JP2544197Y2 - 汎用エンジンの始動装置 - Google Patents

汎用エンジンの始動装置

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JP2544197Y2
JP2544197Y2 JP1993071126U JP7112693U JP2544197Y2 JP 2544197 Y2 JP2544197 Y2 JP 2544197Y2 JP 1993071126 U JP1993071126 U JP 1993071126U JP 7112693 U JP7112693 U JP 7112693U JP 2544197 Y2 JP2544197 Y2 JP 2544197Y2
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この考案は、刈払機、発電機など
に使用する汎用エンジンの始動装置に関し、詳しくは始
動時の準備操作を不要にした始動装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】この種のエンジンの始動装置のうち、あ
らかじめキャブレターのチョークバルブを閉鎖してか
ら、リコイルスタータのリコイルをロープにて牽引して
エンジンを始動するものに、実開平4−91251号公
報に記載の装置がある。この装置は、リコイルスタータ
のリコイル牽引時に汎用エンジン内のピストンが往復動
するときの正負圧により作動する燃料ポンプを燃料タン
ク内に設けて、該タンク内の燃料をキャブレターに供給
するようにした構造を備えた始動装置である。
【0003】また、エンジンの始動時において、キャブ
レターのチョークバルブの操作を不要にし、リコイルス
タータのリコイルをロープにて牽引するだけでエンジン
を始動するものに、実開平2−67062号公報に記載
の装置がある。この装置は、キャブレターとエンジンと
の間の吸気通路に開口する燃料通路を燃料タンクに連通
して設けるとともに、エンジンに配備した温度センサー
により制御され、前記燃料通路を開閉する燃料弁を設
け、その燃料弁によってエンジンの温度が低いときに燃
料通路を開放する一方、同温度が高くなると燃料通路を
閉鎖するようにした始動装置である。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た公報に記載の始動装置では、いずれも次のような点で
改良の余地がある。
【0005】a.前者(実開平4−91251号)の場
合:リコイル牽引時にピストンが往復動するときの正負
圧によって燃料ポンプが作動し、燃料タンク内の燃料が
キャブレターに供給されることから、エンジンの始動時
に従来は必要とされていたプライミングポンプによるキ
ャブレターへの燃料供給操作が不要になるという利点が
ある。が、上記したとおり、エンジンの始動前に、チョ
ークバルブを閉鎖しておかねばならないうえに、エンジ
ンが始動したのちにはチョークバルブを開放して元の状
態に戻す必要がある。
【0006】b.後者(実開平2−67062号)の場
合:上記したとおり、キャブレターとエンジンとの間の
吸気通路に燃料タンクからの燃料通路を連通させた構造
で、その燃料通路内の燃料弁を開放したときには燃料通
路が大気開放状態になるだけであるので、吸気通路内に
燃料が供給されるまでに、かなりの回数、リコイルを牽
引する必要があり、エンジンの始動に手間がかかる。一
方、プライミングポンプのような燃料供給手段を設ける
と、エンジン始動前にその操作が必要になるうえに、燃
料弁が開放されたときに、大気との連通口から燃料が漏
出するおそれがある。
【0007】この考案は上述の点に鑑みてなされたもの
で、エンジンの始動前の準備操作を不要にしてスタータ
を操作するだけでスムーズにエンジンを始動できる、汎
用エンジンの始動装置を提供することを目的としてい
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ためにこの考案の汎用エンジンの始動装置は、a)エンジ
ン本体内のピストンが往復動するときの正負圧により作
動する燃料ポンプを燃料タンク内に設けて、該タンク内
の燃料をキャブレターに供給するようにした汎用エンジ
ンの始動装置において、B)前記キャブレターへの燃料供
給路を分岐して前記燃料タンクへの燃料リターン路を設
