JP2544680Y2 - ウエザーストリップの止めクリップ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、自動車の窓開口部に沿
ってゴム等可撓性の材料で成形されるウエザーストリッ
プを止め付けるため使用される止めクリップに関する。

【０００２】

【従来の技術】自動車の窓、特にガラスを開閉自由にし
た窓等にあっては閉塞時にガラスと開口部の召し合わせ
部所から雨水や塵埃、或いは騒音が侵入するので一般に
ゴム等で成形したウエザーストリップが止着される。こ
のウエザーストリップの止着は開口部の縁に沿って予じ
め取付片を設け、この取付片にウエザーストリップを噛
み付かせて取付ける方法もあるが、窓等の開口部に特定
形状の取付片を設けることはコスト面において高価とな
り、またウエザーストリップも特定され変更が出来なく
なることから合成樹脂製の止めクリップを使用して止め
付ける方法が広く行われている。従来、一般に使用され
ている止めクリップは縁の一部に尖鋭な突き出し部を設
けた板状の頭部を備え、この頭部の下面から係止脚を垂
設した略Ｔ字状をなす合成樹脂製のクリップであり、こ
のクリップの上記頭部をウエザーストリップの取付面に
設ける盲の孔或いは溝に突き入れて埋め込むようにして
取付け、次にこのウエザーストリップの取付面から突き
出るように起立した前記係止脚を窓開口部の縁に穿つ係
入孔に差し入れてその取付けを行うようにしているのが
普通である。

【０００３】

【考案が解決しようとする問題点】上記クリップはウエ
ザーストリップの長さ方向に適宜の間隔で複数個前記の
方法で植設し、他方この間隔に合わせて窓など開口部の
縁にそれぞれ対応した位置に係入孔を開設して複数個の
クリップを使ってウエザーストリップを止着し、その長
さの全長に亘って安定した状態で取付けるようにしてい
る。しかし、自動車の窓の場合には窓の飾りのため等か
ら開口部縁の一部に止めクリップを係止する係入孔を開
設できないことがある。この係入孔を開設できない区域
が例えば矩形の窓の一辺の一部である場合にはここを避
けた部分に係入孔を設けてクリップを係止すれば一応安
定した状態でウエザーストリップの止め付けを行うこと
ができるが、一辺の全長に亘ってクリップの止着が不能
となった場合には仮にこの辺に沿ってウエザーストリッ
プを添わせても隣接した辺に固着した部分に引っ張られ
て外れやすくなり、安定した止め付けを得ることができ
なくなる。本考案は、この様な前記従来の止めクリップ
によっては安定したウエザーストリップの止め付けがで
きない部所においてこれを有効に止め付けられるよう改
良した新たなウエザーストリップ用止めクリップを提供
しようとするものである。

【０００４】

【問題点を解決するための手段】即ち、本考案はクリッ
プを係止する係入孔を開設することができないことによ
って窓開口部の一辺の全長に亘ってウエザーストリップ
が不安定な状態で止着されることに鑑み、これを改善す
る目的で考案されたもので、その特徴とするところは係
止脚を垂設する頭部の一側縁部から上方に向けて直角状
に支持片を延設し、この支持片の一面に前記頭部の直上
方向に突き出す如く係止爪片を立設してなるウエザース
トリップ用止めクリップを提供することにある。更に詳
述すれば、本考案は鍔形の頭部の下面から窓開口部縁に
開設する係入孔に差し込み係止する係止脚を垂設する一
方、前記頭部の一側縁から上方に向けてウエザーストリ
ップの係止溝に挿入する支持片を直角状に延設すると共
に、該支持片の一面から前記頭部の直上方向に向けて前
記ウエザーストリップの係止溝の向い合う壁に対して突
き刺し係止する係止爪片を立設してなることを特徴とし
たウエザーストリップの止めクリップを提供することに
ある。本考案止めクリップは窓開口部の一辺に係止用の
係入孔を開設することが不能な窓にあって、この係入孔
を開設できない辺に隣接した係入孔の開設が可能な辺に
対して係入孔を開設し、これに係止脚を係入して頭部か
ら延設される支持片を上記係入孔を開設できない辺に添
わせ、ウエザーストリップを止め付ける係止爪片を恰も
該係入孔を開設できない辺から起立した如く設けてウエ
ザーストリップの止め付けをなし、該辺に対するウエザ
ーストリップの安定化を図るようにしたことにある。本
考案クリップにおける前記頭部は係入孔に対する係止脚
の挿入量を規制し、また係止爪片を起立する支持片の基
板となるもので、窓開口部の縁に対して接面した状態で
収まることになる。そして、この頭部より延設される支
持片は係入孔を開設できない辺、つまり窓開口部の一つ
の縁に沿って伸び出しこの縁上に係止爪片を起立させる
ものとなる。次に、本考案に係る止めクリップを図示す
る実施例につき説明し、その特徴とするところを明らか
にする。

【０００５】

【実施例】図１は本考案の止めクリップにより自動車の
窓開口部にウエザーストリップを止着する前の状態を示
した分解斜視図であり、図面において１は止めクリップ
を、２はウエザーストリップを、そして３はこのウエザ
ーストリップ２を止着する自動車の窓開口部をそれぞれ
示す。

【０００６】窓開口部３はここにはその一部が示してあ
るが、水平な開口部縁３ａには止めクリップ１を止め付
ける係入孔４が適宜の間隔で複数個穿たれ、この縁３ａ
の一端から起立する縦の開口部縁３ｂには止めクリップ
を止める係入孔が設けられていない。

