JP2541909Y2 - 車両用シ−ト構造 - Google Patents

車両用シ−ト構造

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JP2541909Y2
JP2541909Y2 JP582891U JP582891U JP2541909Y2 JP 2541909 Y2 JP2541909 Y2 JP 2541909Y2 JP 582891 U JP582891 U JP 582891U JP 582891 U JP582891 U JP 582891U JP 2541909 Y2 JP2541909 Y2 JP 2541909Y2
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Mitsubishi Automotive Engineering Co Ltd
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この考案はシ−トクッション上に
シ−トバックを略平行に前倒しさせたシ−トユニットを
略直立に起立させたタンブル位置に移動させるタンブル
機構を備えた車両用シ−ト構造に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、例えば自動車等の車両の車室内
に配設される車両用シ−トとしてベンチシ−トタイプの
ものが知られている。このベンチシ−トタイプの車両用
シ−トは主に車室内に車体の前後方向に沿ってシ−トが
3列に配設された車両におけるフロントシ−トとサ−ド
シ−トとの間に配置されるセカンドシ−ト、或いは車室
内に車体の前後方向に沿ってシ−トが2列に配設された
車両におけるリヤシ−トとして使用されることが多い。
【0003】ところで、この種のベンチシ−トタイプの
車両用シ−トとしてシ−トクッション上にシ−トバック
を略平行に前倒しさせたシ−トユニットを略直立に起立
させたタンブル位置に移動させるタンブル機構を備え、
このシ−トの後方の荷室空間の拡大を図る構成にしたも
のが開発されている。そして、シ−トユニットを通常の
使用位置からタンブル位置まで移動操作するタンブル操
作時にシ−トクッションのタンブル操作力を軽減するた
めのト−ションバ−をこのタンブル機構に設けることが
考えられている。
【0004】このト−ションバ−にはシ−トクッション
の前端部を車体側に回動自在に連結する左右一対の前端
側連結機構における車体側の固定ブラケット間に掛け渡
されるト−ションバ−本体と、このト−ションバ−本体
の一端部側に形成され、自然状態では立設位置で保持さ
れる荷重保持部とが設けられている。
【0005】また、ト−ションバ−の荷重保持部はシ−
トユニットの後端側を前端側連結機構の回動ピンを中心
に前方上向きに回動させて略直立に起立させたタンブル
位置から通常の使用位置に復帰させる操作にともない倒
立された蓄勢位置まで弾性変形されるようになってい
る。そして、シ−トクッションを通常の使用位置からタ
ンブル位置まで移動操作するタンブル操作時にト−ショ
ンバ−本体の弾性復帰力によってシ−トユニットのタン
ブル操作力を軽減する構成になっている。
【0006】
【考案が解決しようとする課題】シ−トユニットのタン
ブル操作時にシ−トクッションを通常の使用位置からタ
ンブル位置まで移動操作するまでの移動範囲の全範囲で
ト−ションバ−本体の弾性復帰力を作用させる場合には
自然状態のト−ションバ−の荷重保持部の拡開角度をタ
ンブル操作時のシ−トユニットの移動角度範囲より大き
な角度に設定する必要がある。
【0007】しかしながら、このように自然状態のト−
ションバ−の荷重保持部の拡開角度をタンブル操作時の
シ−トユニットの移動角度範囲より大きな角度に設定し
た場合にはト−ションバ−をシ−ト側に装着する組み立
て作業時にト−ションバ−の荷重保持部をシ−トユニッ
トの移動角度範囲よりも小さい角度状態まで弾性変形さ
せた状態でシ−ト側に装着する必要があるので、手間が