け、C)この燃料リターン路を分岐して前記キャブレター
内のスロットルバルブと前記エンジン本体の間の吸気通
路に燃料を供給するための第2燃料供給路を設けるとと
もに、この第2燃料供給路を開閉するソレノイドバルブ
を同第2燃料供給路内に介設してスプリングにより閉鎖
向に付勢し、D)前記エンジン本体の温度を検出してO
N・OFFする温度スイッチをエンジン本体に配備し、
前記エンジン本体の温度が所定温度以下のときに、前記
温度スイッチをONにして前記ソレノイドバルブを開放
させるように構成している。
【0009】
【0010】請求項に記載のように、前記汎用エンジ
ンにリコイルスタータを備えるとともに、前記ソレノイ
ド駆動機構又は前記ソレノイドバルブに、前記リコイル
スタータのリコイル牽引時にイグニッションコイルを介
して発生する電力で作動するものを使用することができ
る。
【0011】
【0012】請求項に記載のように、a)エンジン本体
内のピストンが往復動するときの正負圧により作動する
燃料ポンプを燃料タンク内に設けて、該タンク内の燃料
をキャブレターに供給するようにした汎用エンジンの始
動装置において、H)前記キャブレターへの燃料供給路を
分岐して前記燃料タンクへの燃料リターン路と前記エン
ジン本体の間の吸気通路に燃料を供給するための第2燃
料供給路とをそれぞれ設け、I)前記エンジン本体にサー
モエレメントの温度反応部を埋設し、J)前記第2燃料供
給路の途中に開閉バルブを介設し、この開閉バルブに前
記サーモエレメントの作動部を連結して前記開閉バルブ
を開閉させるように構成してもよい。
【0013】
【作用】上記した構成を有するこの考案の始動装置(請
求項1)によれば、エンジンの始動前はキャブレター内
のスロットルバルブがアイドリング開度になっており、
また第2燃料供給路がスプリングで付勢されたソレノイ
ドバルブによって閉鎖されている。たとえば電動スター
タを備えたエンジンでは、エンジンのスイッチをONに
すると、エンジン本体の温度が低く、所定温度以下であ
るので、温度スイッチがON状態となり、ソレノイドバ
ルブがスプリングの付勢力に抗して開放方向に作動し、
第2燃料供給路が開放される。この状態で、電動スター
タを作動し てエンジンを回転させると、ピストンが往復
動して正負圧が発生し、そのパルス圧によって燃料タン
ク内の燃料ポンプが作動し、燃料が分岐路を経てキャブ
レターへの燃料供給路、燃料タンクへの燃料リターン路
および第2燃料供給路へ送給される。このときキャブレ
ターのニードルバルブは閉じているので、燃料は燃料リ
ターン路および第2燃料供給路へ送給されるとともに、
エンジン本体への吸気通路内が負圧になるため、同吸気
通路内に燃料が供給される
【0014】
【0015】この状態で、さらにスタータによりエンジ
ンが回転されることにより、吸気通路内に供給される燃
料がキャブレターからの空気と混合されてエンジン本体
内に供給されエンジンが始動する。こうしてエンジンが
始動され、通常、1〜2分程度の暖機運転が行われる
と、エンジン本体の温度が上昇し、所定温度(たとえば
50℃)よりも高くなり、これが温度スイッチで検出さ
れてOFFになり、ソレノイドバルブがスプリングの付
勢力により閉鎖方向に移動し、第2燃料供給路が閉鎖さ
れる。またエンジンの回転数(速度)が上がるので、キ
ャブレターノズルに負圧が作用し、ニードルバルブが開
放されてキャブレター(のメタリングチャンバー)内に
燃料が供給される。そこで、エンジン内に供給される燃
料の混合気が通常の薄い状態になり、エンジンの運転が
継続する。この間に、燃料タンク内の燃料ポンプにエン
ジンからのパルス圧が作用し、燃料ポンプが作動してい
るので、燃料がキャブレターへ供給され、一部は燃料リ
ターン路を通って燃料タンクに戻る。したがって、プラ
イミングポンプによる燃料供給やチョークバルブの開閉
操作が一切不要になり、スタータを操作するだけでエン
ジンが始動する。
【0016】請求項記載の始動装置によれば、請求項
1記載の装置において、リコイルスタータのリコイルを
牽引したときにイグニッションコイルを介して発生する
電力で、ソレノイドバルブは開放方向に作動可能な状態
になり、このとき、エンジン本体の温度が低いので、温
度スイッチがONになっているため、ソレノイドバルブ
に電流がながれスプリングの付勢力に抗して第2燃料供
給路が開放されている。そしてエンジンの始動後、暖機
