JP2542364B2 - 磁気ヘッドアクチュエ−タ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔概要〕 本発明は、磁気ディスク装置のボイスコイルモータ
（以下VCMと略称する）により磁気ヘッドを直線状に案
内駆動するリニア型磁気ヘッドアクチュエータにおい
て、その案内機構の磨耗の減少と塵埃の発生を防止する
ために、その案内機構に多孔質のセラミック部材を用い
ると共に、そのセラミックス部材にフロロカーボン系の
潤滑剤を含浸させたものである。にフロロカーボン系の
潤滑剤を含浸させたものである。

〔産業上の利用分野〕

本発明は磁気ディスク装置におけるVCMにより磁気ヘ
ッドを駆動するリニア型磁気ヘッドアクチュエータの案
内機構に関する。

この種のリニア型磁気ヘッドアクチュエータにおいて
は、案内機構すなわちレール面とベアリング外輪との転
がりにより磁気ヘッドを搭載した台車を案内していた。
このような案内機構においては必ずその機構部品の摩耗
の進捗が寿命に繋がり、かつ摩耗に伴う塵埃の発生があ
り、磁気ヘッドの位置決め精度の向上を益々要求される
磁気ディスク装置の分野ではその解決策が望まれてい
る。

〔従来の技術〕

第３図は従来の磁気ヘッドアクチュエータの斜視図、
第４図は第３図の正面図を示す。両図において、１は台
車であってこれにはヘッドアーム２を介して磁気ヘッド
３が搭載され、その磁気ヘッドの反対側には図示しない
VCMが連結されている。また、台車１の底部にはボール
ベアリング４が固定され、これがレール5,5′,5″上を
転がることにより台車１を直線状に案内する。

第５図は従来の磁気ヘッドアクチュエータの他の実施
例を示す斜視図、第６図は第５図の正面図であり、両図
において、この例では台車６の方にレール面７が設けら
れ、ベァリング８が筺体９側に設けられ、10は台車６に
嵌入されたVCM用のコイルを示す。

〔発明が解決しようとする問題点〕

これら従来の案内機構の大きな問題点は、案内部分の
摩耗による寿命と、その摩耗に原因する塵埃の発生であ
る。

すなわち、近年の磁気ヘッドの浮上量はサブミクロン
（0.2〜0.3μｍ）に低下しているため、密閉型磁気ディ
スク装置においては前記塵埃が、磁気ヘッドとディスク
間に入り込み、いわゆるヘッドクラッシュを引き起こす
という重大な問題がある。

本発明は上記従来の問題点に鑑みて創作されたもの
で、案内機構の摩耗の減少と塵埃発生の防止が可能な磁
気ヘッドアクチュエータの提供を目的とする。

〔問題点を解決するための手段〕

上記目的を達成するために本発明の磁気ヘッドアクチ
ュエータでは、第１図に示すように直線状のレール、ベ
ァリング外輪の少なくとも一方を多孔質のセラミック材
で形成するとともに、該セラミック材にフロロカーボン
系の潤滑剤を含浸させた構成としている。

〔作用〕

本発明の磁気ヘッドアクチュエータによれば、レール
およびベアリング外輪の少なくとも一方がフロロカーボ
ン系の潤滑剤を含浸した多孔質のセラミック材にて形成
されているため、含浸させた潤滑剤がヘッド駆動に伴っ
て徐々に案内接触部に湧出し、これがその接触部に潤滑
作用をもたらせる結果となる。また、フロロカーボン系
の潤滑剤はたとえ飛散したとしても磁気ディスク媒体に
使用する潤滑剤と同質のものであるからその影響は最小
に抑えることができる。

〔実施例〕

以下本発明の実施例を図面によって詳述する。第１図
は本発明を適用したヘッドアクチュエータ案内機構の要
部を示す。図において、11はベアリング外輪で従来同様
な金属製である。12はレールでセラミックにより形成さ
れている。14は磁気ディスク媒体に使用される潤滑剤と
同じフロロカーボン系の潤滑材の皮膜でセラミック製レ
ール12の多数の空孔13にも含浸されている。

なお、セラミックは例えば炭化珪素あるいは窒化珪素
を焼成してつくることができるが、本例の場合は常圧形
成により焼成した比較的空孔の多いものが望ましい。

第２図はこのようにして形成したセラミック（窒化珪
素）の表面形状の断面を接触針式粗さ計にて測定したも
のを示している。表面には数μｍ〜十数μｍの大きさの
ピンホールが無数に存在している。これに潤滑剤（例え
ばディスク媒体表面の潤滑に用いているフロロカーボン
系のもの）を含浸せしめると、表面に形成された潤滑膜
は含浸された潤滑剤が徐々に湧出することにより長期的
にわたり安定に保持される。また潤滑剤はたとえ飛散し
ても磁気ディスク媒体に使用される潤滑剤と同質である
からその影響を最小に抑えることができる。

なお、本発明ではベアリング外輪11をセラミックで形
成し、レール部材12を従来の金属製で形成しても効果は
同じである。

〔本発明の効果〕

本発明の磁気ヘッドアクチュエータによれば、案内レ
ール面に安定な潤滑膜が形成され、レールとベアリング
外輪との接触摩擦を小さくするので両部材の摩耗を抑
え、塵埃の発生を大幅に減少させる効果がある。このた
め磁気ディスク装置の寿命あるいは信頼性を向上させる
ことが可能となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明を適用したヘッドアクチュエータの要部
を示す図、 第２図は第１図のレール表面形状を模式的に示す図、 第３図および第４図は従来の磁気ヘッドアクチュエータ
の斜視図と正面図、 第５図および第６図は従来の磁気ヘッドアクチュエータ
の他の実施例を示す斜視図と正面図である。 第１図において、11はベァリング外輪、12はレール、13
は空孔、14は潤滑剤をそれぞれ示す。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 有賀 敬治 川崎市中原区上小田中1015番地 富士通 株式会社内 (72)発明者 前多 宏志 川崎市中原区上小田中1015番地 富士通 株式会社内 (56)参考文献 特開 昭60−236172（ＪＰ，Ａ) 特開 昭52−94107（ＪＰ，Ａ)

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】磁気ヘッドを直線状に案内する直線状のレ
   ールとベァリング外輪とからなる転がり接触形式の案内
   機構を具備したアクチュエータ構成において、 前記直線状のレール、ベァリング外輪の少なくとも一方
   を多孔質のセラミック材で形成するとともに、該セラミ
   ック材にフロロカーボン系の潤滑剤を含浸させてなるこ
   とを特徴とする磁気ヘッドアクチュエータ。