かかり、例えばシ−トの組み立て作業ライン上で、ト−
ションバ−をシ−ト側に装着することが難しくなる問題
があった。
【0008】また、シ−トユニットのタンブル操作時に
シ−トクッションを通常の使用位置からタンブル位置ま
で移動操作するまでの移動角度範囲よりも自然状態のト
−ションバ−の荷重保持部の拡開角度を小さい角度に設
定した場合にはシ−トユニットをタンブル位置まで移動
させた際にト−ションバ−の荷重保持部の押さえがなく
なるので、ト−ションバ−が比較的自由に動きやすくな
り、ト−ションバ−のがたつきが発生して騒音が大きく
なりやすい問題があった。
【0009】この考案は上記事情に着目してなされたも
ので、ト−ションバ−をシ−ト側に装着する作業を容易
に行なわせることができるとともに、ト−ションバ−の
がたつきの発生をも確実に防止することができる車両用
シ−ト構造を提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】この考案はシ−トクッシ
ョン上にシ−トバックを略平行に前倒しさせたシ−トユ
ニットを略直立に起立させたタンブル位置に移動させる
タンブル機構を備え、前記シ−トクッションの前端部を
車体側に回動自在に連結する左右一対の前端側連結機構
における車体側の固定ブラケット間にト−ションバ−本
体が掛け渡され、かつこのト−ションバ−本体の一端部
側に形成され、自然状態では立設位置で保持される荷重
保持部が前記シ−トクッションの後端側を前端側連結機
構の回動ピンを中心に前方上向きに回動させて略直立に
起立させたタンブル位置から通常の使用位置に復帰させ
る操作にともない倒立された蓄勢位置まで弾性変形され
るとともに、前記シ−トクッションを通常の使用位置か
ら前記タンブル位置まで移動操作するタンブル操作時に
前記ト−ションバ−本体の弾性復帰力によって前記シ−
トユニットのタンブル操作力を軽減する車両用シ−ト構
造において、前記固定ブラケットの側壁部に上面が開口
され、前記ト−ションバ−本体が差し込み状態で装着さ
れるト−ションバ−取付け用の切欠部を設けるととも
に、前記固定ブラケットに固定され、前記ト−ションバ
−本体を着脱自在に保持する板ばね材によって形成され
た固定部材を設けたものである。
【0011】
【作用】上記の構成において、固定ブラケットの側壁部
の切欠部にト−ションバ−本体を差し込み状態で装着さ
せるとともに、固定ブラケットに固定された板ばね材か
らなる固定部材によってト−ションバ−本体を保持させ
ることにより、シ−トユニットのタンブル操作時のシ−
トクッションの移動角度範囲よりも自然状態のト−ショ
ンバ−の荷重保持部の拡開角度を小さい角度に設定した
場合にシ−トユニットをタンブル位置まで移動させた際
のト−ションバ−のがたつきの発生を防止し、シ−トユ
ニットのタンブル操作時のシ−トクッションの移動角度
範囲よりも自然状態のト−ションバ−の荷重保持部の拡
開角度を小さい角度に設定できるようにしてト−ション
バ−をシ−ト側に装着する作業を容易に行なわせるよう
にしたものである。
【0012】
【実施例】以下、この考案の一実施例を図面を参照して
説明する。
【0013】図6は例えば自動車等の車両の車室内の後
部側に配設されるベンチシ−トタイプのシ−ト1全体の
外観を示すもので、2はこのシ−ト1のシ−トクッショ
ン、3はシ−トバックである。なお、このベンチシ−ト
1は例えば車室内に車体の前後方向に沿ってシ−トが3
列に配設された車両におけるフロントシ−トとサ−ドシ
−トとの間に配置されるセカンドシ−ト、或いは車室内
に車体の前後方向に沿ってシ−トが2列に配設された車
両におけるリヤシ−トとして使用される。
【0014】このシ−ト1のシ−トバック3の両側には
前倒してア−ムレストとして使用可能なサイドバック4
がそれぞれ配設されている。この場合、シ−ト1は例え
ば3人着座状態と2人着座状態とに選択的に使い分ける
ことができるようになっている。そして、シ−トバック
