JP2540668Y2 - 車両用照明灯 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案はヘッドランプ、フォグラ
ンプなど車両用の照明用灯具に関するものであり、詳細
には前記照明用灯具に直射光を遮蔽する目的で設けられ
る遮光フードの取付構造に係るものである。

【０００２】

【従来の技術】従来のこの種の車両用照明灯９０におけ
る遮光フード９１の取付構造の例を示すものが図３であ
り、例えば回転放物面で形成された反射鏡９２の回転中
心線上には電球９３が配設され、該電球９３の照射方向
前面を覆うように遮光フード９１が配置されて電球９３
からの直射光を遮蔽し対向車に対する眩惑光の発生を防
止するものである。

【０００３】このときに、所定位置に保持させるために
遮光フード９１にはステー９１ａが設けられ、車両用照
明灯９０の前面側から反射鏡９２に螺着が行われて取付
が行われるものとされていた。尚、ステー９１ａを設け
る位置としては前記電球９３の鉛直下が配光特性及び耐
熱上から最適位置とされている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】しかしながら、前記し
た従来の遮光フード９１の取付構造においては、 近来、電球９３として９００６型と称され反射鏡９
２の背面直後で下方にＬ字状に折曲がるソケット９３ａ
が取付けられたものが採用されると共に、反射鏡９２と
して樹脂成型のものが採用されるケースが多くなり、こ
の場合には前記ソケット９３ａに干渉し前記遮光フード
９１を支持するのに充分な螺着強度が得られない問題点
を生ずるものとなる。

【０００５】 更に、近来においては前記反射鏡９２
に複合反射鏡と称されて複数の反射面が組合わされて反
射鏡９２自体で配光特性がほぼ生成されるものが採用さ
れるケースも増加し、この場合には前面レンズ９４に施
されるレンズカットが浅くなり車両用照明灯９０の内面
が素通し状として観視されるものとなるので、前記遮光
フード９１の反射鏡９２前面側からの螺着による取付は
美観を損なう問題点も併せて生じ、これらの点の解決が
課題とされるものとなっていた。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本考案は前記した従来の
課題を解決するための具体的な手段として、樹脂成型の
反射鏡に、該反射鏡の背面でＬ字型に屈折するソケット
を有する電球が取付けられ、前記電球には前記反射鏡と
ステーで連接される遮光フードが取付けられて成る車両
用照明灯において、前記ステーは前記反射鏡の背面に回
込ませて取付部が形成され、且つ前記反射鏡の前記ステ
ーにより前記電球からの光が遮蔽される部分はこの車両
用照明灯の照射方向側に前進させられてダミー反射部が
形成され、その背面側に前記取付部に対応する取付ボス
が形成されていることを特徴とする車両用照明灯を提供
することで、前記した従来の課題を何れも解決するもの
である。

【０００７】

【実施例】つぎに、本考案を図に示す一実施例に基づい
て詳細に説明する。図１に符号１で示すものは例えばヘ
ットランプ、フォグランプとして使用される車両用照明
灯であり、この車両用照明灯１は樹脂成型の反射鏡２を
有すると共に、９００６型と称されている前記反射鏡２
の背面直後で略Ｌ字状に折れ曲がるソケット３ａを有す
る電球３が採用され、更に前記電球３には直射光を遮蔽
するための遮光フード４が設けられ、該遮光フード４は
同体若しくは別体に形成されたステー５で反射鏡に固定
される構成とされるものである点は従来例のものと同様
である。

【０００８】しかしながら、本考案により前記ステー５
は、例えば反射鏡２に電球３を取付けるための取付孔を
利用するなどして、反射鏡２の背面に達するものとさ
れ、この背面直後で下方に略直角に折曲げられて取付部
５ａが形成されるものとされている。このときに、前記
取付部５ａは前記ソケット３ａと同一方向に折曲がるも
のとなるので、この取付部５ａを形成するに当たっては
ソケット３ａとの干渉を生じないもの、即ち、ソケット
３ａよりも照射方向側（前方）にあるものとされてい
る。

