JP2539793B2 - 良成形性を有する難燃性樹脂 - Google Patents
良成形性を有する難燃性樹脂Info
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Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、良成形性を有する難燃性樹脂に関し、更に
詳しく言えば、テトラフルオロエチレン,クロロトリフ
ルオロエチレン及びエチレンが共重合した特定の含フッ
素共重合体からなる上記難燃性樹脂に関する。
詳しく言えば、テトラフルオロエチレン,クロロトリフ
ルオロエチレン及びエチレンが共重合した特定の含フッ
素共重合体からなる上記難燃性樹脂に関する。
[従来の技術] 近年、プレナム電線用被覆材、防火材用などとして、
高い酸素指数、低発煙性、低ドリップ性を示す難燃性樹
脂が注目されている。このような特性を有する樹脂の一
つとして、クロロトリフルオロエチレン(以下、CTFEと
略記する)とエチレン(以下、ETと略記する)の含フッ
素共重合体が知られている。例えば、米国特許第3,847,
881号明細書、米国特許第3,767,634号明細書、西独特許
公開第2,613,691号公報、特公昭49−32786号公報などに
は、いくつかのCTFE/ET系共重合体が開示されている。
高い酸素指数、低発煙性、低ドリップ性を示す難燃性樹
脂が注目されている。このような特性を有する樹脂の一
つとして、クロロトリフルオロエチレン(以下、CTFEと
略記する)とエチレン(以下、ETと略記する)の含フッ
素共重合体が知られている。例えば、米国特許第3,847,
881号明細書、米国特許第3,767,634号明細書、西独特許
公開第2,613,691号公報、特公昭49−32786号公報などに
は、いくつかのCTFE/ET系共重合体が開示されている。
しかしながら、従来知られているCTFE/ET系共重合体
は、一般的にその熱分解点が320℃程度と低く、また幾
分高い熱分解点を有する含フッ素共重合体では、その融
点が250℃以上と高くなってしまい、いずれにしても成
形温度範囲が狭いという難点があった。而して、上記公
知の明細書,公報などにおいては、テトラフルオロエチ
レン(以下、TFEと略記する)とETの共重合体、CTFE/TF
E/ET系共重合体なども開示されているが、これらは酸素
指数が小さいとか、あるいは燃焼時に容易にドリップす
るなど、難燃性が必ずしも満足できるものではなかっ
た。
は、一般的にその熱分解点が320℃程度と低く、また幾
分高い熱分解点を有する含フッ素共重合体では、その融
点が250℃以上と高くなってしまい、いずれにしても成
形温度範囲が狭いという難点があった。而して、上記公
知の明細書,公報などにおいては、テトラフルオロエチ
レン(以下、TFEと略記する)とETの共重合体、CTFE/TF
E/ET系共重合体なども開示されているが、これらは酸素
指数が小さいとか、あるいは燃焼時に容易にドリップす
るなど、難燃性が必ずしも満足できるものではなかっ
た。
[発明の解決しようとする問題点] 本発明の目的は、前述のごとき従来技術における欠点
を解消しようとするものであり、高い熱分解点を有し、
広い成形温度範囲を持つ良成形性の難燃性樹脂を提供す
ることにある。
を解消しようとするものであり、高い熱分解点を有し、
広い成形温度範囲を持つ良成形性の難燃性樹脂を提供す
ることにある。
[問題点を解決するための手段] 本発明者は、前述の問題点を解決すべく、高い熱分解
点が期待できるが含フッ素共重合体について種々の研
究、検討を重ねた結果、次のごとき興味深い知見を得る
に至った。すなわち、CTFE,TFE,及びETの三成分を組み
合せて共重合することにより、高い熱分解点を確保して
良成形性の含フッ素共重合体が得られること、また上記
三成分の組成割合を特定範囲内にすることにより、良成
形性を保持して優れた難燃性が達成可能であるという新
規知見を得たものである。
