JP2541803Y2 - 芝刈り機 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、芝刈り装置にて刈取っ
た草を吸引して、ブロワ内に搬送し、同ブロワによる草
の排送を円滑に行うことができる芝刈り機に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、トラクタ等の走行機体の下部に、
芝刈り装置を取付けて、走行しながら芝を刈る芝刈り機
があり、さらに、この芝刈り装置には、刈取った草を搬
送する排送ダクトを接続して、走行機体の後部に設けた
収納ケースに収納していた。

【０００３】そして、芝刈り装置と排送ダクトとの接続
部には、ブロワが回転自在に取付けられており、同ブロ
ワによって草刈り装置で刈り取った草を強制的に排送す
るようにしていた。しかも、芝刈り装置が縦方向の回転
軸回りに回転するのに対して、ブロワは横方向の回転軸
回りに回転するよう構成したものが一般的であり、排送
ダクトの基端部の側壁に回転軸を軸支して、同軸に、中
心部から刈芝を吸引して周縁部から排出するブレードフ
ァンを取付けて構成している。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】しかし、上記の芝刈り
機は、以下のような課題を有していた。即ち、芝刈り装
置と排送ダクトとの接続部において、草刈り装置のブレ
ード刃と、ブロワの下方外周部とを同一レベルに配設し
ていたので、同ブロワからの排送風がブレード刃方向に
逆流して、刈取った草の円滑な排送を行うことができな
かった。

【０００５】そこで、その接続部において、ブレード刃
と、ブロワ収納部との間に、逆流防止用の段部を設け
て、同ブロワからの逆流を防止していた。しかし、ブレ
ード刃と、ブロワ収納部との間に、逆流防止用の段部を
設けていると、ブロワの吸引が円滑に行えなくなり、刈
った草を円滑に排送できなくなるという不具合が生じて
いた。

【０００６】本考案は、上記の課題を解決することがで
きる芝刈り機を提供することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本考案は、走行機体の下
部に、上下軸芯回りに回転するブレード式芝刈り装置を
取付け、同芝刈り装置に、刈取った草を搬送する排送ダ
クトを接続し、さらに、ブレード式芝刈り装置の回転軌
跡の外方に、横軸芯回りに回転する排送用のブロワを設
けてなる芝刈り機において、同ブロワの側部に、ブレー
ド式芝刈り装置の回転軌跡からブロワの回転軸芯方向に
向けて刈芝を案内する略円錐状の吸引ガイドを配設し、
かつ、同吸引ガイドの拡開部を、ブレード式芝刈り装置
側に開口し、上記吸引ガイドの内側面に、複数の搬送ガ
イド板を周方向に一定の間隔をあけて配設するととも
に、各搬送ガイド板は、ブレード式芝刈り装置のブレー
ド刃の起風をブロワの中心部方向へ導く状態に形成され
ていることを特徴とする芝刈り機に係るものである。

【０００８】ここで、吸引ガイドの拡開部は、ブレード
式芝刈り装置側に開口して、水平回転する芝刈り装置と
縦方向に回転するブロワとの連絡部で乱流等の発生を可
及的に抑制することができるようにしている。

【０００９】また、各搬送ガイド板は、ブレード式芝刈
り装置のブレード刃の起風をブロワの中心部方向へ導く
状態に形成されて、刈芝がブロワの回転軸芯方向より確
実に吸引されやすくなるようにしている。

【００１０】

【考案の効果】本考案では、走行機体の下部に、上下軸
芯回りに回転するブレード式芝刈り装置を取付け、同芝
刈り装置に、刈取った草を搬送する排送ダクトを接続
し、さらに、ブレード式芝刈り装置の回転軌跡の外方
に、横軸芯回りに回転する排送用のブロワを設けてなる
芝刈り機において、同ブロワの側部に、ブレード式芝刈
り装置の回転軌跡からブロワの回転軸芯方向に向けて刈
芝を案内する略円錐状の吸引ガイドを配設し、かつ、同
吸引ガイドの拡開部を、ブレード式芝刈り装置側に開口
したことにより、水平回転する芝刈り装置と縦方向に回
転するブロワとの連絡部で乱流等の発生を可及的に抑制
することができ、芝刈り装置で刈り取った芝をブロワの
軸芯部に円滑に吸引できるので、同ブロワによる排送も
円滑に行える。

