JP2540159B2 - コンタクトレンズ - Google Patents

コンタクトレンズ

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JP2540159B2
JP2540159B2 JP62143989A JP14398987A JP2540159B2 JP 2540159 B2 JP2540159 B2 JP 2540159B2 JP 62143989 A JP62143989 A JP 62143989A JP 14398987 A JP14398987 A JP 14398987A JP 2540159 B2 JP2540159 B2 JP 2540159B2
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【発明の詳細な説明】 本発明は、デキストランエステル、重合性モノビニル
化合物、重合性カルボン酸化合物及び重合性多価ビニル
化合物から導かれたデキストランエステル系四元共重合
体からなるハードタイプのコンタクトレンズに関し、と
くには、顕著に改善された酸素透過性、角膜及び涙液と
の親和性、その他の諸適性を兼備したコンタクトレンズ
に関する。
更に詳しくは、本発明は下記式(1) 但し式中、R1はC=C結合を有する脂肪族不飽和
酸、その酸無水物又は酸ハライドから導かれたC2〜C6
有機基を示し、R2はC2〜C4のアルキル基を示し、l,m及
びnは下記式 0<l≦0.4、0≦m≦0.9、0.1≦n≦2.9、l+m+n
≦3及び を満足する正数であり、xは5以上の正数を示す、 で表わされるデキストランエステル; 下記式(2) 但し式中、R3、R4及びR5はそれぞれH及びCH3基よりな
る群から選ばれた基を示し、R6[ここで、R7はC1〜C18のアルキル基、C1〜C8のヒドロ
オキシアルキル基、C1〜C4のアミノアルキル基及びC1
C8のジアルキルアミノアルキル基よりなる群から選ばれ
た基を示す]、−CN、 [ここで、R8は低級アルキル基を示す]よりなる群から
得ばれた基を示す、 で表わされる重合性モノビニル化合物; 下記式(3) 但し式中、R9、R10及びR11はそれぞれH、CH3基及びCOO
H基からなる群より選ばれた基を示し、ここで、R9、R10
及びR11の少なくとも1ケがCOOH基の場合には残りの2
ケはCOOH基以外の上記基である、 で表わされる重合性カルボン酸化合物; 及び 一分子中に少なくとも2ケのビニル基を有する重合性多
価ビニル化合物; を重合開始剤の存在下もしくは不存在下に共重合して得
られる四元共重合体から成ることを特徴とするコンタク
トレンズに関する。
従来、ポリメチルメタクリレートを主成分とするハー
ドコンタクトレンズが知られており、該コンタクトレン
ズは切削、研磨等の加工性が容易であること、寸法安定
性、機械的強度、透明性等が良好であること、洗浄が容
易で保存性が良好であること等の利点を有し広く使用さ
れている。しかしながら、ポリメチルメタクリレートを
主成分とするハードコンタクトレンズは、硬調なため、
角膜に刺激があった異物感を与え、装用者にとって大き
な負担となる場合がある。また、角膜の生理学的な面か
ら角膜への酸素供給の必要性が論じられ、コンタクトレ
ンズの酸素透過性が要求されているが、上記従来のハー
ドコンタクトレンズの酸素透過性は極めて小さくこれら
の点が欠点とされている。
近年、人工医用材料の研究が活発に行われ種々の材料
が提案されている。その中でミクロ相分離構造をもつ材
料は抗血栓性を示すものが多く優れた人工医用材料とし
て期待されている。本発明者らは、先に、コンタクトレ
ンズの材料としても有用なデキストランエステルとオレ
フイン系化合物と共重合体に関して提案した(特開昭52
−44893;特願昭51−382)。この提案の共重合体、たと
