JP2542319Y2 - 光ディスクライブラリ装置におけるカートリッジ挿入口機構 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、光ディスクライブラリ
装置におけるカートリッジ挿入口機構に関し、特に、カ
ートリッジ挿入口における光ディスクカートリッジの逆
方向での挿入を簡単且つ確実に防止できるものに関す
る。

【０００２】

【従来の技術】光ディスクカートリッジ（以下、単にカ
ートリッジともいう）の収納および駆動を行なう光ディ
スクライブラリ装置（ＯＬＵ：Ｏｐｔｉｃａｌ Ｄｉｓ
ｋ Ｌｉｂｒａｒｙ Ｕｎｉｔ）は、一般的に、図４で
示すように、カートリッジ挿入口２から挿入されるカー
トリッジ１を多数収納可能な収納ラック３と、カートリ
ッジ１を駆動（読み出しまたは読み書き）するドライブ
４と、カートリッジ１を取り込んで搬送ガイド５に沿っ
て移動することにより該カートリッジ１を前記挿入口
２、収納ラック３およびドライブ３の間で搬送するホル
ダＨとを有する。このＯＬＵにおいて、カートリッジ１
がドライブ４により正しい方向で駆動され得るように、
カードリッジ１は所定方向で前記挿入口２に挿入されな
ければならない。

【０００３】

【考案が解決しょうとする課題】しかしながら、この種
の従来の装置、特に高密度のデータ記録が可能な１２イ
ンチの光ディスクカートリッジ用のライブラリ装置にあ
っては、カートリッジ挿入口２に対してカートリッジ１
の逆方向挿入（逆差し）を効果的に防止することができ
なかった。この考案は上述の点に鑑みてなされたもの
で、カートリッジの逆方向挿入を、簡単な構成により確
実に防止することができる、光ディスクライブラリ装置
におけるカートリッジ挿入口機構を提供しようとするも
のである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】 上記課題を解決するた
め、本考案に係る光ディスクライブラリ装置は、所定の
カートリッジ挿入方向における後端一側部分の所定箇所
から側方に突出するディスク押えを有するタイプの光デ
ィスクカートリッジ用の光ディスクライブラリ装置にお
けるカートリッジ挿入口機構であって、前記装置に導入
すべき前記光ディスクカートリッジの挿入が可能なよう
前記装置の外方に向けて開口したカートリッジ挿入口
と、前記挿入口を形成する側壁の外方端部両側において
該挿入口内に向けて夫々突設され、該挿入口に前記カー
トリッジが前記所定のカートリッジ挿入方向で挿入され
るときには前記ディスク押えに当接することなく前記カ
ートリッジの挿入を可能にし、前記カートリッジが前記
挿入方向とは逆方向で挿入されるとき及び前記カートリ
ッジが表裏逆に挿入されるときのどちらの場合において
も、どちらか一方が前記ディスク押えに当接して前記カ
ートリッジの挿入を阻止する２つのストッパ突起とを具
備したことを特徴とするものである。

【０００５】

【作用】 カートリッジのディスク押えは、該カートリ
ッジにおいて、所定のカートリッジ挿入方向における後
端一側部分、すなわち、中心より後方に外れた部分の所
定箇所から一側方に突出するものである。従って、カー
トリッジにおいて、前記挿入方向前端とディスク押えと
の間の距離は、前記挿入方向後端とディスク押えとの間
の距離より所定量だけ大きくなっている。このため、カ
ートリッジが所定の（正しい）カートリッジ挿入方向に
挿入されるとき、ストッパ突起は、ディスク押えに当接
することなく、カートリッジが挿入口の所定位置に挿入
されるのを可能にする。また、カートリッジが前記カー
トリッジ挿入方向とは逆方向に挿入（逆差し）されると
きには、ストッパ突起は、カートリッジが前記所定位置
に挿入される前にディスク押えに当接することにより、
該カートリッジの挿入を阻止することとなる。また、２
つのストッパ突起が、挿入口を形成する側壁の外方端部
両側において該挿入口内に向けて夫々突設されてなるた
め、挿入方向は正しくとも、カートリッジの表裏が逆の
場合は、他方のストッパ突起にディスク押えが当接し
て、表裏逆挿入を防止することができる。

【０００６】以上のように、本考案は、光ディスクカー
トリッジにおける既存のディスク押えを効果的に利用す
ることにより、カートリッジ挿入口の両側にストッパ突
起を夫々設けるだけで、カートリッジの逆方向挿入及び
表裏逆挿入の両方を簡単且つ確実に防止できるものであ
る。

【０００７】

【実施例】以下、添付図面に基づいて本考案を詳述す
る。図１は本考案の一実施例に係るカートリッジ挿入口
機構ＩＮを示し、該実施例は、１２インチの光ディスク
カートリッジ１０用の光ディスクライブラリ装置のカー
トリッジ挿入口１２において実施したものである。

【０００８】図２からも明らかなように、前記１２イン
チのカートリッジ１０は、従来のものと同様に、略矩形
状であり、カートリッジ挿入口１２への所定の（正）挿
入方向（矢印Ａで示す）の前端側部分に、駆動時に開閉
されるシャッタ１３を備えているとともに、その両側に
該カートリッジ１０の略全長に延びるコ字状断面の溝部
１４ａ，１４ｂを有する。各溝部１４ａ，１４ｂは、カ
ートリッジ１の側方ならびに正挿入方向前方および後方
に向けて開口している。また、カートリッジ１０は、該
カートリッジ１０の内部に収納された光ディスク（図示
せず）を所定位置に保持するためのディスク押え１６を
有する。該ディスク押え１６は、カートリッジ１におけ
る正挿入方向後端側部分、すなわち、シャッタ１３とは
反対側の部分の所定箇所において、一方の溝部１４ａ中
に突入している。ディスク押え１６の突入位置は、該デ
ィスク押え１６と溝部１４における正挿入方向前端との
間の距離Ｄ１が、該ディスク押え１６と溝部１４におけ
る正挿入方向後端との間の距離Ｄ２より相当大きくなる
ような位置である。

