JP2539852B2 - 真空計校正装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、基準となる真空計を用いて被校正真空計
を比較校正する真空計校正装置に関するものである。

〔従来の技術〕

第２図は、この種の従来の真空計校正装置を示す図で
ある。図中、１は基準真空計、２は被校正真空計、８は
リークバルブの付いたガス導入配管であり、ともに比較
校正用真空容器３に取り付けられている。この比較校正
用真空容器３は架台4bにより直接支持されており、コン
ダクタンス調整用の絞り板9,真空配管5bを介して高真空
ポンプ6,補助ポンプ７に接続されている。

次に動作について説明する。比較校正用真空容器３
は、絞り板9,真空配管5bを介して真空ポンプ6,7により
内部を真空に排気される。比較校正用真空容器３内の真
空圧力は、リークバルブの付いたガス導入配管８により
導入されるガス（例えばN₂ガス）の流量と、孔あきの絞
り板９と真空ポンプからなる排気システムの排気速度と
により決定される。これらを適切に制御して比較校正用
真空容器３内に順次、相異なる真空圧力を発生させ、基
準真空計１に対して被校正真空計２を比較校正するもの
である。

〔発明が解決しようとする問題点〕

従来の真空計校正装置は以上のように構成されてお
り、比較校正用真空容器が直接、架台及び真空排気系と
連結されているので、真空ポンプから発生する振動、及
び架台を通して伝わる外部からの振動が、直接、比較校
正用真空容器に伝わり、基準真空計及び被校正真空計に
対して外乱振動による悪影響を与えていた。特に隔膜型
真空型，スピニングローター型真空計などを用いての比
較校正では振動による測定精度への影響が大きかった。
この為、外乱振動には特別の注意を払わねばならず、補
助ポンプの振動が伝わらない特別の場所に設置する等の
必要があり一体型で可搬型の装置の作製は困難であり、
又真空ポンプの選定は低振動のポンプに限定せざるを得
ないという問題点があった。

この発明は上記のような問題点を解消する為になされ
たもので、真空排気系、及び外部からの振動による真空
計への影響を低減することが出来るとともに、補助ポン
プまで含めた一体型の、又設置場所を選ばない可搬型の
真空計校正装置を得ることを目的とするものである。

〔問題点を解決するための手段〕

この発明に係る真空計校正装置は、架台に固定された
高真空ポンプと比較校正用真空容器との間にベローズを
設けるとともに、比較校正用真空容器と架台との間に振
動減衰器を設けたものである。

〔作用〕

この発明においては、ベローズと振動減衰器を併用す
ることにより、外部及び真空排気システムから比較校正
用真空容器に伝わる振動を減衰させることが出来る。

〔実施例〕

以下、この発明の一実施例を図について説明する。第
１図において、１は基準真空計、２は被校正真空計、３
は比較校正用真空容器である。4aは補助ポンプも内装可
能な架台、5aはベローズによる真空配管であり、大気圧
により圧縮された状態で適度な振動減衰率を有するよう
に選定されたものである。６は架台4aに固定された高真
空ポンプ、７は補助ポンプである。８はリークバルブの
付いたガス導入配管、９は絞り板、10は圧縮空気と、高
さの異なる突起の多数に有したゴムとにより構成された
振動減衰器であり、比較校正用真空容器３及びこれに取
り付けている真空計1,2、リークバルブ付ガス導入配管
８等の重量と、比較校正用真空容器３内が真空排気され
た時点で大気圧により下方に加わる重量とが加算された
合計重量が付加された場合に最適の振動減衰率を有する
ように選定されたものである。

このような真空計校正装置では、比較校正用真空容器
３内が真空ポンプ6,7により真空排気されると、比較校
正用真空容器３は大気圧により下方に押されてベローズ
による真空配管5aと振動減衰器10は圧縮するが、外部及
び真空ポンプ6,7から比較校正用真空容器３へ伝わる振
動は大幅に減衰する。例えば、−20dBの振動減衰器を４
個使用し、ターボ分子ポンプと油回路ポンプを同一架台
内に設置し、真空計にスピニングローター型真空計を使
用した場合で、10^-9Torr（10^-7Pa）台の繰り返し精度が
得られた。

尚、上記実施例では被校正真空計２の取り付けが１個
の場合で説明したが、取り付け口を複数個にすれば複数
の真空計を同時に校正することも可能である。

又、上記実施例では振動減衰器10として、圧縮空気と
高さの異なる突起を多数に有したゴムとにより構成され
たものを４個使用したが、振動減衰器10は圧縮空気，ゴ
ム，板バネ，コイルバネ等を単体若しくは複合で利用し
たものでも、材料と形状を工夫すれば上記実施例と同様
の効果を得ることが可能であり、使用数量も４個に限定
する必要はなく、例えばリング状の形状にすれば１個で
も同様の効果を得ることが可能である。

〔発明の効果〕

以上のように、この発明によれば、基準真空計と被校
正真空計の取り付け口を有した比較校正用真空容器と、
これを支持する架台との間に振動減衰器を設け、架台に
固定された高真空ポンプと比較校正用真空容器との間に
振動減衰特性に優れたベローズによる真空配管を設けた
ので、真空排気系、及び外部からの振動による真空計へ
の影響を低減することが出来るとともに、補助ポンプま
で含めた一体型の、又設置場所を選ばない可搬型の真空
計校正装置を得ることが出来る効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の一実施例による真空計校正装置を示
す構成図、第２図は従来の真空計校正装置を示す構成図
である。 １は基準真空計、２は被校正真空計、３は比較校正用真
空容器、4aは架台、5aはベローズによる真空配管、６は
架台に固定された高真空ポンプ、10は振動減衰器。 尚、図中、同一符号は同一、又は相当部分を示す。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】基準真空計と被校正真空計の取り付け口を
   １個もしくは複数個有する比較校正用真空容器を有する
   真空計校正装置において、 上記比較校正用真空容器とこれを支持する架台との間に
   設けられた振動減衰器と、 上記架台に固定された高真空ポンプと上記比較校正用真
   空容器との間に設けられたベローズによる真空配管とを
   備えたことを特徴とする真空計校正装置。