JP2544589Y2

JP2544589Y2 - 製紙用溶解離精選装置

Info

Publication number: JP2544589Y2
Application number: JP1991076219U
Authority: JP
Inventors: 叔彦相川
Original assignee: Aikawa Iron Works Co Ltd
Current assignee: Aikawa Iron Works Co Ltd
Priority date: 1991-08-29
Filing date: 1991-08-29
Publication date: 1997-08-20
Anticipated expiration: 2006-08-29
Also published as: JPH0522593U

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、、パルプ生産処理、損
紙処理または新聞、雑誌、その他の古紙処理において、
未溶解離分、異物分とを含む製紙用原料を処理し異物分
を分離し溶解離作用と精選作用とを行って有用繊維の回
収が高効率にできる製紙用溶解離精選装置に関するもの
である。

【０００２】

【従来の技術】従来古紙処理などの製紙用設備において
は原料処理に古紙や損紙等の溶解離精選に用いるパルパ
ーと、分離補助パルパーと複合スクリーンとを集中して
組合せた装置がシステムとして知られ、稼働効率の向上
と操業性の向上とを計るために種々のタイプが提案され
ている。しかし、パルパーにより異物を含む難溶解離性
物質と有用繊維物質とを分離して排出しても、排出され
た難溶解離性物質と繊維性物質との合理的な後処理をし
ないと、難溶解性物質に混入して排出された有用繊維性
物質の回収と有用繊維性物質の精選を完全に能率よく行
うことができなく、パルパーの機能をも十分に発揮でき
なくなるので十分配慮しなければならない。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】従来の古紙処理パルパ
ーでは、ストレーナを通過できない各種異物が次第にパ
ルパー内に蓄積し、パルパー能力、処理濃度の低下が引
き起こされると共に、原料中に含まれる異物がパルパー
のカッティング作用で徐々に細かく破砕されながら次工
程に送られ、後処理の除塵工程に負荷がかかり、後工程
の操業不安定や、製品品質にも悪影響を与えることとな
る。これらの欠点を解決するために一般的にはパルパー
側面（パルパーストレーナの１次例）から原料を抜き出
したり、パルパーストレーナの１部分のみを比較的大き
な孔径として、その部分から原料を抜き出し分離機に送
り、抜き出した原料中の異物と有用繊維分を区分けし、
パルパー内に異物が蓄積しないよう工夫されている。し
かしながら、パルパー周辺に大きなスペースがないと、
これらの分離処理機構が設置できなくなるし、また分離
機からの粕をドレーナーに排出するためにもパルパー並
びに分離機が地上から高い位置にないと、自然落下で粕
を排出できないので機構、設置上の制約が生じ、問題が
あった。しかも、パルパーからポンプを介して原料を抜
き出し、分離機に送り込む方式では、粗大異物がポンプ
にからんだり、重量異物が、ポンプや分離機を破損させ
る危険性が大きく、操業上の問題があった。本考案は、
これら従来の欠点を排除しようとするもので、パルパー
内の粕類をポンプバキューム方式で連続的に能率よく抜
き出し、パルパーの機能を十分に発揮させることができ
ると共に、後処理機構のパルパーへの組込に制約がなく
パルパー周辺が小スペースでもコンパクトな組込構成が
安価な形態でできる装置を提供することを目的とするも
のである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】請求項１記載の考案にお
いては、上述の目的を達成するため、原料を入れるタン
クの底部に設けたストレーナに回転インペラを近接配備
したパルパーと、該パルパーより排出される溶解液を吸
引し異物を分離する内外筒からなる塔状のサイクロン分
離機と、該サイクロン分離機より異物が分離除去された
原料液を導入するタンク内に設けたスクリーンに回転イ
ンペラを近接配備し、かつ洗浄手段を持った精選機と、
該精選機より排出される不良物質の貯留用のドレーナー
とからなるものにおいて、前記サイクロン分離機の内筒
の出口側に円形ケーシングの中心入口側を連結し、該ケ
ーシング内に渦流の中心が当該ケーシングの中心になる
ようにインペラを前記ケーシングの入口側と対向して引
っ込んだ位置に配備したポンプ機構を備え、該ポンプ機
構のケーシングの中心線上にその出口管の中心が位置す
るように構成するようにしている。なお、前記回転イン
ペラが、中心にコーンを持ち、該コーンの先端をケーシ
ング内に突出配備されているものであって、ブレードは
ケーシングの引っ込んだ位置に存在するものとすると良
い。

