JP2581398Y2 - 中通し釣竿 - Google Patents

中通し釣竿

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JP2581398Y2
JP2581398Y2 JP1040897U JP1040897U JP2581398Y2 JP 2581398 Y2 JP2581398 Y2 JP 2581398Y2 JP 1040897 U JP1040897 U JP 1040897U JP 1040897 U JP1040897 U JP 1040897U JP 2581398 Y2 JP2581398 Y2 JP 2581398Y2
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候尉 井上
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ダイワ精工株式会社
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】この考案は、中通し釣竿に関
する。
【0002】
【従来の技術】中通し釣竿は、釣糸を竿管内部に挿通さ
せて使用するため、特に、釣糸の巻取りの際に、釣糸に
付着した水滴が竿管内部に引き込まれる。引き込みの際
に、竿管の長手方向に沿っていた釣糸は、釣糸導入部の
所で釣糸ガイド等に接触しつつその方向を変化させる。
このため、この部位で釣糸に付着していた水滴が扱か
れ、釣糸導入部位の竿管内部には水滴が溜り易い。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】然しながら、竿管内部
に水滴が溜っていては、釣りの際には、釣糸に再付着し
て糸抵抗を増大させ、投擲の距離が落ちたり、正確な位
置に投擲できなくなる。一方、仕舞状態においては、繊
維強化合成樹脂製の竿管壁は水分を吸収し易く、竿管壁
に水泡状の欠陥を生ずる。
【0004】依って本考案は、竿管内部に水滴が溜るこ
との防止を目的とする。
【0005】
【問題を解決するための手段】上記目的に鑑みて本考案
は、請求項1では、合成樹脂をマトリックスとし、強化
繊維で強化した竿管に、釣糸を外部から竿管内部に導入
する孔を有する釣糸導入部を設け、該孔の後側近くの位
置であって、前記竿管内部に該竿管内部を塞ぐ栓体を設
け、該栓体の前側竿管壁であって、円周方向においては
概ね前記釣糸導入部側に水を排出できる孔を設けたこと
を特徴とする中通し釣竿を提供する。また、請求項2で
は、合成樹脂をマトリックスとし、強化繊維で強化した
竿管に、釣糸を外部から竿管内部に導入する孔を有する
釣糸導入部を設け、該孔の後側近くの位置であって、前
記竿管内部に該竿管内部を塞ぐ栓体を設け、該栓体の前
側竿管壁に水を排出できる孔を設け、前記釣糸導入部に
は竿管外周よりも外方に離れた位置に釣糸ガイドを設け
たことを特徴とする中通し釣竿を提供する。
【0006】請求項1では、釣糸導入部の孔の後側近く
の位置であって、竿管内部に該竿管内部を塞ぐ栓体を設
けているため、釣糸導入部位において扱き取った水滴
や、釣竿先端部から侵入した水滴を、全てこの栓体で塞
き止めることができ、これ以上竿元側に移動させない。
更には、この栓体の前側竿管壁であって、円周方向にお
いては概ね釣糸導入部側に水を排出できる孔を設けてい
るため、栓体によって塞き止められた水は、釣糸導入部
を下側にして使用している際に、この孔によって外部に
排出できる。請求項2では、栓体によって塞き止められ
た水を、孔によって外部に排出できる他、竿管外周が水
に濡れていても、釣糸は竿管表面より外方に離れた釣糸
ガイドによって案内されるため、竿管表面への付着が防
止されて出し入れが円滑になる。
【0007】
【考案の実施の形態】以下、本考案の実施の形態例を図
面に基づき説明すると、図1から図5は第1実施形態例
で、図1はリ−ル脚載置面にスピニングリ−ルが載置さ
れた中通し式の釣竿の側面図、図2は釣竿の要部拡大側
面図、図3は元竿とリ−ル脚固定装置の部分断面側面
図、図4は図2のA−A矢視線による横断面図、図5は
釣糸導入部付近の縦断面図である。
【0008】図1で釣竿は、繊維強化合成樹脂製竿管で
形成された元竿竿管1にリ−ル脚固定装置2が設けら
