりや
搬送不良の発生を防止しようとするものである。

【０００４】図４及び図５は、ガイドプレートを通路方
向に沿って前後動させる構造を概略的に示した一例であ
る。販売機本体内１では、この前面に臨む上下数段の商
品投入口からガイドプレート２ａ〜２ｄが最後端を下げ
て傾斜し、投入された商品が自然に転動できる程度の傾
斜をもって設けられている。各ガイドプレート２ａ〜２
ｄの最後端には、本体１の前後方向に配列されかつ本体
１の上下方向に延びる複数のコラム４ａ〜４ｄが接続さ
れている。

【０００５】また、ガイドプレート２ａ〜２ｄの各最後
端と、コラム４ａ〜４ｄの各上端開口端の両部に臨むよ
うにして交差部にはガイドストッパ３ａ〜３ｄが配置さ
れている。ガイドプレート２ａ〜２ｄから転動してきた
商品はガイドストッパ３ａ〜３ｄに一度当接して受け止
められてコラム４ａ〜４ｄの各上端開口端に向けて案内
され、ここから落下して収納される。

【０００６】この構造において、例えば最上部のガイド
プレート２ａ（他のガイドプレート２ｂ〜２ｄも同様）
は、この長手方向の前後部にて係合した位置決めピン５
と支持ピン６を介し位置の変動が可能である。奥部の支
持ピン６は固定ピンとして本体１の両側板（図示されて
いない）に固定支持されている。固定された支持ピン６
はガイドプレート２ａに設けられた長孔８に係合するこ
とで、ガイドプレート２ａはこの長手方向に長孔８の長
さ内で規制された前後動が可能である。また、前部の位
置決めピン５は例えば可動ピンとしてスプリングにより
付勢してガイドプレート２ａ側に設けることができ、図
４の位置から、図５に示す位置に移動可能である。即
ち、本体１の側板には別のピン孔７が設けてあり、位置
決めピン５をピン孔７に移して係合させることにより、
ガイドプレート２ａの前部を持ち上げるような姿勢で移
動させることができる。

【０００７】従って、図４に示すように商品９Ａの径サ
イズＤ１が大きい場合、図５に示すように商品９Ｂの径
サイズＤ２が小さい場合に対応して、ガイドプレート２
ａの最後端とガイドストッパ３ａとの間の通路寸法Ｈ
１，Ｗ１（Ｈ２，Ｗ２）が設定し、商品９Ａ，９Ｂの転
動に最適な通路寸法を得る。

【０００８】

【考案が解決しようとする課題】ところで、この図４及
び図５に示す従来例の商品姿勢制御構造にあっては、ガ
イドプレート２ａは最後端部が長孔８を介して長手方向
に直線的に移動する構造であるから、商品９Ａ，９Ｂの
ように径サイズの大小に対応して通路寸法はＷ１，Ｗ２
をＷ１＞Ｗ２のように設定することができる。しかし、
他方の通路寸法Ｈ１，Ｈ２の場合、ガイドプレート２ａ
がほとんど長手方向へのスライドであるから、Ｈ１とＨ
２の寸法差は小さく、こうした結果、通路の大きさにゆ
がみが生じて均一とはならず、商品の姿勢制御という初
期の目的を十分に達成することができない。

【０００９】従って、本考案の目的は、特に複数のサー
ペンタイン式コラムを備えた自動販売機に最適で、缶や
瓶入り飲料等の商品の大きさに商品通路を対応できるよ
うにすることで、商品の詰まりや搬送不良の発生を防止
する自動販売機の商品姿勢制御構造を提供することにあ
る。

【００１０】

【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、本考案による自動販売機の商品姿勢制御構造は、商
品の投入通路に沿って配置されたガイドプレートと、ガ
イドプレートの最後端に接続されてガイドプレートから
の商品を収納するラックと、ガイドプレートの最後端に
臨む位置に設けられてガイドプレートからの商品を受け
止めてラックに案内するガイドストッパと、を備え、ガ
イドストッパがこの基点部から所定角度をなす一方側及
び他方側の案内腕を有し、基点部から所定角度をほぼ二
等分する線上でガイドプレートの最後端を移動可能と
し、かつ一方側及び他方側の各案内腕とガイドプレート
の最後端との間を等距離に位置決めする位置決め機構を
設けている。