点が期待できるが含フッ素共重合体について種々の研
究、検討を重ねた結果、次のごとき興味深い知見を得る
に至った。すなわち、CTFE,TFE,及びETの三成分を組み
合せて共重合することにより、高い熱分解点を確保して
良成形性の含フッ素共重合体が得られること、また上記
三成分の組成割合を特定範囲内にすることにより、良成
形性を保持して優れた難燃性が達成可能であるという新
規知見を得たものである。
かくして、本発明は、上記知見に基いて完成されたも
のであり、TFE,CTFE及びETが共重合した含フッ素共重合
体からなり、その共重合体組成がTFEに基づく重合単位
が10〜60モル%,CTFEに基づく重合単位が20〜60モル%,
ETに基づく重合単位が20〜40モル%であり、熱分解点が
325℃以上であり、本文中に定義する容量流速が5〜200
mm3/秒であることを特徴とする良成形性を有する難燃性
樹脂を新規に提供するものである。
のであり、TFE,CTFE及びETが共重合した含フッ素共重合
体からなり、その共重合体組成がTFEに基づく重合単位
が10〜60モル%,CTFEに基づく重合単位が20〜60モル%,
ETに基づく重合単位が20〜40モル%であり、熱分解点が
325℃以上であり、本文中に定義する容量流速が5〜200
mm3/秒であることを特徴とする良成形性を有する難燃性
樹脂を新規に提供するものである。
本発明においては、TFE,CTFE及びETの三成分が特定の
組成割合で共重合した含フッ素共重合体であることが重
要である。まず、ETに基づく重合単位の割合は、余りに
多量すぎると酸素指数が小さくなり、優れた難燃性が達
成されず、また余りに少量すぎるとポリテトラフルオロ
エチレン,ポリクロロトリフルオロエチレンの如く溶融
粘度が高くなり、成形性が悪くなってしまうので、20〜
40モル%、特に25〜35モル%が好ましい。次に、CTFEに
基づく重合単位の割合は、余りに少量すぎると燃焼時容
易にドリップしてしまい、また余りに多量すぎると成形
性が悪くなるので、20〜60モル%、特に20〜55モル%が
好ましい。そして、TFEに基づく重合単位の割合は、余
りに少量すぎる場合には融点と熱分解点との差が小さく
て成形性が悪くなってしまい、また余りに多量すぎる場
合には、溶融粘度が高くて成形性が悪いので、10〜60モ
ル%、特に15〜55モル%が好ましい。
組成割合で共重合した含フッ素共重合体であることが重
要である。まず、ETに基づく重合単位の割合は、余りに
多量すぎると酸素指数が小さくなり、優れた難燃性が達
成されず、また余りに少量すぎるとポリテトラフルオロ
エチレン,ポリクロロトリフルオロエチレンの如く溶融
粘度が高くなり、成形性が悪くなってしまうので、20〜
40モル%、特に25〜35モル%が好ましい。次に、CTFEに
基づく重合単位の割合は、余りに少量すぎると燃焼時容
易にドリップしてしまい、また余りに多量すぎると成形
性が悪くなるので、20〜60モル%、特に20〜55モル%が
好ましい。そして、TFEに基づく重合単位の割合は、余
りに少量すぎる場合には融点と熱分解点との差が小さく
て成形性が悪くなってしまい、また余りに多量すぎる場
合には、溶融粘度が高くて成形性が悪いので、10〜60モ
ル%、特に15〜55モル%が好ましい。
上記本発明の特定含フッ素共重合体は、良好な成形性
を有し、且つ、優れた難燃性を示すものである。すなわ
ち、酸素指数が60以上、例えば76〜80程度と高く、燃焼
時に炭化し、耐ドリップ性が良好である。また、融点と
分解点との差が120℃以上、例えば140〜185℃程度と大
きく、良好な成形性を有する。さらに、本発明の特定含
フッ素共重合体は、高い熱分解点を有し、通常は325℃
以上、好適な態様では340〜370℃程度の熱分解点を達成
可能である。なお、融点は上記熱分解点と共に後述の分
子量などによっても変り得るが、通常は170〜230℃、特
に180〜220℃程度が好ましい。本発明において、特定含
フッ素共重合体の分子量は、電線用被覆材あるいは防火