えばデキストランの酢酸・メタクリル酸混合エステルと
メチルメタクリレートの共重合体から成るコンタクトレ
ンズは、疎水部と親水部がミクロンオーダーで相分離し
ている構造を有している。この様な生体膜と類似するミ
クロ相分離構造は角膜とのなじみを改善し異物感を軽減
することが期待でき、実際の臨床的解析からもアセチル
化デキストランを含有するコンタクトレンズが角膜との
なじみを改善するのに効果があることが見い出された。
しかしながら、アセチル化デキストラン含有のコンタク
トレンズは角膜との親和性は良いが、酸素透過性の点で
は、角膜への酸素供給が充分ではなかった。
一方、酸素透過性を改善する目的でケイ素含有合成樹
脂またはフツ素含有合成樹脂を用いた酸素透過性ハード
コンタクトレンズの開発が行われ、例えば特公昭52−33
502、特公昭58−7418、特開昭56−118408及び特開昭57
−51705号)などの提案が知られている。
しかしながら、これらの樹脂を用いたコンタクトレン
ズは表面エネルギーが極めて小さく撥水性を示すので、
コンタクトレンズ状に加工できてもこのままでは涙液と
のなじみが悪く、装用するとき涙液をはじいてしまい実
用にならない難点がある。したがって上記ケイ素含有合
成樹脂やフツ素含有合成樹脂を用いたコンタクトレンズ
では、涙液との親和性を高めるための化学的あるいは物
理的な表面処理がなされているのが普通であるが、これ
らの二次的な表面処理を行って涙液との親和性を保持さ
せたものは、表面処理の耐久性が低いため長期の使用に
耐え難い欠点を有している。
上述したように、従来技術において、酸素透過性を有
するケイ素含有合成樹脂あるいはフツ素含有合成樹脂を
用いたコンタクトレンズは、これら樹脂の表面エネルギ
ーが極めて小さく撥水性で、涙液となじみが悪く、かつ
角膜とも親和性に乏しい難点があり、その改善のための
二次的な表面処理が必要となる不利益がある上に、その
ような表面処理の耐久性の点でも問題がある。一方、ア
セチル化デキストラン−メチルメタクリレート共重合体
を用いたコンタクトレンズは、角膜及び涙液との親和性
に優れるものの酸素透過性が充分でない問題点がある。
従って、本発明の目的は、レンズ加工後の二次的な表
面処理を行なわなくとも、涙液さらに角膜との優れた親
和性を有し、かつ良好な酸素透過性を有するハードコン
タクトレンズを提供することにある。
本発明者らは、上記従来の問題点を解決する手段を開
発すべく研究の結果、下記式(1) 但し式中、R1はC=C結合を有する脂肪族不飽和
酸、その酸無水物又は酸ハライドから導かれたC2〜C6
有機基を示し、R2はC2〜C4のアルキル基を示し、l,m及
びnは下記式 0<l≦0.4、0≦m≦0.9、0.1≦n≦2.9、l+m+n
≦3及び を満足する正数であり、xは5以上の正数を示す、 で表わされるデキストランエステル; 下記式(2) 但し式中、R3、R4及びR5はそれぞれH及びCH3基よりな
る群から選ばれた基を示し、R6[ここで、R7はC1〜C18のアルキル基、C1〜C8のヒドロ
オキシアルキル基、C1〜C4のアミノアルキル基及びC1
C8のジアルキルアミノアルキル基よりなる群から選ばれ
た基を示す]、−CN、 [ここで、R8は低級アルキル基を示す]よりなる群から
得ばれた基を示す、 で表わされる重合性モノビニル化合物; 下記式(3) 但し式中、R9、R10及びR11はそれぞれH、CH3基及びCOO
H基からなる群より選ばれた基を示し、ここで、R9、R10
及びR11の少なくとも1ケがCOOH基の場合には残りの2
ケはCOOH基以外の上記基である、 で表わされる重合性カルボン酸化合物; 及び 一分子中に少なくとも2ケのビニル基を有する重合性多
価ビニル化合物; を重合開始剤の存在下もしくは不存在下に共重合して得
られる四元共重合体から成るコンタクトレンズが、涙液
