JP2543515Y2 - 乾電池パッケージ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、複数個の乾電池を収納したパッケージに係
るものであり、詳しくは、供給された包装状態のままで
使用され、使い終わるとその包装状態のままで廃棄され
る使い捨て用の乾電池パッケージに関するものである。

［従来の技術］ 従来、ビデオカメラ等の携帯用電気機器の電源とし
て、乾電池が用いられたり、或いは、充電式の電池が使
用されたりしている。そして、電池が放電してしまう
と、乾電池式の場合は中の乾電池を交換するようになっ
ており、また、充電式の場合はコンセントから充電する
ようになっている。

［考案が解決しようとする課題］ しかしながら、乾電池式のものにおいては、所定の電
圧を得るのに複数の乾電池を用いることが多く、このた
め乾電池を交換する場合にその操作が煩わしいという問
題点がある。また、充電式の電池を用いたものにおいて
は、充電時間をかなり要することから緊急の場合に間に
合わないという問題点がある。

このように、従来の電源は意外と不便であることか
ら、最近では、簡単にしかも必要な時にいつでも交換で
きるような使い捨て用の電源の出現が望まれている。

本考案は、上述のような問題点及び背景に鑑みてなさ
れたものであり、その目的とするところは、機器本体に
簡単に装着できると共に必要な時に電源を即座に確保で
きる使い捨て用の乾電池パッケージを提供することにあ
る。

［課題を解決するための手段］ 上記目的を達成するため、本考案は、一般に紙製品が
使い捨てのイメージを持っていることに着目して新規な
乾電池パッケージを創案したものであり、具体的には、
電気取出し部をその下面に有し複数個の乾電池を並べて
収納する板紙製の内箱と、電気機器への取付け部を備え
ていると共に上方が開口しており下方の底板には一対の
取出し孔が形成されている凹形状をした合成樹脂成形品
の外ケースとからなり、前記内箱の内面には隣接する乾
電池の端子を相互に連結すると共に両端の乾電池のそれ
ぞれの端子と前記電気取出し部とを連結するパターンで
導電性インキが組立前に塗布されており、前記電気取出
し部と前記一対の取出し孔とが合致するようにして前記
内箱を前記外ケースに挿入して相互に接着することによ
り形成されたことを特徴としている。

［作用］ 上記の構成からなる本発明の乾電池パッケージは、外
ケースの取付け部によりそのままの状態で機器本体に装
着されて使用される。そして、使い終わるとそのままの
状態で取り外されて新しい乾電池パッケージと交換され
る。また、乾電池パッケージは、その表面の大部分に板
紙が露出した形態となる。

［実施例］ 以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。

第１図は本考案に係る乾電池パッケージの一実施例を
示す斜視図である。

同図に示すように、乾電池パッケージ１は、複数個の
乾電池を収納する内箱２と、この内箱２を外から覆うＵ
字状の外ケース３とから構成されている。

内箱２は、第２図に示す板紙製のブランク板４を組み
立てて形成されるものであり、組立時に６個の乾電池が
収納されるようになっている。このブランク板４には、
Ｕ字状の切込み線５により区画された折返し部分６が設
けられており、さらに、内面側には隣接する乾電池の端
子を相互に連結すると共に両端の乾電池のそれぞれの端
子と折返し部分６を連結するパターンで導電性インキ７
が塗布されている。

一方、外ケース３は、合成樹脂の成形品からなるもの
で、第３図に示すように、底板８とその左右両側に立設
した側板９を有していると共に、底板８の前後には乾電
池パッケージ１を電気機器へ装着するための取付け部10
が設けられている。さらに、底板８には一対の取付し孔
11が形成されており、この取出し孔11は前記ブランク板
４を組み立てて内箱２としその折返し部分６を折り曲げ
た状態で外ケース４と一体とした時に、折返し部分６の
導電性インキの部分に対応するように形成されている。

