JPH0641470U - 釣 竿 - Google Patents
釣 竿Info
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- JPH0641470U JPH0641470U JP8499392U JP8499392U JPH0641470U JP H0641470 U JPH0641470 U JP H0641470U JP 8499392 U JP8499392 U JP 8499392U JP 8499392 U JP8499392 U JP 8499392U JP H0641470 U JPH0641470 U JP H0641470U
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 比強度が向上すると共に強度が安定し、軽量
であってしかも外観の良い釣竿の提供を目的とする。 【構成】 高強度繊維に樹脂を含浸させたプリプレグを
該高強度繊維の主たる繊維方向が竿管の長手方向を向く
ように巻回して竿管本体12を形成し、高強度繊維26
Aの引揃シートに樹脂を含浸させた薄肉厚の細幅テープ
26を前記竿管本体12の外側に螺旋状に巻回した竿管
10を有する釣竿であって、前記竿管本体12を形成し
ているプリプレグの樹脂の含浸量を25wt%以下にす
ると共に前記細幅テープ26の樹脂の含浸量を33wt
%より多くし、更に前記細幅テープ26の側縁26Pが
隣同士互いに接触するように密に巻回して竿管を形成す
るよう構成する。
であってしかも外観の良い釣竿の提供を目的とする。 【構成】 高強度繊維に樹脂を含浸させたプリプレグを
該高強度繊維の主たる繊維方向が竿管の長手方向を向く
ように巻回して竿管本体12を形成し、高強度繊維26
Aの引揃シートに樹脂を含浸させた薄肉厚の細幅テープ
26を前記竿管本体12の外側に螺旋状に巻回した竿管
10を有する釣竿であって、前記竿管本体12を形成し
ているプリプレグの樹脂の含浸量を25wt%以下にす
ると共に前記細幅テープ26の樹脂の含浸量を33wt
%より多くし、更に前記細幅テープ26の側縁26Pが
隣同士互いに接触するように密に巻回して竿管を形成す
るよう構成する。
Description
【0001】
本考案は竿管に特徴を有する釣竿に関する。
【0002】
高強度繊維に樹脂を含浸させたプリプレグを用いて形成した竿管を有する釣竿 がよく知られている。実公平3−9652号公報には、竿管本体の外周面に薄肉 厚の広幅テープを該テープの幅よりも小さい間隔をおいて螺旋状に巻回した釣竿 が開示されている。また、特公平3−7334号公報には、竿本体を形成してい るプリプレグの樹脂の含浸量を35wt%より小さくすると共に、樹脂の含浸量 を少ない目(例えば20〜33wt%の範囲程度)にした細幅テープを竿本体の 内側と外側に巻回した釣竿が開示されている。
【0003】
然しながら、前者の公報に開示のようにテープの巻回ピッチを開けた場合、竿 管の長手方向繊維を主体とした薄肉厚の竿管ではテープの巻回されていない隙間 部分が強度的に弱く、潰れ破壊の原因となる圧縮座屈荷重が作用するとその隙間 部分から破壊し、竿管を高強度にできない欠点がある。また、テープの巻回間隔 をおくため竿管の表面に凹凸が発生する。
【0004】 後者の公報に開示の構成では、従来のプリプレグの樹脂含浸量が35〜40w t%である場合と比較すると、軽量で引張強度や重量の安定化を図れるとしても 竿本体を形成するプリプレグの樹脂量が35wt%もあると、加熱焼成時の緊締 テープの締付圧力により竿本体の樹脂が移動流出し、繊維が移動蛇行する。また 樹脂の移動流出に起因して竿本体が縮径するため、外側に巻回したテープは巻回 状態を保持できず蛇行したり目開きを生ずる。
【0005】 更には、竿本体の外側に巻回するテープの樹脂含浸量を少ない目に設定するた め樹脂フローが生じ難く、テープを巻回した場合の隣接したテープ間のむらを平 滑化する作用がなく、また、竿本体とテープとの間の気泡を押し出すことができ ず、気泡の内在した竿管が形成されるおそれがある。 従って竿管が強度低下し、強度のばらつきが大きくなり、また外観も悪くなる という問題がある。
