JP2544387Y2 - タグラベルの配列体 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案はタグラベルに係り、特に
ラベル表面側に個々のラベル毎に固有な表示を印刷する
ことのできる複数のタグラベルの配列体に関する。

【０００２】

【従来の技術および考案が解決すべき課題】個々の商品
に対して糸又はビニル紐等で繋着されるタグラベルは従
来ラベルメーカによってラベル用紙の原反の個々のラベ
ル形成領域に予め全体に共通する商品名、商標名、図柄
等を印刷し、打抜加工によって整形した後納品され使用
者によって商品に繋着されていた。

【０００３】タグラベルは直接表示ラベルを貼着できな
い商品等にあっては、不可欠な表示体であるが、ラベル
ユーザは場合によってラベル毎に固有な印刷を施したり
あるいは別の表示ラベルを重ねて貼着することが必要と
なり極めて繁雑な作業を強いられることがある。

【０００４】たとえば、商品の価格その他の表示のよう
に、商品の種別や販売時期等によって表示が変動する場
合、特に大ロットのラベルでない限り、ラベルメーカ側
で予めタグラベルにこれらの表示を印刷することは少な
く、通常はユーザ側でタグラベルの繋着時にその都度手
作業で表示していた。特に近年商品管理の面で一般化し
たバーコード表示はその内容が各商品に固有な詳細な情
報を含むため、一括して製作されるタグラベルに予めバ
ーコードを印刷しておくことはできず、必要な場合には
予めバーコードのみの表示ラベルを用意してこれを個々
の既製のタグラベルに貼着するしか方法がなかった。

【０００５】このため、プリンタ用紙の所定のラベル表
示域に個々の商品に対応するバーコード等を一括してプ
リンタ印刷し、あとで個々のラベルの形状に打抜いて使
用することも試みられている。

【０００６】しかし、この方法ではプリンタ用紙からば
らばらに切離されるタグラベルを商品に対応付けて整理
および係着する作業が極めて煩雑となり、特にバーコー
ドの印刷をユーザ側で行なう場合にはダイカット数個ま
で用意するか、又は印刷済のプリンタ用紙をのラベル加
工メーカへ引渡しして加工させることが必要となる。

【０００７】

【課題を解決するための技術的手段】前記タグラベルに
おける従来技術の課題は表面に各ラベルに固有な表示の
印刷域を設けた複数のタグラベルと、前記複数の各タグ
ラベルがそれらの表面を上側にして所定の間隔で被印刷
面上に配列されたプリンタ用紙と、前記各タグラベルの
裏面と前記プリンタ用紙の被印刷面とを溶融時のぬれに
よって剥離可能に結合する熱可塑性樹脂を含む剥離層と
からなるタグラベルの配列体によって解決される。

【０００８】

【作用】本考案においては複数のタグラベルがプリンタ
用紙上に剥離層を介して所定の間隔で剥離可能に貼着さ
れて配列されており、各タグラベルの表面側には各ラベ
ルに固有な表示の印刷域が設けられている。

【０００９】したがって、ラベルユーザはこのタグラベ
ルが一体に配列されたプリンタ用紙をバーコードプリン
タその他の適宜なプリンタにかけることにより、予め各
ラベルに印刷されていた共通の表示に加えてバーコード
その他個々のラベルに固有な情報を必要に応じて多数の
タグラベルについて一括して自動的に印刷することがで
きる。

【００１０】各タグラベルはプリンタ用紙に対して剥離
層を介して剥離可能に結合されているので、プリンタ印
刷後のラベルは印刷時に定められた所定の順序にしたが
って順次プリンタ用紙から容易に剥離され商品に繋着さ
れる。

【００１１】尚タグラベルとプリンタ用紙とは剥離層の
熱可塑性樹脂の溶融時のぬれによって結合されているの
でラベル剥離後には感圧性接着剤を使用した場合のよう
ば粘着性は全く残存せずラベルの取扱いに支障を生じな
い。

【００１２】剥離層が透明なポリエチレン等の透明な熱
可塑性樹脂層とラベル裏面に施されたアンカーコート層
とからなる場合には、ラベル製造時に樹脂層がアンカー
コート層と密着してラベル側に固着され、一方プリンタ
用紙側に対しては溶融時のぬれによって剥離可能に固着
される。

【００１３】また、剥離層がラベル裏に感圧性接着剤で
固着される透明なポリエチレンテレフタレート等の熱可
塑性樹脂層と、この樹脂層とプリンタ用紙の被印刷面と
の間に溶融状態が流し込まれる異なった材質の熱可塑性
樹脂（たとえばポリエチレン）層とからなる場合には、
ラベル製造時にポリエチレンテレフタレート層が接着剤
でラベル裏面に、ポリエチレン層がプリンタ用紙側に夫
々固着され、両樹脂層間にはぬれによって剥離可能な境
界面が形成される。

【００１４】この場合ラベル裏面印刷域に共通な商標や
図柄等を予め印刷している場合には、透明なポリエチレ
ン又はポリエチレンテレフタレート等の樹脂層がその印
刷面に固着されるのでラベル裏面には光沢感のある保護
ラミネートが形成されることになる。

