JP2540810B2 - ディスク装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、フロッピーディスク等の記録媒体に情報信
号を記録再生するディスク装置に関する。

〔発明の概要〕

本発明は、フロッピーディスク等の記録媒体に情報信
号を記録再生するディスク装置において、磁気ディスク
の回転速度に応じて磁気ディスクと磁気ヘッドとの間の
接触圧力が可変されるようにしたことにより、磁気ディ
スクの回転速度が変化しても、磁気ディスクと磁気ヘッ
ドとの間の距離スペーシングが略一定となるようにした
ものである。

〔従来の技術〕

従来、フロッピーディスクの記録再生を行なうディス
ク装置として第３図に示す構成のものが提案されてい
る。

同図において、（21）はフロッピーディスクである。
このディスク（21）はキャリア（22）の先端側に取り付
けられた磁気ヘッド（23）と支持アーム（24）の先端側
に取り付けられた磁気ヘッド（25）とで挟持されてい
る。キャリア（22）は、ガイド軸（図示せず）に沿っ
て、ディスク（21）の半径方向に移動自在とされてい
る。また、支持アーム（24）は支軸（26）を軸として揺
動自在とされ、この支持アーム（24）はばね（27），
（28）等の付勢手段によってディスク（21）を挟持する
方向に付勢されている。

この第３図例によれば、付勢手段により、ディスク
（21）と磁気ヘッド（23），（25）との間に一定の接触
圧力が与えられる。

また、フロッピーディスクの記録再生を行なうディス
ク装置として、第４図に示す構成のものが、特開昭60−
95758号公報で開示されている。

同図において、（31）はフロッピーディスクである。
このディスク（31）はキャリア（32）の先端側に取り付
けられた磁気ヘッド（33）とロードアーム（34）の先端
側に取り付けられたパッド（35）とで挟持されている。
キャリア（32）はガイド軸（36）に沿ってディスク（3
1）の半径方向に移動自在とされている。また、ロード
アーム（34）は支軸（37）を軸として揺動自在とされて
いる。このロードアーム（34）に設けられたピン（38）
と、ガイド軸（36）を支承する構成部材（39）に設けら
れたピン（40）に掛け渡されたコイルばね（41）の垂直
分力によってパッド（35）はディスク（31）に押しつけ
られている。

この第４図例によれば、磁気ヘッド（33）がディスク
（31）の中心方向に移るにつれて、コイルばね（41）の
垂直分力が大となり、ディスク（31）と磁気ヘッド（3
3）との間の接触圧力が強められる。

〔発明が解決しようとする問題点〕

ところで、フロッピーディスクは、従来は例えば10K
の記録密度（BPI）とされており、記録再生時には、こ
のディスクは300回転／分で回転させられていた。しか
し、現行では記録の高密度化により、例えば20Kの記録
密度（BPI）とされており、このディスクは300回転／分
で回転させられている。そのため、従来の10Kの記録密
度のディスクを再生する際に、600回転／分で回転させ
ることにより、現行のデータ転送レートと同じくするこ
とができる。即ち、回転速度を可変することにより、互
換性を得ることができる。

しかしながら、上述した従来のディスク装置におい
て、回転速度が300回転／分から600回転／分に換わる
と、ディスクの回転によって生じる空気流による浮力が
大となり、磁気ヘッドのディスク面からの浮き上り距離
（スペーシング）が大となる。これにより、スペーシン
グロスが大となるため、良好な再生が不可能となる欠点
があった。

本発明は斯る点に鑑み、ディスクの回転速度が変化し
ても、磁気ヘッドのディスク面からの浮き上り距離が略
一定となるようにし、ディスクの回転速度が大となって
も、例えば、スペーシングロスが大とならず、良好な再
生が可能となるようにするものである。

〔問題点を解決するための手段〕

本発明は、 情報が読み書きされるディスクと、 このディスクに対しほぼ垂直に面し、情報を読み書き
するヘッドと、 外部からの少なくとも第１の制御信号と第２の制御信
号により少なくとも第１の回転速度と、この第１の回転
速度より速い第２の回転速度とに切り換わり、ディスク
を回転駆動するディスク回転駆動手段と、 上記それぞれの回転速度に応じてディスクに対するヘ
ッドの接触圧力を、少なくとも第１の接触圧力と、この
第１の接触圧力より大きい第２の接触圧力とに可変する
加圧手段と、 を具備してなるものである。

