JP2538912B2 - 耐硝酸用ステンレス鋼溶接材料 - Google Patents
耐硝酸用ステンレス鋼溶接材料Info
- Publication number
- JP2538912B2 JP2538912B2 JP62081242A JP8124287A JP2538912B2 JP 2538912 B2 JP2538912 B2 JP 2538912B2 JP 62081242 A JP62081242 A JP 62081242A JP 8124287 A JP8124287 A JP 8124287A JP 2538912 B2 JP2538912 B2 JP 2538912B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- welding
- corrosion resistance
- corrosion
- welding material
- resistance
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Classifications
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B23—MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
- B23K—SOLDERING OR UNSOLDERING; WELDING; CLADDING OR PLATING BY SOLDERING OR WELDING; CUTTING BY APPLYING HEAT LOCALLY, e.g. FLAME CUTTING; WORKING BY LASER BEAM
- B23K35/00—Rods, electrodes, materials, or media, for use in soldering, welding, or cutting
- B23K35/22—Rods, electrodes, materials, or media, for use in soldering, welding, or cutting characterised by the composition or nature of the material
- B23K35/24—Selection of soldering or welding materials proper
- B23K35/30—Selection of soldering or welding materials proper with the principal constituent melting at less than 1550 degrees C
- B23K35/3053—Fe as the principal constituent
- B23K35/308—Fe as the principal constituent with Cr as next major constituent
- B23K35/3086—Fe as the principal constituent with Cr as next major constituent containing Ni or Mn
Landscapes
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- Arc Welding In General (AREA)
- Nonmetallic Welding Materials (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は一般化学プラント等のステンレス材料に対す
る溶接材料に関し、特に耐硝酸用ステンレス鋼に対して
有利に適用しうる溶接材料に関するものである。
る溶接材料に関し、特に耐硝酸用ステンレス鋼に対して
有利に適用しうる溶接材料に関するものである。
従来、高濃度硝酸環境に使用される材料として、アル
ミニウム、チタンと共に極低炭素−25Cr−20Niステンレ