運転を経てエンジン本体の温度が所定温度以上に上昇す
ると、温度スイッチがOFFになるため、ソレノイドバ
ルブへは電流がながれなくなり、ソレノイドバルブはス
プリングの付勢力によって閉鎖方向に移動し、第2燃料
供給路が閉鎖される。
【0017】
【0018】請求項記載の始動装置によれば、エンジ
ンの始動前はキャブレター内のスロットルバルブがアイ
ドリング開度になっており、また第2燃料供給路内の開
閉バルブは開放されている。この状態で、エンジンを回
転させると、ピストンが往復動して正負圧が発生し、そ
のパルス圧によって燃料タンク内の燃料ポンプが作動
し、燃料が分岐路を経てキャブレターへの燃料供給路、
燃料タンクへの燃料リターン路および第2燃料供給路へ
送給される。このときキャブレターのニードルバルブは
閉じているので、燃料は燃料リターン路および第2燃料
供給路へ送給されるとともに、エンジン本体への吸気通
路内が負圧になるため、同吸気通路内に燃料が供給され
る。この状態で、さらにエンジンが回転されることによ
り、吸気通路内に供給される燃料がキャブレターからの
空気と混合されてエンジン本体内に供給されエンジンが
始動する。こうしてエンジンが始動され、通常1〜2分
程度の暖機運転が行われると、エンジン本体の温度が上
昇し、所定温度(たとえば50℃)よりも高くなり、こ
れがサーモエレメントの温度反応部を加熱するので、サ
ーモエレメントの作動部が作動し開閉バルブを閉鎖方向
に操作することにより第2燃料供給路が閉鎖される。ま
た、エンジンの回転数(速度)が上がるので、キャブレ
ターノズルに負圧が作用し、ニードルバルブが開放され
てキャブレター(のメタリングチャンバー)内に燃料が
供給される。そこで、エンジン内に供給される燃料の混
合気が通常の薄い状態になり、エンジンの運転が継続す
る。この間に燃料タンク内の燃料ポンプにエンジンから
のパルス圧が作用し、燃料ポンプが作動しているので、
燃料がキャブレターへ供給され、一部は燃料リターン路
を通って燃料タンクに戻る。したがって、プライミング
ポンプによる燃料供給やチョークバルブの開閉操作が一
切不要になり、スタータを操作するだけでエンジンが始
動する。このように基本的な作用は、請求項の装置と
おおむね共通する。
【0019】
【実施例】以下、この考案にかかる汎用エンジンの始動
装置の実施例を図面に基づいて説明する。図1は本考案
の始動装置を備えた汎用エンジンとその下部に取り付け
られる燃料タンクを示す一部を断面で表した正面図、図
2は始動装置の実施例を示す正面視断面図、図3は図2
のIII−III線断面図、図4はソレノイド駆動用の電気回
路を示す説明図である。
【0020】図1に示すように、空冷2サイクル汎用エ
ンジン1はリコイルスタータ2を備え、ロープ端部のノ
ブ2aを牽引してリコイル(図示せず)を回転させるこ
とにより、エンジン1を始動するようになっている。エ
ンジン1の吸気ポートに、断熱材からなるインシュレー
タ3を介してキャブレター4が接続され、キャブレター
4の吸込口にはエアクリーナ5が接続されている。
【0021】燃料タンク6は、図1では説明上分離して
表しているが、通常はエンジン1の下面側に一体に取り
付けられている。燃料タンク6内の底部最下位置には、
燃料ポンプ7が設置されている。この燃料ポンプ7は、
エンジン1の本体1a内のピストン1b(図2)の往復
動により発生する正負圧(パルス圧)で駆動されるポン
プで、本例では、エンジン1のクランク室(図示せず)
の圧力を取り出して駆動する。燃料ポンプ7はダイヤフ
ラム7aをパルス圧で作動させて、ポンプ室7bに燃料
を吸い込んだのちポンプ室7bから吐出させる構造の、
公知のダイヤフラム式ポンプである。
【0022】エンジン1のクランク室(図示せず)に一
端を接続したパルス圧取出用の配管8を、燃料ポンプ7
の圧力室7cに接続し、燃料ポンプ7の燃料吐出口に一
端を接続した燃料供給管9を、キャブレター4に接続し
ている。配管8および燃料供給管9は、燃料タンク6の
上面の中央部に配設したシール部材6aを貫通させてい
る。配管8にはパルス圧による管壁の膨張を防止するた
め、金属製のコルゲート管を使用するのが望ましい。ま
た、燃料ポンプ7の燃料吸込口には、燃料フィルター1
0を装着している。燃料ポンプ7の端部の周囲と燃料フ
ィルター10の端部の周囲には、リング状のゴムダンパ
ー11をそれぞれ巻装している。
