JP2541058Y2 - パネルの収納装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、主として、横引きの雨
戸、テラス、サンデッキなどの壁面に沿って案内される
壁面パネルなどのパネルの収納装置に関するものであ
る。

【０００２】

【従来の技術】一般に、この種のパネルの収納装置は、
上吊式、下部戸車式のいずれのパネル支持構造の場合で
も、パネル本体に設けた戸車で上記パネル本体を支えな
がら、走行方向に上記パネル本体を案内し、戸袋などの
パネル収納部において上記パネル本体を重ねるように横
方向にスライドさせている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】この場合、パネル本体
は、これを支える戸車の回転方向と直交する方向に引き
ずられる形となり、上記収納部でのパネル本体の出し入
れに無理が掛かる欠点がある。また、パネル本体の幅に
ほぼ相当する寸法で、収納部の横幅を設定し、この横幅
に相当する寸法だけ、開放すべき間口を狭める結果とな
る。従って、これが、デザイン上、テラス、サンデッキ
などの解放感を妨げるおそれがある。

【０００４】

【考案の目的】本考案は上記事情に基いてなされたもの
で、戸車には専ら、パネル本体を収納部内外に走行させ
る役目を負わせ、上記収納部では、上記パネル本体の上
部に設けたスライダの働きで、上記パネル本体を吊持ち
状態で転向させることにより、収納操作を軽快に行なえ
るようにし、また、上記収納部の横幅を、少なくとも、
上記パネル本体の厚さをその枚数倍した寸法にまで狭
め、開放すべき間口を十分に確保できるようにしたパネ
ル収納装置を提供しようとするものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】このため、本考案では、
図示の実施例にも明らかにしているように、パネル本体
（１）に設けた戸車（２）で上記パネル本体（１）を支
えながら、走行方向に案内すると共に、収納部（６、
８）に位置して上記パネル本体（１）を重ねて収納する
ようにしたパネルの収納装置において、上記パネル本体
（１）の頂部に、垂直軸（３Ａ）周りで回動する吊持ち
用スライダ（３）を設け、上記スライダ（３）を上記収
納部（８）内のガイドレ−ル（８Ａ）に導くことによ
り、上記パネル本体（１）を吊持ちするとともに、上記
垂直軸（３Ａ）周りで上記パネル本体（１）を上記収納
部（８）内で転向するように構成している。

【０００６】

【作用】従って、収納部（６、８）に対するパネル本体
（１）の出し入れ動作、即ち、走行方向の案内には、上
記戸車（２）が機能するが、上記収納部（８）内では、
スライダ（３）が、上記パネル本体（１）を吊持ち状態
にして、上記スライダ（３）の垂直軸（３Ａ）周りで、
例えば、９０度転向させることができる。このため、収
納部（６、８）におけるパネル本体（１）の収納操作が
軽快に行なえることになる。また、上記収納部（６、
８）を、パネル本体（１）を転向して収納する構造とし
たので、収納部（６、８）の横幅を、従来のそれに比
べ、大幅に縮小できるから、間口を十分な広さで開放で
きる。

【０００７】

【実施例】以下、本考案を図示の実施例に基いて具体的
に説明する。図１ないし図４において、符号１は横引き
雨戸のようなパネル本体であり、その下部には床面上を
走行できる戸車２が装備してある。また、上記パネル本
体１の頂部の中央には垂直軸３Ａが設けてあり、この上
にはスライダ３が上記垂直軸３Ａを介して上記パネル本
体１を吊持ちする形で回転自在に取付けてある。特に、
この実施例では、上記スライダ３は上記垂直軸３Ａに回
転自在に取付けた支持ブロック３Ｂに対して戸車４を装
着した構造になっている。この支持ブロック３Ｂは、垂
直軸３Ａの上端に一体に固定された逆Ｔ形の板体よりな
り、その中間片の左右の壁面に、合計４個の戸車４が、
上記壁面に直交して突出する軸によって軸支された構成
になっている。