材として充分な機械的強度を付与し、且つ良好な成形性
を付与するために、下記に定義する容量流速で5〜200m
m3/秒、特に10〜150mm3/秒が好ましい。
を有し、且つ、優れた難燃性を示すものである。すなわ
ち、酸素指数が60以上、例えば76〜80程度と高く、燃焼
時に炭化し、耐ドリップ性が良好である。また、融点と
分解点との差が120℃以上、例えば140〜185℃程度と大
きく、良好な成形性を有する。さらに、本発明の特定含
フッ素共重合体は、高い熱分解点を有し、通常は325℃
以上、好適な態様では340〜370℃程度の熱分解点を達成
可能である。なお、融点は上記熱分解点と共に後述の分
子量などによっても変り得るが、通常は170〜230℃、特
に180〜220℃程度が好ましい。本発明において、特定含
フッ素共重合体の分子量は、電線用被覆材あるいは防火
材として充分な機械的強度を付与し、且つ良好な成形性
を付与するために、下記に定義する容量流速で5〜200m
m3/秒、特に10〜150mm3/秒が好ましい。
本明細書中にて使用される「容量流速」なる言葉は、
次の様に定義され、分子量の目安となるものである。す
なわち、高化式フローテスターを使用して、所定温度、
所定荷重30kg/cm2のもとに、ノズル径1mm,ランド2mmの
ノズルより1gの試料を押出し、その際の単位時間に押出
される溶融試料の容量で表わされる値が、「容量流速」
として定義され、その単位はmm3/秒である。ここにおい
て、所定温度とは、特定の含フッ素共重合体の成形可能
な温度領域(融点と熱分解点との間の温度範囲)の内か
ら採用される。而して、本発明における特定の含フッ素
共重合体に対しては、所定温度として300℃が選定され
る。
次の様に定義され、分子量の目安となるものである。す
なわち、高化式フローテスターを使用して、所定温度、
所定荷重30kg/cm2のもとに、ノズル径1mm,ランド2mmの
ノズルより1gの試料を押出し、その際の単位時間に押出
される溶融試料の容量で表わされる値が、「容量流速」
として定義され、その単位はmm3/秒である。ここにおい
て、所定温度とは、特定の含フッ素共重合体の成形可能
な温度領域(融点と熱分解点との間の温度範囲)の内か
ら採用される。而して、本発明における特定の含フッ素
共重合体に対しては、所定温度として300℃が選定され
る。
本発明の含フッ素共重合体を製造するには、従来より
TFEやCTFEなどの共重合体について公知乃至周知の重合
方法が、特に限定されることなく採用可能であり、例え
ば溶液重合、懸濁重合、乳化重合などいずれの方法も使
用できる。
TFEやCTFEなどの共重合体について公知乃至周知の重合
方法が、特に限定されることなく採用可能であり、例え
ば溶液重合、懸濁重合、乳化重合などいずれの方法も使
用できる。
溶液重合において使用され得る重合開始剤としては、
例えばジ−(クロロフルオロアシル)−パーオキサイ
ド,ジ−(パーフルオロアシル)−パーオキサイド,ジ
−(ω−ハイドロパーフルオロアシル)−パーオキサイ
ド,t−ブチルパーオキシイソブチレート,ジイソプロピ
ルパーオキシジカーボネートなどが挙げられる。また、
溶媒としてはクロロフルオロアルカンが用いら、クロロ
フルオロアルカンとしては、例えばトリクロロフルオロ
メタン,ジクロロジフルオロメタン,ジクロロフルオロ
メタン,クロロジフルオロメタン,トリフルオロメタ
ン,トリクロロトリフルオロエタン,ジクロロテトラフ
ルオロエタン,クロロペンタフルオロエタン,ジフルオ
ロエタンなどが挙げられる。また必要に応じて分子量調
整のための連鎖移動剤を添加しても良く、例えば四塩化
炭素、n−ペンタン,n−ヘキサン,イソペンタン,トリ
クロロフルオロメタン,メタノールの如き連鎖移動剤を
使用するのが好ましい。
例えばジ−(クロロフルオロアシル)−パーオキサイ
ド,ジ−(パーフルオロアシル)−パーオキサイド,ジ
−(ω−ハイドロパーフルオロアシル)−パーオキサイ