ス鋼が実用化されている。この極低炭素−25Cr−20Niス
テンレス鋼(310ULC)TIG又はMIG溶接材料としては、極
低炭素−25Cr−20Ni−2Mnステンレス鋼溶接材料(310EL
C)が実用化されている。これは、溶接材料の化学組成
を母材のそれと同一にすると溶接金属は完全オーステナ
イト組織となり、極低炭素の場合、高温割れの発生が著
しくなるので、高温割れ防止に有効とされているMnを2
%程度含有させたものである。
ミニウム、チタンと共に極低炭素−25Cr−20Niステンレ
ス鋼が実用化されている。この極低炭素−25Cr−20Niス
テンレス鋼(310ULC)TIG又はMIG溶接材料としては、極
低炭素−25Cr−20Ni−2Mnステンレス鋼溶接材料(310EL
C)が実用化されている。これは、溶接材料の化学組成
を母材のそれと同一にすると溶接金属は完全オーステナ
イト組織となり、極低炭素の場合、高温割れの発生が著
しくなるので、高温割れ防止に有効とされているMnを2
%程度含有させたものである。
表1に25Cr−20Niステンレス鋼(310S)を25Cr−20Ni
−2Mnステンレス鋼(ER310)溶接材料で溶接した時に生
ずる溶接金属及び極低炭素−25Cr−20Niステンレス鋼
(310ULC)を極低炭素−25Cr−20Ni−2Mn(310ELC)溶
接材料で溶接した時に生ずる溶接金属の硝酸腐食試験と
高温割れ試験結果の1例を示す。通常の炭素含有量をも
つ組合せでは、耐割れ性はきわめてよいが、極低炭素の
組合せでは耐高温割れ性が劣ることがわかる。一方、耐
食性は、極低炭素の組合せのものが大幅に優れている
が、未だ十分な耐食性を有しているとは言いがたい。こ
のように一般には炭素含有量を低く抑えると耐食性は向
上するが、耐高温割れは低下する。
−2Mnステンレス鋼(ER310)溶接材料で溶接した時に生
ずる溶接金属及び極低炭素−25Cr−20Niステンレス鋼
(310ULC)を極低炭素−25Cr−20Ni−2Mn(310ELC)溶
接材料で溶接した時に生ずる溶接金属の硝酸腐食試験と
高温割れ試験結果の1例を示す。通常の炭素含有量をも
つ組合せでは、耐割れ性はきわめてよいが、極低炭素の
組合せでは耐高温割れ性が劣ることがわかる。一方、耐
食性は、極低炭素の組合せのものが大幅に優れている
が、未だ十分な耐食性を有しているとは言いがたい。こ
のように一般には炭素含有量を低く抑えると耐食性は向
上するが、耐高温割れは低下する。
〔発明が解決しようとする問題点〕 以上のことから腐食性の強い硝酸溶液を使う化学プラ
ントの場合、使用材料は耐食性に主眼を置いて極低炭素
ステンレス鋼を用いる必要があるが、溶接金属に割れが
存在するとそこはいわゆるすき間を形成し、そこからす
き間腐食が発生・進行するため結果的に耐食性を低下さ
せることになる。従つて実際の溶接施工においては非常
にきびしい溶接管理を行わざるを得ず、実用上大きな問
題となる。
ントの場合、使用材料は耐食性に主眼を置いて極低炭素
ステンレス鋼を用いる必要があるが、溶接金属に割れが
存在するとそこはいわゆるすき間を形成し、そこからす
き間腐食が発生・進行するため結果的に耐食性を低下さ
せることになる。従つて実際の溶接施工においては非常
にきびしい溶接管理を行わざるを得ず、実用上大きな問
題となる。
そこで本発明は、上記従来技術の欠点を排除し腐食性
の強い硝酸溶液に対し十分な耐食性を有する溶接金属を
作ると共に、耐高温割れ性の高い溶接材料を提供しよう
とするものである。
の強い硝酸溶液に対し十分な耐食性を有する溶接金属を
作ると共に、耐高温割れ性の高い溶接材料を提供しよう
とするものである。
すなわち、本発明はTIG溶接又はMIG溶接の材料で、化
学成分が重量パーセントでC:0.02%以下、Si:0.1%以
下、Mn:5%以下、P:0.01%以下、S:0.01%以下、Ni:20
〜22.5%、Cr:25〜28%、N:0.05〜0.3%、Ta:0.05〜1
%の範囲で含有され、残部がFeからなることを特徴とす