【0006】 依って本考案は、比強度(単位重量当りの強度を意味する)が向上すると共に 強度が安定し、軽量であってしかも外観の良い釣竿の提供を目的とする。
【0007】
上記目的に鑑みて本考案は、高強度繊維に樹脂を含浸させたプリプレグを該高 強度繊維の主たる繊維方向が竿管の長手方向を向くように巻回して竿管本体を形 成し、高強度繊維の引揃シートに樹脂を含浸させた薄肉厚の細幅テープを前記竿 管本体の外側に螺旋状に巻回した竿管を有する釣竿であって、前記竿管本体を形 成しているプリプレグの樹脂の含浸量を25wt%以下にすると共に、前記細幅 テープの樹脂の含浸量を33wt%より多くし、更に前記細幅テープの側縁が隣 同士互いに接触するように密に巻回して竿管を形成したことを特徴とする釣竿を 提供する。
【0008】
竿管本体を形成しているプリプレグの樹脂量を25wt%以下にすると竿管焼 成時にほとんど樹脂フローが生じない。従って、形状変化が生じ難い他、軽量と なる。また竿管本体の外側に巻回するテープは、巻回間隔がなくて隣接した側縁 が互いに接触するように巻回されていることが最も比強度を大きくさせることか ら、ここでもこのように密に巻回させる。しかし、如何に正確に側縁を接触させ るように巻回するとしても、工業的に製造するため幾分かの重なりや開きが発生 する。繊維に含浸させる樹脂の量を30wt%以上にすると樹脂フローが発生し 始め、33〜35wt%になると確実にフローするようになる。このため外周に 巻回するテープの樹脂量は33wt%よりも多くして樹脂フローを生じさせ、こ れにより上記隣接側縁間の開きや重なりをならして理想的な接触状態にすること ができる。また、気泡を流し出すこともできる。
【0009】
以下、本考案を添付図面に示す実施例に基づき、更に詳細に説明する。 本実施例は3層に形成された竿管10につき説明する。重量的に主体となる層 は中層12であり、この層は図4の(ロ)に示すように竿管10の長手方向に配 向されたカーボン等の高強度繊維22Aに合成樹脂を20wt%含浸させたプリ プレグ22を巻回して形成している。この層12をここでは竿管本体という。
【0010】 この竿管本体12は必ずしも全ての繊維が長手方向に配向されている必要はな く、その中間層として後述の内層14や外層16のように竿管10の円周方向に 配向された薄い高強度繊維層を有していてもよい。また、含浸樹脂量は25wt %以下であればよく、好ましくは17wt%から23wt%の間がよい。
【0011】 内層14は高強度繊維24Aが一方向に配向された厚さ0.03mmの薄さで あって、幅が5mm程度の細幅のテープ24を竿管10のほぼ円周方向に巻回し て形成し、外層16も高強度繊維26Aが一方向に配向された厚さ0.03mm の薄さであって、幅が5mm程度の細幅のテープ26を竿管10のほぼ円周方向 に巻回して形成する。テープ24とテープ26の厚さは通常0.01〜0.1m m程度であるが0.1mmを少し上回る場合もある。これらのテープ24,26 が細幅であるのは螺旋状に巻回した際に下層の面との間に隙間を生ずることなく 巻回でき易いからである。またその巻回方向θ1,θ2(竿管の中心軸線に対す る角度)は、図1に示すように互いに交差する方向に構成することが竿管10の 強度上好ましい。これらの各角度θ1,θ2はそれぞれ90度を除いて80度か ら100度の範囲が最も好ましいが、75度から105度の範囲内であってもよ い。
【0012】 巻回方向θ1,θ2は強度的には90度が好ましいが、工業的に巻回作業が容 易に行える必要があるために上記のように設定される。また、内層14は、上記 のように竿管本体12に薄い中間層がある場合には無くてもよい。これは釣竿の 使用条件や竿管の大きさや肉厚の設定によって調整すればよい。外層16や内層 14の繊維は竿管本体12の繊維と同じであってもよいが、例えばガラス繊維等 の他の高強度繊維であってもよい。また、内層14のテープ24の樹脂含浸量は 竿管本体12よりも多くするが、外層16のテープ26のそれよりも少なくてよ い。
【0013】 ここで外層16のテープ26の樹脂含浸量は40wt%に設定しているが、3 3wt%より多くすればよく、好ましくは33wt%〜50wt%の範囲が好ま しい。また外層16は、テープ26を巻回した場合に隣接した互いの側縁26P が接触して、重ならずしかも隙間を生じないように形成する。しかしそのように 形成しようとしても、量産においては幾分かの重なりや隙間が生ずる。