及び角膜の優れた親和性を有し、かつ良好な酸素透過性
のあるコンタクトレンズとなることを発見した。
本発明を以下にさらに詳細に説明する。
本発明において用いられるデキストランエステルは、
下記式(1) (但し、式中R1、R2、l、m、n及びxは上記したと同
義) で表わされ、たとえば、本発明者らが先に出願した特願
昭51−382(特願昭52−44893)の明細書に記載された製
造方法に準じ、下記方法(A)及び方法(B)によって
製造することが出来る。
方法(A):− デキストランを、HOOCR1(但しR1はC=C結合を
有するC2〜C6の有機基)で表わされる不飽和酸、及びHO
OCR2(但しR2はC1〜C4のアルキル基)で表わされる飽和
酸、もしくはこれら酸の酸無水物と、酸触媒の存在下に
反応せしめる。
方法(B):− デキストランを、HCOOCR1(但しR1はC=C結合
を有するC2〜C6の有機基)で表わされる不飽和酸、該酸
の酸無水物及び該酸の酸ハライドよりなる群からえらば
れた化合物及びHOOCR2(但しR2はC1〜C4のアルキル基)
で表わされる飽和酸、該酸の酸無水物及び該酸の酸ハラ
イドよりなる群からえらばれた化合物と、非酸性液体媒
体中、塩基性条件下に反応せしめる。
これら方法(A)及び(B)における前記式HOOCR1
びHOOCR2で表わされる不飽和酸及び飽和酸、又はそれら
の酸無水物、又はそれらの酸ハライドの具体例として
は、以下の如き化合物を例示することができる。
式HOOCR1の不飽和酸、その酸無水物もしくはその酸ハ
ライドとしては、C3〜C7の不飽和酸、その酸無水物もし
くはその酸ハライドが挙げられる。その具体例として
は、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イソクロ
トン酸、β,β−ジメチルアクリル酸などの如きα,β
不飽和酸及びマレイン酸、フマール酸などの如き不飽和
酸をあげることができる。又、酸無水物もしくはその酸
ハライドとしては、上記不飽和酸の無水物もしくは酸ハ
ライドたとえば酸クロライドを例示できる。これら不飽
和酸、その酸無水物もしくはその酸ハライドは一種でも
複数種併用してでも用いることができる。
又式HOOCR2の飽和酸、その酸無水物もしくはその酸ハ
ライドとしてはC2〜C5の飽和酸、その酸無水物もしくは
その酸ハライドが挙げられる。その具体例としては、酢
酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、ピバリン酸の如き飽
和酸をあげることができる。又、酸無水物もしくは酸ハ
ライドとしては、上記飽和酸の無水物もしくは酸ハライ
ドたとえば酸クロライドを例示できる。これら飽和酸、
その酸無水物もしくはその酸ハライドは一種でも複数種
併用してでも用いることができる。
上記式(1)デキストランエステルと反応仰せしめる
下記式(2) (但し、R3、R4、R5及びR6は上記したと同義) で表わされる重合性モノビニル化合物としては、例え
ば、アクリル酸、メタアクリル酸の如きα,β−不飽和
酸のたとえばメチル−、エチル−、プロピル−、ブチル
−、デシル−、ラウリル−、ステアリル−エステルの如
きC1〜C18アルキルエステル;上記α,β−不飽和酸の
2−ヒドロキシエチルエステル、該酸の2−ヒドロキシ
プロピル、該酸の2−ヒドロキシブチルエステルの如き
α,β−不飽和酸のC1〜C8ヒドロキシアルキルエステ
ル;上記α,β−不飽和酸のアミノメチル−、アミノエ
チル−、アミノブチル−エステルの如きC1〜C4アミノア
ルキルエステル;上記α,β−不飽和酸のジメチルアミ
ノエチル−、ジエチルアミノエチル、ジメチルアミノブ
チル−、ジエチルアミノブチル−エステルの如きC1〜C8
ジアルキルアミノアルキルエステル;上記α,β−不飽
和酸のグリシジルエステル;アクリロニトリル、メタア