る耐硝酸用ステンレス鋼溶接材料である。
学成分が重量パーセントでC:0.02%以下、Si:0.1%以
下、Mn:5%以下、P:0.01%以下、S:0.01%以下、Ni:20
〜22.5%、Cr:25〜28%、N:0.05〜0.3%、Ta:0.05〜1
%の範囲で含有され、残部がFeからなることを特徴とす
る耐硝酸用ステンレス鋼溶接材料である。
本発明において、その化学成分の範囲を限定した理由
を以下に説明する。なお、%は全て重量%をあらわす。
を以下に説明する。なお、%は全て重量%をあらわす。
1)C Cはオーステナイト結晶粒界にCr23C6を形成して粒界
腐食を促進するもので、Cの含有量は少なければ少ない
ほど耐粒界腐食性は良好となる。現状の製造技術では、
Cの含有量を0.003%程度まで低くすることは可能であ
るが、製造コストが高くなり経済的でない。
腐食を促進するもので、Cの含有量は少なければ少ない
ほど耐粒界腐食性は良好となる。現状の製造技術では、
Cの含有量を0.003%程度まで低くすることは可能であ
るが、製造コストが高くなり経済的でない。
よつて耐食性及び経済性の点からC量は0.02%以下と
した。
した。
2)Si Siは溶接中の脱酸剤として添加するが、脱酸性確保の
ためには、0.6%程度で十分な効果が期待できる。しか
しながら、耐食性はSi量が0.1%により増加すると低下
しはじめ、0.8〜1.5%で最低となり、その後再び上昇す
る。一方Si量が多くなると熱間加工性が低下し、溶接心
線への加工が非常に困難となる。
ためには、0.6%程度で十分な効果が期待できる。しか
しながら、耐食性はSi量が0.1%により増加すると低下
しはじめ、0.8〜1.5%で最低となり、その後再び上昇す
る。一方Si量が多くなると熱間加工性が低下し、溶接心
線への加工が非常に困難となる。
以上のことから溶接中の脱酸性の確保にはMn等の他の
元素でおぎなうこととし、Si量は耐食性と熱間加工性か
ら0.1%以下とした。
元素でおぎなうこととし、Si量は耐食性と熱間加工性か
ら0.1%以下とした。
3)Mn 一般にMnはオーステナイト安定化元素で、溶接中の脱
酸剤としても1〜2%添加される。本発明の極低炭素−
25Cr−20Ni系の完全オーステナイト組織のものでは、溶
接中に低融点偏析物による高温割れが発生しやすい。こ
の低融点偏析物の析出を防止するためには、溶接材料中
に3%以上のMnを含有させるのが有効であり、またMnの
含有量が5〜6%以上になると再び高温割れが発生しや
すくなる。
酸剤としても1〜2%添加される。本発明の極低炭素−
25Cr−20Ni系の完全オーステナイト組織のものでは、溶
接中に低融点偏析物による高温割れが発生しやすい。こ
の低融点偏析物の析出を防止するためには、溶接材料中
に3%以上のMnを含有させるのが有効であり、またMnの
含有量が5〜6%以上になると再び高温割れが発生しや
すくなる。
一方、硝酸溶液に対する耐食性はMn量が増加すると低
下する傾向にあり、Mn量が3%以下の範囲では耐割れ性
と耐食性とで矛盾した傾向があった。
下する傾向にあり、Mn量が3%以下の範囲では耐割れ性
と耐食性とで矛盾した傾向があった。
今回、この矛盾を解決するための手段として、Taを添
加することにより、低Mn域の耐割れ性を向上させること
に成功したもので、耐割れ性の確保はTaでおぎなうこと
とし、Mn量は耐食性の点から5%以下とした。
加することにより、低Mn域の耐割れ性を向上させること
に成功したもので、耐割れ性の確保はTaでおぎなうこと
とし、Mn量は耐食性の点から5%以下とした。
4)P及びS P及びSはいずれも低融点偏析物を析出して高温割れ
を発生させる有害の元素であり、その含有量は低くする
程高温割れ防止には有効である。現状の製造技術ではP
及びSの含有量を共に0.001%程度まで低くすることは
可能であるが製造コストが高くなり経済的でない。
を発生させる有害の元素であり、その含有量は低くする
程高温割れ防止には有効である。現状の製造技術ではP
及びSの含有量を共に0.001%程度まで低くすることは