【0014】 ここで図3を参照すると、縦軸は比強度σを示し、横軸はテープ26の重なり の程度或いは隙間の程度δを示している。即ち、δ0は重なりが無く、しかも隙 間の無い理想的な接触状態を示し、その右側は重なっている量を示しており、左 側は隙間の生じている量を示す。従って、理想的な接触状態δ0が最も比強度σ が高く、幾分重なった状態δ1や開いた状態δ2では比強度σが低下することが 分る。このグラフは実験的に求めたものである。即ち、機械によるテープ巻回で はなくて、手作業によって各種巻回状態を作り上げて実験したものである。
【0015】 また、高強度繊維に対する樹脂の含浸量が25wt%以下であれば樹脂フロー が生じないが、33wt%を越えると樹脂フローが生ずる。これらの間、即ち2 5wt%〜33wt%では竿管の成形条件によって樹脂フローを生ずるか生じな いかが定まる。
【0016】 上述のように外層16のテープ26をその側縁26Pが接触するように巻回し ても、幾分かの重なりや開きが生ずることは防止できない。そこでテープ26の 含浸樹脂量を33wt%よりも多くしておけば、該テープ26の巻回時に生じた 僅かな隙間やテープ26の僅かな重なりは、竿管10の加熱炉での成形時に外層 16での樹脂フローに伴って平滑化され、上記図3に示す理想的な状態δ0にな る。従って、比強度が向上する。また内層14においても同様なフローが生じ、 内層14が均質化される。
【0017】 一方、竿管本体12はその樹脂含浸量が20wt%であるため、加熱成形時に 樹脂フローを生じない。従って竿管本体12の繊維の蛇行や竿管本体12の縮径 を生ずることが無く、品質の高い竿管本体12が製造できる。また、竿管10の 大部を占めるこの竿管本体12において繊維よりも比重の大きな樹脂の量が少な いため竿管10の軽量化に大きく寄与する。更に、竿管本体12が変形すると外 層テープ26がその影響で蛇行等の変形を生ずるが、このことをも防止でき、外 観の良い高品質な竿管10が製造可能となる。
【0018】 以上説明した竿管10の製造工程を図4を参照しながら説明する。 (イ)は、マンドレル20に内層用のテープ24をマンドレル20の中心軸線 に対して繊維24Aが角度θ2の方向に配向されるように巻回している状態を示 しており、こうして巻回の終了した内層14の上にマンドレル20の長手方向に 繊維22Aを配向しつつプリプレグ22を巻回する(ロ)。その竿管本体12の 外側に、外層用テープ26をマンドレル20の中心軸線に対して繊維26Aが角 度θ1の方向に配向されるように巻回する(ハ)。こうして外層16を形成し、 さらにその上にポリプロピレン等の緊締テープ28を、例えば3kgf程度の張 力で締付けつつ全体を被覆し(ニ)、加熱炉で加熱して竿管10を形成する。( ホ)は形成後に緊締テープ28を取り除き、マンドレル20を引き抜いて竿管1 0のみとした状態の図である。
【0019】
以上の説明から明らかなように本考案によれば、竿管本体の樹脂量を低く押さ えているため、軽量化が達成されると共に、樹脂フローが生じず、加圧加熱成形 時に竿管本体の繊維の蛇行や径の縮径を防止できる。従って、更にその外周に巻 回したテープの蛇行をも防止でき、高品質な竿管が提供できる。また、その外周 のテープは樹脂の含浸量が多いため、密に巻回したテープの側縁に隙間や重なり があっても、加圧加熱成形時にこの外層の樹脂フローによって平滑化され凹凸が なくなり気泡も押し出すのみならず、比強度が向上する。従って、軽量で強度の 高い、しかも強度が安定し、外観の良い高品質な釣竿が提供できる。特に鮎釣り 用の釣竿として好適である。
【図1】図1は本考案に係る竿管の一部の部分破断の側
面図である。
面図である。
【図2】図2は図1の竿管の矢視線B−Bによる横断面
図である。
図である。
【図3】図3はテープの巻回状態と比強度との関係図で
ある。
ある。
【図4】図4は本考案に係る釣竿の製造工程の説明図で
ある。
ある。
10 竿管 12 竿管本体 14 内層 16 外層 22 竿管本体用プリプレグ 24 内層用テープ 26 外層用テープ 28 緊締テープ 22A,24A,26A 高強度繊維 26P テープの側縁 θ1 外層テープの巻回方向 θ2 内層テープの巻回方向
