JP2542281Y2 - 車両用シートのヘッドレストホルダー構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は車両用シートのヘッドレ
ストホルダー構造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来のこの種のヘッドレストホルダー構
造は、図６に示すように車両用シートのシートバックの
内部に組み込まれたバックフレームｊの上側部位にホル
ダーブラケットｃを固設し、これらのホルダーブラケッ
トｃにホルダーｄを挿入して構成されており、ホルダー
ｄは、その下部にロック部ｅを備えており、このロック
部ｅは、ホルダー本体ｆの下縁から上方に至るスリット
状の切欠き部ｇを、ホルダー本体ｆの下部の対向位置に
設けて一対のロック片部ｈを形成し、これらのロック片
部ｈの外側に係合凸部ｉを設けたものである。

【０００３】そして、前記ホルダーブラケットｃにホル
ダーｄがその上方から挿入された状態では、前記ロック
部ｅのロック片部ｈの係合凸部ｉがホルダーブラケット
ｃの下縁部に係合していた。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】上記従来のヘッドレス
トホルダー構造においては、前記ホルダーブラケットｃ
にホルダーｄがその上方から挿入された状態では、前記
ロック片部ｈの係合凸部ｉがホルダーブラケットｃの下
縁部に係合するために、このホルダーｄを一度差し込む
とその取り外しが困難になるという問題点があった。

【０００５】本考案は、上記の問題点に着目して成され
たものであって、その目的とするところは、ホルダーを
難無くホルダーブラケットから外すことができる車両用
シートのヘッドレストホルダー構造を提供することにあ
る。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本考案は、バックフレームの上側部位に固設され
たホルダーブラケットにホルダーを挿入し、このホルダ
ーにヘッドレストのステーを挿入してヘッドレストをシ
ートバックに装着するようにした車両用シートにおい
て、前記ホルダーの下縁から上方に至るスリット状の切
欠部を設けて、基部から先端にかけて内方に屈曲した一
対のロック片部を形成し、該ロック片部の外側に係合凸
部を設けて前記ホルダーブラケットに対するロック部を
構成し、該ロック部の一対のロック片部を、前記ホルダ
ーブラケットに挿入すると共に、前記ホルダーに前記ス
テーを挿入することによって、前記一対のロック片部が
それぞれ外方に拡開して前記係合凸部をホルダーブラケ
ットの下縁部に係合させて、前記ホルダーをホルダーブ
ラケットに対して抜け止めするようにしたことを特徴と
する。

【０００７】

【作用】かかる構成により、ホルダー内に上方からヘッ
ドレストのステーが挿入されてヘッドレストがシートバ
ックに装着されると、ステーの進入により、前記ロック
片部が外方に拡開してこれの係合凸部がホルダーブラケ
ットの下縁部に係合し抜けが防止されるし、また、上記
とは逆にヘッドレストをシートバックより外すべく前記
ステーをホルダーより抜き去ると、前記ロック部のロッ
ク片部は元の形状に戻って基部から内方に屈曲しこれの
係合凸部がホルダーブラケットの下縁部より外れる。こ
のために、前記ホルダーを引き抜くことが可能になり、
このホルダーを難無くホルダーブラケットから外すこと
ができる。

【０００８】

【実施例】以下、本考案の一実施例を図面に基づいて説
明する。図１は本考案に係わる車両用のヘッドレストホ
ルダー構造の分解状態の斜視図である。このヘッドレス
トホルダー構造は車両用シートのシートバック１の内部
に組み込まれたバックフレーム２を有しており、このバ
ックフレーム２の上側部位２ａには左右のホルダーブラ
ケット３が固設してある。そして、これらのホルダーブ
ラケット３にはホルダー４が挿入してあり、このホルダ
ー４にヘッドレスト５のステー６が挿入されてヘッドレ
スト５がシートバック１に装着されている。

【０００９】すなわち、前記ホルダーブラケット３は図
２に示すように円筒状体であり、その上端部から下側に
かけてスリット３ｂが形成してある。また、前記ホルダ
ー４は図２に示すように円筒状のホルダー本体７を備え
ており、このホルダー本体７の上部には、上端に位置さ
せて上側鍔部８が、この下方に位置させて鍔状のストッ
パ部９がそれぞれ形成してあり、また、ホルダー本体７
の中間部の外周には、このホルダー本体７の軸線方向に
沿うリブ状の回り止め用突起１０が形成してある。ま
た、ホルダー本体７の下部にはロック部１１が形成して
ある。このロック部１１は、ホルダー本体７の下縁から
上方に至るスリット状の切欠き部１２を、ホルダー本体
７の下部の対向位置に設けて一対のロック片部１３を形
成し、これらのロック片部１３の外側に係合凸部１４を
設け、これらのロック片部１３をその基部から内方に屈
曲させたものである。

【００１０】そして、前記ホルダーブラケット３にホル
ダー４がその上方から挿入された状態では、前記回り止
め用突起１０がスリット３ｂに挿入されてホルダー４の
回り止めがなされ、ストッパ部９がホルダーブラケット
３の上縁部に当接しており、また、前記ロック部１１の
ロック片部１３が基部から内方に屈曲したままでこれの
係合凸部１４がホルダーブラケット３の下縁部３ａより
外れた状態になっている。

【００１１】このように、ホルダーブラケット３にホル
ダー４が挿入された状態で、このホルダー４内に上方か
らヘッドレスト５のステー６が挿入されてヘッドレスト
５がシートバック１に装着されると、ステー６のホルダ
ー本体７内への進入により、前記ロック片部１３が外方
に拡開してこれの係合凸部１４がホルダーブラケット３
の下縁部３ａに係合し抜けが防止される。