れ、元竿1の前側外周に釣糸導入部3が設けられてい
る。元竿1の前端には、中竿と先竿が順次継ぎ合わされ
る。リ−ル脚固定装置2は図1から図4のように、筒状
本体部4と移動フ−ド5と元竿1の外周に形成された雄
ネジ1aに螺合されたナット6とで構成されている。リ
−ル脚固定装置2にはスピニングリ−ル7のリ−ル脚7
aが装着されている。
【0009】元竿1及び中竿、先竿は細長い長方形に裁
断された図示しないプリプレグシ−トが図示しない芯金
に適宜回数捲回された後、その外側にテ−ピングが施さ
れ、加熱炉の中に入れられて常法に従って熱硬化処理で
一体に形成されている。プリプレグシ−トは、例えば、
炭素繊維やガラス繊維やアラミド繊維やアルミナ繊維や
ケプラ繊維及びその他の有機繊維、無機繊維などの高強
度繊維を横方向に織り込んだシ−トに、エポキシ樹脂、
フェノ−ル樹脂、ポリエステル樹脂等の熱硬化性合成樹
脂が含浸されて形成されている。
【0010】リ−ル脚固定装置2の筒状本体部4は元竿
1の外周に嵌合固定され、筒状本体部4には釣竿1の下
側に後方側が下向きに釣竿軸芯から離れる方向に傾斜状
のリ−ル脚載置面4aと、リ−ル脚載置面4aより後方
に下向きに突出した突出部4bと、突出部4bの中の固
定フ−ド用凹部4cとが一体的に形成されている。移動
フ−ド5はリ−ル脚載置面4aの前側の筒状本体部4外
周に移動自在に嵌合されている。雄ネジ1aは筒状本体
部4より前側の元竿1の外周に形成されている。リ−ル
脚載置面4aの両側側部表面を指当て面4dとすると共
に、前記突出部4bと指当て面4dを手で握持した時の
小指側が釣竿軸芯から離れる方向に傾斜状に形成されて
いる。筒状本体部4の上側には突出部4eが一体的に突
出形成されている。従って、リール脚載置面の径方向反
対側の釣竿表面は、リール脚載置面の方に近づくように
形成された領域を有する。
【0011】元竿1の中に釣糸10を導入する釣糸導入
部3は、図5のように、元竿1の長手方向に長い長孔1
bに係止部3aが係合され、糸11をベ−ス3bの後側
外周と元竿1とに巻回することによって取り付けられて
いる。釣糸導入部3は元竿1の外周に載る円弧状のベ−
ス3bと、傾斜した筒部3cが一体に形成されていると
共に、ベ−ス3bの前側の裏面と筒部3cの先端の外周
との間に係止部3aが形成されている。筒部3cの中心
には釣糸案内孔3dが貫通穿設されている。元竿1に取
り付けられた釣糸導入部3は、筒部3cの先端の釣糸案
内部3eが元竿1の内側中空部1c内に突出されてい
る。釣糸案内部3eは小径に形成されており、該釣糸案
内部の釣糸案内孔3dには硬質釣糸ガイド12が固定さ
れている。また、元竿1の外側に突出する釣糸導入口3
f部分の釣糸案内孔3dには他の硬質釣糸ガイド13が
固定されている。
【0012】釣糸案内孔3dは、小径釣糸案内部3eか
ら釣糸導入口3fに向って釣糸の導通可能範囲が角度θ
に拡開形成されている。更に釣糸導入部3とリ−ル7の
釣糸案内ロ−ラ−14とを結ぶ釣糸10の方向を釣糸導
通範囲の角度θ内に位置するように構成すると、釣糸と
筒部内周との接触が防止されてよい。リ−ル脚固定装置
2にスピニングリ−ル7のリ−ル脚7aが装着される時
は、リ−ル脚7aがリ−ル脚載置面4aに当てられて、
一側が固定フ−ド用凹部4cの中に挿入され、他側は移
動フ−ド5の中に挿入される。
【0013】前記のように構成された釣竿が使用される
時は、リ−ル脚固定装置2にスピニングリ−ル7が装着
されると共に、釣糸10が釣糸導入部3の釣糸導入口3
fから釣糸案内孔3dに引き込まれ、小径釣糸案内部3
eから出た釣糸10は中竿の中を通って先竿を通り、ト
ップガイドから外部に引き出される。元竿1が握持され
る時は、リ−ル脚固定装置2の筒状本体部4と移動フ−
ド5の上に親指を載せ、中指と薬指の間にリ−ル脚7a
を挟むと共に、人差し指と中指と薬指と小指で筒状本体
部4の側部指当て面4dに当てて握持する。
【0014】前記のように釣竿が構成されると、リ−ル
脚載置面4aの後方側を釣竿軸芯から離れる方向の下向
きに傾斜状に形成したので、リ−ル7のスプ−ル15及
びロ−タ−16の回転中心が釣糸10を導入させる釣糸
導入部3の釣糸案内孔3dの方向を向くから、釣糸10
の巻き上げバランスが改善される。また、リ−ル脚載置