【００１５】尚本考案のラベル配列体の製造に際して
は、予め裏面に所定の図柄等を印刷されたラベル用紙の
前記印刷域の側にたとえばポリエチレン等による通常の
ラミネートを施してアンカーコート層を形成し、これと
プリンタ用紙との間にたとえばポリエチレン等の熱可塑
性樹脂を熱押出しによって供給し、冷却圧着させること
によってラベル配列体の材料シートが得られる。

【００１６】次いでこの材料シートに対してラベル用紙
側からプリンタ用紙の上面に到る深さでハーフダイカッ
トを施してカス取りを行いプリンタ用紙を台紙とした各
タグラベルの配列体が得られる。このハーフダイカット
の際に各タグラベルの端縁部には吊下げ孔を同時に形成
する、プリンタ用紙の両側には予めプリンタへの係合用
のパーフォレーションを設けておくことが好ましい。

【００１７】また別の態様では、前記ラベル用紙−感圧
性接着剤−透明なポリエチレンテレフタレートフィルム
−ポリエチレン溶融層−プリンタ用紙からなる前記積層
体にハーフダイカットを施すことにより同様にしてタグ
ラベルの配列体が得られる。この場合にもポリエチレン
テレフタレート層がポリエチレン層から剥離してラベル
の裏面印刷域に残り、同様にして良好保護ラミネーショ
ンが得られる。

【００１８】実施例１ 以下本考案の実施例を図面に基づいて説明する。

【００１９】第１図は本考案のラベル配列体に用いる積
層シートの断面図、第２図は前記シートをハーフダイカ
ットして得られる本考案の一実施例の断面図、第３図は
その斜視図である。

【００２０】第１図中、裏面に適宜な図柄を印刷した厚
さ約180 μｍのコート紙からなるラベル用紙６の裏面に
対して透明なポリエチレン樹脂を通常の加工温度でラミ
ネートして厚さ約15μの透明なアンカーコート層５を形
成し、このアンカーコート層５と厚さ約100 μｍの上質
紙からなるプリンタ用紙２との間に透明なポリエチレン
樹脂層を約310 ℃の温度で溶融状態で押出してラベル用
紙６とプリンタ用紙２とを樹脂の「濡れ」によって互い
に一体化し冷却下に圧着する。

【００２１】こゝでポリエチレン樹脂層４とアンカーコ
ート層５とからなる剥離層３において、同種の樹脂から
なる層（３、５）は互いに相溶して密着する。この場合
アンカーコート層５はラベル用紙６に対して通常のラミ
ネーションによって密着されているので、剥離層３はラ
ベル用紙６側に剥離不能に固着される。

【００２２】一方樹脂層４とプリンタ用紙２の紙せん維
との間にはこのような相溶は生ぜずポリエチレンの溶融
温度（310 ℃) が通常のラミネーション温度よりも低い
ために単に「濡れ」によって結合され、冷却後には所定
の剥離強度で剥離面７のところで剥離可能に接着されて
いる。

【００２３】このようにして得られたラベル配列体の原
材料としての積層シートに対して、第２図に示すように
ラベル用紙６の上側からプリンタ用紙２の上面に到る深
さでハーフダイカットを施してプリンタ用紙１上に各タ
グラベル１を所定のパターンで残し、残部をカス取りす
る（この場合各タグラベルの端部には第３図に示す吊り
下げ孔９を同時に形成する）。

【００２４】次いでこの整形および配列された各タグラ
ベル１を上面に有するプリンタ用紙２は両側のパーフォ
レーション９によってプリンタのバーコード印刷部（図
示せず）に送られ、第３図に示すように各タグラベル１
の上面の印刷域１Ａに夫々のラベルに固有な情報を示す
バーコート等予め記憶されたデータに基づいてコンピュ
ータ制御下で逐次連続的に印刷される。

【００２５】このようにして上面にバーコードを印刷さ
れた各タグラベル１をプリンタ用紙２の上面から順次剥
離して端縁近傍の吊り下げ孔８に糸を通し、対応する商
品に適宜繋着される。

【００２６】この場合各ラベル１の下部の剥離層３は、
ラベル１に対してはアンカーコート層５によって固着さ
れ、一方プリンタ用紙２に対しては剥離面７のところで
剥離可能に結合されているので、ラベル１はこの剥離面
７でプリンタ用紙２から容易に剥離される。剥離された
タグラベル１の裏面には冷却によって固化したポリエチ
レン樹脂層４が存在するため、タグラベル１には全く粘
着性がなく商品繋着の際に支障を生じることはない。ま
たタグラベル１の裏面に予め施された図柄等の印刷面１
Ｂは透明なポリエチレン樹脂層４によって保護ラミネー
ションを施された状態となっている。

【００２７】このように本実施例のタグラベルの配列体
では複数のタグラベル１をプリンタ用紙２上に所定パタ
ーンで剥離可能に配列してあるので、個々のタグラベル
１の表面側の印刷域１Ａに対して固有のバーコート等の
表示を必要に応じてプリンタによって一括して連続的に
印刷することができ、かつ印刷後の各タグラベル１を前
記順序にしたがってプリンタ用紙２から容易に剥離して
個々の商品に適確な対応で取付けることができる。