【００１２】また、上記とは逆にヘッドレスト５をシー
トバック１より外すべく前記ステー６をホルダー４より
抜き去ると、前記ロック部１１のロック片部１３は元の
形状に戻って基部から内方に屈曲しこれの係合凸部１４
がホルダーブラケット３の下縁部３ａより外れる。この
ために、前記ホルダー４の上側鍔部８をもって引き抜く
ことが可能になり、このホルダー４を難無くホルダーブ
ラケット３から外すことができる。

【００１３】図４及び図５に本考案の他の実施例を示
す。この実施例の場合、ホルダーブラケット３の周面部
にはスリット３ｂの下方に位置させて係合孔１５が形成
してあり、また、ホルダー４にはその外周部に係合片部
１６が設けてあって、この係合片部１６の先側には係合
突起１７が形成してあり、他の構成は上記した実施例の
場合と同様である。

【００１４】そして、前記ホルダーブラケット３にホル
ダー４がその上方から挿入された状態では、前記回り止
め用突起１０がスリット３ｂに挿入されてホルダー４の
回り止めがなされると共に、前記係合片部１６の先側の
係合突起１７がホルダーブラケット３の周面部の係合孔
１５に係合し、また、ストッパ部９がホルダーブラケッ
ト３の上縁部に当接しており、ロック部１１のロック片
部１３が基部から内方に屈曲したままでこれの係合凸部
１４がホルダーブラケット３の下縁部３ａより外れた状
態になっている。

【００１５】このように、ホルダーブラケット３にホル
ダー４が挿入された状態で、このホルダー４内に上方か
らヘッドレスト５のステー６が挿入されてヘッドレスト
５がシートバック１に装着されると、ステー６のホルダ
ー本体７内への進入により、前記ロック片部１３が外方
に拡開してこれの係合凸部１４がホルダーブラケット３
の下縁部３ａに係合し抜けが防止される。

【００１６】また、上記とは逆にヘッドレスト５をシー
トバック１より外すべく前記ステー６をホルダー４より
抜き去ると、前記ロック部１１のロック片部１３は元の
形状に戻って基部から内方に屈曲しこれの係合凸部１４
がホルダーブラケット３の下縁部３ａより外れる。この
ために、前記係合片部１６の先側の係合突起１７をホル
ダーブラケット３の周面部の係合孔１５から外して前記
ホルダー４の鍔部をもって引き抜くことが可能になり、
このホルダー４を難無くホルダーブラケット３から外す
ことができる。

【００１７】

【考案の効果】以上説明したように、本考案は、ホルダ
ーの下縁から上方に至るスリット状の切欠部を設けて、
基部から先端にかけて内方に屈曲した一対のロック片部
を形成し、該ロック片部の外側に係合凸部を設けて前記
ホルダーブラケットに対するロック部を構成し、該ロッ
ク部の一対のロック片部を、前記ホルダーブラケットに
挿入すると共に、前記ホルダーに前記ステーを挿入する
ことによって、前記一対のロック片部がそれぞれ外方に
拡開して前記係合凸部をホルダーブラケットの下縁部に
係合させて、前記ホルダーをホルダーブラケットに対し
て抜け止めするように構成して、ホルダー内に上方から
ヘッドレストのステーが挿入されてヘッドレストがシー
トバックに装着されると、ステーの進入により、前記ロ
ック片部が外方に拡開してこれの係合凸部がホルダーブ
ラケットの下縁部に係合し抜けが防止されるし、また、
上記とは逆にヘッドレストをシートバックより外すべく
前記ステーをホルダーより抜き去ると、前記ロック部の
ロック片部は元の形状に戻って基部から内方に屈曲しこ
れの係合凸部がホルダーブラケットの下縁部より外れ
る。このために、前記ホルダーを引き抜くことが可能に
なり、このホルダーを難無くホルダーブラケットから外
すことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例の分解斜視図である。

【図２】（１）は同要部の分解斜視図である。 （２）はホルダーブラケットに装着されたホルダーにス
テーが挿入される前の状態の説明図である。

【図３】ホルダーブラケットに装着されたホルダーにス
テーが挿入された状態の説明図である。

【図４】本考案の他の実施例の要部の分解斜視図であ
る。

【図５】ホルダーの一部省略した断面図である。

【図６】従来の車両用シートのヘッドレストホルダー構
造におけるホルダーブラケットに装着されたホルダーに
ステーが挿入される前の状態の説明図である。

【符号の説明】

３ ホルダーブラケット ４ ホルダー １１ ロック部 １３ ロック片部 １４ 係合凸部

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 バックフレームの上側部位に固設された
   ホルダーブラケットにホルダーを挿入し、このホルダー
   にヘッドレストのステーを挿入してヘッドレストをシー
   トバックに装着するようにした車両用シートにおいて、
   前記ホルダーの下縁から上方に至るスリット状の切欠部
   を設けて、基部から先端にかけて内方に屈曲した一対の
   ロック片部を形成し、該ロック片部の外側に係合凸部を
   設けて前記ホルダーブラケットに対するロック部を構成
   し、該ロック部の一対のロック片部を、前記ホルダーブ
   ラケットに挿入すると共に、前記ホルダーに前記ステー
   を挿入することによって、前記一対のロック片部がそれ
   ぞれ外方に拡開して前記係合凸部をホルダーブラケット
   の下縁部に係合させて、前記ホルダーをホルダーブラケ
   ットに対して抜け止めするようにしたことを特徴とする
   車両用のヘッドレストホルダー構造。