乾電池パッケージ１を形成するには、まず、ブランク
板４を折り線（第２図の点線）の部分で折り曲げて所定
の箇所を装着することにより中に６個の乾電池が収納さ
れた内箱２を形成する。この場合、乾電池は個別に収納
してもよいが、予めシュリンク包装等により一体として
おいてもよいものである。そして、折返し部分６を外側
に180度折り曲げてこの部分の導電性インキを内箱２か
ら露出させた状態とすることにより電気取出し部を形成
する。次いで、折返し部分６のある側を下面として、第
４図に示すように、この内箱２を外ケース３の上側から
挿入し両者を接着する。ここで、外ケース３はその側板
９を内側に少し傾斜させて成形しておくのが好ましい。
このようにしておけば、内箱２を外ケース３に挿入した
場合に内箱２の側面が押圧された状態となるので、乾電
池の端子と導電性インキとが確実に接触させられる。な
お、内箱２と外ケース３の接着は公知の接着手段を用い
て行えばよいが、ブランク板４に熱融着性の樹脂をコー
ティングした板紙を用いた場合には、超音波シール、ヒ
ートシール等の方法を採ることも可能である。以上のよ
うにして形成された乾電池パッケージ１はその上面に内
箱２が露出した状態となっている。

上記構成からなる乾電池パッケージ１は、従来の乾電
池式或いは充電式の電源と同様に、その取付け部10によ
り電気機器に装着され、取出し孔11に露出した折返し部
分６の導電性インキの部分に機器の端子が接触すること
により、乾電池の電気が機器側に供給される。そして、
乾電池が消耗すると、パッケージごと取り替えられる。

なお、外ケースの形状としては、種々のものが考えら
れるが、例えば、第５図に示すように内側に折り曲がっ
た形態のフランジ部分12を両方の側壁に一体成形したも
のを使用してもよい。この外ケース３を使用すれば、フ
ランジ部分12がスプリングの役目を果たすので、各乾電
池の端子と導電性インキの接触が一層確実なものとな
る。

また、内箱２に乾電池を収納する場合に、各乾電池の
端子と導電性インキ７とを導電性の接着剤により接着す
るようにしてもよい。このようにすれば、内箱２を外ケ
ース３により積極的に押圧する必要がなくなる。

また、上記実施例においては、折返し部分６にも導電
性インキ７を塗布しておき、これを折り曲げて導電性イ
ンキ７を露出させることにより電気取出し部を形成する
ようにしたが、別の形態としては、折返し部分６に相当
する箇所を打ち抜き、ここに導電性インキ７と連結した
状態で金属製の電極を取り付けて露出させることにより
電気取出し部を形成するようにしてもよいものである。

［考案の効果］ 本考案は以上説明したように構成されているので、以
下に記載したような効果を奏する。

板紙製の内箱が合成樹脂成形品の外ケースにより補強
された形態になるので、板紙のみからなるパッケージに
比べて強度に優れているとともに、板紙からなる内箱が
露出した状態とされていることから、合成樹脂成形品の
みからなるパッケージに比べると使い捨てのイメージを
消費者に与えるものであるので、使い捨て用として供給
することができる。

そして、使い捨てにされるので、従来の電源のように
乾電池を交換したり、或いは、充電したりする必要がな
く、単にパッケージ毎交換するだけで済むことから、簡
単にしかも迅速に電源を確保することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る乾電池パッケージの一実施例を示
す斜視図、第２図は内箱を構成するブランク板の展開
図、第３図は外ケースの斜視図、第４図は内箱を外ケー
スに挿入する状態を示す説明図、第５図は外ケースの他
の例を示す斜視図である。 １……乾電池パッケージ、２……内箱、３……外ケー
ス、４……ブランク板、５……切込み線、６……折返し
部分、７……導電性インキ、８……底板、９……側板、
10……取付け部、11……取出し孔、12……フランジ部分

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】電気取出し部をその下面に有し複数個の乾
   電池を並べて収納する板紙製の内箱と、電気機器への取
   付け部を備えていると共に上方が開口しており下方の底
   板には一対の取出し孔が形成されている凹形状をした合
   成樹脂成形品の外ケースとからなり、前記内箱の内面に
   は隣接する乾電池の端子を相互に連結すると共に両端の
   乾電池のそれぞれの端子と前記電気取出し部とを連結す
   るパターンで導電性インキが組立前に塗布されており、
   前記電気取出し部と前記一対の取出し孔とが合致するよ
   うにして前記内箱を前記外ケースに挿入して相互に接着
   することにより形成されたことを特徴とする乾電池パッ
   ケージ。