【０００５】

【作用】古紙原料をパルパー１内に投入して所定濃度設
定で溶解離処理をインペラ２の回転で行ない、ストレー
ナ３を通して溶解性の繊維質原料が原料室４に流動し、
一方異物を含む難溶解性物質を連通路５を経て連続的に
サイクロン分離機７に円周接線方向からジェット水路６
からの給水とともに加圧導入し、サイクロン流れとなっ
て中心管となる内筒８の周囲に旋回しながら塔下方部に
至るが、塔下部の給水管９より流入する高圧水で塔下方
中間で原料濃度が低下して原料と異物の分離が容易とな
り、原料は反転して内筒８内を上昇して原料流出口８₁
より流出される。一方、サイクロン流による遠心力で原
料中に含まれた異物は塔内壁側に集められバランス点で
原料と分離して下降しゲート１０，１０のある異物溜１
１へ落ち込みゲート１０，１０の開閉で排出路から系外
に取り出される。

【０００６】内筒８の原料流出口８_１から流出した繊維
質原料は、円形ケーシング１２に円形ケーシング１２内
に渦流の中心がケーシングの中心にあるようにモータ１
４で回転するインペラ１３で吸引され、出口管１５から
精選機のタンク１６に圧送される。タンク１６内に設け
たスクリーン１７に近接して回転するインペラ１８で未
離解片は溶解離しつつ混入する異物を排出手段の排出弁
の開放で排出路１９からタンク１６外のドレーナー２１
に自然落下で排出され、他方、有用繊維質はスクリーン
１７を通過できるもので精選され、精選原料液として原
料出口２０_１より次工程に送られる。なお、インペラ１
８の回転により未離解片は攪拌溶解離されて有用繊維物
質を分離して、これをスクリーンを通して精選室２２に
送り出すが、一定時間を経過すると、不良物質の増加に
より負荷が上昇するので、このとき処理原料の供給を止
め、洗浄手段の給水によりタンク１６内に洗浄水を入れ
て稀釈洗浄を行って不良物質をインペラ１８で攪拌洗浄
し、これに附着していた有用繊維物質を洗い出し、送給
して回収した後、タンク１６内に残存する異物のみをド
レーナー２１に廃棄して次の処理に対応する。

【０００７】

【実施例】本考案の実施例を図１乃至図７で説明する
と、原料を入れるタンクの底部に設けたストレーナ２に
回転インペラ３を近接配備したパルパー１と、該パルパ
ー１より排出される溶解液を吸引し異物を分離する内外
筒からなるサイクロン分離機７と、該サイクロン分離機
７より異物が分離除去された原料液を導入するタンク１
６内に設けたスクリーン１７で精選室２２を区画し、こ
のスクリーン１７に回転インペラ１８を近接配備し、か
つ洗浄手段の稀釈水管路２３を持った精選機と、該精選
機より排出される不良物質の貯留用のドレーナー２１と
からなる装置において、前記サイクロン分離機７の内筒
８の出口側に円形ケーシング１２を設け、該円形ケーシ
ング１２内に渦流の中心がケーシングの中心になるよう
にインペラ１３を前記ケーシング１２より引っ込んだ位
置に配備したポンプ機構を備えた製紙用溶解離精選装置
としてある。

【０００８】前記円形ケーシング１２内の回転インペラ
１３としては、モータ１４によって回転駆動され中心に
コーン１３₁を持ち、該コーン１３₁の先端をケーシン
グ１２内に突出配備されているものであって、ブレード
１３₂はケーシング１２の引っ込んだ位置に存在するよ
うに構成され、また前記ケーシング１２は、ケーシング
の中心線上に出口管１５の中心が位置するように構成し
たものであって、該出口管１５を前記精選機の原料入口
２０に連結してある。

【０００９】なお、前記パルパー１にはストレーナ３を
介して原料室４が一つ又は目孔の異なる室を二つ以上形
成して溶解性物質の回収の効率向上を考慮でき、円周接
線方向に連通路５を備えて、該連通路５に塔状のサイク
ロン分離機７の外筒を連結配備してある。またこの連通
路５にはジェット水路６を連設し、バルブ６₁の開閉操
作で原料にサイクロン流れが作られるようになってい
る。さらにこのサイクロン分離機７には中心管となる円
筒８が塔上方部に備えられ、塔下方部に給水管９と、一
対のゲート１０，１０で形成される異物溜１１とを備
え、圧力水の供給によるサイクロン流れで異物の分離作
用を効果的にできるようにしてある。

