JP2544687Y2 - ガス膨脹構造物の注排気バルブの取付構造体 - Google Patents

ガス膨脹構造物の注排気バルブの取付構造体

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JP2544687Y2
JP2544687Y2 JP1991111571U JP11157191U JP2544687Y2 JP 2544687 Y2 JP2544687 Y2 JP 2544687Y2 JP 1991111571 U JP1991111571 U JP 1991111571U JP 11157191 U JP11157191 U JP 11157191U JP 2544687 Y2 JP2544687 Y2 JP 2544687Y2
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、ガス膨張構造物の注排
気バルブの座に融着された、気密布の取付孔の周囲の断
面から、内部の空気が微量づつ洩れるのを防止したガス
膨脹構造物用注排気バルブと気密布の取付構造体に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】ゴム、塩化ビニル又は熱可塑性のポリウ
レタンで織物を被覆した気密布を主材としてつくられ、
空気や炭酸ガスで膨脹させて使用するゴムボートや膨脹
式テントのようなガス膨脹気室体になる構造物には注排
気バルブが設けられるが、従来のこの種注排気バルブ
は、図6に示すように、金属若しくは合成樹脂の硬質の
材料でバルブのハウジングaが形成され、このハウジン
グa内にガス膨脹構造物内のガスが充填時及び充填後に
逆流しないように逆流防止弁(図示せず)が設けられて
おり、前記ハウジングaの周囲には、これらのバルブが
とりつけられるガス膨脹構造物を形成する気密布bの主
材に適合した材料で座cが一体に備えられる。つまり、
金属や合成樹脂のハウジングaを切削又は成型加工し、
このハウジングaの座cが接する面に接着剤を塗った
後、成形型に入れ、ゴムを焼付け又は合成樹脂を射出し
て座cを成形している。そしてこれらのバルブは、座c
がゴムの場合は、接着剤を介して、また合成樹脂座の場
合は、熱又は高周波融着して前記ガス膨脹構造物に取り
つけるのが一般に良く知られている。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】前記したガス膨脹構造
物を形成する気密布bにあっては、ゴム層若しくは合成
樹脂層dのピンホールから織布eの中に入った空気が織
布の組織又は糸の中の空隙を伝わって流れる現象がおこ
り、ガス構造構造物内の空気がバルプを取りつけるため
に穿設した気密布の取付孔の断面fから外部へ漏出す
る。このような空気の所謂断面洩れはガス膨張構造物の
気密性を損なうやっかいな問題であった。
【0004】本考案は、従来の技術の有する上記の点に
鑑みてなされたものであって、その目的とするところ
は、ハウジングの座に、高周波溶接手段を用いて、気密
布を溶着する際に、気密布のバルブ取付孔の周りに、空
気の通過を遮断する曲折部を囲繞設置して、断面空気洩
れを防止する注排気バルブの取付構造体を提供しようと
するものである。
【0005】
【問題点を解決するための手段】上記目的を達成するた
めに、本考案におけるガス膨張構造物の注排気バルブの
取付構造体は、金属若しくは合成樹脂からなるハウジン
グに熱可塑性合成樹脂座を一体に成形した注排気バルブ
に、合成樹脂層を有する気密布を高周波溶接手段により
融着するにあたって、上金型の圧締面に前記バルブ取付
孔と同心状の少なくとも一条の凹状又は凸状の環状リブ
を設けてたものを用い、前記合成樹脂座に、気密布を重
ね合わせて気密布と座とを前記金型で圧締し、高周波に
より、前記金型の環状リブに対応した環状の凹状又は凸
状の段差を、前記合成樹脂座に同気密布を又は前記気密
布に同座を食い込ませた状態の環状の段差を融着して周
設すると共に前記段差の内側若しくは外側又は内外側
を、前記気密布と同座とを融着させるものである。
【0006】そして、前記ガス膨脹構造物に前記注排気
バルブを、高周波により融着するにあたって、前記バル
ブ取付孔の周囲を所定の幅で融着されない部分を有して
圧締するのが好ましい。
【0007】
【作用】本考案の注排気バルブの取付構造体は、気密布
と座とを融着させる際、気密布の取付孔を囲繞する如
く、環状の段差を設けるとともに前記段差の内側若しく
は外側又は両側の気密布と座とを融着させる結果、ガス
膨脹構造物の内側の空気が、それを構成する気密布に生
じているピンホールから、気密布の織布の間隙中に入っ
ても、この空気は、微量の流れであるため、バルブ取付
孔周囲の前記段差により流れが遮断され、外部への漏洩
が防止できる。
【0008】また、前記バルブ取付孔の周囲を所定の幅