【００１１】しかも、上記吸引ガイドの内側面に、複数
の搬送ガイド板を周方向に一定の間隔をあけて配設する
とともに、各搬送ガイド板は、ブレード式芝刈り装置の
ブレード刃の起風をブロワの中心部方向へ導く状態に形
成されているので、刈芝はブロワの回転軸芯方向により
確実に吸引されやすくなり、排送性能が向上する。

【００１２】

【実施例】以下_、 本考案の実施例を参照しながら説明す
ると、図１において、１は芝刈り機を示し、同芝刈り機
１は、走行機体２の下部に、ブレード式芝刈り装置３を
配設して、走行しながら地面上の芝を刈るようにしてい
る。

【００１３】まず、走行機体２は、機体フレーム４の前
後部に、各前後車輪５, ６を設け、同機体フレーム４の
前部に、前車輪５の操向を行う為のハンドル７を立設
し、同ハンドル７の後方に座席８を設けている。

【００１４】また、走行機体２の下部には、昇降用リン
ク９を介してブレード式芝刈り装置３を取付けており、
同装置３は、円形状の芝刈りケース10の中心部に、回転
軸11を配設し、同回転軸11の下端部に、上下軸芯回り回
転するブレード刃12を取付けている。さらに、回転軸11
の上端部には、入力プーリ13を取付け、同プーリ13と、
走行機体２の原動機からの出力プーリ14とに、ベルト15
を懸架して原動機の動力をブレード刃12に伝えて、同刃
12を回転させている。

【００１５】図１に示すように、ブレード刃12の回転軌
跡の外方で、芝刈りケース10の一側部に排送ダクト16を
設けており、同排送ダクト16を介して走行機体２の後方
に設けた収納ケース17に刈り取った草を搬送収納するよ
うにしている。かかる収納ケース17は、走行機体２の機
体フレーム４に取付用フレーム18を介して、網状ケース
17a を取付け、同網状ケース17a の上部に排送ダクト16
の先端部を接続している。

【００１６】さらに、本考案では、図２に示すように、
芝刈りケース10と排送ダクト16との接続部に、排送装置
19を取付けており、以下、その構成について詳説する。
即ち、芝刈りケース10には、排送ダクト16が接続したブ
ロワケース20を連通連結し、同ケース20の一側側壁に、
横方向としたブロワ回転軸21を軸支し、同回転軸21に、
横軸芯回りに回転するブロワ22を取付けている。なお、
23はブロワ回転軸21の一端部に取付けた入力プーリ、24
は同プーリ23に懸架した原動機からの連動用ベルトを示
す。

【００１７】本実施例では、図２に示すように、ブロワ
回転軸21にブロワフレーム22a を取付け、同フレーム22
a に羽根体22b を連結してブロワ22を構成し、さらに、
同ブロワ22の側方に、取付ステー25s を介して略円錐
状、すなわち、截頭円錐状の吸引ガイド25を連通状態に
固定し、同吸引ガイド25によりブレード式芝刈り装置３
の回転軌跡からブロワ22の回転軸芯方向に向けて刈芝を
円滑に案内するようにして、ブロワ22の軸芯部に刈芝を
吸引し、外縁部より放出するように構成している。

【００１８】かかる吸引ガイド25は、ブレード式芝刈り
装置３側に拡開部25b を開口し、ブロワ22側に縮径部25
a を開口した截頭円錐形状に形成したガイド体26と、同
ガイド本体26の内側面に、周方向に一定の間隔をあけて
配設した複数の搬送ガイド板27とからなり、各搬送ガイ
ド板27は、ブレード式芝刈り装置３のブレード刃12の起
風をブロワ22の中心部方向に導く状態となるべく、略ス
パイラル状に捩じった形状に形成されている。

