JP2566223B2 - ヘツド位置決め機構 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔概要〕 この発明のヘッド位置決め機構は、ヘッドを取付けた
キャリッジを支持する玉軸受の外輪にさらにセラミック
製の輪を設けるとともに、該セラミック自体の空孔に潤
滑剤を含浸させて輪の表面を潤滑面に形成した構成とす
ることにより、その案内機構部からの塵埃発生を減少さ
せるとともに摺動を滑らかにしたものである。

〔産業上の利用分野〕

この発明は、磁気ディスク装置のヘッド位置決め機構
に係り、さらに詳細にはヘッド・キャリッジを支持する
玉軸受の改良に関するものである。

近年、磁気ディスク装置においてヘッドの浮上高さは
ますます低下し、そのためヘッドクラッシュ対策として
ディスクエンクロージャ内で発生する塵埃を減少させる
ことが要求されている。

〔従来の技術〕

従来の可動コイル型ヘッド位置決め機構を第３図およ
び第４図に示す。この図において11は磁気ヘッド12を支
持したヘッドアーム、13はこのヘッドアームおよび可動
コイル14を搭載したキャリッジで、その両側上下面には
傾斜案内部が形成されている。また15は前記可動コイル
を挟むように対向配置された永久磁石である。16は前記
キャリッジの傾斜案内部を挟持するようにして固定ガイ
ド部17に設置された玉軸受である。

そしてそのヘッド位置決め動作は、可動コイル14を励
磁して永久磁石15との間に磁気回路を形成することによ
りキャリッジ13に直進駆動力を発生させる。キャリッジ
13はこの駆動力によって磁気ディスク（図示せず）の半
径方向に高速移動し所要のトラックにヘッド12を位置決
めする。このとき玉軸受16はその移動を滑らかに案内す
る。

〔発明が解決しようとする問題点〕

前記従来のヘッド位置決め機構では、ステンレス鋼製
の玉軸受でキャリッジを支持する構成であるため、高速
移動時のキャリッジの傾斜案内部と玉軸受の外輪との摺
動によってそれらの一部が摩耗する。この摩耗粉は飛散
して磁気ディスクの記録面に付着し、ヘッドクラッシュ
を引き起こす問題があった。またそのキャリッジ案内機
構部の寿命も短いという欠点があった。なお、この問題
はキャリッジ側に玉軸受を設けた形式の直進位置決め機
構においても同様に発生する。

この発明は、以上のような従来の状況から、キャリッ
ジの高速移動によってもそれの案内部および玉軸受に摩
耗が生じにくい、玉軸受を備えたヘッド位置決め機構の
提供を目的とするものである。

〔問題点を解決するための手段〕

この発明は、上記目的を達成するため第１図に示すよ
うに玉軸受21の外輪211の外側にセラミック製の輪22が
被せるとともに、該セラミック自体の空孔に潤滑剤を含
浸させて輪の表面を潤滑面に形成した構成を採ってい
る。

〔作用〕

玉軸受21の外輪211の外側に設けられた潤滑剤を含浸
させたセラミック製の輪22は、耐摩耗性が大きいのでキ
ャリッジを高速移動する際にその接触面の滑りによる摩
耗を著しく減少し、したがって塵埃の発生を著しく減少
できる。

〔実施例〕

第２図はこの発明の一実施例を示す断面図である。こ
の図で明らかなように前記第４図の従来構造とは玉軸受
21のみが異なっており、そのため他の構成部品は同一符
号を記すとともに詳細説明を省略する。

本実施例が特徴とする玉軸受21は、外輪211の外側に
セラミックの一種であるアルミナ製のリング22がはめ込
まれている。したがって、本実施例ではキャリッジ13の
傾斜案内部に対し玉軸受21はこのリング22が接触するこ
とになる。このアルミナリング22は耐摩耗性がよいため
に、キャリッジ13が高速移動する際の傾斜案内部との接
触によっても摩耗が少なく、その結果摩耗粉の発生は非
常に少ない。

この耐摩耗性の効果をさらに高めるためには、アルミ
ナ自体の空孔性を利用してその空孔に潤滑剤を含浸させ
ることにより、アルミナリング22の表面を潤滑面に形成
すればよい。なお、アルミナリングの表面すなわち傾斜
案内部との接触面の表面粗さは、小さくすることが望ま
しく、リングの円筒度も小さくするのが単位接触面積当
たりの荷重が小さくなり耐摩耗性の面から望ましい。

以上この発明の一実施例について述べたが、これに限
らずセラミックリング22の材質として窒化ケイ素、炭化
ケイ素、サイアロン、窒化ホウ素、窒化チタン、炭化チ
タンを使用できる。

〔発明の効果〕

以上説明したようにこの発明によれば、キャリッジの
直進移動を案内する案内機構部の当該高速移動時におけ
る摩耗を著しく減少させることができ、長寿命のキャリ
ッジ案内機構が得られる。また、そこから発生する塵埃
が大きく減少することからヘッドクラッシュの発生を低
減でき、高信頼性の磁気ディスク装置が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の基本構成を示す図、 第２図はこの発明の一実施例を示す断面図、 第３図および第４図は従来のヘッド位置決め機構を示す
斜視図と断面図である。 第１図と第２図において、 13はキャリッジ、 14は可動コイル、 15は永久磁石、 17は固定ガイド部、 21は玉軸受、 22はセラミック製リング、 211は玉軸受の外輪を示す。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 有賀 敬治 川崎市中原区上小田中1015番地 富士通 株式会社内 (72)発明者 山田 朋良 川崎市中原区上小田中1015番地 富士通 株式会社内 (56)参考文献 特開 昭60−236172（ＪＰ，Ａ) 特開 昭52−94107（ＪＰ，Ａ)

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】磁気ディスクの所要トラックにキャリッジ
   （13）に取付けられた磁気ヘッド（12）を直進移動させ
   て位置決めする機構において、 前記キャリッジ（13）の直進移動を案内する玉軸受（2
   1）の外輪の外側にセラミック製の輪（22）を設けると
   ともに、該セラミック自体の空孔に潤滑剤を含浸させて
   輪の表面を潤滑面に形成した ことを特徴とするヘッド位置決め機構。