【００２８】このため、従来はラベルメーカでつくられ
たタグラベルに対して、ユーザ側でその都度個々に手作
業によって印刷もしくは貼着せねばならなかったバーコ
ード表示等の各ラベル固有の表示を、各タグラベル１に
ついて一括して極めて効率的に印刷しかつ順序通り商品
に取付けることが可能となる。

【００２９】したがって、ラベルユーザ側では全体に共
通する図柄その他の印刷を除いてはロット毎に異なる印
刷を施す必要がないので印刷コストが著しく低減し、ま
た各ラベルがプリンタ用紙に一括配列されているのでユ
ーザ側では任意のプリンタを用いて必要な表示印刷を任
意に施すことができ、タグラベルの利用性が多様化す
る。

【００３０】尚本実施例では剥離層３としてポリエチレ
ン樹脂層４とラベル用紙６側に施されたポリエチレンア
ンカーコート層５とを用いているが、剥離層３としては
このような構成に限ることはない。

【００３１】実施例２ 図４は本考案の別の実施例の断面図である。図中、ラベ
ル用紙６とプリンタ用紙２との間に形成される剥離層３
はタグラベル１（ラベル用紙６）の裏面の印刷域１Ｂに
感圧性接着剤10を介して接着される厚さ25μの透明なポ
リエチレンテレフタレート樹脂のフィルム11およびこの
フィルム11とプリンタ用紙２との間に溶融状態で流し込
まれて冷却固化されたポリエチレン層12とからなる。

【００３２】この実施例では異種の熱可塑性樹脂層11、
12の間にそれらの濡れによって剥離面13が形成され、タ
グラベル１の裏面には透明なポリエチレンテレフタレー
トフィルム11が印刷域１Ｂの保護フィルムとして残り、
ポリエチレンフィルム12は図３の一点鎖線に示すように
プリンタ用紙２の被印刷面に残される。その他の作用効
果は前記実施例１の場合と同様である。

【考案の効果】以上のように本考案によればタグラベル
に対して個々のラベルに必要な固有な表示をユーザ側で
任意に効率よく一括して印刷することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例に用いるラベル配列体の積層
シートの断面図である。

【図２】前記積層シートから得られるラベル配列体の断
面図である。

【図３】前記ラベル配列体の斜視図である。

【図４】本考案のラベル配列体の別の実施例の断面図で
ある。

【符号の説明】

１ タグラベル、 ２ プリンタ用紙、 ３ 剥離層、 ４ ポリエチレン樹脂層、 ５ アンカーコート層（ポリエチレンラミネート層）、 ６ ラベル用紙、 ７ 剥離面、 ８ 吊り下げ孔、 ９ パーフォレーション、 １０感圧性接着剤、 １１ポリエチレンテレフタレートフィルム、 １２ポリエチレン層

Claims (6)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 表面に各ラベルに固有な表示の印刷域１
   Ａを設けた複数のタグラベル１と、前記複数の各タグラ
   ベル１がそれらの表面を上側にして所定の間隔で被印刷
   面上に配列されたプリンタ用紙２と、前記各タグラベル
   １の裏面と前記プリンタ用紙２の被印刷面とを溶融時の
   ぬれによって剥離可能に結合する熱可塑性樹脂を含む剥
   離層３とからなるタグラベルの配列体。
2. 【請求項２】 前記各ラベルに固有な各タグラベルの印
   刷域１Ａの表示が、ラベルが繋着される商品の内容を示
   すバーコード等の表示印刷である第１項記載のタグラベ
   ルの配列体。
3. 【請求項３】 前記各タグラベル１の裏面に各ラベルに
   共通する表示の印刷域１Ｂを設けた第１項記載のタグラ
   ベルの配列体。
4. 【請求項４】 前記剥離層３が前記プリンタ用紙２の印
   刷面に対して剥離可能に密着し得る温度で熱押出しされ
   る熱可塑性の樹脂層４と前記タグラベル１の裏面にラミ
   ネートされ前記樹脂層４と剥離不能に固着するアンカー
   コート層５とからなる第１項記載のタグラベルの配列
   体。
5. 【請求項５】 前記各タグラベル１がラベル用紙６、剥
   離層３およびプリンタ用紙２からなる積層体を形成し、
   この積層体に対してラベル繋着孔８の形成を含むラベル
   整形のためのハーフダイカットを施すことによって前記
   プリンタ用紙２上に一定の配列で形成される第１項記載
   のタグラベルの配列体。
6. 【請求項６】 前記剥離層３が前記タグラベル１の裏面
   に接する側に感圧性接着剤層10を塗工された透明な熱可
   塑性の樹脂層11と、前記熱可塑性の樹脂層11と前記プリ
   ンタ用紙２の被印刷間との間に溶融状態で流し込まれ、
   前記熱可塑性樹脂層11とは剥離可能に前記プリンタ用紙
   ２とは剥離不能に接着された前記熱可塑性樹脂層11とは
   異なった材質の熱可塑性樹脂層12とからなる前記請求項
   １記載のタグラベルの配列体。