JP2539317Y2 - 釣 竿 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は釣竿特に釣糸ガイドやリ
ールシートを付けない鮎竿等の丸竿の改良に関するもの
である。

【０００２】

【従来の技術】最近は鮎釣り等において、釣竿末端の握
り部を片手で握持して釣竿操作をしながら、他方の手に
玉網を握持して釣獲された魚を水面上部を引き寄せて直
ちに玉網で受取り収納するような釣り方が行われてい
る。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】このような釣り方の場
合、玉網部やその柄杆或いはその他の釣り具が釣竿の握
り部の前方に摺接したり、衝接したりして長期使用して
いる間に該部の竿管が傷が付いたり、破損したりする問
題点がある。本考案はこのような釣り方に対応できるよ
うに釣竿の握り部前方における玉網等の接触し易い箇所
を補強強化して魚釣り操作中の釣竿の傷付き又は破損を
防止するようにした釣竿を提供することを目的とするも
のである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本考案は前記目的を達成
するために、高強度繊維に合成樹脂を含浸せるプリプレ
グを巻回形成した竿管において、その後端部より前方の
魚釣り操作時に玉網等の当接する部分に肉厚の保護強化
層を一体に形成したものである。前記肉厚の保護強化層
は竿管の他部分より肉厚に形成するだけでなく、更に肉
厚部に薄い多孔性金属シートの補強材又はアルミナ繊
維、炭素繊維等の織布、引揃シート等の繊維補強材の埋
設或いは各種繊維の短繊維補強材の混入等により強化す
ると一層耐久性が向上できる。

【０００５】

【実施例】本考案の実施例を図面について説明すると、
先端部に中竿１を継合した元竿２は公知のように高強度
繊維に熱硬化性合成樹脂を含浸したプリプレグを巻回し
て形成され、該元竿２の後端部には稍々太径の握り部３
が一体に形成されると共に特に元竿２の握り部３の前方
の魚釣り操作中に玉網等が当接し易い略３０〜５０ｃｍ
の前方部分には手の掌の幅か、これにより稍々大きい７
〜２０ｃｍ程度の長さの肉厚の保護強化層４が一体に形
成されている。しかして前記保護強化層４の一例として
は、図２に示すように元竿形成用プリプレグ２′外周部
に一体に巻回形成した補強繊維の引揃シート層又は合成
樹脂層５・５間に図３に示すようなチタン、アルミニウ
ム等の多孔性金属シートよりなる補強材６を介在させた
フェノール、エポキシ、ポリエステル等の合成樹脂層７
を設けると共に更に表面に塗膜層８を形成したものが示
されている。なお上記引揃シート層又は合成樹脂層５・
５は内外側の何れか一方のみでも良く、内側だけの場合
には合成樹脂層７の表面に塗膜層８を形成するのが好ま
しい。

【０００６】本考案の実施例は前記のように構成されて
いるので、一方の手で握り部３を握持して釣竿操作しな
がら他方の手で玉網を握っている状態で魚釣り操作を行
っているときに玉網やその柄杆等が元竿２に接触するこ
とがあっても、その接触する部分を肉厚の保護強化層４
で保護して元竿２の傷付き、破損を防止して長期使用が
できるようにしたものである。

【０００７】

【考案の効果】本考案は一方の手で竿管末端の握り部を
握持して釣竿操作をしながら他方の手で玉網を操作する
ような魚釣り操作をする釣竿において、魚釣り操作時に
玉網が竿管に接触することがあっても竿管の接触部分に
肉厚の保護強化層を一体に形成して保護するようにした
ので、玉網等の接触による衝撃で竿管が傷付いたり破損
したりすることを確実に防止して釣竿の耐久性を向上す
ると共に竿管の部分補強は釣竿全体の軽量化を阻害しな
いでその操作性を向上できる優れた特徴を有し、特に釣
糸ガイド、リールシート等を装着しない鮎竿等の丸竿に
好適である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の縦断正面図。

【図２】同要部の縦断正面図。

【図３】同補強材の斜視図。

【符号の説明】

２ 元竿 ３ 握り部 ４ 保護強化層 ６ 補強材

Claims (2)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 高強度繊維に合成樹脂を含浸せるプリプ
   レグを巻回形成した竿管において、その後端部より前方
   の魚釣り操作時に玉網等の当接する部分に肉厚の保護強
   化層を一体に形成したことを特徴とする釣竿。
2. 【請求項２】 保護強化層内に補強材を介在せしめたこ
   とを請求項１記載の釣竿。