本体3aの両側のサイドバック4,4をシ−トバック本
体と一体化して使用する通常使用位置では3人着座状
態、シ−トバック本体3aの両側のサイドバック4,4
を前倒しさせた状態では2人着座状態でそれぞれ使用さ
れるようになっている。なお、シ−トバック3の本体3
a側の上端部には左右一対のヘッドレスト5,5が着脱
可能に装着されている。
【0015】さらに、シ−ト1には図7に示すようにシ
−トクッション2側にシ−トバック支持機構6が装着さ
れている。このシ−トバック支持機構6にはシ−トクッ
ション2側に固定される固定ブラケット6aとこの固定
ブラケット6aにシ−トバック3のリクライニング調整
用の第1のヒンジ部7を中心に回動可能に連結された回
動ブラケット6bとが設けられている。そして、この回
動ブラケット6bにはさらにシ−トバック3をシ−トク
ッション2と略平行に前倒しされた折り畳み状態まで回
動可能に支持する第2のヒンジ部8が取付けられてい
る。
【0016】また、このシ−ト1にはシ−トクッション
2を通常の使用位置から前方の退避位置まで車体の前後
方向にスライド操作するウォ−クイン操作用の左右一対
のスライド機構11,11が設けられている。これらの
スライド機構11の前端部は図7に示す前端側連結機構
12を介して車体側のフロアパネル13に回動自在に連
結されているとともに、これらのスライド機構11の後
端部は後端側連結機構14を介して車体側のフロアパネ
ル13に係脱可能に連結されている。
【0017】また、スライド機構11には断面形状が略
コ字状の固定側のロアレ−ル21とこのロアレ−ル21
に沿って車体前後方向にスライド動作する断面形状が略
コ字状の可動側のアッパレ−ル22とが設けられてい
る。この場合、ロアレ−ル21の開口面側の端部には外
側に向けて略直角に折り曲げられたフランジ部が形成さ
れている。さらに、アッパレ−ル22の開口面側の端部
には内側に向けて略直角に折り曲げられたフランジ部が
形成されている。そして、これらのロアレ−ル21の両
フランジ部とアッパレ−ル22の両フランジ部との間に
は図示しない多数の鋼球が介挿されている。
【0018】また、ロアレ−ル21には前端側連結機構
12の一部を構成する断面形状が略コ字状の第1のロア
ブラケット23が溶接されている。この場合、第1のロ
アブラケット23のコ字状断面の底面部分がロアレ−ル
21の下面に溶接されている。
【0019】さらに、この第1のロアブラケット23の
一側部にはばね受け部材25が溶接されている。このば
ね受け部材25の上端部にはアッパレ−ル22を前方の
退避位置方向に引張るばね部材26の一端部が取付けら
れている。
【0020】また、前端側連結機構12には図1に示す
ようにフロアパネル13に固定された固定ブラケット2
8が設けられている。この固定ブラケット28には回動
ピン27が回動可能に連結されている。この回動ピン2
7の両端部は第1のロアブラケット23にそれぞれ溶接
されている。そして、ロアレ−ル21はこの回動ピン2
7を中心に後部側を前方向に跳ね上げ可能になってい
る。
【0021】さらに、ロアレ−ル21の後部側には後端
側連結機構14の一部を形成する第3のロアブラケット
29が固定されている。この後端側連結機構14には図
7に示すようにフロアパネル13に固定された略コ字状
の固定ピン30が設けられている。
【0022】さらに、第3のロアブラケット29の下面
側には固定ピン30が挿入される凹部31が形成されて
いる。また、第3のロアブラケット29には凹部31内
に挿入された固定ピン30に対して係脱可能に係合され
る図示しないフックが設けられている。そして、このフ
ックは後述するタンブル操作時以外の通常時(非タンブ
ル操作時)は付勢部材によって固定ピン30に係合され
た状態で保持されるようになっている。
【0023】一方、アッパレ−ル22の後端側一側部に
はばね受け部が形成されている。そして、このばね受け
部にはばね部材26の他端部が取付けられており、アッ