【0023】図2・図3に示すように、キャブレター4
は、エア吸込口4aにチョークバルブ4cを備え、チョ
ークバルブ4cは回転軸4dにより開閉自在に軸着され
ている。回転軸4dにはチョークレバー4eが一体回転
可能に取着され、チョークレバー4eを揺動操作するこ
とにより、チョークバルブ4cが開閉される。図2のよ
うに、エアクリーナ5の上部にL形ブラケット12を介
してソレノイド駆動機構13が装着されている。ソレノ
イド駆動機構13内には、ソレノイドコイル13aのほ
か、T字状ロッド13bを上方(チョークバルブ4cの
閉鎖方向)に付勢するコイルバネ13cを備えている。
ロッド13bの下端は、チョークレバー4eの端部に枢
支具4fを介して連結されている。この構成により、ソ
レノイドコイル13aに電流がながれていないときはチ
ョークバルブ4cが閉鎖され、ソレノイドコイル13a
に電流がながれたときに、ロッド13bが下降してチョ
ークバルブ4cが開放される。なお、ソレノイド駆動機
構13はエアクリーナ5の下部側に装着してもよく、ま
たチョークバルブ4cをソレノイドバルブで構成しても
よい。
【0024】図4に示すように、ソレノイド駆動機構1
3の駆動源には、電気回路14を介して、リコイルスタ
ータ2(図1)のリコイル(図示せず)を牽引して回転
させたときに付属の交流発電機で発生する電力を使用す
る。すなわち、交流発電機の一部を構成するイグニッシ
ョンコイル15の交流波のうち半波をダイオード16で
整流するとともに、コンデンサ17で電圧を一定にして
使用する。また、電気回路14には、スパークプラグ1
8を発火させるためのイグナイター19のほかに、ソレ
ノイド駆動機構13の駆動を制御するための温度スイッ
チ20を介設している。
【0025】温度スイッチ20は、その温度センサー部
20aをエンジン本体1a(図2)に密着させて取り付
けてあり、エンジン本体1aが所定温度(たとえば50
℃)以上に上昇すると、これを検出してソレノイド駆動
機構13のソレノイドコイル13a(図2)へ電流をな
がすようにONになる。いいかえれば、エンジン本体1
aが所定温度に達しないときには、温度スイッチ20が
OFF状態になっており、ソレノイド駆動機構13のソ
レノイドコイル13aへは電流がながれない。このよう
に、温度スイッチ20は、エンジン本体1aの温度が所
定温度以上に上昇したときにONに切り換わり、ソレノ
イドコイル13a(図2)へ電流をながしてチョークバ
ルブ4cを開放させる。
【0026】上記した構成からなる実施例の始動装置に
あっては、次のように機能する。すなわち、図1〜図4
において、 リコイルを回転させたときにピストン1bが往復動
して、このときに発生する正負のパルス圧によって燃料
タンク6内の燃料ポンプ7が作動し、燃料がキャブレタ
ー4に供給される。
【0027】 キャブレター4のチョークバルブ4c
は、ソレノイド駆動機構13のコイルバネ13cにより
付勢され、吸気口を閉鎖している。したがって、の状
態でさらにリコイルが回転されることにより、燃料タン
ク6からのキャブレター4への燃料の供給が継続される
とともに、キャブレター4内の燃料が空気と混合されて
エンジン本体1a内に供給されてエンジン1が始動す
る。
【0028】 こうしてエンジン1が始動され、通
常、1〜2分程度の暖機運転が行われると、エンジン本
体1aの温度が上昇する。このとき、あらかじめ設定し
た温度(たとえば50℃)以上になると、これが温度ス
イッチ20の温度センサー部で検出されONになるの
で、ソレノイド駆動機構13のソレノイドコイル13a
に電流がながれ、チョークバルブ4cをコイルバネ13
cに抗して開放させる。そこで、エンジン本体1a内に
供給される燃料の混合気が通常の薄い状態になり、エン
ジン1の運転が継続する。したがって使用者はリコイル
スタータ2のリコイルを数回牽引操作するだけで、エン
ジン1を始動させることができる。
【0029】次に、図5は他の考案にかかる始動装置を
備えた汎用エンジンとその下部に取り付けられる燃料タ
ンクを示す一部を断面で表した正面図、図6は図5の始
動装置の実施例を示す正面視断面図である。
【0030】本考案の始動装置が上記した最初の考案と
主に相違するところは、キャブレター4’がチョークバ
ルブ4c(図2)を備えておらず、その代わりに、エン
ジン本体1aの低温時には、キャブレター4’とエンジ
ン本体1aとの吸気通路内に燃料の一部を供給する機構
