JPH0447836Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は円盤状情報記録媒体の信号記録面を掃
除するデイスククリーナ装置に関する。

（従来の技術） 例えば円盤状情報記録媒体（デイスク）にピツ
アツプ針などの再生素子を接触させ、デイスクの
回転と共に信号を再生する円盤状情報記録媒体再
生装置として、溝無し静電容量方式による再生装
置が知られている。このような再生装置では、再
生素子をデイスクの信号記録面に接触させて信号
を再生するため、再生素子に塵埃などが付着する
可能性が有ることから、再生素子を掃除するクリ
ーナが装置に内蔵され、再生素子がレスト位置に
復帰する毎にクリーナにより掃除されるものであ
る。

（考案が解決しようとする問題点） ところで、再生素子が上記装置のクリーナによ
つて良好な状態に掃除された場合であつても、デ
イスク自体に塵埃あるいは異物が付着している
と、RF再生出力の低下により画質が劣化したり、
トラツキングエラーが生じるなど良好な状態での
再生が不可能となる問題が生じ得る。

（問題点を解決するための手段） 本考案は上記した問題点に鑑みてなされたもの
であり、溝無し静電容量方式による再生装置のピ
ツアツプ挿着部に着脱自在に挿着されるデイスク
クリーナ装置であつて、前記ピツクアツプの移動
方向におけるデイスク面に対して所定角度傾斜す
るようクリーナ基体に取付けられた弾性部材に、
クリーナパツドを上下方向の変位が可能でかつ回
転自在に取付けると共に、前記弾性部材の取付け
方向とは逆方向に所定角度傾斜して取付けること
によりデイスクと摺接して相対回転するように構
成したことを特徴とするデイスククリーナ装置を
提供するものである。

（実施例） 第１図は本考案になるデイスククリーナ装置の
情報記録媒体再生装置への挿着状態を示す外観斜
視図、第２図はデイスククリーナ装置を示し、同
図Ａは底面図、同図Ｂは右側面図、第３図はデイ
スククリーナ装置の動作状態を示す一部断面図で
ある。

第１図に示すように、本考案のデイスククリー
ナ装置１は、回転駆動される直径約260mmの溝無
しデイスク２上を半径方向に相対的に走査するた
めの再生素子（第４図示）を搭載するキヤリツジ
３に対して着脱自在としてある。即ち、デイスク
クリーナ装置１は、例えば実公昭62−6611号公報
に記載されるごとくのピツクアツプ装置と互換性
が保てるように、そのクリーナ基体８の外形形状
はピツクアツプ装置のカートリツジ基体と略同一
形状としてある。

第４図を用いて本考案のデイスククリーナ装置
１を適用し得る情報記録媒体再生装置Ａの概要を
説明する。

再生装置Ａは、上記した溝無しデイスク２がタ
ーンテーブル４上に装着されると、デイスク面に
対して所定角度（約8°）傾斜したカンチレバー５
の先端に再生素子（ピツクアツプ針）５ａを有し
て組立てられた図示せぬカートリツジを搭載した
キヤリツジ３が、キヤリツジ駆動機構６によつて
駆動され、再生前の待機位置より矢印X₁方向に
移動する構成とされている。このカートリツジは
キヤリツジ３内に設けられたガイド溝中に、その
両側辺を案内させることにより挿脱可能としてあ
る。

そして、再生装置Ａは、キヤリツジ３がガイド
レール７に案内されてX₁方向に移動してデイス
ク２の上方に至ると、再生素子５ａをターンテー
ブル４と共に回転するデイスク２に接触させて信
号を再生し、また、再生終了時には、キヤリツジ
３が矢印X₂方向に移動して元の待機位置の復帰
する。

ここで、第２図〜第３図を用いて本考案デイス
ククリーナ装置１の具体的な構成を説明する。

このデイスククリーナ装置１は、上記カートリ
ツジ基体の外形形状と略同一形状のクリーナ基体
８と、このクリーナ基体８に一端基部をねじ１１
により固定されたリン青銅などの板ばね１０の他
端遊端部に取付けられたクリーナ部９とより構成
してある。また、この板ばね１０は、キヤリツジ
３の移動方向X₁，X₂におけるデイスク面を基準
として、デイスク２の外径から内径にかけて拡開
する如く所定の傾斜角度αを保つてクリーナ基体
８に取付けられている。

一方、クリーナ部９は、上記板ばね１０に固定
した支持部１２より傾斜して植設した軸１３に回
転自在に支持されているスリーブ１４に、下面に
円盤状（直径約12mm）のクリーナパツド（デイス
ククリーナ）１５を貼着した合成樹脂製のフラン
ジ部１６の弾性変形可能な把持部１６ａ，１６ａ
を係合させることにより、このクリーナパツド１
５は上記板ばね１０の取付け傾斜方向とは逆方向
に傾斜した状態で軸１３に回転自在に取付けられ
ると同時に、その回転中心は再生素子と対応する
位置となる。即ち、クリーナパツド１５の底面
は、上記板ばね１０の傾斜方向とは逆にキヤリツ
ジ３の移動方向X₁，X₂におけるデイスク面を基
準としてデイスク２の内径から外径にかけて拡開
する如く所定の傾斜角度βだけ傾斜している。な
お、本実施例において板ばね１０の取付け傾斜角
度αは、クリーナパツド１５のデイスク面との傾
斜角度βと同一にしてある。