パレ−ル22はこのばね部材26のばね力によって常時
前方の退避位置方向に引張られる状態で保持されてい
る。
【0024】さらに、アッパレ−ル22側に固定された
図示しないアッパブラケットにはフックを固定ピン30
との係合解除方向に移動操作するロック解除機構が装着
されている。そして、このロック解除機構の操作ノブの
操作時以外の通常時はフックが固定ピン30に係合され
た状態で保持されている。
【0025】また、ロック解除機構の操作ノブの操作時
には固定ピン30とフックとの係合が解除されるように
なっている。そのため、例えば図8に示すようにシ−ト
バック3をシ−トクッション2と略平行に前倒しさせて
折り畳んだ状態で、ロック解除機構の操作ノブを操作し
て固定ピン30とフックとの係合を解除させることによ
り、この折り畳みシ−トユニットの後部側をシ−トクッ
ション2の前端側連結機構12の回動ピン27を中心に
前方上向き側に回動させて図9に示すように略直立状態
で保持させるタンブル操作が行なわれるようになってい
る。
【0026】さらに、スライド機構11,11にはロア
レ−ル21とアッパレ−ル22との間のスライド動作を
禁止するロック部材とこのロック部材を操作するロック
操作機構がそれぞれ設けられている。このロック操作機
構は図示しない操作ワイヤを介して例えばウォ−クイン
操作用の操作ノブに連結されている。そして、ウォ−ク
イン操作用の操作ノブが操作されていない通常時にはロ
ック部材によってロアレ−ル21とアッパレ−ル22と
の間のスライド動作が禁止されるようになっている。
【0027】また、ウォ−クイン操作用の操作ノブの操
作にともない図示しない操作ワイヤを介してロック部材
をアッパレ−ル22のロック解除方向に移動させること
により、アッパレ−ル22はばね部材26のばね力によ
って前方の退避位置方向に引張られ、シ−ト1が前方の
退避位置にスライド操作されるようになっている。な
お、ウォ−クイン操作時にはシ−トバック3は通常の使
用形状(所定のリクライニング調整範囲の後傾形状)か
ら前傾状態に移動操作されるようになっており、この状
態でシ−トクッション2が正規の使用位置から前方の退
避位置に移動されて車体のドア用開口部の後席乗降空間
面積が拡大されるようになっている。
【0028】さらに、シ−トクッション2が前方の退避
位置から正規の使用位置に戻された場合にはロアレ−ル
21とアッパレ−ル22との間のスライド動作が禁止さ
れるロック状態に切換え操作されるようになっている。
【0029】一方、前端側連結機構12には図1に示す
ようにシ−トクッション2上にシ−トバック3を略平行
に前倒しさせたシ−トユニットを通常の使用位置からタ
ンブル位置まで移動操作するタンブル操作時にシ−トク
ッション2のタンブル操作力を軽減するためのト−ショ
ンバ−61が設けられている。
【0030】このト−ションバ−61には図2に示すよ
うに車体側の左右の固定ブラケット28,28間に掛け
渡される略直線状のト−ションバ−本体61aが設けら
れている。このト−ションバ−本体61aの一端部側に
は略L字状に屈曲された荷重保持部61b、他端部側に
は略直角に屈曲された固定端側の屈曲部61dがそれぞ
れ形成されている。
【0031】また、固定ブラケット28の内部側の側壁
部28bには上面が開口され、ト−ションバ−本体61
aが差し込み状態で装着されるト−ションバ−取付け用
の切欠部28cが形成されている。そして、ト−ション
バ−本体61aの両端部は左右の固定ブラケット28,
28の切欠部28c,28c内に挿入された差し込み状
態で装着されている。
【0032】さらに、例えば図2中で右側の固定ブラケ
ット28内にはト−ションバ−本体61aを着脱自在に
保持する板ばね材によって形成されたト−ションバ−ホ
ルダ(固定部材)62がこの固定ブラケット28の内底
部28aにねじ止めされている。
【0033】このト−ションバ−ホルダ62には図3に
示すようにねじ止め用の固定部62aが設けられてお
