JP2540940Y2 - 投射型自動車用ヘッドランプ - Google Patents

投射型自動車用ヘッドランプ

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JP2540940Y2
JP2540940Y2 JP7727992U JP7727992U JP2540940Y2 JP 2540940 Y2 JP2540940 Y2 JP 2540940Y2 JP 7727992 U JP7727992 U JP 7727992U JP 7727992 U JP7727992 U JP 7727992U JP 2540940 Y2 JP2540940 Y2 JP 2540940Y2
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は略楕円体形状のリフレク
ターからの反射光を投射レンズによって前方に投射配光
する投射型ヘッドランプに係り、特にシェードを傾動す
ることにより配光を切替ることのできる投射型自動車用
ヘッドランプに関する。
【0002】
【従来の技術】この種のヘッドランプの従来技術として
は、実開昭63−41801号や特開平1−21390
1号がある。前者は、図8に示されるように、略楕円体
形状のリフレクター2の第1焦点F1に光源3が、第2
焦点F2にシェード4がそれぞれ設けられ、シェード4
の前方には投射レンズ5が設けられた投射型ヘッドラン
プで、シェード4を水平支軸7回りに傾動させて、投射
レンズ5に向かう光の一部をシェード4で遮るようにし
て、サブビーム用配光とメインビーム用配光とを切替え
る構造となっている。なお符号1はランプボデイ、符号
6は前面レンズである。
【0003】また後者においては図示しないが、シェー
ドの傾動手段が前者と異なるが、シェードを傾動させて
サブビーム用配光とメインビーム用配光とを切替えると
いう構成については同一である。
【0004】
【考案の解決しようとする課題】前記した従来技術で
は、サブビームとメインビームの二段階の切替が可能で
はあるが、例えばサブビームとメインビームの中間の配
光パターンを形成することはできない。即ち、高速走行
時には、高速であればある程ヘッドランプの配光パター
ンがメインビームの配光パターンに近い方がドライバー
にとって視認性が良好である。しかし対向車にとっては
眩光となる。そこで視認性がよく、ある程度接近するま
では対向車にとって眩光とならないようなメインビーム
とサブビームの中間の配光パターンがあると非常に便利
である。ところが従来技術では、1つのランプによって
車両前方手前を左右に広く照明するサブビームと、遠方
のある程度狭いエリアを照明するメインビームとを形成
することは可能であるが、これ以外の配光を形成するこ
とができず、1つのランプによってメインビームとサブ
ビーム以外の配光も形成できるヘッドランプが希求され
ていた。
【0005】そこで同出願人は前記問題を解決するべ
く、実開平3−81705号を提案した。これは図9に
示すように、シェードである円筒体4の中心軸〇に対し
偏心する位置に水平支軸7を設け、この偏心する水平支
軸7回りにシェードである円筒体4を回動させることに
より、シェード4の頂点位置が上下変位して配光パター
ンのカットラインが無段階に変わるというものである。
【0006】しかし前記した先行技術(実開平3−81
705号)では、回動中心である水平支軸7がシェード
である円筒体4の重心Gに対し偏心しているため、回動
中心も円筒体の重心からずれている。このため円筒体の
回動位置毎において回動手段であるモータに作用する負
荷が異なり、シェードのスムーズな回動、即ち配光パタ
ーンのスムーズな切替えが阻害されるという問題があっ
た。またシェードである円筒体4には、エンジンの振動
が水平支軸7を介して伝達されるが、シェードである円
筒体を支持する水平支軸7が重心位置に一致しないた
め、伝達される振動によって水平支軸に作用する捩りト
ルク等による負荷が大きいという問題もあった。
【0007】本考案は前記従来技術の問題点に鑑みなさ
れたもので、その目的はカットラインを上下方向に無段
階にスムーズに切替えることのできる投射型自動車用ヘ
ッドランプを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本考案に係る投射型自動車用ヘッドランプにおいて
は、略楕円体形状のリフレクターと、前記リフレクター
の略第1焦点に配置された光源と、前記リフレクターの
前方に配置された投射レンズと、前記リフレクターの略
第2焦点近傍であって投射レンズの略焦点位置に配置さ
れ、リフレクターで反射されて投射レンズに向かう光の
一部を遮る配光制御用のシェードとを備え、前記シェー
ドは、回動中心から回動先端部までの距離が周方向に徐
変する形状に形成されて、シェードの重心に対し偏心し
た回動中心である水平支軸回りに回動する構造とされ、
このシェードを水平支軸回りに回動しシェード頂点位置
を上下に変位させて配光を制御する投射型自動車用ヘッ
ドランプであって、前記シェードに、シェードの重心を
シェードの回動中心に一致させるためのバランスウエイ
トを設けるようにしたものである。
【0009】
【作用】シェードを水平支軸回りに回動するとシェード