可能であるが製造コストが高くなり経済的でない。
よつてP及びSの含有量はいずれも0.01%以下とし
た。
た。
5)Cr Crは耐硝酸性には最も有効な元素であり、Cr量が多い
ほど耐食性は良好である。しかし、28%以上では熱間加
工性が悪く、しかも完全なオーステナイト組織が得られ
にくくなるため、Cr量の上限を28%とした。
ほど耐食性は良好である。しかし、28%以上では熱間加
工性が悪く、しかも完全なオーステナイト組織が得られ
にくくなるため、Cr量の上限を28%とした。
よつて耐食性及び熱間加工性の点から、Cr量は25〜28
%と限定した。
%と限定した。
6)Ni Niは代表的なオーステナイト安定化元素であり、溶接
性、耐食性、熱間加工性の良好な完全オーステナイト組
織の溶接金属を得るために、Ni量を20〜22.5%と限定し
た。
性、耐食性、熱間加工性の良好な完全オーステナイト組
織の溶接金属を得るために、Ni量を20〜22.5%と限定し
た。
7)N Nは、Niの30倍もの強力なオーステナイト安定化元素
であり、Nの添加により一般には強度が上昇し、延性は
低下する傾向にある。またNは耐食性に効果のある元素
で、溶接材料中には0.05%以上のNを含有させるのが非
常に有効である。
であり、Nの添加により一般には強度が上昇し、延性は
低下する傾向にある。またNは耐食性に効果のある元素
で、溶接材料中には0.05%以上のNを含有させるのが非
常に有効である。
一方溶接材料中にNが0.3%以上含有されると溶接中
に溶融金属からN2ガスが発生し溶接金属中にブローホー
ルが発生する。
に溶融金属からN2ガスが発生し溶接金属中にブローホー
ルが発生する。
よつて耐食性及びブローホールの発生からN量は0.05
〜0.3%と限定した。
〜0.3%と限定した。
8)Ta Taは、C、O、Nとの親和力がきわめて強いため溶融
金属中で容易にTaO、TaN、TaCを生成する。これらの化
合物は融点が高く(TaC;約3800℃、TaO;約3000℃、TaN;
約3100℃)、溶接凝固時に多量の結晶核を形成する。ま
たTa自身も融点が高く(Ta;約3000℃)、未反応Taが残
留してもそれが低融点物質を生成することはない。した
がつて、Taを溶接材料に添加すると、本発明に示すごと
く、耐高温割れ性が向上した。
金属中で容易にTaO、TaN、TaCを生成する。これらの化
合物は融点が高く(TaC;約3800℃、TaO;約3000℃、TaN;
約3100℃)、溶接凝固時に多量の結晶核を形成する。ま
たTa自身も融点が高く(Ta;約3000℃)、未反応Taが残
留してもそれが低融点物質を生成することはない。した
がつて、Taを溶接材料に添加すると、本発明に示すごと
く、耐高温割れ性が向上した。
また、TaCの生成は、Cr23C6の生成を防止することに
もなり、粒界腐食防止にも効果がある。
もなり、粒界腐食防止にも効果がある。
以上のことから、Ta量は、耐食性及び耐高温割れ性に
効果を現す量として0.05%以上、また多量に添加した場
合、耐高温割れ性が低下しはじめるので1%以下と限定
した。
効果を現す量として0.05%以上、また多量に添加した場
合、耐高温割れ性が低下しはじめるので1%以下と限定
した。
次に実施例をあげて本発明を具体的に説明する。
実施例に供した溶接材料はすべて真空溶解炉で溶解
し、熱間圧延及び冷間加工により1.6φmm径の溶接ワイ
ヤに伸線した。その化学成分を表2に示す。
し、熱間圧延及び冷間加工により1.6φmm径の溶接ワイ
ヤに伸線した。その化学成分を表2に示す。
腐食試験片及び割れ試験片共に、母材と溶接ワイヤの
混合した溶接金属を用いた。
混合した溶接金属を用いた。
腐食試験片の寸法は3mmt×20mm×25mmとし、その際の
溶接条件は次の通りである。
溶接条件は次の通りである。
TIG溶接;溶接電流120〜150A、 溶接電圧9〜10V ワイヤ送給量80〜100mm/min シールドガス(Ar)流量15/min MIG溶接;溶接電流240〜260A 溶接電圧24〜26V ワイヤ送給量250〜300mm/min シールドガス(Ar)流量20/min 腐食試験の硝酸濃度は8規定とし、腐食加速剤として