り、この固定部62aにねじ止め用のねじ挿通孔62b
が形成されている。
【0034】また、このト−ションバ−ホルダ62の前
端側には上方向に向けて略直角に屈曲された屈曲部62
eが形成されている。この屈曲部62eの上端部には図
4および図5に示すように略円形断面のト−ションバ−
保持部62cが形成されている。さらに、ト−ションバ
−保持部62cの先端部にはト−ションバ−差し込み部
62dが形成されている。
【0035】さらに、ト−ションバ−保持部62cの内
部にト−ションバ−本体61aが挿入されていない非弾
性変形(自然長)状態では図5に示すようにこのト−シ
ョンバ−保持部62cの円形断面の直径はL0 で保持さ
れている。また、ト−ションバ−保持部62cの内部に
ト−ションバ−本体61aが挿入された弾性変形状態で
は図4に示すようにこのト−ションバ−保持部62cの
円形断面の直径はト−ションバ−本体61aの外径寸法
L(L0 <L)と略同径に拡開された状態に弾性変形さ
れるようになっている。
【0036】そして、シ−ト1の組み立て作業時には車
体側にシ−ト1が組み付けられた後、左右の固定ブラケ
ット28,28の側壁部の切欠部28c,28cにト−
ションバ−本体61aが差し込み状態で装着されるとと
もに、固定ブラケット28に固定されたト−ションバ−
ホルダ62のト−ションバ−保持部62cにト−ション
バ−本体61aが挿入され状態でト−ションバ−本体6
1aが装着されるようになっている。
【0037】また、ト−ションバ−本体61aの屈曲部
61dは例えば図2中で左側の固定ブラケット28内に
配置されており、この固定ブラケット28の内底面28
aに当接させた状態で設置されている。
【0038】さらに、ト−ションバ−本体61aの荷重
保持部61b側はシ−トユニット側からの荷重が作用し
ていない自然状態では図9に示すように車体側のフロア
パネル13に対して立設位置で保持されるようになって
いる。このとき、ト−ションバ−本体61aの荷重保持
部61bの拡開角度(固定ブラケット28の回動ピン2
7と荷重保持部61bの上端部との間を結ぶ直線とフロ
アパネル13とのなす角度)θはシ−トユニットのタン
ブル操作時にシ−トクッション2を通常の使用位置から
タンブル位置まで移動操作するまでの移動角度範囲より
も小さい角度に設定されている。
【0039】また、ト−ションバ−本体61aの荷重保
持部61bにはト−ションバ−本体61aと略平行に屈
曲された屈曲部63cが設けられている。この屈曲部6
3cには例えば板金製の転動ロ−ラ63が回転自在に取
付けられている。そして、シ−トクッション2の後端側
をタンブル位置から通常の使用位置に復帰させる操作時
にはこのシ−トクッション2の回動動作の途中でシ−ト
クッション2のスライド機構11のロアレ−ル21の下
面にこの屈曲部63cの転動ロ−ラ63が当接し、その
後のシ−トクッション2の回動動作にともないト−ショ
ンバ−本体61aの荷重保持部61bを図9中で時計回
り方向に押圧して弾性変形させながらシ−トクッション
2が通常の使用位置に復帰されるようになっている。そ
のため、シ−トクッション2が通常の使用位置に復帰さ
れた状態ではト−ションバ−本体61aの荷重保持部6
1bは図8に示すように倒立された蓄勢位置まで弾性変
形されるようになっている。
【0040】次に、上記構成の作用について説明する。
【0041】まず、シ−トクッション2が通常の使用位
置に保持されている状態ではト−ションバ−本体61a
の荷重保持部61bは図8に示すように倒立された蓄勢
位置まで弾性変形されている。
【0042】そして、シ−ト1の後方の荷室空間を拡大
させる場合にはこのシ−ト1をタンブル操作させる。こ
の場合には最初に図8に示すようにシ−トバック3をシ
−トバック支持機構6の第2のヒンジ部8を中心にシ−
トクッション2と略平行に前倒しされた折り畳み状態ま
で回動させる。
【0043】次に、ロック解除機構の操作ノブを操作し
て固定ピン30とフックとの係合を解除させる。そし