クリロニトリルの如き上記α,β−不飽和酸のニトリル
類;スチレン;α−メチルスチレン、ビニルトルエン;
ビニルピリジン;ビニルピロリドン;ビニルメチルピロ
リドンなどをあげることができる。これら重合性オレフ
イン系化合物は、一種でも複数種併用してでも用いるこ
とができる。
さらにまた、下記式(3) (但しR9、R10及びR11は上記したと同義)で表わされる
重合性カルボン酸化合物としては、例えばアクリル酸、
メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、フマール酸、
シトラコン酸、クロトン酸等の化合物をあげることがで
きる。
また重合性多価ビニル化合物としては、ビニル基を1
分子中に2個以上含む化合物、例えばジビニルベンゼ
ン、ジアリルフタレート、エチレングリコールジアクリ
レート、プロピレングリコールジアクリレート、ジエチ
レングリコールジアクリレート、トリエチレングリコー
ルジアクリレート、グリセリントリアクリレート、エチ
レングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコー
ルジメタクリレート、プロピレングリコールジメタクリ
レート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、グ
リセリントリメタクリレート等をあげることができる。
上記式(1)で示されるデキストランエステルのR2
アルキル基の量nが、 の条件で含有されることが好ましい。R2のアルキル基の
量nが の条件で含有される場合、コンタクトレンズの酸素透過
性が充分でない。また(1)で示されるデキストランエ
ステルは反応成分全重量基準で好ましくは20〜60%、よ
り好ましくは40〜50%の量で含有させられるべきであ
る。20%以下の含有量であると共重合体のミクロ相分離
構造が生成し難くなること、さらに酸素透過性が充分で
ない傾向があるので、上記範囲量で選択するのがよい。
一方、60%以上であると重合前のデキストランエステル
含有モノマー溶液の粘度が高くなり過ぎ、ゴミを除く
過等の作業性に劣る。加えて重合して得られた共重合体
は脆くなりコンタクトレンズの加工性に劣る傾向がある
ので、上記範囲量で選択するのがよい。
上記(3)で示される重合性カルボン酸化合物は、一
種もしくは二種以上用いてもよく、好ましくは共重合体
中に2〜10重量%の範囲の量で用いられる。2重量%未
満少なすぎると共重合体の涙液とのなじみが悪くなり、
コンタクトレンズのくもりの原因となる傾向があり、一
方、10重量%をこえて多すぎる共重合体は、吸水性が大
きくなり、吸水時の形状安定性に劣るようになる傾向が
あるので上記範囲量で用いるのがよい。
また上記多価ビニル化合物は、一種もしくは、二種以
上用いられてもよく、好ましくは共重合体中に1〜10重
量%の範囲の量で用いられる。なぜならば、切削法によ
るコンタクトレンズ加工を行う場合、切削時に局部的発
熱が生じるが、多価ビニル化合物の量が1重量%未満で
少なすぎる共重合体では耐熱性に乏しく、変形などの不
良の原因となるおそれがあり、またコンタクトレンズの
研磨工程では治具とコンタクトレンズを接着するのにし
ばしばワツクス類が用いられる。最終工程でこれらを除
去するため有機溶媒が用いられる時があり、多価ビニル
化合物が少なすぎる共重合体では、これらの耐化学薬品
性が十分でなくコンタクトレンズの不良の原因となる傾
向があり、更に、10重量%をこえて多価ビニル化合物を
多く含有しすぎる共重合体では、耐熱性、耐化学薬品性
は良好であるものの、酸素透過性が低くなる傾向がある
ので、前記範囲量で選択するのが好ましい。
本発明に用いられるデキストランエステル含有四元共
