JP2538845B2 - 繊 維 - Google Patents

繊 維

Info

Publication number
JP2538845B2
JP2538845B2 JP7078470A JP7847095A JP2538845B2 JP 2538845 B2 JP2538845 B2 JP 2538845B2 JP 7078470 A JP7078470 A JP 7078470A JP 7847095 A JP7847095 A JP 7847095A JP 2538845 B2 JP2538845 B2 JP 2538845B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
styrene
fiber
polymer
syndiotactic structure
based polymer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP7078470A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0860433A (ja
Inventor
昭和 中野
雅和 鈴木
伸英 石原
正彦 蔵本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Idemitsu Kosan Co Ltd
Original Assignee
Idemitsu Kosan Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Idemitsu Kosan Co Ltd filed Critical Idemitsu Kosan Co Ltd
Priority to JP7078470A priority Critical patent/JP2538845B2/ja
Publication of JPH0860433A publication Critical patent/JPH0860433A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2538845B2 publication Critical patent/JP2538845B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
  • Artificial Filaments (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は主としてシンジオタクチ
ック構造を有するスチレン系重合体を延伸してなる、機
械的強度や耐熱性に優れた繊維に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】スチレ
ン系重合体、特にポリスチレンは、その立体規則性がア
タクチック構造を有するものが一般に用いられている
が、このようなアタクチックポリスチレンは結晶化しな
いため、機械的強度や耐熱性に劣り、また延伸してもそ
の物性の改善は期待できない。さらに、立体規則性がア
イソタクチック構造のポリスチレンも知られており、ま
たこれを延伸した成形品も提案〔高分子化学21,20
6(1964)〕されているが、このアイソタクチック
ポリスチレンは結晶化速度が遅く、しかも結晶構造が螺
旋状であるため、延伸してもその効果の発現が充分なも
のではない。
【0003】本発明者らは、先般、シンジオタクティシ
ティーの高いスチレン系重合体を開発することに成功し
た(特願昭61−101926号明細書)。本発明者ら
は、この新たなシンジオタクチック構造のスチレン系重
合体の物性等についてさらに研究を進めたところ、この
スチレン系重合体を延伸処理すると、得られる繊維の機
械的強度、特に弾性率が飛躍的に向上することを見出し
た。本発明は、かかる知見に基づいて完成したものであ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、主と
してシンジオタクチック構造を有するスチレン系重合体
を延伸してなる繊維を提供するものである。
【0005】本発明の繊維の材料は、主としてシンジオ
タクチック構造を有するスチレン系重合体である。この
スチレン系重合体は、主としてシンジオタクチック構
造、すなわち炭素−炭素結合から形成される主鎖に対し
て側鎖であるフェニル基や置換フェニル基が交互に反対
方向に位置する立体構造を有するものであり、そのタク
ティシティーは同位体元素による核磁気共鳴法(13C−
NMR法)により定量される。
【0006】13C−NMR法により測定されるタクティ
シティーは、連続する複数個の構成単位の存在割合、例
えば2個の場合はダイアッド、3個の場合はトリアッ
ド、5個の場合はペンタッドによって示すことができる
が、本発明に言う主としてシンジオタクチック構造を有
するスチレン系重合体とは、通常はペンタッド(ラセミ
ペンタッド)で85%以上、好ましくは95%以上のシ
ンジオタクティシティーを有するポリスチレン,ポリ
(アルキルスチレン),ポリ(ハロゲン化スチレン),
ポリ(アルコキシスチレン),ポリ(安息香酸エステル
スチレン)及びこれらの混合物、或いはこれらを主成分
とする共重合体を指称する。
【0007】なお、ここでポリ(アルキルスチレン)と
しては、ポリ(メチル)スチレン,ポリ(エチルスチレ
ン),ポリ(イソプロピルスチレン),ポリ(ターシャ
リーブチルスチレン)などがある。また、ポリ(ハロゲ
ン化スチレン)としては、ポリ(クロロスチレン),ポ
リ(ブロモスチレン)などがある。さらに、ポリ(アル
コキシスチレン)としては、ポリ(メトキシスチレ
ン),ポリ(エトキシスチレン)などがある。
【0008】上述の如く、本発明に用いるスチレン系重
合体のラセミペンタッドでのシンジオタクティシティー
は、通常85%以上であるが、多少低い値であっても、
延伸処理の条件を選定すれば、充分な引張弾性率を発現
することができる。しかし、シンジオタクティシティー
があまり低いスチレン系重合体では、延伸処理しても充
分な引張弾性率の向上は期待できない。
【0009】また、本発明に用いるスチレン系重合体と
しては、繊維として用い得るものであれば重量平均分子
量に特に制限はない。また、分子量分布については、広
くても狭くても制約を受けることなく用いることができ
る。
【0010】本発明によれば、上述のスチレン系重合体
を延伸することにより、優れた物性の繊維が得られる。
ここで延伸倍率は特に制約はないが、3倍以上が好まし
い。さらに、紡糸方法としても、溶融紡糸,湿式紡糸,
ゲル紡糸などを挙げることができる。ここで湿式紡糸又
はゲル紡糸を行なう場合には、溶媒としてベンゼン,ト
ルエン,キシレン,エチルベンゼン,シクロヘキサン,
デカリン,N−メチルピロリドン,テトラヒドロフラ
ン,四塩化炭素,クロロホルム,ジクロロメタン,モノ
クロロベンゼン,ジクロロベンゼン,トリクロロベンゼ
ン,トリクレンなどを用いればよい。
【0011】また、このシンジオタクチック構造のスチ
レン系重合体に、アタクチック構造のスチレン系重合
体、アイソタクチック構造のスチレン系重合体、或いは
低分子量のシンジオタクチック構造のスチレン系重合体
を配合したものを用いて延伸処理を行なうこともでき
る。
【0012】
【実施例】次に、本発明を実施例及び比較例によりさら
に詳しく説明する。
