JP2540109Y2 - 釣 竿 - Google Patents

釣 竿

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JP2540109Y2
JP2540109Y2 JP1992084993U JP8499392U JP2540109Y2 JP 2540109 Y2 JP2540109 Y2 JP 2540109Y2 JP 1992084993 U JP1992084993 U JP 1992084993U JP 8499392 U JP8499392 U JP 8499392U JP 2540109 Y2 JP2540109 Y2 JP 2540109Y2
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rod
tape
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rod tube
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Inventor
信洋 高田
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ダイワ精工株式会社
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は竿管に特徴を有する釣竿
に関する。
【0002】
【従来の技術】高強度繊維に樹脂を含浸させたプリプレ
グを用いて形成した竿管を有する釣竿がよく知られてい
る。実公平3−9652号公報には、竿管本体の外周面
に薄肉厚の広幅テープを該テープの幅よりも小さい間隔
をおいて螺旋状に巻回した釣竿が開示されている。ま
た、特公平3−7334号公報には、竿本体を形成して
いるプリプレグの樹脂の含浸量を35wt%より小さく
すると共に、樹脂の含浸量を少ない目(例えば20〜3
3wt%の範囲程度)にした細幅テープを竿本体の内側
と外側に巻回した釣竿が開示されている。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】然しながら、前者の公
報に開示のようにテープの巻回ピッチを開けた場合、竿
管の長手方向繊維を主体とした薄肉厚の竿管ではテープ
の巻回されていない隙間部分が強度的に弱く、潰れ破壊
の原因となる圧縮座屈荷重が作用するとその隙間部分か
ら破壊し、竿管を高強度にできない欠点がある。また、
テープの巻回間隔をおくため竿管の表面に凹凸が発生す
る。
【0004】後者の公報に開示の構成では、従来のプリ
プレグの樹脂含浸量が35〜40wt%である場合と比
較すると、軽量で引張強度や重量の安定化を図れるとし
ても竿本体を形成するプリプレグの樹脂量が35wt%
もあると、加熱焼成時の緊締テープの締付圧力により竿
本体の樹脂が移動流出し、繊維が移動蛇行する。また樹
脂の移動流出に起因して竿本体が縮径するため、外側に
巻回したテープは巻回状態を保持できず蛇行したり目開
きを生ずる。
【0005】更には、竿本体の外側に巻回するテープの
樹脂含浸量を少ない目に設定するため樹脂フローが生じ
難く、テープを巻回した場合の隣接したテープ間のむら
を平滑化する作用がなく、また、竿本体とテープとの間
の気泡を押し出すことができず、気泡の内在した竿管が
形成されるおそれがある。従って竿管が強度低下し、強
度のばらつきが大きくなり、また外観も悪くなるという
問題がある。
【0006】依って本考案は、比強度(単位重量当りの
強度を意味する)が向上すると共に強度が安定し、軽量
であってしかも外観の良い釣竿の提供を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的に鑑みて本考案
は、高強度繊維に樹脂を含浸させたプリプレグを該高強
度繊維の主たる繊維方向が竿管の長手方向を向くように
巻回して竿管本体を形成し、高強度繊維の引揃シートに
樹脂を含浸させた薄肉厚の細幅テープを前記竿管本体の
外側に螺旋状に巻回した竿管を有する釣竿であって、前
記竿管本体を形成しているプリプレグの樹脂の含浸量を
25wt%以下にすると共に、前記細幅テープの樹脂の
含浸量を33wt%より多くし、更に前記細幅テープの
側縁が隣同士互いに接触するように密に巻回して竿管を
形成したことを特徴とする釣竿を提供する。
【0008】
【作用】竿管本体を形成しているプリプレグの樹脂量を
25wt%以下にすると竿管焼成時にほとんど樹脂フロ
ーが生じない。従って、形状変化が生じ難い他、軽量と
なる。また竿管本体の外側に巻回するテープは、巻回間