重合体は、下記式(1) (但し式中R1、R2、l,m,n及びxは上記したと同義) で表わされるデキストランエステルと、下記式(2) (但し、R3、R4、R5及びR6は上記したと同義) で表わされる重合性モノビニル化合物と、下記式(3) (但し、R9、R10及びR11は上記したと同義) で表わされる重合性カルボン酸化合物及び重合性多価ビ
ニル化合物を、重合開始剤の存在下又は不存在下、例え
ば塊状重合法、溶液重合法、乳濁重合法などで反応する
ことにより得ることができる。
例えば、塊状重合法を採用する場合には、上記四成分
の混合溶液に、例えばベンゾイルパーオキシド、ラウロ
イルパーオキシド、クメンハイドロパーオキシド、アゾ
ビスイソブチロニトリル、アゾビスイソバレロニトリル
等の如きラジカル開始剤を、0.05〜0.5重量部程度添加
し反応することにより行なうことができる。この場合必
要あれば、窒素などの不活性ガス雰囲気下、好ましくは
30〜60℃で数時間乃至数日間反応を行ない、更に約60゜
〜110℃で約1〜20時間反応を続行るのがよい。反応生
成物は、必要あれば、さらに約60〜110℃で約2〜24時
間アニーリングを行なうことができる。
上記塊状重合は所定の容器もしくは型内で行うことが
でき、共重合体は板状、筒状、円盤状等所望の形状で得
ることができる。コンタクトレンズに加工する場合に
は、更に切削、研磨およびベベル加工等の機械的加工を
行なうのが一般的であるがコンタクトレンズ形状に直接
注型重合してもよい。
上記塊状重合は上記のようにラジカル開始剤を用いて
加熱重合するのが一般的であるが該ラジカル開始剤の存
在もしくは不存在下に紫外線、X線等を照射して行なっ
てもよい。
更に本発明に用いられる共重合体は塊状重合以外に、
たとえばメタノール、エタノール、iso−プロパノー
ル、n−ブタノール、トルオール、キシロール、酢酸エ
チル、酢酸n−ブチル、メチルエチルケトン、メチルイ
ソブチルケトン、セロソルブアセテート等の有機溶剤中
での溶液重合、あるいはノニオン界面活性剤、アニオン
界面活性剤、カチオン界面活性剤を用いて水中に分散さ
せて重合する乳化重合等を適用して製造せられてもよ
い。
溶液重合法あるいは乳濁重合法などにより得られる粉
末状または粒状の共重合体は、これを金型に入れ、例え
ば約170〜250℃に加熱しながら圧力約50〜400kg/cm2
加圧して板状または棒状に成形した後、これを切削、研
磨およびベベル加工してコンタクトレンズとすることが
できる。
なお、上記各種の重合法の実施に際して、着色剤や可
塑剤を例えば式(2)重合性オレフィン系化合物などに
添加して、重合反応させるように、反応を着色剤や可塑
剤の共存下で行なうことにより、共重合体の中にそれら
を含有せしめることもできる。
本発明に用いられる共重合体は、原料式(1)デキス
トランエステル、及び原料式(2)重合性モノビニル化
合物のホモポリマー、原料式(3)重合性カルボン酸化
合物のホモポリマーならびに多価ビニル化合物のホモポ
リマーを溶解し得る有機溶剤、例えばベンゼン、クロロ
ホルム、アセトンなどに難溶である。
また、該共重合体は、例えば、アルコール類、ケトン
類、エーテル類、エステル類、芳香族炭化水素類、有機
酸類、有機塩基類などの広い範囲の慣用有機溶媒あるい
は水に不溶であって、通常の高分子化合物の分子量測定
法によって、分子量を決定することができない。更に、
該共重合体は、ビツカース硬度(Hvスケール)が、約5
以上、通常約10以上であり、屡々、約30に達する。
後記実施例1で得られた、デキストラン−アセテート
・プロピオネート・ブチレート・メタクリレート混合エ
ステルと、メチルメタクリレート、メタクリル酸及びエ
チレングリコールジメタクリレートとの四元共重合体の
赤外線吸収スペクトル(KBr法)を、添付第1図に示
す。
なお、本発明に用いるデキストランエステルの分析
は、該エステルをアルカリで加水分解し、塩酸で酸性と
なした後、ガスクロマトグラフ法により行なう。