【0013】実施例1 (1)スチレン系重合体の製造 反応容器に、溶媒としてトルエン20mlと、触媒成分
としてテトラエトキシチタニウム0.05ミリモル及び
メチルアルミノキサンをアルミニウム原子として5ミリ
モル加え、40℃においてこれにスチレン150mlを
加え、4時間重合反応を行なった。反応終了後、生成物
を塩酸−メタノール混合液で洗浄し、触媒成分を分解除
去した。次いで乾燥し、スチレン系重合体(ポリスチレ
ン)25gを得た。次に、この重合体を、メチルエチル
ケトンを溶媒としてソックスレー抽出し、抽出残分(以
下、MIPという。)95wt%を得た。このものの重
量平均分子量は 1,350,000であり、数平均分子量は 48
0,000 であって、融点は270℃であった。また、13
C−NMRによる分析から、シンジオタクチック構造に
基因する 145.35 ppm に吸収が認められ、そのピーク面
積から算出したラセミペンタッドでのシンジオタクティ
シティーは96%であった。
【0014】(2)繊維の製造 上記(1)で得られたシンジオタクチック構造のスチレ
ン系重合体を、押出機により押出してストランドを得
た。このストランドを130℃に保持されたオイルバス
中において、延伸倍率を3倍として延伸し、緊張下に室
温まで冷却した。このようにして得られた直径1000
μmの繊維の引張弾性率を測定したところ、15GPa
であった。さらに、この繊維を230℃において20分
間アニーリング処理した後、寸法安定性を評価したとこ
ろ、常温から240℃までの温度域においては、寸法変
化は1%以内であった。
【0015】比較例1 実施例1と同様の操作において、口金を細くし、直径1
000μmの未延伸繊維を得た。引張弾性率は3.6G
Paであった。
【0016】比較例2 触媒として、マグネシウムジエトキシド10.0gに四
塩化チタン50mlを反応させ、チタン化合物を担持し
たチタン触媒成分1.0ミリモルと、トリエチルアルミ
ニウム10ミリモルを組み合わせたものを用い、ヘプタ
ン溶媒中、70℃において、スチレン100mlの重合
反応を2時間行ない、重量平均分子量 1,000,000であ
り、数平均分子量 260,000のアイソタクチック構造のス
チレン系重合体(ポリスチレン)48.7gを得た。こ
のスチレン系重合体は、実施例1と同様にメチルエチル
ケトンで抽出した残分は96wt%であった。このアイ
ソタクチック構造のスチレン系重合体について、実施例
1の(2)と同様に延伸した(但し、延伸倍率6倍)。
得られた直径1000μmの繊維について引張弾性率を
測定したところ、4.0GPaであった。
【0017】比較例3 比較例2と同様の操作で口金を細くし、直径1000μ
mの未延伸繊維を得た。この繊維について引張弾性率を
測定したところ、3.2GPaであった。
【0018】実施例2 (1)スチレン系重合体の製造 重合温度を50℃としたほかは、実施例1の(1)と同
様の操作を行ない、スチレン系重合体(ポリスチレン)
28gを得た。このもののMIPは94wt%であっ
た。また、得られたスチレン系重合体(MIP)は、重
量平均分子量 500,000であり、数平均分子量 180,000で
あって、シンジオタクティシティー95%であった。 (2)繊維の製造 上記(1)で得たスチレン系重合体を用いたほかは、実
施例1の(2)と同様の操作を行なった。なお、延伸前
のシートを、その厚みと同じ幅に切断した後、延伸操作
を施し、直径200μmの繊維状の成形品を得た。引張
弾性率は20GPaであった。
【0019】実施例3 (1)スチレン系重合体の製造 反応容器に、溶媒としてトルエン2リットルと、触媒成
分としてシクロペンタジエニルチタントリクロリド1ミ
リモル及びメチルアルミノキサンをアルミニウム原子と
して0.6ミリモル加え、20℃において、これにスチ
レン3.6リットルを加え、1時間重合反応を行なっ
た。反応終了後、生成物を塩酸−メタノール混合液で洗
浄し、触媒成分を分解除去した。次いで乾燥し、スチレ
ン系重合体(ポリスチレン)330gを得た。次に、こ
の重合体を、メチルエチルケトンを溶媒としてソックス
レー抽出し、抽出残分95wt%を得た。このものの重
量平均分子量は 290,000であり、数平均分子量は 158,0
00 であって、融点は270℃であった。また、この重
合体は13C−NMRによる分析から、シンジオタクチッ
ク構造に基因する 145.35 ppmに吸収が認められ、その
ピーク面積から算出したラセミペンタッドでのシンジオ
タクティシティーは96%であった。
【0020】(2)繊維の製造 上記(1)で得られたシンジオタクチック構造のスチレ
ン系重合体を用いて、実施例1の(2)と同様にストラ
ンドを得た。このストランドを延伸倍率5倍に延伸した
こと以外は、実施例1の(2)と同様に行なった。直径
800μmの繊維が得られ、引張弾性率は10GPaで
あった。
【0021】実施例4 実施例3の(1)で得られたシンジオタクチック構造の
スチレン系重合体を用いて、実施例1の(2)と同様に
ストランドを得た。このストランドを100℃に保持さ
れたオイルバス中において延伸倍率を3倍として延伸
し、続いて200℃に保持されたオイルバス中において
延伸倍率1.4倍として延伸した。直径900μmの繊
維が得られ、引張弾性率は9GPaであった。
【0022】実施例5 実施例3の(1)で得られたシンジオタクチック構造の
スチレン系重合体を押出機より押出し、ドラフト比(押
出時の口金の断面積/成形品である繊維の断面積)が2
50となるように巻取りを行ない、直径100μmの繊
維を得た。引張弾性率は10GPaであった。
【0023】
【発明の効果】本発明の繊維は、シンジオタクチック構
造のスチレン系重合体の属性である耐熱性を維持しつ
つ、延伸処理によって機械的強度、特に弾性率が著しく
改善されたものである。従って、本発明の繊維は、ロー
プ,ケーブル,複合強化材をはじめとして、各種用途に
幅広く、かつ有効に利用される。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主としてシンジオタクチック構造を有す
    るスチレン系重合体を延伸してなる繊維。
  2. 【請求項2】 主としてシンジオタクチック構造を有す
    るスチレン系重合体が、同位体元素による核磁気共鳴ス
    ペクトル分析のラセミペンタッドでのシンジオタクティ
    シティー85%以上の立体規則性を有するスチレン系重
    合体である請求項1記載の繊維。
  3. 【請求項3】 延伸倍率3倍以上に延伸してなる請求項
    1記載の繊維。
  4. 【請求項4】 主としてシンジオタクチック構造を有す
    るスチレン系重合体が、同位体元素による核磁気共鳴ス
    ペクトル分析のラセミペンタッドでのシンジオタクティ
    シティー85%以上の立体規則性を有するスチレン系重
    合体であり、かつ、該スチレン系重合体を3倍以上に延
    伸してなる請求項1記載の繊維。
JP7078470A 1995-03-10 1995-03-10 繊 維 Expired - Fee Related JP2538845B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7078470A JP2538845B2 (ja) 1995-03-10 1995-03-10 繊 維