隔がなくて隣接した側縁が互いに接触するように巻回さ
れていることが最も比強度を大きくさせることから、こ
こでもこのように密に巻回させる。しかし、如何に正確
に側縁を接触させるように巻回するとしても、工業的に
製造するため幾分かの重なりや開きが発生する。繊維に
含浸させる樹脂の量を30wt%以上にすると樹脂フロ
ーが発生し始め、33〜35wt%になると確実にフロ
ーするようになる。このため外周に巻回するテープの樹
脂量は33wt%よりも多くして樹脂フローを生じさ
せ、これにより上記隣接側縁間の開きや重なりをならし
て理想的な接触状態にすることができる。また、気泡を
流し出すこともできる。
【0009】
【実施例】以下、本考案を添付図面に示す実施例に基づ
き、更に詳細に説明する。本実施例は3層に形成された
竿管10につき説明する。重量的に主体となる層は中層
12であり、この層は図4の(ロ)に示すように竿管1
0の長手方向に配向されたカーボン等の高強度繊維22
Aに合成樹脂を20wt%含浸させたプリプレグ22を
巻回して形成している。この層12をここでは竿管本体
という。
【0010】この竿管本体12は必ずしも全ての繊維が
長手方向に配向されている必要はなく、その中間層とし
て後述の内層14や外層16のように竿管10の円周方
向に配向された薄い高強度繊維層を有していてもよい。
また、含浸樹脂量は25wt%以下であればよく、好ま
しくは17wt%から23wt%の間がよい。
【0011】内層14は高強度繊維24Aが一方向に配
向された厚さ0.03mmの薄さであって、幅が5mm
程度の細幅のテープ24を竿管10のほぼ円周方向に巻
回して形成し、外層16も高強度繊維26Aが一方向に
配向された厚さ0.03mmの薄さであって、幅が5m
m程度の細幅のテープ26を竿管10のほぼ円周方向に
巻回して形成する。テープ24とテープ26の厚さは通
常0.01〜0.1mm程度であるが0.1mmを少し
上回る場合もある。これらのテープ24,26が細幅で
あるのは螺旋状に巻回した際に下層の面との間に隙間を
生ずることなく巻回でき易いからである。またその巻回
方向θ1,θ2(竿管の中心軸線に対する角度)は、図
1に示すように互いに交差する方向に構成することが竿
管10の強度上好ましい。これらの各角度θ1,θ2は
それぞれ90度を除いて80度から100度の範囲が最
も好ましいが、75度から105度の範囲内であっても
よい。
【0012】巻回方向θ1,θ2は強度的には90度が
好ましいが、工業的に巻回作業が容易に行える必要があ
るために上記のように設定される。また、内層14は、
上記のように竿管本体12に薄い中間層がある場合には
無くてもよい。これは釣竿の使用条件や竿管の大きさや
肉厚の設定によって調整すればよい。外層16や内層1
4の繊維は竿管本体12の繊維と同じであってもよい
が、例えばガラス繊維等の他の高強度繊維であってもよ
い。また、内層14のテープ24の樹脂含浸量は竿管本
体12よりも多くするが、外層16のテープ26のそれ
よりも少なくてよい。
【0013】ここで外層16のテープ26の樹脂含浸量
は40wt%に設定しているが、33wt%より多くす
ればよく、好ましくは33wt%〜50wt%の範囲が
好ましい。また外層16は、テープ26を巻回した場合
に隣接した互いの側縁26Pが接触して、重ならずしか
も隙間を生じないように形成する。しかしそのように形
成しようとしても、量産においては幾分かの重なりや隙
間が生ずる。
【0014】ここで図3を参照すると、縦軸は比強度σ
を示し、横軸はテープ26の重なりの程度或いは隙間の
程度δを示している。即ち、δ0は重なりが無く、しか
も隙間の無い理想的な接触状態を示し、その右側は重な
っている量を示しており、左側は隙間の生じている量を
示す。従って、理想的な接触状態δ0が最も比強度σが
高く、幾分重なった状態δ1や開いた状態δ2では比強
度σが低下することが分る。このグラフは実験的に求め
たものである。即ち、機械によるテープ巻回ではなく
て、手作業によって各種巻回状態を作り上げて実験した
ものである。
【0015】また、高強度繊維に対する樹脂の含浸量が
25wt%以下であれば樹脂フローが生じないが、33
wt%を越えると樹脂フローが生ずる。これらの間、即
ち25wt%〜33wt%では竿管の成形条件によって
樹脂フローを生ずるか生じないかが定まる。
【0016】上述のように外層16のテープ26をその
側縁26Pが接触するように巻回しても、幾分かの重な
りや開きが生ずることは防止できない。そこでテープ2
6の含浸樹脂量を33wt%よりも多くしておけば、該