本発明の式(1)で表わされるデキストランエステル
はコンタクトレンズに酸素透過性と生体(角膜)とのな
じみを与えるのに役立ち、また式(3)で表わされる親
水性の重合性カルボン酸化合物はコンタクトレンズの涙
液とのなじみを良好にするのに役立ち、更に重合性多価
ビニル化合物並びに式(2)で表わされる重合性モノビ
ニル化合物はコンタクトレンズの切削、研磨等の機械的
加工性を向上させ、更に吸水時の形状安定性、耐化学薬
品性を向上させるのに役立つものと推測されている。
斯しくして、本発明のハードコンタクトレンズは良好
な酸素透過性を有し、角膜、涙液に対する親和性が優
れ、更にレンズ加工時並びに装用時の形状安定性、耐薬
品性にも優れたものである。
以下、実施例についてさらに詳細に説明する。
実施例1 無水プロピオン酸245g、無水n−酪酸980g、n−酪酸
150g、プロピオン酸ナトリウム95g、メタアクリル酸210
g、ハイドロキノン3.5g、及びジメチルホルムアミド137
0gの混液を撹拌下110℃で15分間加熱する。次いでこれ
にあらかじめ酢酸カリウム水溶液で処理し乾燥粉末化し
た活性デキストラン250g(デキストランとして100g)を
加え撹拌下110℃で60分間加熱する。冷却後反応液を5
を水中に注入して沈殿を得、次いでこれをアセトン2
に溶解し、過後、5の水中に注入して再沈殿す
る。この精製操作をくり返えした後減圧乾燥して白色〜
淡黄色のデキストラン−アセテート・プロピオネート・
ブチレート・メタクリレート160gを得る。本品は、メタ
ノール、アセトン、クロロホルム、ジメチルホルムアミ
ド、メタクリル酸メチルに溶け、水に溶けない。
このデキストランエステルの分析値は次の通りであっ
た。アセチル基0.6mol/AGU[AGU=無水グルコース単
位]、プロピオニル基0.8mol/AGU、ブチロイル基1.40mo
l/AGU、メタクロイル基0.16mol/AGU、従って式(1)に
おけるR2のアルキル基の量、nは2.20でありn/m+nは
0.79で0.7より大きい。又、l+n+m=2.96である。
この様にして得られたデキストラン−アセテート・プ
ロピオネート・ブチレート・メタクリレート45.5重量部
をメチルメタクリレート45.5重量部、メタクリル酸4.50
重量部、エチレングリコールジメタクリレート4.50重量
部、の混合モノマーに溶かす。ガラスフィルターで過
後アゾビスイソブチロニトリル0.18重量部を添加し溶解
する。この溶液を直径14.0mmのガラス管に移し窒素置換
後脱気密封し、50℃のオイルバス中で20時間、次いで60
℃で16時間、さらに80℃で2時間加熱する。冷却後ガラ
ス管から棒状の重合体を取り出して4時間熱処理を行い
共重合体(1)を得た。本品は水、メタノール、アセト
ン、ジオキサン、クロロホルム、ホルムアミド、ジメチ
ルホルムアミド、ベンゼン、トルエンに不溶性であっ
た。ビツカース硬度(Hvスケール)=13。
本棒状共重合体(1)を切断し、通常の方法で切削、
研磨、ベベル加工を行ない、コンタクトレンズを得た。
実施例2 実施例1における無水n−酪酸の代りに無水ピバリル
酸1,200gを用い、又、メタクリル酸の代りにアクリル酸
180gを用いるほかは実施例1と同じ条件でエステル化反
応を行った。得られたデキストランエステルの分析値は
次の通りであった。アセチル基0.6mol/AGU、プロピオニ
ル基0.9mol/AGU、ピバロイル基1.20mol/AGU、アクリロ
イル基0.20mol/AGU。従って式(1)におけるR2のアル
キル基量nは2.10でありn/m+nは0.78で0.7よりも大き
い。又l+m+n=2.90である。この様にして得られた
デキストランアセテート・プロピオネート・ピバリレー
ト・アクリレート45.5重量部をt−ブチルメタクリレー
ト45.5重量部、エチレングリコールジメタクリレート4.