【００１１】

【作用】商品のサイズの大小に対応して、ガイドプレー
トの最後端とガイドストッパとの間の通路寸法が設定さ
れる。この時、いずれの設定の場合にあっても、ガイド
プレートの最後端はこれとガイドストッパの基点部を結
ぶ直線上を移動する。即ち、最後端を商品のサイズに応
じて直線上を移動させると、ガイドストッパの基点部か
ら例えば角度９０°のように所定角度で開いた両案内腕
とガイドプレートの最後端との間の距離は等しく保たれ
る。言い換えれば、ガイドプレートの最後端を円の中心
とする半径の円周の軌跡で通路が形成され、サイズが異
なってもその都度商品はガイドプレートの最後端におけ
る落下直前からコラムの上部開口端に至る落下直後まで
同じ大きさの通路寸法で通過でき、ガイドプレートから
コラム収納に至るまで商品を同じ姿勢に維持できる。

【００１２】

【実施例】以下、本考案による自動販売機の商品姿勢制
御構造の実施例を図１〜図３に基づいて説明する。

【００１３】実施例の商品姿勢制御構造が装備された自
動販売機は、本質的に従来例として示された図４，５の
構造と同一である。即ち、販売機本体１は両側に側板１
Ａ，１Ｂを有し、これらに挟まれるようにしてガイドプ
レート１０が本体１の前面に臨む商品投入口側から最後
端を下げ、投入された商品が自然に転動できる程度の傾
斜をもって設けられている。ガイドプレート１０の最後
端は図４，５で示されたコラム（４ａ〜４ｄ）が接続さ
れている。

【００１４】また、図２及び図３に示すように、ガイド
プレート１０の最後端１３と、コラムの上端開口端１４
の両部に臨む交差部にはガイドストッパ２０が配置され
ている。ガイドプレート１０から転動してきた商品３０
（３１）はガイドストッパ２０に一度当接して受け止め
られ、コラムの上端開口端１４に向けて案内され、ここ
から落下して収納される。ガイドストッパ２０は本体１
の両側板１Ａ，１Ｂに固定するための基点部２１となる
取付ボルトを有し、この基点部２１から所定角度で、実
施例では角度９０°をなす一方側及び他方側の案内腕２
２，２３が設けられている。

【００１５】図１に示すように、ガイドプレート１０は
底板１１の両側に側板１２，１２を有する断面Ｈ型また
はＣ型であり、商品投入口に近い長手方向の前部にて係
合させた例えば左右一対の位置決めピン４０，４０と、
最後端１３に近い後部にて係合させたガイドピン４２を
介し位置の変動が可能である。ガイドピン４２は固定ピ
ンとしてガイドプレート１０の両側板１２，１２に支持
されている。このガイドピン４２は、本体１の両側板１
Ａ，１Ｂに傾斜して設けられた長孔の案内溝５３に係合
して案内され、案内溝５３の長さ内でガイドプレート１
０の規制された移動を可能にし、これら位置決めピン４
０、ガイドピン４２及び案内溝５３によってガイドプレ
ート１０の位置決め機構が構成されている。

【００１６】ここで、本体１の両側板１Ａ，１Ｂに設け
られた案内溝５３の傾斜角度は次のように設定されてい
る。前記のガイドストッパ２０の基点部２１となる取付
ボルトと、ガイドプレート１０の最後端１３（厳密には
商品が転動する床板１１の最後端）とを結んで直線Ｃ−
Ｃが得られ、案内溝５３は直線Ｃ−Ｃにほぼ平行に設け
られている。従って、ガイドプレート１０の最後端１３
は直線Ｃ−Ｃ上を移行する軌跡をもって移動可能であ
る。

【００１７】一方、図１で明らかなように、ガイドプレ
ート１０の前部に設けられた左右一対の位置決めピン４
０，４０は、これらの軸周りに装着されたスプリング４
１，４１によって本体１の両側板１Ａ，１Ｂに貫通して
設けられた位置決め孔５１（または５２）に係合する方
向に付勢されている。従って、位置決めピン４０をスプ
リング４１に抗した操作で２つの位置決め孔５１，５２
のいずれか一方に係合させて、ガイドプレート１０を位
置決めできるようになっている。