ド,t−ブチルパーオキシイソブチレート,ジイソプロピ
ルパーオキシジカーボネートなどが挙げられる。また、
溶媒としてはクロロフルオロアルカンが用いら、クロロ
フルオロアルカンとしては、例えばトリクロロフルオロ
メタン,ジクロロジフルオロメタン,ジクロロフルオロ
メタン,クロロジフルオロメタン,トリフルオロメタ
ン,トリクロロトリフルオロエタン,ジクロロテトラフ
ルオロエタン,クロロペンタフルオロエタン,ジフルオ
ロエタンなどが挙げられる。また必要に応じて分子量調
整のための連鎖移動剤を添加しても良く、例えば四塩化
炭素、n−ペンタン,n−ヘキサン,イソペンタン,トリ
クロロフルオロメタン,メタノールの如き連鎖移動剤を
使用するのが好ましい。
懸濁重合においては、ラジカル重合開始剤として前記
溶液重合で挙げたと同様のものが使用でき、溶媒として
は水と前記溶液重合で挙げた如きクロロフルオロアルカ
ンとの混合物が用いられ、混合比は通常重量比で水:ク
ロロフルオロアルカン=1:9〜9:1,好ましくは1:5〜5:1
程度である。また連鎖移動剤としては、前記溶液重合の
ものを使用するのが望ましい。さらに、懸濁安定剤とし
て、フルオロカーボン系の乳化剤、例えばC7F15COONH4,
C8F17COONH4などを添加しても良い。
溶液重合で挙げたと同様のものが使用でき、溶媒として
は水と前記溶液重合で挙げた如きクロロフルオロアルカ
ンとの混合物が用いられ、混合比は通常重量比で水:ク
ロロフルオロアルカン=1:9〜9:1,好ましくは1:5〜5:1
程度である。また連鎖移動剤としては、前記溶液重合の
ものを使用するのが望ましい。さらに、懸濁安定剤とし
て、フルオロカーボン系の乳化剤、例えばC7F15COONH4,
C8F17COONH4などを添加しても良い。
乳化重合において使用され得るラジカル重合開始剤
は、通常の水溶性のラジカル重合開始剤が用いられる。
例えば、ジサクシニックアシッドパーオキサイド、過硫
酸アンモニウム,過硫酸カリウム,t−ブチルパーオキシ
イソブチレート,2,2′−ジグアニル−2,2′−アゾプロ
パンジハイドロクロライドなどである。溶媒としては、
水単独または水と有機溶媒の混合溶媒を用い得る。有機
溶媒としては、t−ブタノール,ジフルオロエタン,ト
リクロロトリフルオロエタンなどが、また連鎖移動剤と
しては溶液重合で挙げたものが使用され得る。乳化剤と
しては、フルオロカーボン系の乳化剤が望ましく、例え
ばC7F15COONH4,C8F17COONH4などである。
は、通常の水溶性のラジカル重合開始剤が用いられる。
例えば、ジサクシニックアシッドパーオキサイド、過硫
酸アンモニウム,過硫酸カリウム,t−ブチルパーオキシ
イソブチレート,2,2′−ジグアニル−2,2′−アゾプロ
パンジハイドロクロライドなどである。溶媒としては、
水単独または水と有機溶媒の混合溶媒を用い得る。有機
溶媒としては、t−ブタノール,ジフルオロエタン,ト
リクロロトリフルオロエタンなどが、また連鎖移動剤と
しては溶液重合で挙げたものが使用され得る。乳化剤と
しては、フルオロカーボン系の乳化剤が望ましく、例え
ばC7F15COONH4,C8F17COONH4などである。
上記の各種重合方法における重合条件も、特に限定さ
れることなく、広範囲にわたって採用可能であり、具体
的な重合方法、条件などは後述の実施例中にて例示され
る。
れることなく、広範囲にわたって採用可能であり、具体
的な重合方法、条件などは後述の実施例中にて例示され
る。
本発明の含フッ素共重合体は、広い成形温度範囲を持
つため、各種成形部品、パイプ、容器等の成形に広く利
用でき、特にその優れた難燃性により電線被覆材、電気
部品、建材部品、自動車・航空機部品等に好適に利用で
き、繊維やフィルム・シートへの利用も可能である。
つため、各種成形部品、パイプ、容器等の成形に広く利
用でき、特にその優れた難燃性により電線被覆材、電気
部品、建材部品、自動車・航空機部品等に好適に利用で
き、繊維やフィルム・シートへの利用も可能である。