Cr6+を1g/添加した。この溶液を沸騰状態に保ち、そ
の中に腐食試験片を24時間、繰返し3回浸漬し、その後
試験片を取り出しその腐食減量を調査した。
Cr6+を1g/添加した。この溶液を沸騰状態に保ち、そ
の中に腐食試験片を24時間、繰返し3回浸漬し、その後
試験片を取り出しその腐食減量を調査した。
耐食性は、腐食減量を三段階に分けて表示した。すな
わち、腐食重量減をWg/m2・hrとすると ○;W<5g/m2・hr △;5g/m2・hr≦W<10g/m2・hr ×;10g/m2・hr≦W とした。
わち、腐食重量減をWg/m2・hrとすると ○;W<5g/m2・hr △;5g/m2・hr≦W<10g/m2・hr ×;10g/m2・hr≦W とした。
耐高温割れ性はトランスバレストレイン試験により評
価した。トランスバレストレイン試験の条件は次の通り
である。
価した。トランスバレストレイン試験の条件は次の通り
である。
溶接電流200A、溶接電圧10V 溶接速度150mm/min付加歪0.3% 試験後、溶接ビード表面に発生した高温割れのトータ
ル割れ長さを比較し耐高温割れ性を評価した。
ル割れ長さを比較し耐高温割れ性を評価した。
耐高温割れ性は、トータル割れ長さを三段階に分けて
表示した。すなわちトータル割れ長さをLmmとすると ○;L<10mm △;10mm≦L<20mm ×;20mm≦L とした。
表示した。すなわちトータル割れ長さをLmmとすると ○;L<10mm △;10mm≦L<20mm ×;20mm≦L とした。
実施例1 本発明溶接材料と代表的な比較材料の腐食試験結果と
トランスバレストレイン試験結果を表3に示す。試験片
はいずれも溶接金属とし、310S、310ULCの両母材につい
ては溶接材料無添加TIG溶接部、他は母材310ULCと溶接
材料の溶接金属とした。
トランスバレストレイン試験結果を表3に示す。試験片
はいずれも溶接金属とし、310S、310ULCの両母材につい
ては溶接材料無添加TIG溶接部、他は母材310ULCと溶接
材料の溶接金属とした。
母材の試験結果によると、C量の多い310Sは、C量の
少ない310ULCに比べ、耐割れ性は優れているが、耐食性
は劣つている。
少ない310ULCに比べ、耐割れ性は優れているが、耐食性
は劣つている。
310ULCを母材にし、各溶接材料の耐食性、耐割れ性を
比較すると、C量の高いER310を溶接材料とした場合、
母材の場合と同様、耐割れ性は優れているが、耐食性は
劣つている。
比較すると、C量の高いER310を溶接材料とした場合、
母材の場合と同様、耐割れ性は優れているが、耐食性は
劣つている。
耐食性を向上させた従来の溶接材料310ELC及び310Mn
は、ER310に比べ耐食性は向上しているが、耐割れ性は
低下している。また、310ELCに比べ310Mnは、耐食性は
若干劣るが耐割れ性は優れている。これはMn量の影響と
考えられる。
は、ER310に比べ耐食性は向上しているが、耐割れ性は
低下している。また、310ELCに比べ310Mnは、耐食性は
若干劣るが耐割れ性は優れている。これはMn量の影響と
考えられる。
一方、本発明材料は、C量の低下にもかかわらず、TI
G溶接及びMIG溶接共に耐食性及び耐割れ性は従来のもの
に比べ優れている。
G溶接及びMIG溶接共に耐食性及び耐割れ性は従来のもの
に比べ優れている。
実施例2 本発明溶接材料の化学成分の中のCを除く他の合金元
素をほぼ一定にして、Cの含有量のみ異なる溶接材料を
用いて310ULCの母材に溶接し、腐食試験及びトランスバ
レストレイン試験を実施した。その結果を表4に示す。
(注、表4以下すべてTIG溶接金属である。) 本発明溶接材料No6、No7は、耐食性、耐割れ性共に優
れているが、C量の多いNo.23、No.24は耐割れ性は優れ
ているが、耐食性は、C量の増加につれて低下してい
る。
素をほぼ一定にして、Cの含有量のみ異なる溶接材料を