5重量部、メタクリル酸4.5重量部の混合モノマーに溶解
する。ガラスフイルターで過後アゾビスイソブチロニ
トリル0.18重量部を添加し溶解する。溶液を直径14.0mm
のガラス管に移し窒素置換後脱気密封し50℃のオイルバ
スで20時間、次いで60℃で16時間、更に80℃で2時間加
熱する。冷却後ガラス管から棒状の重合体を取り出して
110℃で4時間熱処理を行い共重合体(2)を得た。本
品は、水、メタノール、アセトン、ジオキサン、クロロ
ホルム、ホルムアミド、ジメチルホルムアミド、ベンゼ
ン、トルエンに不溶であった。ビッカース硬度(Hvスケ
ール)=17 本棒状共重合体(2)を実施例1同様加工して、コン
タクトレンズを得た。
実施例3 実施例1で用いたデキストランアセテート・プロピオ
ネート・ブチレート・メタクリレート50.0重量部をスチ
レン40.0重量部、アクリル酸5.0重量部、エチレングリ
コールジメタクリレート5.0重量部、5.0重量部の混合モ
ノマーに溶かす。この溶液をガラスフィルターで過後
アゾビスイソブチロニトリル0.20重量部を添加し溶解す
る。溶液を直径14mmのガラス管に移し窒素置換後脱気密
封し、50℃のオイルバス中で20時間、次いで60℃で16時
間、さらに80℃で2時間加熱する。冷却後ガラス管から
棒状の重合体を取出して110℃で4時間熱処理を行い共
重合体(3)を得た。本品は、水、メタノール、アセト
ン、ジオキサン、クロロホルム、ホルムアミド、ジメチ
ルホルムアミド、ベンゼン及びトルエンに不溶であっ
た。ビツカース硬度(Hvスケール)=20。本棒状共重合
体(3)を切断し、切削・研磨、ベベル加工を行いコン
タクトレンズを得た。
比較例 無水酢酸900g、メタクリル酸2,500g、酢酸カリウム13
0g、ハイドロキノン12.5g及びジメチルホルムアミド3,7
00gの混液を撹拌下115℃で10分間加熱する。
次いでこれにあらかじめ酢酸カリウム水溶液で処理し
乾燥粉末化した活性デキストラン250g(デキストラン10
0g相当)を加え撹拌下115℃で6分間加熱する。冷却
後、反応液を水10に注入して沈殿物を得、次いで得ら
れた沈殿物をアセトン2に溶かし過後水4中注入
して再沈殿する。この精製操作を繰り返えした後減圧乾
燥して白色粉末状のデキストラン−アセテート・メタク
リレートを得る。このデキストランエステルの分析値は
次の通りであった。
アセチル基2.10mol/AGU、メタクリロイル基0.85mol/A
GU、式(1)におけるR2のアルキル基の量nはゼロで、
n/m+nもゼロである。l+m+n=2.95である。この
デキストランアセテート・メタクリレート25.4重量部を
メチルメタクリレート65.0重量部、メタクリル酸5.0重
量部、エチレングリコールジメタクリレート4.6重量部
の混合モノマーに溶かす。次いでガラスフイルターで
過後アゾビスイソブチロニトリル0.20重量部を添加し溶
解する。溶液を直径14.0mmのガラス管に移して、窒素置
換後脱気密封し50℃のオイルバス中で20時間、次いで60
℃で16時間さらに80℃で2時間加熱する。冷却後ガラス
管から棒状の重合体を取り出して110℃で4時間熱処理
を行い共重合体(4)を得た。本品は、水、メタノー
ル、アセトン、ジオキサン、クロロホルム、ホルムアミ
ド、ジメチルホルムアミド、ベンゼン及びトルエンに不
溶であった。この棒状の共重合体(4)を切断し、切削
−研磨、ベベル加工を行いコンタクトレンズを得た。
試験1 上記共重合体(1)〜(3)、比較例(共重合体4)
から試験片を取り出し酸素透過係数(ml(STP)・cm2/c
m3・sec・mmHg)、鉛筆硬度、水の接触角、切削・研磨
加工性を測定した。なお、酸素透過係数は直径14mm、厚
さ0.2mmのものを製科研式フイルム酸素透過率計(理科
精機株式会社製)、35℃で行い、鉛筆硬度はJIS試験法
に準じて行った。結果を第1表に示す。
試験2 実施例1〜3で得たコンタクトレンズを夫々1名2眼
に装用して、臨床的な評価を行なった。コンタクトレン
ズ評価基準には、生理的なパラメターとなるレンズの装
用前後での角膜厚を測定し角膜厚の増加率を算出し、そ
の値を用いた。すなわちコンタクトレンズの装用前より
も角膜の厚さが厚くなっているものほど角膜厚増加率が
大きく角膜に対して負担が大きい。逆に厚さがそれほど
変わらなければ角膜厚増加率が小さく角膜に対するコン
タクトレンズ装用によって生じる角膜への負担が小さ
い。3名6眼のコンタクトレンズ内面曲率半径は、サン
コンタクトレンズ社コンタクトレンズオートデザインシ
ステム・フオルム200で決め度数と直径は−3.00D、8.8m
mに揃えた。角膜の厚さの測定にはCILCO超音波角膜厚み