[実施例] 次に、実施例および比較例を示し、本発明をさらに具
体的に説明するが、かかる説明によって本発明が何ら限
定されるものでないことは勿論である。なお、融点、熱
分解点、共重合体組成、酸素指数、燃焼時のドリップ性
の測定は次の方法で行なった。
体的に説明するが、かかる説明によって本発明が何ら限
定されるものでないことは勿論である。なお、融点、熱
分解点、共重合体組成、酸素指数、燃焼時のドリップ性
の測定は次の方法で行なった。
融点、熱分解点 島津製作所製DT−3D型を用い、昇温速度10℃/分で室
温から昇温し、融解曲線の最大値を融点とし、また、熱
重量曲線の減少し始めた点を熱分解点とした。
温から昇温し、融解曲線の最大値を融点とし、また、熱
重量曲線の減少し始めた点を熱分解点とした。
共重合体組成 共重合体の組成は、共重合体のフッ素含量及び塩素含
量より計算した。これらフッ素含量、塩素含量は、それ
ぞれ以下の方法で測定した。すなわち、フッ素含量は、
共重合体の熱分解により発生したフッ素を水溶液にトラ
ップし、フッ化物イオン選択性電極(米国コーニング社
製No.476042)を用いて測定した。また、塩素含量は、
共重合体をシート状に成形し、ケイ光X線分析装置(理
学電気製IKF3064M型)を用いて測定した。
量より計算した。これらフッ素含量、塩素含量は、それ
ぞれ以下の方法で測定した。すなわち、フッ素含量は、
共重合体の熱分解により発生したフッ素を水溶液にトラ
ップし、フッ化物イオン選択性電極(米国コーニング社
製No.476042)を用いて測定した。また、塩素含量は、
共重合体をシート状に成形し、ケイ光X線分析装置(理
学電気製IKF3064M型)を用いて測定した。
酸素指数 JIS K7201−1972の方法により、東洋精機製キャンド
ル法燃焼試験機No.606を用いて行なった。
ル法燃焼試験機No.606を用いて行なった。
燃焼時のドリップ性 金網の上に厚さ0.5mmのシートのサンプルを乗せ、斜
め上方よりプロパンガスを用いたブンゼンバーナーによ
りサンプルを燃焼させ、燃焼後金網状に炭化物が残った
か残らなかったかでドリップ性の判定を行なった。
め上方よりプロパンガスを用いたブンゼンバーナーによ
りサンプルを燃焼させ、燃焼後金網状に炭化物が残った
か残らなかったかでドリップ性の判定を行なった。
実施例1 排気され、撹拌された1200mlのステンレス鋼製オート
クレーブ中に626gのトリクロロトリフルオロエタン及び
561gのトリクロロフルオロメタンを加え、次いでクロロ
トリフルオロエチレン64.6g,エチレン2.6g,テトラフル
オロエチレン120.6gをそれぞれ加えた。撹拌下でオート
クレーブの温度を65℃まで上げ、t−ブチルパーオキシ
イソブチレートをトリクロロトリフルオロエタンに41.6
g/で溶かした溶液5mlを加えた。この時の圧力は、12k
g/cm2であった。重合の開始に伴ないテトラフルオロエ
チレン50モル%,クロロトリフルオロエチレン20モル
%,エチレン30モル%の組成の混合ガスを圧力が一定に
保たれるように連続して追加した。
クレーブ中に626gのトリクロロトリフルオロエタン及び
561gのトリクロロフルオロメタンを加え、次いでクロロ
トリフルオロエチレン64.6g,エチレン2.6g,テトラフル
オロエチレン120.6gをそれぞれ加えた。撹拌下でオート
クレーブの温度を65℃まで上げ、t−ブチルパーオキシ
イソブチレートをトリクロロトリフルオロエタンに41.6
g/で溶かした溶液5mlを加えた。この時の圧力は、12k
g/cm2であった。重合の開始に伴ないテトラフルオロエ
チレン50モル%,クロロトリフルオロエチレン20モル
%,エチレン30モル%の組成の混合ガスを圧力が一定に
保たれるように連続して追加した。
重合を3時間行なった後、生成物を回収し、150℃で
9時間乾燥することによって、ポリマー51gを得た。こ
のポリマーの組成は、前記測定用により測定を行なった
ところTFE/CTFE/ET=45/24/31(モル%)であり、容量