用いて310ULCの母材に溶接し、腐食試験及びトランスバ
レストレイン試験を実施した。その結果を表4に示す。
(注、表4以下すべてTIG溶接金属である。) 本発明溶接材料No6、No7は、耐食性、耐割れ性共に優
れているが、C量の多いNo.23、No.24は耐割れ性は優れ
ているが、耐食性は、C量の増加につれて低下してい
る。
実施例3 本発明溶接材料の化学成分の中のSiを除く他の合金元
素をほぼ一定にして、Si含有量のみが異なる溶接材料を
用いて310ULCの母材に溶接し腐食試験とトランスバレス
トレイン試験を実施した。その試験結果を表5に示す。
素をほぼ一定にして、Si含有量のみが異なる溶接材料を
用いて310ULCの母材に溶接し腐食試験とトランスバレス
トレイン試験を実施した。その試験結果を表5に示す。
Si量が増加すると耐食性は若干低下するが、耐割れ性
はほぼ一定である。本発明材料No.6、No.8は、耐食性、
耐割れ性共に非常に優れている。
はほぼ一定である。本発明材料No.6、No.8は、耐食性、
耐割れ性共に非常に優れている。
実施例4 本発明溶接材料の化学成分の中のMnを除く他の合金元
素をほぼ一定にして、Mn含有量のみが異なる溶接材料を
用いて310ULCの母材に溶接し腐食試験とトランスバレス
トレイン試験を実施した。その試験結果を表6に示す。
素をほぼ一定にして、Mn含有量のみが異なる溶接材料を
用いて310ULCの母材に溶接し腐食試験とトランスバレス
トレイン試験を実施した。その試験結果を表6に示す。
Mn量が増加すると耐食性は次第に低下するが、耐割れ
性は3.5%Mn程度で最低となるようである。
性は3.5%Mn程度で最低となるようである。
本発明では、低Mn域においても耐割れ性が優れている
が、これはTaを適量含むためで、これにより低Mn量域
で、耐食性と耐割れ性共に満足するものを得ることがで
きた。
が、これはTaを適量含むためで、これにより低Mn量域
で、耐食性と耐割れ性共に満足するものを得ることがで
きた。
実施例5 本発明溶接材料の化学成分の中のNi量を除く他の合金
元素をほぼ一定にして、Ni量のみが異なる溶接材料を用
いて310ULCの母材に溶接し腐食試験とトランスバレスト
レイン試験を実施した。その結果を表7に示す。
元素をほぼ一定にして、Ni量のみが異なる溶接材料を用
いて310ULCの母材に溶接し腐食試験とトランスバレスト
レイン試験を実施した。その結果を表7に示す。
本発明溶接材料のNi成分範囲内においては、耐食性及
び耐割れ性共に優れていることがわかる。
び耐割れ性共に優れていることがわかる。
実施例6 本発明溶接材料の化学成分の中のCr量を除く他の合金
元素をほぼ一定にして、Cr量のみが異なる溶接材料を用
いて310ULCの母材に溶接し腐食試験とトランスバレスト
レイン試験を実施した。その結果を表8に示す。
元素をほぼ一定にして、Cr量のみが異なる溶接材料を用
いて310ULCの母材に溶接し腐食試験とトランスバレスト
レイン試験を実施した。その結果を表8に示す。
本発明溶接材料のNi成分範囲内においては、耐食性及
び耐割れ性共に優れていることがわかる。
び耐割れ性共に優れていることがわかる。
実施例7 本発明溶接材料の化学成分の中のNを除く他の合金元
素をほぼ一定にして、N量のみが異なる溶接材料を用い
て310ULCの母材に溶接し腐食試験とトランスバレストレ
イン試験を実施した。その結果を表9に示す。
素をほぼ一定にして、N量のみが異なる溶接材料を用い
て310ULCの母材に溶接し腐食試験とトランスバレストレ
イン試験を実施した。その結果を表9に示す。
耐食性は0.2%程度で、また耐割れ性は0.1%程度で最
低になるようである。
低になるようである。
本発明材料は、耐食性、耐割れ性共に優れていること
がわかる。
がわかる。
実施例8 本発明溶接材料の化学成分の中のTaを除く他の合金元
素をほぼ一定にして、Ta量のみが異なる溶接材料を用い
て310ULCの母材に溶接し腐食試験とトランスバレストレ
イン試験を実施した。その結果を表10に示す。
素をほぼ一定にして、Ta量のみが異なる溶接材料を用い
