JP2539351Y2 - スピーカ装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、自動車の車室内等に使用するスピーカ装置
に関する。

従来の技術 第５図、第６図は従来の薄型のバスレフ型スピーカを
示している。第５図、第６図において、１は薄型のスピ
ーカボックス、２はスピーカボックス１の前面板に設け
られたスピーカユニット、３は円筒状のポートであり、
このポート３の一端はスピーカボックス１の側面４の孔
５に固定されている。上記従来のスピーカ装置のような
バスレフ型スピーカは、スピーカボックス１の内容積と
上記ポート３内のマスに応じて低域特性が決まり、スピ
ーカボックス１の内容積が大きく、ポート３の断面積が
大きく、ポート３の長さが短いほど低域特性を伸ばすこ
とができる。

考案が解決しようとする課題 しかしながら、上記従来例のようにスピーカボックス
を薄型にした場合には、ポート３の断面積を大きくする
ことができないため、ロスが大きくなり低域が伸びない
問題があった。

本考案は、上記従来の問題を解決するものであり、薄
型でありながら低域を伸ばすことができ、かつ干渉音が
発生しないスピーカ装置を提供するものである。

課題を解決するための手段 本考案は上記目的を達成するために、スピーカユニッ
トが内蔵された薄型のスピーカボックス内に複数のポー
トを近接して配置し、上記複数のポートの一端を上記ス
ピーカボックスの側面板より外部に突出させるととも
に、上記複数のポートの上記側面板から外部への突出長
さをそれぞれ相違させたことを特徴とするものである。

作用 本考案は上記のような構成であり、複数のポートの合
計断面積を大きくすることができ、ポート内のマスが大
きくなるため、低域特性を伸ばすことができるととも
に、複数のポートのスピーカボックスからの突出長さを
相違させているため、ポートから放射される音波が相互
に干渉せず、干渉音の発生が防止できるものである。

実施例 以下に本考案の一実施例について第１図〜第３図とと
もに説明する。第１図〜第３図において、６は奥行きが
短いスピーカボックスであり、このスピーカボックス６
の前面板７にスピーカユニット８が取付けられている。
9,10は互いに接近して配置された円筒状のポートであ
り、このポート9,10の一端はスピーカボックス６内のス
ピーカユニット８の背面部に配置され、またポート9,10
の他端はスピーカボックス６の側面板11の孔12,13を貫
通して外部に突出している。ポート9,10の側面板11より
の突出長さはポート10の方が長い。

このように本実施例では、薄型のスピーカボックス６
を使用するにもかかわらず、ポートを複数個使用してい
るため、ポート9,10の合計断面を前記従来例におけるポ
ート３の断面積より大きくすることができ、ロスが少な
くなるため低域特性を伸ばすことができる。

また、上記実施例において、ポート9,10,の側面板11
からの突出長さを相違させているため、ポート9,10から
放射される音波が相互に干渉して干渉音が発生すること
がない。本考案者らの実験によれば、第２図に示すよう
に、ポート9,10を接近（例えばポート9,10の間隔Ｌを3m
m以下に接近）させて配置し、かつポート9,10の側面板1
1よりの突出長さを同一にした場合には、ポート9,10か
ら放射される音波が相互に干渉して干渉音（ジュルジュ
ル）が発生する。これに対して本実施例では、ポート10
をポート９より10mm以上突出させているため、両ポート
9,10から放射させる音波の干渉が発生せず、干渉音の発
生を防止できるものである。

第４図は、本考案を自動車用のドアースピーカとして
採用した場合を示している。第４図において、14はドア
ー、15は運転席、16は窓ガラスであり、第１図〜第３図
に示すスピーカ装置をドアー14の内面側に配置してい
る。第４図に示す実施例によれば、スピーカボックス６
の上面部17をアームレストとして利用できるものであ
る。

なお、上記実施例では２個のポートを使用している
が、本考案は３個以上のポートを使用することもできる
ものである。また上記実施例では両方のポートをスピー
カボックスの側面板より突出させているが一方のポート
の端面をスピーカボックスの側面板と同一面としてもよ
いものである。

考案の効果 本考案は、上記のような構成であり、複数のポートを
使用するため、ポートの合計断面積を大きくすることが
でき低域特性を伸ばすことができるとともに、スピーカ
ボックスからのポートの突出長さを相違させているた
め、ポートから放射される音波の干渉により干渉音の発
生を防止できるものである。また、複数のポートを接近
して上下に配置し、スピーカボックスを薄型化している
ため、スピーカボックスの上面部を自動車ドアーのアー
ムレストとして利用できるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例におけるスピーカ装置の斜視
図、第２図は同装置の正面図、第３図は同装置の断面
図、第４図は同装置をドアースピーカとして使用した自
動車の一部の断面図、第５図は従来のスピーカ装置の斜
視図、第６図は同断面図である。 ６……スピーカボックス、７……前面板、８……スピー
カユニット、9,10……ポート、11……側面板、12,13…
…孔、14……ドアー、15……運転席、16……窓ガラス、
17……上面部。

Claims (2)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】スピーカユニットが内蔵された薄型のスピ
   ーカボックス内に複数のポートを近接して上下に配置
   し、上記複数のポートの一端を上記スピーカボックスの
   側面板より外部に突出させるとともに、上記複数のポー
   トの上記側面板から外部への突出長さをそれぞれ相違さ
   せ、上記複数のポートからそれぞれ放射される音波によ
   る干渉音の発生を防止することを特徴とするスピーカ装
   置。
2. 【請求項２】スピーカボックスを自動車のドアーの内面
   に取付け、上記スピーカボックスの上面部をアームレス
   トとして利用可能とした請求項第１項記載のスピーカ装
   置。