流速は35mm3/秒であった。さらに、融点、熱分解点等の
諸特性の測定を行ない、表1に示した。
9時間乾燥することによって、ポリマー51gを得た。こ
のポリマーの組成は、前記測定用により測定を行なった
ところTFE/CTFE/ET=45/24/31(モル%)であり、容量
流速は35mm3/秒であった。さらに、融点、熱分解点等の
諸特性の測定を行ない、表1に示した。
実施例2 最初に仕込んだモノマーの重量を、クロロトリフルオ
ロエチレン103.8g,エチレン2.1g,テトラフルオロエチレ
ン89.1gとし、追加した混合ガスの組成を、テトラフル
オロエチレン35モル%,クロロトリフルオロエチレン35
モル%,エチレン30モル%とした以外は実施例1と同様
に実施した。重合は3.5時間行ない、ポリマー35gを得
た。このポリマーの組成は、TFE/CTFE/ET=33/36/31
(モル%)であり、容量流速は71mm3/秒であった。諸特
性を表1に示す。
ロエチレン103.8g,エチレン2.1g,テトラフルオロエチレ
ン89.1gとし、追加した混合ガスの組成を、テトラフル
オロエチレン35モル%,クロロトリフルオロエチレン35
モル%,エチレン30モル%とした以外は実施例1と同様
に実施した。重合は3.5時間行ない、ポリマー35gを得
た。このポリマーの組成は、TFE/CTFE/ET=33/36/31
(モル%)であり、容量流速は71mm3/秒であった。諸特
性を表1に示す。
実施例3〜7 実施例1と同様の手順を用いて、初期仕込のモノマー
組成比及び追加仕込のモノマー組成比を下記の通りに選
ぶことにより、それぞれ組成及び容量流速の異なるポリ
マーを得、容量流速は実施例3:120mm3/秒、実施例4:92m
m3/秒、実施例5:34mm3/秒、実施例6:110mm3/秒、実施例
7:75mm3/秒であった。
組成比及び追加仕込のモノマー組成比を下記の通りに選
ぶことにより、それぞれ組成及び容量流速の異なるポリ
マーを得、容量流速は実施例3:120mm3/秒、実施例4:92m
m3/秒、実施例5:34mm3/秒、実施例6:110mm3/秒、実施例
7:75mm3/秒であった。
得られたポリマーの諸特性を表1に示す。
比較例1〜3 実施例1と同様の手順を用いて初期仕込のモノマー組
成比及び追加仕込のモノマー組成比を変えることによ
り、それぞれ組成の異なるポリマーすなわち比較例1:TF
E/ET=70/30(モル%)、比較例2:TFE/CTFE/ET=20/31/
49(モル%)、比較例3:TFE/CTFE/ET=9/47/45(モル
%)を得、容量流速は比較例1:24mm3/秒、比較例2:122m
m3/秒、比較例3:180mm3/秒であった。それぞれのポリマ
ーの特性を表1に示す。
成比及び追加仕込のモノマー組成比を変えることによ
り、それぞれ組成の異なるポリマーすなわち比較例1:TF
E/ET=70/30(モル%)、比較例2:TFE/CTFE/ET=20/31/
49(モル%)、比較例3:TFE/CTFE/ET=9/47/45(モル
%)を得、容量流速は比較例1:24mm3/秒、比較例2:122m
m3/秒、比較例3:180mm3/秒であった。それぞれのポリマ
ーの特性を表1に示す。
[発明の効果] 本発明は、融点と熱分解点の差が120℃以上を有する
良成形性、酸素指数が60以上、燃焼時炭化してドリップ
性が改良された難燃性の如き優れた効果を有し、さらに
本発明の含フッ素共重合体は優れた電気的特性を有して
おり、電線用被覆材として使用した場合には、難燃性低
発煙性電線として有用な効果が認められる。
良成形性、酸素指数が60以上、燃焼時炭化してドリップ
性が改良された難燃性の如き優れた効果を有し、さらに
本発明の含フッ素共重合体は優れた電気的特性を有して
おり、電線用被覆材として使用した場合には、難燃性低
発煙性電線として有用な効果が認められる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−25739(JP,A) 特公 昭48−25415(JP,B1) 特公 昭49−32786(JP,B2) 特公 昭59−25806(JP,B2)