〔作用〕

ディスク回転駆動手段によるディスクの回転速度が例
えば大となると、ディスクの回転によって生じる空気流
による浮力が大となり、ヘッドのディスク面からの浮き
上り距離が大となろうとする。しかし、本発明におい
て、ディスクの回転速度が大となると、ディスクとヘッ
ドとの間の接触圧力が増加される。そのため、ディスク
の回転速度が大となっても、ヘッドのディスク面からの
浮き上り距離は略一定に保たれる。

〔実施例〕

以下、第１図を参照しながら本発明の一実施例につい
て説明する。

同図において、（１）はフロッピーディスクである。
このディスク（１）は図示しないディスク回転駆動手段
によって回転されるもので、このディスク回転駆動手段
は外部からの制御信号によって例えば前述した如く300
回転／分と600回転／分の回転速度に切り換えられるよ
うになっている。このディスク（１）はキャリア（２）
の先端側に取り付けられた磁気ヘッド（３）と支持アー
ム（４）の先端側に取り付けられた磁気ヘッド（５）と
で挟持される。磁気ヘッド（３）（５）はディスク
（１）に対しほぼ垂直に面して接触し、情報信号を読み
書きするものである。キャリア（２）は、例えばステッ
ピングモータ（図示せず）の駆動によってガイド軸
（６）に沿って、ディスク（１）の半径方向に移動自在
とされる。

また、支持アーム（４）は、支軸（７）を軸として揺
動自在とされる。そして、支持アーム（４）のキャリア
（２）間に配されたコイルばね（８）で、この支持アー
ム（４）はディスク（１）を挟持する方向に付勢され、
その力によって磁気ヘッド（３）（５）がディスク
（１）に接触する。

この磁気ヘッド（３）（５）のディスク（１）に対す
る接触圧力は、ディスク（１）の回転速度に応じて加圧
手段によって可変される。

この加圧手段は次のように構成される。

（９）は弾性押圧部材としての板ばねで、この板ばね
（９）の一端（9a）は垂直（上下）方向に移動自在とさ
れた移動部材（10）に固定され、その他端（9b）は支持
アーム（４）の上部に固定された被押圧部（11）の上面
と当接される。そして、この板ばね（９）より支持アー
ム（４）に押圧力Ｆが与えられる。

また、（12）はディスク（１）の回転速度を検出する
回転速度検出部であり、この検出部（12）からの検出信
号Sdはカム駆動部（13）に制御信号として供給される。
また、（14）は全体として円柱形状とされたカムであ
り、一方の端面は傾斜面とされ、この傾斜面の中心から
所定距離部分が上述した移動部材（10）に当接される。
そして、このカム（14）は、その中心軸を中心に、検出
信号Sdに基づき、カム駆動部（13）によって回動制御さ
れる。カム（14）の回動により移動部材（10）にはカム
（14）の傾斜面の低い部分から高い部分が当接されるの
で、カム（14）の回動により移動部材（10）はある位置
を中心として上下方向に所定距離Δｘだけ移動される。
移動部材（10）が所定距離Δｘだけ移動されるとき、板
ばね（９）による支持アーム（４）への押圧力はΔＦだ
け変化することとなる。

ΔＦ＝ｆ（k,Δｘ） ・・・（１） 尚、押圧力の変化ΔＦは、（１）式に示すようにばね
定数ｋと、距離Δｘをパラメータとする関数である。

また、カム駆動部（13）によるカム（14）の回動制御
は、ディスク（１）の回転速度が大きくなるほど、カム
（14）の傾斜面の低い部分が移動部材（10）に当接する
ように行なわれる。即ち、ディスク（１）の回転速度が
大きくなるほど移動部材（10）は下方に移動され、板ば
ね（９）による支持アーム（４）への押圧力Ｆが大とな
るようにされる。

本例は以上のように構成され、ディスク（１）の回転
速度が大きくなるほどカム（14）は、その傾斜面の低い
部分が移動部材（10）に当接するように回動制御され
る。これにより、移動部材（10）は下方に移動され、板
ばね（９）による支持アーム（４）への押圧力Ｆは、デ
ィスク（１）の回転速度が大きくなるほど大となる。

したがって、本例によれば、ディスク（１）の回転速
度が大きくなり、ディスク（１）の回転によって生じる
空気流による浮力が大となり、磁気ヘッド（３）（５）
のディスク（１）の面からの浮き上り距離（スペーシン
グ）が大となろうとしても、板ばね（９）による押圧力
Ｆ、したがって、ディスク（１）と磁気ヘッド（３）
（５）との接触圧力が大となるので、磁気ヘッド（３）
（５）のディスク（１）の面からの浮き上り距離は略一
定に保たれる。ゆえに、ディスク（１）の回転速度が大
となっても、例えばスペーシングロスが大とならず、良
好な再生が可能となる。