を設けたことである。以下に詳しく説明すると、図5に
示すように、エンジン1のピストン1b(図6)が往復
動するときの正負圧で駆動される燃料ポンプ7が、燃料
タンク6内に配備されている。燃料供給管9は分岐さ
れ、一方はキャブレター4’への燃料供給管21に、他
方は燃料タンク6への燃料リターン管22に構成されて
いる。燃料リターン管22は途中からさらに分岐され
て、本例では図6のようにインシュレータ3内に連通す
る第2燃料供給管23に構成されている。
【0031】図6に示すように、燃料リターン管22の
入口には絞り部22aが形設されている。そして、その
絞り部22aのすぐ下流側で下向きに分岐されている上
記第2燃料供給管23内に、始動用燃料弁であるソレノ
イドバルブ25が介設され、このソレノイドバルブ25
はスプリング26により燃料供給管23内の通路を閉鎖
する方向に付勢されている。ソレノイドバルブ25の駆
動源は、リコイルスタータ2のリコイル牽引時に発生す
る電力を利用したもので、先の考案と共通し、ほぼ同様
な電気回路(図4参照)を備えているが、温度スイッチ
20のON・OFF操作が全く逆になっている。つま
り、エンジン本体1aの温度が所定温度(たとえば60
℃)に達するまでは温度スイッチ20がON状態である
が、所定温度以上になると温度スイッチ20が切れてO
FFになる。そして、エンジン本体1aの温度が低く、
温度スイッチ20がON状態で、ソレノイドバルブ25
が作動して燃料供給管23内の通路を開放する。
【0032】第2燃料供給管23は、インシュレータ3
に接続するほか、2点鎖線で示すようにエンジン本体1
aの吸気ポート部あるいはキャブレター4のスロットル
バルブ4f下流側に接続することができる。図6中の符
号20aは温度スイッチ20(図4)の温度センサー部
で、エンジン本体1aに密着させて取り付けてある。な
お、4gはメタリングチャンバー、4hはニードルバル
ブである。その他の構成については、先の考案と共通す
るので、共通する部材については同一の符号を用いて示
す。
【0033】上記した構成からなる本例の始動装置にあ
っては、次のように機能する。すなわち、図5・図6に
おいて、 エンジン1の始動前はキャブレター4’内のスロッ
トルバルブ4fがアイドリング開度になっており、また
第2燃料供給管23内の通路がスプリング26で付勢さ
れたソレノイドバルブ25によって閉鎖されている。
【0034】 リコイルスタータ2のリコイルを牽引
して回転させたときに発生する電力で、電気回路14
(図4)が働く。そして、エンジン本体1aの温度が低
く、所定温度以下であるため、温度スイッチ20(図
4)はON状態になっており、ソレノイドバルブ25が
開放方向に作動し、第2燃料供給管23内の通路を開放
する。またピストン1bが往復動したときに発生する正
負のパルス圧によって燃料タンク6内の燃料ポンプ7が
作動し、燃料が燃料供給管9から送給される。このとき
キャブレター4’のニードルバルブ4hは閉じているの
で、燃料は燃料リターン路22および第2燃料供給路2
3へ送給されるとともに、インシュレータ3内が負圧に
なるため、インシュレータ3内に燃料が送り出される。
【0035】 の状態でさらにリコイルスタータ2
のリコイルを牽引することにより、インシュレータ3内
の燃料がキャブレター4’からの空気と混合されてエン
ジン本体1a内に供給されエンジンが始動する。
【0036】 こうしてエンジン1が始動され、通
常、1〜2分程度の暖機運転が行われると、エンジン本
体1aの温度が上昇し、所定温度よりも高くなると、こ
れが温度スイッチ20の温度センサー部20aで検出さ
れてOFFになり、ソレノイドバルブ25がスプリング
26の付勢力により閉鎖方向に移動し、第2燃料供給管
23内の通路を閉じる。また、暖機運転の間も燃料ポン
プ7が作動し、燃料タンク6からの燃料供給量が増えエ
ンジン1の回転数(速度)も上がるので、キャブレター
4’内に負圧が作用し、ニードルバルブ4hが開放され
てメタリングチャンバー4g内に燃料が供給される。こ
の結果、エンジン本体1a内に供給される燃料の混合気
が通常の薄い状態になり、エンジン1の運転が継続す
る。
【0037】なお、第2燃料供給管23からインシュレ
ータ3への燃料で、エンジン1を1〜2分程度運転でき
るように、ソレノイドバルブ25の開放時の燃料流量を
設定しておく。