て310ULCの母材に溶接し腐食試験とトランスバレストレ
イン試験を実施した。その結果を表10に示す。
Taを添加すると耐割れ性は著しく向上するが、Ta量が
0.9%を越えると急激な耐割れ性の低下が認められる。
また、耐食性は、Taの添加で向上するが、供試材のTa量
範囲では、耐食性に大きな変化は認められない。
0.9%を越えると急激な耐割れ性の低下が認められる。
また、耐食性は、Taの添加で向上するが、供試材のTa量
範囲では、耐食性に大きな変化は認められない。
このように、Taを添加することで、低Mn域の耐割れ性
を著しく向上でき、かつ耐食性も向上させることができ
た。
を著しく向上でき、かつ耐食性も向上させることができ
た。
表10から本発明溶接材料は、耐食性及び耐高温割れ性
共に優れていることがわかる。
共に優れていることがわかる。
〔発明・考案の効果〕 以上の説明から明らかなように、本発明溶接材料を用
いたTIG、MIG溶接部は酸化力の強い金属イオン、Cr6+が
存在する硝酸溶液に対して十分な耐食性を有すると共
に、耐高温割れ性が優れており、よつて本発明溶接材料
は硝酸プラント等のステンレス材に対する溶接材として
好適である。
いたTIG、MIG溶接部は酸化力の強い金属イオン、Cr6+が
存在する硝酸溶液に対して十分な耐食性を有すると共
に、耐高温割れ性が優れており、よつて本発明溶接材料
は硝酸プラント等のステンレス材に対する溶接材として
好適である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤村 浩史 長崎市飽の浦町1番1号 三菱重工業株 式会社長崎研究所内 (72)発明者 篠原 正朝 長崎市飽の浦町1番1号 三菱重工業株 式会社長崎研究所内 (72)発明者 井村 清 東京都千代田区丸の内2丁目5番1号 三菱重工業株式会社内 (72)発明者 鬼束 義美 厚木市関口115−1 日本ウエルデイン グロツド株式会社技術研究所内 (72)発明者 足立 正博 厚木市関口115−1 日本ウエルデイン グロツド株式会社技術研究所内 (72)発明者 高津 玉男 厚木市関口115−1 日本ウエルデイン グロツド株式会社技術研究所内 (72)発明者 稲見 孝 福岡市南区玉川町12−3 日本ウエルデ イングロツド株式会社福岡営業所内 (56)参考文献 特開 昭59−222563(JP,A) 特開 昭58−154491(JP,A) 特開 昭55−91960(JP,A) 特開 昭62−179892(JP,A)
Claims (1)
- 【請求項1】TIG溶接又はMIG溶接の材料で、化学成分が
重量パーセントでC:0.02%以下、Si:0.1%以下、Mn:5%
以下、P:0.01%以下、S:0.01%以下、Ni:20〜22.5%、C
r:25〜28%、N:0.05〜0.3%、Ta:0.05〜1%の範囲で含
有され、残部がFeからなることを特徴とする耐硝酸用ス
テンレス鋼溶接材料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62081242A JP2538912B2 (ja) | 1987-04-03 | 1987-04-03 | 耐硝酸用ステンレス鋼溶接材料 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62081242A JP2538912B2 (ja) | 1987-04-03 | 1987-04-03 | 耐硝酸用ステンレス鋼溶接材料 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS63248595A JPS63248595A (ja) | 1988-10-14 |
JP2538912B2 true JP2538912B2 (ja) | 1996-10-02 |
Family
ID=13740952