また、このクリーナパツド１５はその把持部１
６ａ，１６ａによりスリーブ１４に対して着脱自
在となる。

このようにして、板ばね１０に取付けられたク
リーナ部９のクリーナパツド１５は、デイスク面
の内径方向から外形方向にかけて拡開した傾斜角
度βを保つと同時に、デイスクの回転方向に対し
てカンチレバーと同様に所定角度γ（γは約8°）
だけ傾斜している。

なお、８ａはクリーナ基体８に突出形成したス
トツパであり、支持部１２の下端がこれに当接す
ることにより、クリーナパツド１５の下降位置が
規制される。

このように構成されたデイスククリーナ装置１
は、第１図に示すようにキヤリツジ３内に設けら
れたガイド溝３ａ中に、そのクリーナ基体８の両
側辺を案内させることによりキヤリツジ３に取付
けられ、第１図、第４図に示すようにキヤリツジ
３が信号再生時と同様に、デイスク２の外形方向
から内径方向にかけてX₁方向（走査方向）に移
動することにより、第３図に示すようにクリーナ
パツド１５がデイスクのクルーブガード位置より
板ばね１０の弾性力により変位し、約900回転で
回転するデイスク２上を傾斜角度βで接触して、
デイスク２の半径差によつて回転駆動されるデイ
スク２とは相対的に高速で回転し、デイスク面に
付着した遺物および塵埃を掃除することが可能と
なる。

このデイスククリーニング時、キヤリツジ３が
X₁方向に移動する際には、板ばね１０のデイス
ク面に対する傾斜角度αはクリーナパツド１５の
傾斜角度βと反対方向に傾斜しているため、クリ
ーナ部９はデイスク面に食い込む方向（Y₁方向）
に作用することなく逃げ方向（Y₂方向）に弾性
的に変位し、また、これとは逆にキヤリツジ３が
X₂方向に復帰する際には、クリーナパツド１５
の傾斜角度βによりクリーナ部９は上記と同様に
デイスク面に食い込む方向（Y₁方向）に作用す
ることなく逃げ方向（Y₂方向）に弾性的に変位
することになる。従つて、キヤリツジ３のいずれ
の移動方向においても、クリーナ部９はデイスク
面に対して常に逃げ方向に変位させることが可能
となるため、常に均一なパツド圧が得られ、デイ
スク面をムラなく均一に掃除することができる。

第５図はデイスク面上のクリーナパツド１５の
傾斜角度βにおける、ドロツプアウトとクリーニ
ング回数との関係を示したものであり、同図によ
れば、クリーナパツド１５の傾斜角度βが30°〜
5°においてはクリーニング回数が増加してもドロ
ツプアウトに変化はなく、傾斜角度βが30°を越
えて45°になるに従つてドロツプアウトが大とな
る。従つて、クリーナパツド１５の傾斜角度βは
30°〜5°が良好である。

また、第６図はクリーナパツド１５のデイスク
面の面圧Ｐに対する塵埃付きデイスクのクリーニ
ング効果を示すRF再生出力とクリーニング回数
との関係を示したものであり、この図によれば、
面圧Ｐが5gf以上あれば効果が大であると判断さ
れる。なお、この第６図においてはクリーナパツ
ド１５の傾斜角度βは10°の状態を示すものであ
る。

即ち、RF再生出力は、1.8v〜2.8v以上あれば
再生画質は良いとされるため、第６図よりRF再
生出力1.8v以下の割合が減少しているということ
は、クリーニングしたデイスクはそれ以上の出力
が得られていることを示すものである。なお、デ
イスク面の掃除時におけるクリーナパツド１５の
送りは60倍速で行なつた。

（考案の効果） 以上の如く、本考案になるデイスククリーナ装
置によれば、デイスククリーナは回転駆動される
デイスクの走査方向に対して所定角度傾斜した状
態で回転するデイスク上をデイスクと相対回転し
ながら摺接するため、塵埃および異物が付着して
RF出力信号が低下したデイスクは、RF出力信号
が大きく復帰することによりピツクアツプ針など
の再生素子によつて高品位な画像を再生すること
が可能となると共に、ドロツプアウトが軽減され
るなどの実用的な利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案になるデイスククリーナ装置の
情報記録媒体再生装置への挿着状態を示す外観斜
視図、第２図はデイスククリーナ装置を示し、同
図Ａは底面図、同図Ｂは右側面図、第３図はデイ
スククリーナ装置の動作状態を示す一部断面図、
第４図は本考案のデイスククリーナ装置１を適用
し得る情報記録媒体再生装置、第５図はクリーナ
パツドの傾斜角度における、ドロツプアウトとク
リーニング回数との関係を示した図、第６図はク
リーナパツドのデイスク面の面圧Ｐに対する塵埃
付きデイスクのクリーニング効果を示すRF再生
出力とクリーニング回数との関係を示した図であ
る。 １……デイスククリーナ装置、２……デイス
ク、３……キヤリツジ、８……クリーナ基体、９
……クリーナ部、１０……板ばね、１５……クリ
ーナパツド。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 溝無し静電容量方式による再生装置のピツアツ
   プ挿着部に着脱自在に挿着されるデイスククリー
   ナ装置であつて、前記ピツクアツプの移動方向に
   おけるデイスク面に対して所定角度傾斜するよう
   クリーナ基体に取付けられた弾性部材に、クリー
   ナパツドを上下方向の変位が可能でかつ回転自在
   に取付けると共に、前記弾性部材の取付け方向と
   は逆方向に所定角度傾斜して取付けることにより
   デイスクと摺接して相対回転するように構成した
   ことを特徴とするデイスククリーナ装置。