テープ26の巻回時に生じた僅かな隙間やテープ26の
僅かな重なりは、竿管10の加熱炉での成形時に外層1
6での樹脂フローに伴って平滑化され、上記図3に示す
理想的な状態δ0になる。従って、比強度が向上する。
また内層14においても同様なフローが生じ、内層14
が均質化される。
【0017】一方、竿管本体12はその樹脂含浸量が2
0wt%であるため、加熱成形時に樹脂フローを生じな
い。従って竿管本体12の繊維の蛇行や竿管本体12の
縮径を生ずることが無く、品質の高い竿管本体12が製
造できる。また、竿管10の大部を占めるこの竿管本体
12において繊維よりも比重の大きな樹脂の量が少ない
ため竿管10の軽量化に大きく寄与する。更に、竿管本
体12が変形すると外層テープ26がその影響で蛇行等
の変形を生ずるが、このことをも防止でき、外観の良い
高品質な竿管10が製造可能となる。
【0018】以上説明した竿管10の製造工程を図4を
参照しながら説明する。(イ)は、マンドレル20に内
層用のテープ24をマンドレル20の中心軸線に対して
繊維24Aが角度θ2の方向に配向されるように巻回し
ている状態を示しており、こうして巻回の終了した内層
14の上にマンドレル20の長手方向に繊維22Aを配
向しつつプリプレグ22を巻回する(ロ)。その竿管本
体12の外側に、外層用テープ26をマンドレル20の
中心軸線に対して繊維26Aが角度θ1の方向に配向さ
れるように巻回する(ハ)。こうして外層16を形成
し、さらにその上にポリプロピレン等の緊締テープ28
を、例えば3kgf程度の張力で締付けつつ全体を被覆
し(ニ)、加熱炉で加熱して竿管10を形成する。
(ホ)は形成後に緊締テープ28を取り除き、マンドレ
ル20を引き抜いて竿管10のみとした状態の図であ
る。
【0019】
【考案の効果】以上の説明から明らかなように本考案に
よれば、竿管本体の樹脂量を低く押さえているため、軽
量化が達成されると共に、樹脂フローが生じず、加圧加
熱成形時に竿管本体の繊維の蛇行や径の縮径を防止でき
る。従って、更にその外周に巻回したテープの蛇行をも
防止でき、高品質な竿管が提供できる。また、その外周
のテープは樹脂の含浸量が多いため、密に巻回したテー
プの側縁に隙間や重なりがあっても、加圧加熱成形時に
この外層の樹脂フローによって平滑化され凹凸がなくな
り気泡も押し出すのみならず、比強度が向上する。従っ
て、軽量で強度の高い、しかも強度が安定し、外観の良
い高品質な釣竿が提供できる。特に鮎釣り用の釣竿とし
て好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本考案に係る竿管の一部の部分破断の側
面図である。
【図2】図2は図1の竿管の矢視線B−Bによる横断面
図である。
【図3】図3はテープの巻回状態と比強度との関係図で
ある。
【図4】図4は本考案に係る釣竿の製造工程の説明図で
ある。
【符号の説明】
10 竿管 12 竿管本体 14 内層 16 外層 22 竿管本体用プリプレグ 24 内層用テープ 26 外層用テープ 28 緊締テープ 22A,24A,26A 高強度繊維 26P テープの側縁 θ1 外層テープの巻回方向 θ2 内層テープの巻回方向

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高強度繊維に樹脂を含浸させたプリプレ
    グを該高強度繊維の主たる繊維方向が竿管の長手方向を
    向くように巻回して竿管本体を形成し、高強度繊維の引
    揃シートに樹脂を含浸させた薄肉厚の細幅テープを前記
    竿管本体の外側に螺旋状に巻回した竿管を有する釣竿で
    あって、 前記竿管本体を形成しているプリプレグの樹脂の含浸量
    を25wt%以下にすると共に、前記細幅テープの樹脂
    の含浸量を33wt%より多くし、更に前記細幅テープ
    の側縁が隣同士互いに接触するように密に巻回して竿管
    を形成したことを特徴とする釣竿。
JP1992084993U 1992-11-16 1992-11-16 釣 竿 Expired - Lifetime JP2540109Y2 (ja)

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JP6095309B2 (ja) * 2012-09-26 2017-03-15 株式会社シマノ 並継竿
JP2019033763A (ja) * 2018-11-28 2019-03-07 株式会社シマノ 成形方法

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