【００１０】また、前記内筒８の原料流出口８_１には、
前記円形ケーシング１２の中心入口側を同心位置に設
け、渦流の中心がケーシングの中心にあるようにインペ
ラ１３が備えられ、該インペラ１３はケーシングの引っ
込んだところに備えられて流体の通過を妨げないし、詰
まり現象をなくし、流体の流れもスムーズでケーシング
の摩耗が少ないように配慮されていて、前記原料流出口
８_１から流出される繊維質原料がケーシング１２内にバ
キュームで吸引し出口管１５より前記タンク１６に圧送
できるようになっている。このタンク１６には密閉ケー
シングで原料入口２０と原料出口２０_１とを備え、タン
ク１６内をスクリーン１７で異物回収室と精選室２２と
に区画し、該異物回収室に排出弁のある異物排出路１９
と稀釈水管路２３及び原料送り用エア管路２４とを設け
てあり、前記サイクロン分離機７を側面部に附設した形
態としてある。

【００１１】図中１４はモータ、２５は回転軸、２６は
循環路で必要に応じ各部に連絡して設けられる。２７は
チェスト、２８は原料送用ポンプ、３０は洗浄水源、３
１は駆動用モータ、３２は変速機である。

【００１２】

【考案の効果】以上のように請求項１記載の考案によれ
ば、サイクロン分離機の内筒の出口側に円形ケーシング
の中心入口側を連結し、ケーシング内に渦流の中心が当
該ケーシングの中心になるようにインペラをケーシング
の入口側と対向して引っ込んだ位置に配備したポンプ機
構を備え、ポンプ機構のケーシングの中心線上にその出
口管の中心が位置するようにしているので、パルパー内
の粕類をポンプバキューム方式で連続的に能率よく抜き
出し、パルパーの機能を十分に発揮させることができる
とともに、分離処理機構のパルパーへの組込に制約がな
く、パルパー周辺が小スペースでもコンパクトな組込構
成が安価な形態で可能になるという効果がある。また、
分離機からの粕をドレーナーに自然落下で排出する形態
なので、設置場所での制限がなく、据付面積も小さいも
ので済むし、しかも、パルパー内を空にして洗浄するブ
ロー掃除することがないので、処理能力が向上し、かつ
パルパー内に異物が長く滞留しないで動力が有効に使用
され動力原単位が減少する。また、パルパー粕として廃
棄される有用繊維のロスも減少し、歩留り向上に寄与し
て操業管理も簡便で、生産性も大幅に高められ、原料品
質も向上するという実用上の効果がある。さらに、ケー
シングの中心線上に繊維質原料用の出口管の中心を位置
させるので、繊維質原料の流れがスムーズで、ケーシン
グの磨耗を減少させることが可能になるという効果があ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例を示す系統説明図である。

【図２】実施例の分離機の一部切断側面図である。

【図３】図２のＡ−Ａ線における横断面図である。

【図４】実施例の分離機のポンプ機構の拡大縦断面図で
ある。

【図５】図４のＢ−Ｂ線における横断面図である。

【図６】実施例の使用状態の一部切欠側面図である。

【図７】図６の正面図である。

【符号の説明】

１パルパー２インペラ３ストレーナ４原料室５連通路６ジェット水路７サイクロン分離機８内筒８_１原料流出口９給水管１１異物溜１２円形ケーシング１３インペラ１３_１コーン１３_２ブレード１５出口管１６タンク１７スクリーン１８インペラ１９排出路２１ドレーナー２２精選室

Claims

(57)【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】原料を入れるタンクの底部に設けたスト
レーナに回転インペラを近接配備したパルパーと、該パ
ルパーより排出される溶解液を吸引し異物を分離する内
外筒からなる塔状のサイクロン分離機と、該サイクロン
分離機より異物が分離除去された原料液を導入するタン
ク内に設けたスクリーンに回転インペラを近接配備し、
かつ洗浄手段を持った精選機と、該精選機より排出され
る不良物質の貯留用のドレーナーとからなる装置におい
て、前記サイクロン分離機の内筒の出口側に円形ケーシ
ングの中心入口側を連結し、該ケーシング内に渦流の中
心が当該ケーシングの中心になるようにインペラを前記
ケーシングの入口側と対向して引っ込んだ位置に配備し
たポンプ機構を備え、該ポンプ機構のケーシングの中心
線上にその出口管の中心が位置するように構成したこと
を特徴とする製紙用溶解離精選装置。
【請求項２】前記回転インペラが、中心にコーンを持
ち、該コーンの先端をケーシング内に突出配備されてい
るものであって、ブレードはケーシングの引っ込んだ位
置に存在するものである請求項１記載の製紙用溶解離精
選装置。