の頂点の高さが変化するので、配光パターン(クリアカ
ットライン)が上下に変化する。またウエイトバランス
によりシェードの重心とシェードの回動中心が一致する
ので、シェードの回動がスムーズとなるとともに、シェ
ードに伝達される振動によってシェード支持部である水
平支軸に作用する捩りトルク等の負荷も軽減される。
【0010】
【実施例】次に、本考案の実施例を図面に基づいて説明
する。図1〜図5は本考案の一実施例である投射型自動
車用ヘッドランプで、欧米等における右側配光用のヘッ
ドランプを示すもので、図1は同ヘッドランプの内部構
造を示す斜視図、図2は同ヘッドランプに設けられてい
るシェードの左右縦断面図、図3は搭乗するドライバー
側からシェード及びヘッドランプの作る配光パターンを
見た斜視図、図4はシェードの形状を説明する図(図1
の右側よりシェードを見た図)、図5は同ヘッドランプ
によって形成される配光パターンのクリアカットライン
の変化を示す図、図6はシェード駆動制御機構のブロッ
ク図である。
【0011】これらの図において、図示しない容器状の
ランプボデイ内には、エイミング機構(図示せず)によ
って支持された光投射ユニット10が収容されている。
なお詳しく説明しないが、光投射ユニット10はエイミ
ング機構によって図示しない水平軸及び垂直軸廻りにそ
れぞれ傾動可能に支持されており、エイミング機構を操
作することによって光投射ユニット10から出射される
光の出射方向、即ち光軸Lを上下左右方向に傾動調整す
ることができる。
【0012】光投射ユニット10は、バルブ12の挿着
された略楕円体形状のリフレクター14と、リフレクタ
ー14の前方に配置された投射レンズ16とが一体化さ
れた構造で、投射レンズ16はリフレクター14にねじ
固定されたレンズホルダー(図示せず)に支持されてい
る。リフレクター14の内側にはアルミ蒸着処理された
楕円反射面15が形成され、この楕円反射面15は周知
の第1焦点F1と第2焦点F2とを有し、第1焦点F1
置にはバルブ12のフィラメントが位置している。また
第2焦点F2付近であって投射レンズ16の焦点位置に
は、リフレクター14で反射して投射レンズ16に向か
う光の一部を遮ってサブビームのクリアカットラインを
形成するためのシェード20が設けられている。そして
バルブ12の発光が楕円反射面15で反射されて前方に
導かれ、投射レンズ16によってヘッドランプの前方に
略平行光にして投射配光される。
【0013】シェード20は、図1,2示されるよう
に、光軸Lの略真下位置から左右に分割された水平に延
びる左側(レンズ16側から見て左側)シェード21と
右側(レンズ16側から見て右側)シェード22とから
構成されている。それぞれのシェード21,22は径の
異なる円筒体で構成され、水平支軸23に回動可能に支
承されている。シェード21,22の共通する回動中心
である水平支軸23は、円筒型の回転体であるシェード
21,22の軸心である重心G1,G2に対しそれぞれ偏
心した位置に設けられており、換言すれば、シェード2
1,22が水平支軸23に偏心して設けられており、シ
ェード21,22が回動することにより、クリアカット
ラインが図5A1〜A2,B1〜B2の範囲で上下動する。
なお図4符号d1,d2はそれぞれシェード21,22の
偏心量を示す。
【0014】図2符号25a〜25dはボールベアリン
グで、各シェード21,22は、フレームFに両端固定
支持された水平支軸23にこのボールベアリング25a
〜25dを介し回転可能に組付けられている。符号25
eはシェード21をシェード22側に押圧するための圧
縮コイルスプリングである。またシェード21,22の
少なくとも相対摺動面21a,22aはセラミックで構
成されており、シェード21,22の相対摺動面が金属
で構成されている場合に比べて相対摺動摩擦が低く抑え
られて、シェード21,22のスムーズな回動が確保さ
れるようになっている。また各シェード21,22には
ギア27,28が軸着され、各ギヤ27,28はモータ
1,M2の出力軸にそれぞれ軸着された駆動ギア29,
30にそれぞれ噛み合っている。そしてモータM1,M2
の駆動によりシェード21,22がそれぞれ独立して回
動し、図5に示すA1〜A2,B1〜B2の範囲内で、配光
スクリーン上の垂直軸Vの左右においてクリアカットラ
インの高さ及び形状を任意に調整できる。
【0015】また符号31,32はシェード21,22
にそれぞれ一体化されたバランスウエイトで、シェード
21,22の重心G1,G2を回動中心に一致させて、後
述するシェード回動用のモータM1,M2の負荷を軽減す
るとともに、シェード21,22のスムーズな回動を図
るためのものである。即ち、バランスウエイト31,3
2がないと、シェード21,22の回動位置毎にモータ
1,M2に作用する負荷が異なり、シェード21(2
2)を回動させる上での慣性負荷がシェード21(2
2)の周方向位置において異なるため、シェードを回動
させて配光パターンを切替るまでの時間に差が生じる。
しかし、このバランスウエイト31,32によりシェー
ド21,22がそれぞれ水平支軸23のレンズ側とリフ
レクター側においてバランスを保っておれば、シェード
21(22)は回動中心である水平支軸23回りにバラ
ンスしており、モータM1,M2の負荷(慣性負荷)が常