計(VIDAシルコ社製)を使用し、対照データーには他社
レンズの文献値を用いた。その結果を第2表に示した。
第2表に示した通り本発明のデキストランエステルを
含有するハードコンタクトレンズの測定結果は文献で示
されているポリメチルメタクリレート及びガス透過性ハ
ードコンタクトレンズ(DK=10.5×10-11)に比較し装
用後の角膜厚の増加率が小さく角膜に対する負担が小さ
いことがわかる。
【図面の簡単な説明】
添付第1図は実施例1で得られた四元共重合体の赤外線
吸収スペクトル図(KBr法)である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08F 220/26 MMN C08F 220/26 MMN 220/34 MMR 220/34 MMR 220/42 MMX 220/42 MMX 222/02 222/02 226/10 MNN 226/10 MNN 299/00 MRR 299/00 MRR (72)発明者 井口 郁夫 京都府長岡京市野添2−11−7 (72)発明者 塩田 亮一 大阪府高槻市宮田町2丁目1−29−302

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記式(1) 但し式中、R1はC=C結合を有する脂肪族不飽和
    酸、その酸無水物又は酸ハライドから導かれたC2〜C6
    有機基を示し、R2はC2〜C4のアルキル基を示し、l,m及
    びnは下記式 0<l≦0.4、0≦m≦0.9、0.1≦n≦2.9、l+m+n
    ≦3及び を満足する正数であり、xは5以上の正数を示す、 で表わされるデキストランエステル; 下記式(2) 但し式中、R3、R4及びR5はそれぞれH及びCH3基よりな
    る群から選ばれた基を示し、R6[ここで、R7はC1〜C18のアルキル基、C1〜C8のヒドロ
    オキシアルキル基、C1〜C4のアミノアルキル基及びC1
    C8のジアルキルアミノアルキル基よりなる群から選ばれ
    た基を示す]、−CN、 [ここで、R8は低級アルキル基を示す]よりなる群から
    得ばれた基を示す、 で表わされる重合性モノビニル化合物; 下記式(3) 但し式中、R9、R10及びR11はそれぞれH、CH3基及びCOO
    H基からなる群より選ばれた基を示し、ここで、R9、R10
    及びR11の少なくとも1ケがCOOH基の場合には残りの2
    ケはCOOH基以外の上記基である、 で表わされる重合性カルボン酸化合物; 及び 一分子中に少なくとも2ケのビニル基を有する重合性多
    価ビニル化合物; を重合開始剤の存在下もしくは不存在下に共重合して得
    られる四元共重合体から成ることを特徴とするコンタク
    トレンズ。
  2. 【請求項2】該式(1)で表わされるデキストランエス
    テルの量が、反応成分全重量基準で20〜60重量%、好ま
    しくは40〜50重量%である共重合体からなることを特徴
    とする、特許請求の範囲第1項記載のコンタクトレン
    ズ。
  3. 【請求項3】該式(3)で表わされるカルボン酸化合物
    の量が、反応成分全重量基準で、2〜10重量%である共
    重合体からなることを特徴とする、特許請求の範囲第1
    項記載のコンタクトレンズ。
  4. 【請求項4】重合性多価ビニル化合物の量が、反応成分
    全重量基準で1〜10重量%である共重合体からなること
    を特徴とする、特許請求の範囲第1項記載のコンタクト
    レンズ。
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JP3572144B2 (ja) * 1996-05-31 2004-09-29 名糖産業株式会社 デキストランエステル共重合体
US20100048755A1 (en) * 2006-11-17 2010-02-25 Edwin Pei Yong Chow Porous polymeric material with cross-linkable wetting agent
US8513353B2 (en) 2009-03-19 2013-08-20 Agency For Science, Technology And Research Forming copolymer from bicontinuous microemulsion comprising monomers of different hydrophilicity

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