面4aはリ−ル脚固定装置2の筒状本体部4に形成され
ているので、リ−ル脚載置面4aに撓みや変形が生ぜ
ず、安定して釣糸の巻取が出来る。更に手で握持するリ
−ル脚固定装置2の外側形状を握持する手の形状に合う
ように、かつ握持した手の小指側が釣竿軸芯に対して離
れる方向に角度を持って握持できる外側形状にしたの
で、筒状本体部4がリ−ル脚7aと一緒に握持し易くな
り、しかも握持した時の手首を必要以上に折り曲げるよ
うな持ち方をしなくてもよくなり、握持し易く釣竿操作
し易くなるから長時間使用しても疲れ難くい釣竿にでき
る。
【0015】また図5に示すように、釣糸導入部の釣糸
案内孔3dの後側近くの位置であって、前記元竿1の内
部に該竿管内部を塞ぐ栓体20を設けているため、元竿
内に侵した水滴を塞き止めることができ、この栓体の直
ぐ前側の元竿壁であって、円周方向においては概ね釣糸
導入部側に水を排出できる孔22を設けているため、釣
糸導入部を下側にして釣竿を使用していれば、塞き止め
られた水滴を外部に落下排出させることができる。更に
は、釣糸導入部3の釣糸導入口3fは元竿1の外側に突
出しているため、釣糸10が元竿外周面に接触すること
が防止され、例えこの表面が濡れていても付着が防止さ
れ、釣糸の出し入れが円滑になる。
【0016】
【考案の効果】以上の説明から明らかなように本考案の
請求項1によれば、釣竿の使用によって竿管内部に引き
込んだ水滴を、釣糸導入部を下側にした釣竿の使用中に
おいて外部に排出でき、釣りの際には、釣糸への再付着
を防止して糸抵抗の増大を防止し、投擲距離を大きくし
たり、正確な位置に投擲し易くなる。一方、仕舞状態に
おいては、繊維強化合成樹脂製の竿管壁が水分を吸収す
ることが防止される。請求項2によれば、栓体によって
塞き止められた水を、孔によって外部に排出できる他、
竿管外周が水に濡れていても、釣糸は竿管表面より外方
に離れた釣糸ガイドによって案内されるため、竿管表面
への付着が防止されて出し入れが円滑になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】スピニングリ−ルが装着された本考案に係る中
通し釣竿の側面図である。
【図2】図1の要部拡大図である。
【図3】図2の部分断面図である。
【図4】図2の矢視線A−Aによる横断面図である。
【図5】図1の要部の拡大縦断面図である。
【符号の説明】
1 元竿竿管 3 釣糸導入部 3d 釣糸案内孔 20 栓体 22 水の排出できる孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭51−145782(JP,A) 特開 昭59−42827(JP,A) 特開 平2−20233(JP,A) 特開 平4−197122(JP,A) 特開 平4−248945(JP,A) 実開 昭52−70991(JP,U) 実開 昭55−126764(JP,U) 実開 昭55−170974(JP,U) 実開 平5−88258(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A01K 87/00

Claims (2)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 合成樹脂をマトリックスとし、強化繊維
    で強化した竿管に、釣糸を外部から竿管内部に導入する
    孔を有する釣糸導入部を設け、該孔の後側近くの位置で
    あって、前記竿管内部に該竿管内部を塞ぐ栓体を設け、
    該栓体の前側竿管壁であって、円周方向においては概ね
    前記釣糸導入部側に水を排出できる孔を設けたことを特
    徴とする中通し釣竿。
  2. 【請求項2】 合成樹脂をマトリックスとし、強化繊維
    で強化した竿管に、釣糸を外部から竿管内部に導入する
    孔を有する釣糸導入部を設け、該孔の後側近くの位置で
    あって、前記竿管内部に該竿管内部を塞ぐ栓体を設け、
    該栓体の前側竿管壁に水を排出できる孔を設け、前記釣
    糸導入部には、竿管外周よりも外方に離れた位置に釣糸
    ガイドを設けたことを特徴とする中通し釣竿。
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