に略一定とされて、シェードを回動させるために要す時
間がシェード回動位置如何に拘らず一定で、しかも短縮
されたものとなっている。
【0016】この実施例では欧米仕様の右側配光形成用
のシェード20が開示されており、左側シェード21の
作るクリアカットラインは、符号21aで示す位置が最
上端位置となる図4で示す態様(シェード21の背が最
も低くなる態様)ではA1位置となり、この位置からシ
ェード21を回動させるとクリアカットラインは徐々に
下降し、符号21bで示す位置が最上端位置となる態様
(シェード21の背が最も高くなる態様)ではA2位置
となる。一方、右側シェード22については、符号22
aで示す位置が最上端位置となる図4で示す態様(シェ
ード22の背が最も低くなる態様)ではB1位置とな
り、符号22bで示す位置が最上端となる態様(シェー
ド22の背が最も高くなる態様)ではB2位置となる。
【0017】図6はシェード駆動制御機構を示してお
り、符号40はモータM1,M2の駆動量をコントロール
する制御部で、この制御部40には、シェード21,2
2の回動位置をそれぞれ検出するポジションメータ
1,P2からのシェード回動位置情報が入力されるとと
もに、走行用ビーム,すれ違い用ビーム,左曲がり用ビ
ーム,右曲がり用ビーム等の走行条件に応じた種々の配
光パターンを形成するためのシェード21,22の回動
角度データθ1,θ2が予めテーブルデータとして記憶さ
れている。そしてこの制御部40では、ハンドルの操舵
方向および操舵量を検出する手段やすれ違いビームを検
出する手段等のセンサー42から走行条件に応じた信号
Vが入力すると、テーブルデータからこの入力信号Vに
合致した出力を選択し、モータドライブ回路45,46
に出力し、モータM1,M2が駆動してシェード21,2
2が所定量だけ回動し、走行条件に最適な配光パターン
をつくるようになっている。
【0018】図7は本考案の第2の実施例の要部である
シェード回動機構の断面を示す図である。前記した実施
例では、左右のシェード21,22がそれぞれ独立して
回動するように構成されていたが、本実施例では左右の
シェードが一体化されており、1個の駆動モータM1
よりシェード20が水平支軸23回りに正逆回動し、こ
れによって配光パターンのカットラインが上下に変位す
る。その他は前記第1の実施例と同一であり、同一の符
号を付すことにより重複した説明は省略する。
【0019】
【考案の効果】以上の説明から明らかなように、本考案
に係る投射型自動車用ヘッドランプによれば、シェード
を水平支軸回りに回動するとシェードの頂点の高さが変
化するので、配光パターン(クリアカットライン)が上
下に変化して種々の配光パターンを無段階で調整でき
る。
【0020】またウエイトバランスによりシェードの重
心とシェードの回動中心が一致するので、シェードの回
動がスムーズとなるとともに、シェードに伝達される振
動によってシェード支持部である水平支軸に作用する捩
りトルク等の負荷も軽減される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施例である投射型自動車用ヘッド
ランプの内部構造を示す斜視図
【図2】同ヘッドランプに設けられているシェードの左
右縦断面図
【図3】搭乗するドライバー側からシェード及びヘッド
ランプの作る配光パターンを見た斜視図
【図4】シェードの形状を説明する図
【図5】同ヘッドランプによって形成される配光パター
ンのクリアカットラインの変化を示す図
【図6】シェード駆動制御機構のブロック図
【図7】本考案の第2の実施例の要部であるシェードの
左右縦断面図
【図8】従来の投射型自動車用ヘッドランプの縦断面図
【図9】先の提案である投射型自動車用ヘッドランプの
縦断面図
【符号の説明】
12 光源である放電バルブ 14 リフレクター 16 投射レンズ 20 配光制御用のシェード 21 左側分割シェード 22 右側分割シェード 23 水平支軸 31,32 バランスウエイト M1,M2 駆動モータ G1,G2 シェードの重心位置 F1 リフレクターの第1焦点 F2 リフレクターの第2焦点

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】略楕円体形状のリフレクターと、前記リフ
    レクターの略第1焦点に配置された光源と、前記リフレ
    クターの前方に配置された投射レンズと、前記リフレク
    ターの略第2焦点近傍であって投射レンズの略焦点位置
    に配置され、リフレクターで反射されて投射レンズに向
    かう光の一部を遮る配光制御用のシェードとを備え、前
    記シェードは、回動中心から回動先端部までの距離が周
    方向に徐変する形状に形成されて、シェードの重心に対
    し偏心した回動中心である水平支軸回りに回動する構造
    とされ、このシェードを水平支軸回りに回動しシェード
    頂点位置を上下に変位させて配光を制御する投射型自動
    車用ヘッドランプであって、 前記シェードには、シェードの重心をシェードの回動中
    心に一致させるためのバランスウエイトが設けられたこ
    とを特徴とする投射型自動車用ヘッドランプ。
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