て、この状態でシ−トバック3をシ−トクッション2と
略平行に前倒しさせて折り畳んだ折り畳みシ−トユニッ
トの後部側をシ−トクッション2の前端側連結機構12
の回動ピン27を中心に前方上向き側に回動させて図9
に示すように略直立状態で保持させるタンブル操作を行
なう。
【0044】このシ−ト1をタンブル操作時には予め倒
立された蓄勢位置まで弾性変形されているト−ションバ
−本体61aの弾性復帰力によってシ−トユニットのタ
ンブル操作力が軽減される。
【0045】この場合、ト−ションバ−本体61aの荷
重保持部61bの拡開角度θはシ−トユニットのタンブ
ル操作時にシ−トクッション2を通常の使用位置からタ
ンブル位置まで移動操作するまでの移動角度範囲よりも
小さい角度に設定されているので、シ−トユニットがト
−ションバ−本体61aの荷重保持部61bの拡開角度
θまで移動した後はト−ションバ−本体61aの弾性復
帰力が作用しない状態でシ−トユニットが所定のタンブ
ル位置まで移動操作される。このとき、ト−ションバ−
本体61aはト−ションバ−ホルダ62のト−ションバ
−保持部62cのばね力によってこのト−ションバ−保
持部62cの内部で比較的強固に弾性的に支持されてい
るので、シ−トユニットがタンブル位置まで移動してト
−ションバ−61の荷重保持部61bの押さえがなくな
った状態であっても従来のようにト−ションバ−61が
自由に動くおそれがなく、ト−ションバ−61のがたつ
きの発生を防止して騒音を低減することができる。
【0046】また、シ−トクッション2の後端側をタン
ブル位置から通常の使用位置に復帰させる操作時にはこ
のシ−トクッション2の回動動作の途中でシ−トクッシ
ョン2のスライド機構11のロアレ−ル21の下面にこ
の屈曲部63cの転動ロ−ラ63が当接する。そして、
その後のシ−トクッション2の回動動作にともないト−
ションバ−本体61aの荷重保持部61bが図9中で時
計回り方向に押圧されて弾性変形しながらシ−トクッシ
ョン2が通常の使用位置に復帰される。そのため、シ−
トクッション2が通常の使用位置に復帰された状態では
ト−ションバ−本体61aの荷重保持部61bは図8に
示すように倒立された蓄勢位置まで弾性変形される。
【0047】そこで、上記構成のものにあっては固定ブ
ラケット28の側壁部28bの切欠部28cにト−ショ
ンバ−本体61aを差し込み状態で装着させるととも
に、固定ブラケット28に固定された板ばね材からなる
ト−ションバ−ホルダ62によってト−ションバ−本体
61aを保持させたので、シ−トユニットのタンブル操
作時のシ−トクッション2の移動角度範囲よりも自然状
態のト−ションバ−61の荷重保持部61bの拡開角度
θを小さい角度に設定した場合にシ−トユニットをタン
ブル位置まで移動させた際のト−ションバ−61のがた
つきの発生を防止することができる。そのため、シ−ト
ユニットのタンブル操作時のシ−トクッション2の移動
角度範囲よりも自然状態のト−ションバ−61の荷重保
持部61bの拡開角度θを小さい角度に設定できるの
で、ト−ションバ−61をシ−ト1側に装着する作業を
容易に行なわせることができる。
【0048】また、ト−ションバ−本体61aの荷重保
持部61bの屈曲部63cに転動ロ−ラ63を回転自在
に取付け、シ−トクッション2の後端側をタンブル位置
から通常の使用位置に復帰させる操作時にこのシ−トク
ッション2の回動動作の途中でシ−トクッション2のス
ライド機構11のロアレ−ル21の下面にこの屈曲部6
3cの転動ロ−ラ63を当接させるようにしたので、そ
の後シ−トクッション2が通常の使用位置に復帰するま
での回動動作中、ロアレ−ル21の下面とト−ションバ
−本体61aの荷重保持部61bとの間の摺動抵抗を大
幅に低減することができる。そのため、シ−トユニット
のタンブル動作中の騒音を一層効果的に低減することが
できる。
【0049】なお、この考案は上記実施例に限定される
ものではない。
【0050】例えば、上記実施例では転動ロ−ラとして