回転速度検出部（12）はディスク（１）の回転速度を
連続的に検出し、その検出結果に応じて移動部材（10）
の位置をリニアに変化させてもよいが、ディスク装置が
300rpmと600rpmの２段階に切り換えられる場合は移動部
材（10）の位置も２段階に変化させディスク（１）と磁
気ヘッド（３）（５）との接触圧を２段階に切り換えて
もよい。またその場合にはディスク（１）の回転速度は
検出せずに、300rpmと600rpmとの切換え信号により自動
的にディスク（１）と磁気ヘッド（３）（５）との接触
圧を切り換えるようにしてもよい。

つぎに、第２図は本発明の他の実施例を示すものであ
り、第１図例における板ばね（９）の代りに、コイルば
ね（19）を用いたものである。即ち、コイルばね（19）
の一端（19a）は移動部材（10）に固定され、その他端
（19b）は支持アーム（４）の上部に固定された被押圧
部（11）の上面と当接される。そして、このコイルばね
（19）より支持アーム（４）に押圧力Ｆが与えられる。
その他は、第１図例と同様に構成される。

この第２図例においても、ディスク（１）の回転速度
が大きくなるほど、移動部材（10）は下方に移動され、
コイルばね（19）による支持アーム（４）への押圧力Ｆ
は、ディスク（１）の回転速度が大きくなるほど大とな
る。したがって、第２図例においても、第１図例と同様
の作用効果を得ることができる。

なお、上述実施例においては、加圧手段の弾性押圧部
材として板ばね（９）、コイルばね（19）を使用したも
のであるが、これらに限定されず、合成樹脂、天然樹脂
等を成形した弾性部材を用いてもよい。また、上述実施
例においては移動部材（10）を移動させる手段としてカ
ム（14）を使用したものであるが、ギヤ、プランジャソ
レノイド、モータ等を用いて構成することもできる。ま
た、上述実施例はフロッピーディスクの記録再生装置に
適用した例であるが、本発明はハードディスク等のその
他の磁気ディスクの記録再生装置にも同様に適用するこ
とができる。

〔発明の効果〕

以上の説明によって明らかな如く本発明は、 情報が読み書きされるディスクと、 このディスクに対しほぼ垂直に面し、情報を読み書き
するヘッドと、 外部からの少なくとも第１の制御信号と第２の制御信
号により少なくとも第１の回転速度と、この第１の回転
速度より速い第２の回転速度とに切り換わり、ディスク
を回転駆動するディスク回転駆動手段と、 上記それぞれの回転速度に応じてディスクに対するヘ
ッドの接触圧力を、少なくとも第１の接触圧力と、この
第１の接触圧力より大きい第２の接触圧力とに可変する
加圧手段と、 を具備したことを特徴とするディスク装置である。

このように構成される本発明のディスク装置によれ
ば、ディスクの回転速度に応じてディスクに対するヘッ
ドの接触圧力が可変されるので、ディスクの回転速度が
大となってもディスクとヘッドとの間の距離（スペーシ
ング）が略一定に保たれ、例えばスペーシンググロスが
大とならず、良好な再生が可能となる。

【図面の簡単な説明】 第１図は本発明の一実施例を示す構成図、第２図は本発
明の他の実施例を示す構成図、第３図及び第４図は従来
例の構成図である。 （１）はフロッピーディスク、（２）はキャリア、
（３）及び（５）は磁気ヘッド、（４）は支持アーム、
（９）は板ばね、（10）は移動部材、（11）は被押圧
部、（12）は回転速度検出部、（13）はカム駆動部、
（14）はカム、（19）はコイルばねである。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】情報が読み書きされるディスクと、 このディスクに対しほぼ垂直に面し、情報を読み書きす
   るヘッドと、 外部からの少なくとも第１の制御信号と第２の制御信号
   により少なくとも第１の回転速度と、この第１の回転速
   度より速い第２の回転速度とに切り換わり、上記ディス
   クを回転駆動するディスク回転駆動手段と、 上記それぞれの回転速度に応じて上記ディスクに対する
   上記ヘッドの接触圧力を、少なくとも第１の接触圧力
   と、この第１の接触圧力より大きい第２の接触圧力とに
   可変する加圧手段と、 を具備したことを特徴とするディスク装置。