【００１８】２つの位置決め孔５１，５２の孔芯同士を
結ぶ直線は先の直線Ｃ−Ｃ及び案内溝５３にほぼ平行で
ある。直線Ｃ−Ｃにほぼ平行であれば、実施例のように
２つの位置決め孔５１，５２に限定されず、それ以上の
個数で設けることも可能である。また、実施例ではスプ
リング４１，４１による位置決めピン４０，４０の位置
決め孔５１，５２への係合機構が開示されたが、ピンと
孔との関係を逆にしてあってもよい。また、案内溝５３
のように、２つの位置決め孔５１，５２をつないで長溝
としてもよい。この場合は、長溝の任意に位置にて位置
決めピン４０を係止固定する機構が必要である。いずれ
にせよ様々なこの種の機構が考えられよう。

【００１９】次に、以上の構成による実施例の動作態様
及び作用を説明する。

【００２０】図２に示すように商品３０の径サイズＤ１
が大きい場合と、図３に示すように商品３１の径サイズ
Ｄ２が小さい場合にそれぞれ対応して、ガイドプレート
１０の前部の位置決めピン４０に位置を決定し、案内溝
５３でガイドピン４２を移動させることによって、この
ガイドプレート１０の最後端１３とガイドストッパ２０
との間の通路寸法が設定される。この時、いずれの設定
の場合にあっても、ガイドプレート１０の最後端１３は
直線Ｃ−Ｃ上を移動する。即ち、最後端１３を商品３
０，３１のサイズに応じて直線Ｃ−Ｃ上を移動させる
と、ガイドストッパ２０の基点部２１から開いた両案内
腕２２，２３に対するガイドプレート１０の最後端１３
との間の距離が等しく保たれる。即ち、ガイドプレート
１０の最後端１３を円の中心とする半径Ｒ１（Ｒ２）の
円周の軌跡で通路が形成され、商品３０，３１のように
サイズが異なっても、ガイドプレート１０の最後端１３
における落下直前からコラムの上部開口端１４に至る落
下直後まで同じ大きさの通路寸法で、つまり従来例の図
４及び図５で示された通路寸法Ｈ１，Ｗ１（Ｈ２，Ｗ
２）が一定で通過できる。これによって、商品はガイド
プレート１０からコラム収納に至るまで同じ姿勢を維持
できる。

【００２１】

【考案の効果】以上説明したように、本考案の自動販売
機の商品姿勢制御構造によれば、商品のサイズに応じて
ガイドプレートの最後端における落下直前からコラムの
上部開口端に至る落下直後まで同じ通路寸法による通路
を設定でき、商品はガイドプレートからコラム収納に至
るまで同じ姿勢を維持して、詰まりや搬送不良の発生を
防止することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案による自動販売機の実施例の要部である
商品姿勢制御構造の斜視図

【図２】実施例の商品姿勢制御構造でサイズの大きい商
品に対応した側面断面図

【図３】実施例の商品姿勢制御構造でサイズの小さい商
品に対応した側面断面図

【図４】従来例の商品姿勢制御構造でサイズの大きい商
品に対応した側面断面図

【図５】従来例の商品姿勢制御構造でサイズの小さい商
品に対応した側面断面図

【符号の説明】 １…販売機本体、１Ａ，１Ｂ…側板、１０…ガイドプレ
ート、１３…ガイドプレートの最後端、１４…コラムの
上部開口端、２０…ガイドストッパ、２１…基点部、２
２，２３…案内腕、４０…位置決めピン、４２…ガイド
ピン、５１，５２…位置決め孔、５３…案内溝。

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 商品の投入通路に沿って配置されたガイ
   ドプレートと、 ガイドプレートの最後端に接続されてガイドプレートか
   らの商品を収納するラックと、 ガイドプレートの最後端に臨む位置に設けられてガイド
   プレートからの商品を受け止めてラックに案内するガイ
   ドストッパと、 を備え、 ガイドストッパがこの基点部から所定角度をなす一方側
   及び他方側の案内腕を有し、 基点部から所定角度をほぼ二等分する線上でガイドプレ
   ートの最後端を移動可能とし、かつ一方側及び他方側の
   各案内腕とガイドプレートの最後端との間を等距離に位
   置決めする位置決め機構を設けた、 ことを特徴とする自動販売機の商品姿勢制御構造。