【０００８】上記戸車２はチャンネル形断面の下部ガイ
ドレ−ル５内に保持され、その延長端にあるパネル収納
部６内に導かれるようになっている。また、上記スライ
ダ３は中央下部にスリット７Ａを有するＣ字チャンネル
形断面の上部ガイドレ−ル７内に位置し、また、上記パ
ネル本体１の上縁部は、上記スリット７Ａ内に挿入さ
れ、上記ガイドレ−ル７で支えられている。そして、そ
れらは、同じく、その延長端にあるパネル収納部８内に
導かれるようになっている。上記パネル収納部８には、
上記ガイドレ−ル７よりも高いレベルで、上記スライダ
３の戸車４を案内するガイドレ−ル８Ａが備えられてお
り、その上部ガイドレ−ル７側の先端延長部分８Ｂは、
若干下降状に傾斜する形で上記ガイドレ−ル７内に延び
ている。また、上記ガイドレ−ル８Ａは、その中央部分
にガイド溝８Ｃを有するホーク形をなし、このガイド溝
８Ｃ内に、上記スライダ３の支持ブロック３Ｂの中間片
を位置させるようにして、支持ブロック３Ｂ左右の戸車
４を延長部分８Ｂの先端ですくい上げるようになってい
る。

【０００９】このような構成では、パネル本体１が、ガ
イドレ−ル５および７に沿って案内されて、上記収納部
６および８に導入されるとき、戸車４が上記延長部分８
Ｂで案内され、ガイドレ−ル８Ａに誘導される。その結
果、上記スライダ３は上記パネル本体１を吊持した形と
なるから、上記パネル本体１が上記収納部６および８内
に完全に導入される過程で、戸車２がガイドレ−ル５お
よび収納部６の底部から浮き上がった状態となる。この
状態で、上記パネル本体１の片側を押して上記スライダ
３の垂直軸３Ａを中心に、上記パネル本体１を、例え
ば、９０度回転させることができる。この状態で、収納
部６、８の端に上記パネル本体１を送り込めば、図３に
示すように、上記収納部６、８に対して、縦列に上記パ
ネル本体１を収納できる。

【００１０】図５および６に示す実施例は、上吊式のパ
ネル支持構造の場合を示しており、パネル本体１の上部
両端に設けた戸車２’はガイドレ−ル７’に支持・案内
されて、上記パネル本体１を収納部８に向けて移動させ
ることができる。また、スライダ３は、前述の実施例と
同様に、その戸車４をガイドレ−ル８Ａに案内させ、上
記収納部８内では、上記戸車２’に代わって、上記パネ
ル本体１を吊持し、その垂直軸周りで上記パネル本体の
旋回ができるように働いている。

【００１１】なお、上記実施例では、スライダ３をパネ
ル本体１の上部中央に設けたが、上記パネル本体１が、
例えば、収納部内において、上記パネル本体の下部に設
けた戸車で支えられている場合には、吊持ちの重量バラ
ンスを考慮する必要がないので、一方に片寄って装備さ
れても良いことは勿論である。

【００１２】

【考案の効果】本考案は、以上詳述したように、パネル
本体の頂部に、垂直軸周りで回動する吊持ち用スライダ
を設け、上記スライダを収納部内のガイドレ−ルに導く
ことにより、上記パネル本体を吊持ちするとともに、上
記垂直軸周りで上記パネル本体を上記収納部内で転向す
るように構成したので、収納部に対するパネル本体の出
し入れ動作、即ち、走行方向の案内には、戸車が機能す
るが、上記収納部内では、スライダが、上記パネル本体
を吊持ち状態にして、上記スライダの垂直軸周りで、例
えば、９０度転向させることができる。このため、収納
部におけるパネル本体の収納操作が軽快に行なえること
になる。また、上記収納部は、パネル本体を転向して収
納する構造としたので、収納部の横幅を、従来のそれに
比べ、大幅に縮小できるから、間口を十分な広さで開放
できるなどの実用上の効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の１実施例を説明するための正面図であ
る。

【図２】上記実施例の機能を説明するための正面図であ
る。

【図３】上記実施例における平面図である。

【図４】上記実施例の使用態様を示す要部の斜視図であ
る。

【図５】本考案の別の実施例の使用態様を示す正面図で
ある。

【図６】上記実施例の使用態様を示す正面図である。

【符号の説明】

１ パネル本体 ２ 戸車 ３ スライダ ３Ａ 垂直軸 ３Ｂ 支持ブロック ４ 戸車 ５、７ ガイドレ−ル ６、８ パネル収納部 ７Ａ スリット ８Ａ ガイドレ−ル ８Ｂ 延長部分

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 パネル本体に設けた戸車で上記パネル本
   体を支えながら、走行方向に案内すると共に、収納部に
   位置して上記パネル本体を重ねて収納するようにしたパ
   ネルの収納装置において、上記パネル本体の頂部に、垂
   直軸周りで回動する吊持ち用スライダを設け、上記スラ
   イダを上記収納部内のガイドレ−ルに導くことにより、
   上記パネル本体を吊持ちするとともに、上記垂直軸周り
   で上記パネル本体を上記収納部内で転向するように構成
   したことを特徴とするパネルの収納装置。