【０００９】前記挿入口機構ＩＮを構成するカートリッ
ジ挿入口１２は、カートリッジ１０に対応した略矩形状
となっており、前記挿入方向と直交する方向における長
さ（幅）において、カートリッジ１０より幾分大きくな
っている。またカートリッジ挿入口１２は、その奥行に
おいて、カートリッジ１０の前記挿入方向に沿う長さよ
り小さくなっている。カートリッジ１０がカートリッジ
挿入口１２中に完全挿入された状態において、該カート
リッジ１０は、前記正挿入方向後端側部分が、カートリ
ッジ挿入口１２から外方に突出し、前記ディスク押え１
６も前記挿入口１２の外方に位置するようになってい
る。また、前記挿入口１２を形成する両側面１２ａ，１
２ｂにおける外方端部には、該挿入口１２内に向けて水
平方向に突出する１対の逆差しストッパ突起１８ａ，１
８ｂが設けられている。これらのストッパ突起１８ａ，
１８ｂは、図１のようにカートリッジ１０がカートリッ
ジ挿入口１２の底面１２ｃに沿って正しい方向で挿入さ
れる際には、カートリッジ１０における対応する溝部１
４ａ，１４ｂに入り込み、且つ、カートリッジ１０が所
定位置に完全挿入されるのを可能にするような位置およ
びサイズに形成されている。カートリッジ１０が正しい
方向で完全挿入された状態において、逆差しストッパ突
起１８ａ，１８ｂは、前記ディスク押え１６に接するこ
となく該押え１６より挿入方向前方にくるようになって
いる。また、図３のようにカートリッジ１が逆方向に挿
入される際には、距離Ｄ２が距離Ｄ１より小さいため、
逆差しストッパ突起１８ａはディスク押え１６に当接す
ることによりカートリッジ１０の挿入を阻止することと
なる。なお、逆差しストッパ突起起１８ａ，１８ｂをカ
ートリッジ挿入口１２の両側に設けたのは、ディスク押
え１ｂがカートリッジ１０の一方側にのみ設けられてい
るので、カートリッジ１０の表裏両方向での逆差しを防
止できるようにするためである。

【００１０】次に、図１から図３までを参照しながら前
記挿入口機構ＩＮの作用を説明する。図１で示すよう
に、カートリッジ１０が正挿入方向で挿入される場合、
一方の溝部１４ａ中に突入する逆差しストッパ突起１８
ａが挿入されてくるカートリッジ１０のディスク押え１
６に当接することなく、カートリッジ１０はカートリッ
ジ挿入口１２における所定位置まで完全挿入されること
となる。

【００１１】また、図３で示すように、カートリッジ１
０が正挿入方向とは逆方向で挿入される場合には、前記
溝部１４ａに突出する前記逆差しストッパ突起１８ｂが
挿入されてくるカートリッジ１０のディスク押え１６に
当接する。このことにより、カートリッジ１０の以後の
進入が阻止されることとなり、該カートリッジ１０の逆
差しが防止される。

【００１２】なお、本発明は、上述のような１２インチ
のカートリッジ用の光ディスクライブラリ装置のみなら
ず、カートリッジの中心から、カートリッジ挿入方向後
方に外れた箇所から突出するディスク押えを備えたその
他の種類のカートリッジ用の光ディスクライブラリ装置
に適用されることもできる。

【００１３】

【考案の効果】 以上のように、本考案は、光ディスク
カートリッジにおける既存のディスク押えを利用するこ
とにより、カートリッジ挿入口の両側にストッパ突起を
夫々設けるだけで、カートリッジの逆方向挿入及び表裏
逆挿入の両方を簡単且つ確実に防止できるという優れた
効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例に係る光ディスクライブラリ
装置におけるカートリッジ挿入口機構を示す平面図であ
る。

【図２】同実施例を示す正面図である。

【図３】同実施例の動作を説明する平面図である。

【図４】光ディスクライブラリ装置の概略を説明する図
である。

【符号の説明】

１０ カートリッジ １２ カートリッジ挿入口 １６ ディスク押え １８ａ，１８ｂ 逆差しストッパ突起

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 所定のカートリッジ挿入方向における後
   端一側部分の所定箇所から側方に突出するディスク押え
   を有するタイプの光ディスクカートリッジ用の光ディス
   クライブラリ装置におけるカートリッジ挿入口機構であ
   って、 前記装置に導入すべき前記光ディスクカートリッジの挿
   入が可能なよう前記装置の外方に向けて開口したカート
   リッジ挿入口と、 前記挿入口を形成する側壁の外方端部両側において該挿
   入口内に向けて夫々突設され、該挿入口に前記カートリ
   ッジが前記所定のカートリッジ挿入方向で挿入されると
   きには前記ディスク押えに当接することなく前記カート
   リッジの挿入を可能にし、前記カートリッジが前記挿入
   方向とは逆方向で挿入されるとき及び前記カートリッジ
   が表裏逆に挿入されるときのどちらの場合においても、
   どちらか一方が前記ディスク押えに当接して前記カート
   リッジの挿入を阻止する２つのストッパ突起とを具備し
   たことを特徴とする、光ディスクライブラリ装置におけ
   るカートリッジ挿入口機構。