Claims (1)
- 【請求項1】 高強度繊維に樹脂を含浸させたプリプレ
グを該高強度繊維の主たる繊維方向が竿管の長手方向を
向くように巻回して竿管本体を形成し、高強度繊維の引
揃シートに樹脂を含浸させた薄肉厚の細幅テープを前記
竿管本体の外側に螺旋状に巻回した竿管を有する釣竿で
あって、 前記竿管本体を形成しているプリプレグの樹脂の含浸量
を25wt%以下にすると共に、前記細幅テープの樹脂
の含浸量を33wt%より多くし、更に前記細幅テープ
の側縁が隣同士互いに接触するように密に巻回して竿管
を形成したことを特徴とする釣竿。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1992084993U JP2540109Y2 (ja) | 1992-11-16 | 1992-11-16 | 釣 竿 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1992084993U JP2540109Y2 (ja) | 1992-11-16 | 1992-11-16 | 釣 竿 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0641470U true JPH0641470U (ja) | 1994-06-03 |
JP2540109Y2 JP2540109Y2 (ja) | 1997-07-02 |
Family
ID=13846161
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1992084993U Expired - Lifetime JP2540109Y2 (ja) | 1992-11-16 | 1992-11-16 | 釣 竿 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2540109Y2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014064520A (ja) * | 2012-09-26 | 2014-04-17 | Shimano Inc | 並継竿 |
JP2019033763A (ja) * | 2018-11-28 | 2019-03-07 | 株式会社シマノ | 成形方法 |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0244975U (ja) * | 1988-09-14 | 1990-03-28 | ||
JPH039652U (ja) * | 1989-06-16 | 1991-01-30 |
-
1992
- 1992-11-16 JP JP1992084993U patent/JP2540109Y2/ja not_active Expired - Lifetime
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0244975U (ja) * | 1988-09-14 | 1990-03-28 | ||
JPH039652U (ja) * | 1989-06-16 | 1991-01-30 |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014064520A (ja) * | 2012-09-26 | 2014-04-17 | Shimano Inc | 並継竿 |
JP2019033763A (ja) * | 2018-11-28 | 2019-03-07 | 株式会社シマノ | 成形方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2540109Y2 (ja) | 1997-07-02 |
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Legal Events
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