【０００９】同時に、前記反射鏡２の側においては、前
記ステー５により電球３からの光が遮断され影となり、
この車両用照明灯１の配光特性の形成に無効となる反射
面の部分が図２に示すように照射方向側に前進させられ
てダミー反射部２ａが形成されるものとなり、このとき
に、前記ダミー反射部２ａは例えば前記反射鏡２が複数
の反射面の集合で構成されるマルチリフレクタであるな
らば、他の部分の反射面とのデザイン的な統一を図るな
どして、ダミー反射部２ａが設けられたことにより違和
感を生ずることを少ないものとしている。

【００１０】ここで、前記ダミー反射部２ａが前進させ
られて形成される目的は、前記遮光フード４をステー５
の取付部５ａで反射鏡２の背面から螺着を行うときに、
前記ソケット３ａとの干渉を生ずることなく、且つ取付
に充分な強度が保証できる螺着深さを取付螺子６に対し
て得るためであり、従って、前記ダミー反射部２ａの前
進の量は上記の目的に合致するように定められるものと
されて、前記取付螺子６のための取付ボス２ｂが形成さ
れるものとされる。

【００１１】次いで、上記の構成とした本考案の作用及
び効果について説明を行えば、先ず第一には前記反射鏡
２のステー５により遮蔽され無効となる部分を前進させ
てダミー反射部２ａを形成したことで、車両用照明灯１
の配光特性に何等の影響も与えることなく、前記ダミー
反射部２ａの背面に遮光フード４を充分な強度をもって
固定する取付スペースが得られるものとなり、９００６
型など略Ｌ字状に折れ曲がるソケット３ａを有する電球
３が採用されるときにも遮光フード４の取付に強度不足
を生じさせないものとする。

【００１２】また、第二には上記構成としたことでステ
ー５の取付部５ａは反射鏡２の背面に位置するものとな
り、例えば反射鏡２がマルチリフレクタとされて前面レ
ンズ７のレンズカットが浅く車両用照明灯１の内部が素
通し状に観視される場合でも、取付部５ａ及び取付螺子
６は観視されないものとなる。尚、上記の実施例は反射
鏡２がマルチリフレクタである場合を例として行った
が、これに限定されるものでなく、例えば回転放物面な
ど他の形状の反射鏡でも実施可能であることは云うまで
もない。

【００１３】

【考案の効果】以上に説明したように本考案により、ス
テーは反射鏡の背面に回込ませて取付部が形成され、且
つ反射鏡のステーにより電球からの光が遮蔽される部分
はこの車両用照明灯の照射方向側に前進させられてダミ
ー反射部が形成され、その背面側に前記取付部に対応す
る取付ボスが形成されている車両用照明灯としたこと
で、第一にはダミー反射部を、反射鏡のステーの影とな
る無効部に前進して形成したことで、９００６型など略
Ｌ字状に折れ曲がるソケットを有する電球を採用すると
きにも、前記ダミー反射部の背面に充分な強度での遮光
フードの取付を可能とする取付ボスを設けられるように
して脱落事故などを防止し、この種の車両用照明灯の信
頼性の向上に優れた効果を奏するものである。

【００１４】また、第二には上記構成としたことでステ
ーの取付部は反射鏡の背面に位置するものとなり、前面
レンズに素通し状のものが採用された場合にも取付部及
び取付螺子が観視されずに、これに換え反射鏡と形態的
に類似するダミー反射部を見せるものとして観者に違和
感を生じさせるのを避け、この種の車両用照明灯の美観
の向上に優れた効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案に係る車両用照明灯の一実施例を示す
断面図である。

【図２】 図１のＡ―Ａ線に沿う断面図である。

【図３】 従来例を示す断面図である。

【符号の説明】

１……車両用照明灯 ２……反射鏡 ２ａ……ダミー反射部、２ｂ……取付ボス ３……電球 ３ａ……ソケット ４……遮光フード ５……ステー ５ａ……取付部 ６……取付螺子 ７……前面レンズ

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 樹脂成型の反射鏡に、該反射鏡の背面で
   Ｌ字型に屈折するソケットを有する電球が取付けられ、
   前記電球には前記反射鏡とステーで連接される遮光フー
   ドが取付けられて成る車両用照明灯において、前記ステ
   ーは前記反射鏡の背面に回込ませて取付部が形成され、
   且つ前記反射鏡の前記ステーにより前記電球からの光が
   遮蔽される部分はこの車両用照明灯の照射方向側に前進
   させられてダミー反射部が形成され、その背面側に前記
   取付部に対応する取付ボスが形成されていることを特徴
   とする車両用照明灯。