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP62081242A Expired - Lifetime JP2538912B2 (ja) | 1987-04-03 | 1987-04-03 | 耐硝酸用ステンレス鋼溶接材料 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2538912B2 (ja) |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5591960A (en) * | 1978-12-28 | 1980-07-11 | Sumitomo Chem Co Ltd | High silicon-nickel-chromium steel with resistance to concentrated |
JPS58154491A (ja) * | 1982-03-08 | 1983-09-13 | Nippon Stainless Steel Co Ltd | 高Si含有オ−ステナイトステンレス鋼用溶接材料 |
JPS59222563A (ja) * | 1983-06-01 | 1984-12-14 | Sumitomo Metal Ind Ltd | 耐食性に優れたオ−ステナイトステンレス鋼 |
-
1987
- 1987-04-03 JP JP62081242A patent/JP2538912B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS63248595A (ja) | 1988-10-14 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JPWO2005070612A1 (ja) | Ni基高Cr合金溶加材及び被覆アーク溶接用溶接棒 | |
WO2018203513A1 (ja) | アーク溶接方法及び溶接ワイヤ | |
JP5928726B2 (ja) | 被覆アーク溶接棒 | |
JP3329261B2 (ja) | 高温高強度鋼用溶接材料および溶接継手 | |
JP2001219292A (ja) | 溶接材料およびガスメタルアーク溶接方法並びに溶接構造物 | |
JPS62183994A (ja) | ステンレス鋼ガスシ−ルドア−ク溶接用ワイヤ | |
JP2622530B2 (ja) | 高温強度の優れたオーステナイト鋼用溶接材料 | |
JPH044079B2 (ja) | ||
JPH06285683A (ja) | 低水素系被覆アーク溶接棒 | |
JPS5950437B2 (ja) | Cr−Mo系低合金鋼用被覆ア−ク溶接棒 | |
JP2538912B2 (ja) | 耐硝酸用ステンレス鋼溶接材料 | |
JPH03204196A (ja) | 耐濃硫酸腐食性に優れた二相ステンレス鋼溶接用ワイヤ | |
JP3009658B2 (ja) | 高Cr鋼材用溶接材料 | |
JPH0760481A (ja) | 高Cr高Nオーステナイト鋼用溶接材料 | |
JPH0561036B2 (ja) | ||
JP3184657B2 (ja) | 高Crフェライト系耐熱鋼用被覆アーク溶接棒 | |
JPS6048584B2 (ja) | 溶接部のじん性および加工性に優れる極低炭素・窒素フエライト系ステンレス鋼 | |
JPH09225680A (ja) | フェライト系ステンレス鋼溶接ワイヤ | |
JP2000094182A (ja) | マルテンサイト系ステンレス鋼用溶接材料 | |
JP3194207B2 (ja) | 高Crフェライト系耐熱鋼用被覆アーク溶接棒 | |
JP3217567B2 (ja) | 高Crフェライト系耐熱鋼用被覆アーク溶接棒 | |
JPH0796390A (ja) | 9Cr−1Mo鋼溶接用ワイヤ | |
JPS60261690A (ja) | Cr−Mo系低合金鋼用被覆ア−ク溶接棒 | |
JP7466413B2 (ja) | オーステナイト系ステンレス鋼の溶接継手及びオーステナイト系ステンレス鋼の溶接方法 | |
JP2892295B2 (ja) | 耐硝酸腐食性が優れたステンレス鋼の溶接施工法 |