【００１９】上記のように、ブレード式芝刈り装置３側
に拡開部25b を設け、ブロワ22側に漸次縮径した截頭円
錐形状の吸引ガイド25により、ブレード式芝刈り装置３
とブレード22との連絡部において、ブロワ22からの逆流
及びこれにともなうブレード刃12の起風の乱流発生を可
及的に防止することができ、刈芝はブロワ22の軸芯部に
円滑に吸引され、収納ケース17へも円滑に排送されるこ
とになる。

【００２０】そして、かかる構成によって、走行しなが
ら走行機体２の下部のブレード式芝刈り装置３によって
芝を刈取り、ブロワ22の回転によって、同芝刈り装置３
から排送ダクト16を介して刈った草を排送する際に、同
芝刈り装置３から刈取った草を吸引して、ブロワ22内に
搬送し、同ブロワ22による草の排送を円滑に行うことが
できる。

【００２１】また、吸引ガイド25の内周面には、搬送ガ
イド板27を設けているので、草のつまりがなく、草の排
出を確実に行うことができる。

【００２２】また、図４は、芝刈り機１の走行時におけ
るブレード式芝刈り装置３の切換機構を示し、原動機Ｍ
の出力軸31に、変速機32を介して後車輪６の車軸6aを連
動連結して走行機体２の走行を行うようにしている。

【００２３】さらに、変速機32の変速ギヤ33には、変速
フォーク35を介して運転部に設けた変速レバー34を連結
して変速ギヤ33の摺動によって各ギア36と噛合して、走
行速度を切換えるようにしている。なお、35a は変速レ
バー34と変速フォーク35とを連結したロッド、35b は変
速フォーク35のアームを示す。

【００２４】また、図１及び図４に示すように、ブレー
ド式芝刈り装置３のベルト15には、テンションクラッチ
37が取付けられており、同クラッチ37によって、ベルト
15を緊張させて同芝刈り装置３を作動させる。

【００２５】本実施例では、変速レバー34に、テンショ
ンクラッチ37を連動連結して、走行機体２が高速で走行
する際に、テンションクラッチ37を解除方向に作動させ
て、ブレード式芝刈り装置３を停止させるようにしてい
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る芝刈り機の側面図である。

【図２】排送用ブロワ装置の断面図である。

【図３】吸引ガイドの斜視図である。

【図４】芝刈り機の走行切換機構を示す説明図である。

【符号の説明】

１ 芝刈り機 ２ 走行機体 ３ ブレード式芝刈り装置 16 排送ダクト 22 ブロワ 25 吸引ガイド 25b 拡開部 27 搬送ガイド板

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 走行機体(2) の下部に、上下軸芯回りに
   回転するブレード式芝刈り装置(3) を取付け、同芝刈り
   装置(3) に、刈取った草を搬送する排送ダクト(16)を接
   続し、さらに、ブレード式芝刈り装置(3) の回転軌跡の
   外方に、横軸芯回りに回転する排送用のブロワ(22)を設
   けてなる芝刈り機において、 同ブロワ(22)の側部に、ブレード式芝刈り装置(3) の回
   転軌跡からブロワ(22)の回転軸芯方向に向けて刈芝を案
   内する略円錐状の吸引ガイド(25)を配設し、かつ、同吸
   引ガイド(25)の拡開部(25b) を、ブレード式芝刈り装置
   (3) 側に開口し、 上記吸引ガイド(25)の内側面に、複
   数の搬送ガイド板(27)を周方向に一定の間隔をあけて配
   設するとともに、各搬送ガイド板(27)は、ブレード式芝
   刈り装置(3) のブレード刃(12)の起風をブロワ(22)の中
   心部方向へ導く状態に形成されていることを特徴とする
   芝刈り機。