板金製のものを示したが、ゴム等の弾性材料によって転
動ロ−ラを形成しても良い。
【0051】さらに、その他この考案の要旨を逸脱しな
い範囲で種々変形実施できることは勿論である。
【0052】
【考案の効果】この考案によれば車体側の固定ブラケッ
トの側壁部に上面が開口され、ト−ションバ−本体が差
し込み状態で装着されるト−ションバ−取付け用の切欠
部を設けるとともに、固定ブラケットに固定され、ト−
ションバ−本体を着脱自在に保持する板ばね材によって
形成されたト−ションバ−ホルダを設けたので、ト−シ
ョンバ−をシ−ト側に装着する作業を容易に行なわせる
ことができるとともに、ト−ションバ−のがたつきの発
生をも確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施例の要部構成を示す斜視図。
【図2】シ−トユニットのタンブル操作状態を示す斜視
図。
【図3】ト−ションバ−本体の荷重保持部を示す斜視
図。
【図4】ト−ションバ−ホルダへのト−ションバ−本体
の取付け状態を示す側面図。
【図5】ト−ションバ−ホルダを示す側面図。
【図6】シ−ト全体の外観を示す斜視図。
【図7】シ−トが通常使用位置で保持されている状態を
示す側面図。
【図8】シ−トバックがシ−トクッション上に略平行に
前倒しされたシ−トユニットを示す側面図。
【図9】シ−トユニットがタンブル位置に移動された状
態を示す側面図。
【符号の説明】
2…シ−トクッション,3…シ−トバック,6…シ−ト
バック支持機構,12…前端側連結機構,13…フロア
パネル,14…後端側連結機構,27…回動ピン,28
…固定ブラケット,28b…側壁部,28c…切欠部,
61…ト−ションバ−,61a…ト−ションバ−本体,
61b…荷重保持部,62…ト−ションバ−ホルダ(固
定部材)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 田辺 賢治 東京都港区芝五丁目33番8号 三菱自動 車工業株式会社内 (72)考案者 志水 彰夫 愛知県岡崎市橋目町字中新切1番地 三 菱自動車エンジニアリング株式会社岡崎 事業所内 (56)参考文献 実開 平2−45838(JP,U) 実開 平4−84032(JP,U) 実開 昭64−167735(JP,U)

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シ−トクッション上にシ−トバックを略
    平行に前倒しさせたシ−トユニットを略直立に起立させ
    たタンブル位置に移動させるタンブル機構を備え、前記
    シ−トクッションの前端部を車体側に回動自在に連結す
    る左右一対の前端側連結機構における車体側の固定ブラ
    ケット間にト−ションバ−本体が掛け渡され、かつこの
    ト−ションバ−本体の一端部側に形成され、自然状態で
    は立設位置で保持される荷重保持部が前記シ−トクッシ
    ョンの後端側を前端側連結機構の回動ピンを中心に前方
    上向きに回動させて略直立に起立させたタンブル位置か
    ら通常の使用位置に復帰させる操作にともない倒立され
    た蓄勢位置まで弾性変形されるとともに、前記シ−トク
    ッションを通常の使用位置から前記タンブル位置まで移
    動操作するタンブル操作時に前記ト−ションバ−本体の
    弾性復帰力によって前記シ−トユニットのタンブル操作
    力を軽減する車両用シ−ト構造において、前記固定ブラ
    ケットの側壁部に上面が開口され、前記ト−ションバ−
    本体が差し込み状態で装着されるト−ションバ−取付け
    用の切欠部を設けるとともに、前記固定ブラケットに固
    定され、前記ト−ションバ−本体を着脱自在に保持する
    板ばね材によって形成された固定部材を設けたことを特
    徴とする車両用シ−ト構造。
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