Claims (4)
- 【請求項1】テトラフルオロエチレン,クロロトリフル
オロエチレン及びエチレンが共重合した含フッ素共重合
体からなり、その共重合体組成がテトラフルオロエチレ
ンに基づく重合単位が10〜60モル%,クロロトリフルオ
ロエチレンに基づく重合単位が20〜60モル%,エチレン
に基づく重合単位が20〜40モル%であり、熱分解点が32
5℃以上であり、本文中に定義する容量流速が5〜200mm
3/秒であることを特徴とする良成形性を有する難燃性樹
脂。 - 【請求項2】含フッ素共重合体の融点と熱分解点の差が
120℃以上である特許請求の範囲第1項記載の難燃性樹
脂。 - 【請求項3】含フッ素共重合体の酸素指数が60以上であ
る特許請求の範囲第1項〜第2項のいずれかに記載の難
燃性樹脂。 - 【請求項4】含フッ素共重合体が燃焼時に炭化し耐ドリ
ップ性が良好である特許請求の範囲第1項〜第3項のい
ずれかに記載の難燃性樹脂。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
DE8686116733T DE3677912D1 (de) | 1985-12-18 | 1986-12-02 | Flammhemmendes harz. |
EP86116733A EP0226116B1 (en) | 1985-12-18 | 1986-12-02 | Flame-retardant resin |
US06/938,857 US4730029A (en) | 1985-12-18 | 1986-12-08 | Flame-retardant resin |
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28277485 | 1985-12-18 | ||
JP60-282774 | 1985-12-18 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS62230803A JPS62230803A (ja) | 1987-10-09 |
JP2539793B2 true JP2539793B2 (ja) | 1996-10-02 |
Family
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP61149688A Expired - Fee Related JP2539793B2 (ja) | 1985-12-18 | 1986-06-27 | 良成形性を有する難燃性樹脂 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2539793B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5440885B2 (ja) * | 1971-08-04 | 1979-12-05 | ||
JPS5229672B2 (ja) * | 1972-07-27 | 1977-08-03 | ||
JPS6045533B2 (ja) * | 1982-08-04 | 1985-10-09 | 呉羽化学工業株式会社 | 粘膜調整材粘膜面の改質法 |
JPS5925806A (ja) * | 1982-08-04 | 1984-02-09 | Mitsubishi Rayon Co Ltd | 新規重合体組成物の製造法 |
-
1986
- 1986-06-27 JP JP61149688A patent/JP2539793B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS62230803A (ja) | 1987-10-09 |
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