で融着されない部分を有して圧締することにより、ハウ
ジングと座との接着面が分離することなく、気密布と座
とに段差を設けた高周波溶接を可能にする。
【0009】
【実施例】実施例について図面を参照して説明すると、
図1乃至図5において、注排気バルブ1は合成樹脂から
なるハウジング2に合成樹脂座3を射出成型により一体
に形成してなり、前記ハウジング2の内筒には逆流防止
弁(図示せず)が設けられる。ガス膨脹構造物を形成す
る気密布4は織布5の一面若しくは両面を合成樹脂層6
で被覆して形成し、この気密布4を前記注排気バルブ1
の合成樹脂座3に、高周波溶接手段により融着せしめら
れる。
【0010】前記注排気バルブ1をガス膨脹構造物を構
成する気密布4に取付けるに際し、高周波溶接手段を用
いる場合、上金型7は、図1に示すように、圧締面に少
なくとも1本の環状で且つ凹状又は凸状を成すリブ8を
設けて形成し、合成樹脂座3に気密布4の合成樹脂層6
を重ね合わせ、そして前記合成樹脂座3を下金型9に載
置して前記上金型7を気密布4の上から圧締すると、前
記気密布4のバルブ取付孔10から所定間隔を置いた同
心位置で、前記気密布4が同座3に、又は前記座3が同
気密布4に食い込んだ段差11が前記バルプ取付孔10
を囲繞して融着される。前記座3又は同気密布4に食い
込んで形成された段差11は気密布4に曲折部12を形
成し、この曲折部12によって、織物の中を通過する微
量の空気はバルブ取付孔10の断面から外部へ出るのが
妨げられる。
【0011】前記注排気バルブ1と気密布4を高周波に
より融着するに当たって、上金型7をハウジング2に至
近位置させて、高周波を発信すると、ハウジング2が発
熱して、ハウジング2と合成樹脂座3の接着面が分離す
ることが起こり、このような現象は、ハウジング2が金
属製の場合に、特に著しく起こる。従って、上金型7
は、ハウジング2と座3との接着面が分離することのな
いように、ハウジング2から遠ざけられなければならな
い。ハウジング2から遠ざけて気密布4と座3とに段差
11を設けた高周波溶接を可能にするために、この実施
例では、前記バルブ取付孔10の周囲を、図5に示すよ
うに、所定の幅、例えば3〜5mmを残した融着されな
い非融着部13を備えさせて圧締するのが好ましい。
【0012】
【考案の効果】本考案は上記のような構成であるから、
注排気バルブの座又は気密布に食い込み融着された環状
の条溝によって気密布に形成される曲折部が、気密布の
バルブ取付孔の断面からの空気洩れを防止することがで
き、その結果、ガス膨脹構造物を長時間空気の補充なし
で維持できる等の利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】高周波溶接手段によって、注排気バルブをガス
膨脹構造物に融着する状態を示す断面である。
【図2】ガス膨脹構造物に凹状の段差が設けられて融着
した注排気バルブの断面図である。
【図3】ガス膨張構造物に注排気バルブが設置された状
態を示す要部平面図である。
【図4】ガス膨張構造物に凸状の段差が設けられて融着
した注排気バルブの断面図である。
【図5】気密布のバルブ取付孔の周囲の状態を示す要部
拡大断面図である。
【図6】従来注排気バルブの取付状態を示す断面図であ
る。
【符号の説明】
1.注排気バルブ 2.ハウジング 3.合成樹脂座 4.気密布 5.織物 6.合成樹脂層 7.上金型 8.リブ 9.下金型 10.バルブ取付孔 11.段差 12.曲折部 13.非融着部

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属又は合成樹脂のハウジングに、熱可
    塑性合成樹脂の座を一体に成形してなる注排気バルブ
    を、織布の一面又は両面に、熱可塑性合成樹脂の気密層
    が積層された気密布に、前記気密層と前記座とを融着さ
    せることによって結合した注排気バルブの取付構造体に
    おいて、圧締面に少なくとも一本の環状の凸状をなす環
    状リブを設けてなる高周波溶接装置の上金型を前記座と
    前記気密布との重合部に圧締することにより、1条又は
    数条の凹状又は凸状の段差を、前記ハウジングを囲繞す
    るように形成せしめ、前記気密布の織布の組織又は糸の
    間隙を伝わって流れる空気が、前記ハウジングの周囲に
    開口する前記気密布の断面から流出するのを防止したこ
    とを特徴とするガス膨脹構造物の注排気バルブの取付構
    造体。
JP1991111571U 1991-12-24 1991-12-24 ガス膨脹構造物の注排気バルブの取付構造体 Expired - Lifetime JP2544687Y2 (ja)

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