【0038】図7は他の考案にかかる始動装置の実施例
を示す正面視断面図である。本例の始動装置は基本的に
は図2の始動装置と共通するもので、これと主に相違す
るところは、ソレノイド駆動機構13(図2)に代えて
サーモエレメント30を用いたことである。このサーモ
エレメント30は、図7に示すように、温度反応部とし
ての基端のワックスケース31内に充填されているワッ
クス32が加熱され膨張することにより、ダイヤフラム
33を介して半流動体34・ラバーピストン35・プレ
ート36・ピストン37に伝達され、作動部としての先
端のリテーナ38がリターンスプリング39に抗して前
方へ突出する構成からなる。このサーモエレメント30
は、エンジン本体1aに基端のワックスケース31を埋
設して装着されている。なお、サーモエレメント30の
リテーナ38の作動(変位)特性は任意に設定できる。
【0039】キャブレター4のチョークレバー4eの上
端に、リンクレバー40の一端が連結具41により連結
されている。リンクレバー40はほぼ中央部で枢支具4
2により枢支され、リンクレバー40の他端がサーモエ
レメント30のリテーナ38の上端に支軸44により枢
支されている。この構成により、エンジン本体1aが高
温になり、ワックスケース31が加熱されると、リテー
ナ38が上方に突出しリンクレバー40の連結具41側
を下降させるので、チョークバルブ4cが開放される。
一方エンジン本体1aの温度が低いとき(エンジン1の
始動時)には、リターンスプリング39によりリテーナ
38は引っ込んだ位置に付勢されているので、図7のよ
うにチョークバルブ4cは閉鎖されている。その他の構
成については、図2の始動装置と共通しているので、共
通する部材については図2と同一の符号を用いて図示
し、説明を省略する。なお、リンクレバー40などのリ
ンク機構に代えて、ロッドやプッシュプルケーブルなど
も使用できる。
【0040】次に、図8も他の考案にかかる始動装置の
実施例を示す正面視断面図である。本例の始動装置は基
本的には図6の始動装置と共通するもので、これと主に
相違するところは、温度スイッチ20とソレノイドバル
ブ25(図6)に代えて図7と同一構造のサーモエレメ
ント30を用いたことである。このサーモエレメント3
0は、図7の始動装置と同様に、エンジン本体1aに基
端のワックスケース31を埋設して装着されている。ま
た燃料供給管9は、キャブレター4’への燃料供給管2
1と燃料タンク6への燃料リターン管22との分岐部の
手前で、インシュレータ3内に連通する第2燃料供給管
43に分岐されている。この第2燃料供給管43内に、
始動用燃料弁である開閉バルブ45が介設され、この開
閉バルブ45に、サーモエレメント30のリテーナ38
が直接に連結されている。エンジン本体1aの温度が低
いとき(エンジン1の始動時)には、リターンスプリン
グ39によりリテーナ38は引っ込んだ位置に付勢され
ているので、図8のように開閉バルブ43は開放されて
いる。一方、エンジン1の始動後、1〜2分程度の暖機
運転が行われると、エンジン本体1aの温度が上昇し、
所定温度よりも高くなるので、ワックスケース31が加
熱されてリテーナ38が前方へ突出し、開閉バルブ45
が第2燃料供給管43の通路を閉鎖する。その他の構成
については、図6の始動装置と共通しているので、共通
する部材については図2と同一の符号を用いて図示し、
説明を省略する。
【0041】ところで、上記した汎用エンジンはリコイ
ルスタータ2により始動する方式であるが、電動スター
タにより始動する場合にも、同様に実施できる。また、
本考案の始動装置は、水冷4サイクルエンジンにも適用
できる。
【0042】
【考案の効果】以上説明したことから明らかなように、
この考案の汎用エンジンの始動装置には、次のような効
果がある。
【0043】(1) 請求項1の装置では、キャブレターが
チョークバルブを有さず、したがってチョークバルブの
開閉操作は一切不要であり、またプライミングポンプに
よる燃料供給も不要で、スタータを操作するだけでエン
ジンが始動する。暖機運転の完了後は、インシュレータ
内などへの燃料供給が自動的に中止され、通常の運転状
態に戻る
【0044】
【0045】(2) 請求項記載の装置では、リコイルス
タータの場合にリコイルを牽引操作するときに発生する
電力でソレノイドや電気回路が働くので、バッテリーな
どの専用の電源が不要になる。