【０００７】本考案の止めクリップ２は上記複数穿たれ
る係入孔４のうち、開口部縁３ｂに近接した係入孔４ａ
に係止されるもので、円形の鍔形をなした頭部５と、こ
の頭部の下面中央部から垂設される係止脚６と、頭部の
一側縁から延設して上方に向けて直角状に延び出す支持
片７、及び支持片７の一面から上記頭部の上方に向けて
突き出す係止爪片８とを一体に有する。

【０００８】この止めクリップは合成樹脂、ここではポ
リアセタールを材料に一体に成形され、係止脚６は円筒
形に形成して周面にコ字形の切欠きを設け、舌状をなす
一対の係止爪９，９を設け、また脚端部は斜めに切り落
として尖鋭に形成し係入孔４ａに対する挿入性をよくし
ている。尚、上記係止爪９は自由端部を肉厚に形成して
脚外周面より外方に突き出すようにする一方、この自由
端と前記頭部５との間に窓開口部縁の板厚に略等しい間
隔を設けてある。

【０００９】支持片７は帯板片を略Ｌ字形に屈曲させた
形をなし、上方に突き出た一面に軸１０を介して係止爪
片８をもうけている。係止爪片８はウエザーストリップ
２の長さ方向に沿って設ける係入溝２ａに挿入して尖鋭
に尖らせた爪８ａ，８ａを溝の向かい合う壁に刺して係
止するもので、軸１０の高さ分溝に侵入して係止時には
その全体が係入溝２ａの内部に埋入した状態となる。

【００１０】本考案止めクリップは上述の如く構成され
るもので、このクリップ１によってウエザーストリップ
２を窓開口部に止着する場合を次に説明すると、先ずウ
エザーストリップ２を止着する窓開口部の長さに揃えて
切断し、次に窓開口部３の水平な縁３ａと縦の縁３ｂが
衝き合うコーナー部３ｃに沿って直角状に折れ曲がるウ
エザーストリップのコーナー部２ｂに本考案止めクリッ
プ１を係止する。このとき、止めクリップは上記コーナ
ー部２ｂから僅かに上の縦の係入溝２ａの部分に係止爪
片８を侵入させ、その両端の爪８ａ，８ａを前述の様に
溝の壁に突き立て係止させ支持片７を縦て向けにする。
そして、この係止によって頭部５をウエザーストリップ
２の水平な部分の取り付き面に添わせて係止脚６を垂直
に保ち、この係止脚６をコーナー部３ｃに近接させて穿
つ係入孔４ａに係入してその止め付けを行うのである。

【００１１】この止めクリップ１は上記コーナー部３ｃ
と、このコーナー部に対向する図示しない上方のコーナ
ー部に一対が向い合せに使用される。この時上方のコー
ナー部においては下方の水平な縁３ａに向かい合う上方
の水平な縁に穿つ係入孔に対して係止脚６を係入し上下
対称の形で使用し、ウエザーストリップを止着すること
になる。一方、この縦ての開口部縁３ｂを挟む上下のコ
ーナー部を外れた部分においてはそれぞれの係入孔４に
各対応させて従来型の止めクリップをウエザーストリッ
プに植設し、このクリップを使って止着することにな
る。

【００１２】即ち、水平な窓開口部縁３ａの長さの途中
に開設される係入孔４に各対応するウエザーストリップ
の長さの途中には鍔型の頭部に係止爪を備え、且つこの
頭部の下面から係止脚を垂設して略Ｔ字形に形成してな
る従来型の止めクリップを上記頭部を係入溝２ａに係止
して植設し、このクリップの係止脚をそれぞれの係入孔
４に押し入れることでウエザーストリップの長さの全体
を止着するのである。

【００１３】

【考案の効果】以上、本考案を図示する実施例につき詳
述したが、前記構成から本考案によれば、係入孔開設可
能な開口部縁に係止脚６を係止して係入孔開設不能な開
口部縁に支持片７を介して係止爪片８を持込みこの縁の
両端において本考案クリップによりウエザーストリップ
を緊張させた状態で止め付けられることからこの係入孔
開設不能な開口部縁からの浮き上りを有効に防止するこ
とができる。また他の縁に止め付けられた部分の引っ張
りから保護することができることから、なん等の支持も
なかった従来のものに比較して遥に信頼度の高いウエザ
ーストリップの止め付けが出来る利点がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る止めクリップにより自動車の窓開
口部にウエザーストリップを止着する前の状態を示した
分解斜視図。

【図２】止めクリップの正面図。

【図３】止めクリップの右側面図。

【図４】止めクリップの左側面図。

【図５】止めクリッブの平面図。

【図６】止めクリップの底面図。

【図７】図５のＡ−Ａ線に沿って断面とした縦断正面
図。

【図８】本考案止めクリップによりウエザーストリップ
を止め付けた状態を示す一部断面とした背面図。

【図９】図８のＢ−Ｂ線に沿って断面とした横断平面図
である。

【符号の説明】

１ 止めクリップ ２ ウエザーストリップ ２ａ 係止溝 ３ 窓開口部 ３ａ，３ｂ 窓開口部縁 ３ｃ 窓開口部のコーナー部 ４，４ａ 係入孔 ５ 止めクリップの頭部 ６ 係止脚 ７ 支持片 ８ 係止爪片

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 鍔形の頭部５の下面から窓開口部縁３ａ
   に開設する係入孔４ａに差し込み係止する係止脚６を垂
   設する一方、前記頭部５の一側縁から上方に向けてウエ
   ザーストリップ２の係止溝２ａに挿入する支持片７を直
   角状に延設すると共に、該支持片７の一面から前記頭部
   ５の直上方向に向けて前記ウエザーストリップ２の係止
   溝２ａの向い合う壁に対して突き刺し係止する係止爪片
   ８を立設してなることを特徴としたウエザーストリップ
   の止めクリップ。