【0046】
【0047】(3) 請求項記載の装置は、請求項の装
置と共通の効果を有するほか、チョークバルブの開閉操
作がエンジン本体の温度変化に基づいてサーモエレメン
トにより自動的におこなわれるので、構造がより簡素化
されるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の始動装置を備えた汎用エンジンとその
下部に取り付けられる燃料タンクを示す一部を断面で表
した正面図である。
【図2】本考案の始動装置の実施例を示す正面視断面図
である。
【図3】図2のIII−III線断面図である。
【図4】ソレノイド駆動用の電気回路を示す説明図であ
る。
【図5】本考案の第2考案にかかる始動装置を備えた汎
用エンジンとその下部に取り付けられる燃料タンクを示
す一部を断面で表した正面図である。
【図6】図5の始動装置の実施例を示す正面視断面図で
ある。
【図7】本考案の第3考案にかかる始動装置の実施例を
示す正面視断面図である。
【図8】本考案の第4考案にかかる始動装置の実施例を
示す正面視断面図である。
【符号の説明】
1 汎用エンジン 1a エンジン本体 2 リコイルスタータ 3 インシュレータ 4・4’ キャブレター 5 エアクリーナ 6 燃料タンク 7 燃料ポンプ 13 ソレノイド駆動機構 15 イグニッションコイル 16 ダイオード 17 コンデンサ 18 スパークプラグ 19 イグナイター 20 温度スイッチ 23・43 第2燃料供給管 25 ソレノイドバルブ 30 サーモエレメント 45 開閉バルブ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F02N 17/08 F02N 17/08 F (56)参考文献 特開 昭58−68124(JP,A) 実開 平4−91251(JP,U) 実開 昭61−128365(JP,U) 実開 昭55−119341(JP,U)

Claims (3)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジン本体内のピストンが往復動する
    ときの正負圧により作動する燃料ポンプを燃料タンク内
    に設けて、該タンク内の燃料をキャブレターに供給する
    ようにした汎用エンジンの始動装置において、 前記キャブレターへの燃料供給路を分岐して前記燃料タ
    ンクへの燃料リターン路を設け、 この燃料リターン路を分岐して前記キャブレター内のス
    ロットルバルブと前記エンジン本体の間の吸気通路に燃
    料を供給するための第2燃料供給路を設けるとともに、
    この第2燃料供給路を開閉するソレノイドバルブを同第
    2燃料供給路内に介設してスプリングにより閉鎖方向に
    付勢し、 前記エンジン本体の温度を検出してON・OFFする温
    度スイッチをエンジン本体に配備し、前記エンジン本体
    の温度が所定温度以下のときに、前記温度スイッチをO
    Nにして前記ソレノイドバルブを開放させるように構成
    した ことを特徴とする汎用エンジンの始動装置。
  2. 【請求項2】 前記エンジンにリコイルスタータを備え
    るとともに、 前記ソレノイド駆動機構又は前記ソレノイドバルブに、
    前記リコイルスタータのリコイル牽引時にイグニッショ
    ンコイルを介して発生する電力で作動するものを使用し
    請求項1記載の汎用エンジンの始動装置。
  3. 【請求項3】 エンジン本体内のピストンが往復動する
    ときの正負圧により作動する燃料ポンプを燃料タンク内
    に設けて、該タンク内の燃料をキャブレターに供給する
    ようにした汎用エンジンの始動装置において、 前記キャブレターへの燃料供給路を分岐して前記燃料タ
    ンクへの燃料リターン路と前記エンジン本体の間の吸気
    通路に燃料を供給するための第2燃料供給路とをそれぞ
    れ設け、 前記エンジン本体にサーモエレメントの温度反応部を埋
    設し、 前記第2燃料供給路の途中に開閉バルブを介設し、この
    開閉バルブに前記サーモエレメントの作動部を連結して
    前記開閉バルブを開閉させるように構成した ことを特徴
    とする汎用エンジンの始動装置。
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