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7078470A JP2538845B2 (ja) 1995-03-10 1995-03-10 繊 維

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP61222092A Division JPH0788430B2 (ja) 1986-09-22 1986-09-22 フィルム又はテープ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0860433A JPH0860433A (ja) 1996-03-05
JP2538845B2 true JP2538845B2 (ja) 1996-10-02

Family

ID=13662913

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7078470A Expired - Fee Related JP2538845B2 (ja) 1995-03-10 1995-03-10 繊 維

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2538845B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0860433A (ja) 1996-03-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPS6377905A (ja) フィルム又はテープ
KR960006161B1 (ko) 스티렌계 중합체 성형품 및 그 제조방법
JPH037685B2 (ja)
JP2505001B2 (ja) シンジオタクチツクポリスチレン系フイルムの製造方法
JPH06104337B2 (ja) スチレン系樹脂延伸フィルム及びその製造方法
CA1326095C (en) Styrene-based resin composition and moldings produced from said composition
FI98222C (fi) Kuitukankaita
JP2748935B2 (ja) シンジオタクチックポリスチレン系フイルム
JP2538845B2 (ja) 繊 維
JP2672589B2 (ja) スチレン系重合体成形品およびその製造方法
EP0342234B1 (en) Styrenic polymer moldings
US5389431A (en) Nonwoven fabric and process for producing same
JPH07112699B2 (ja) 樹脂成形品の製造方法
DE3885417T2 (de) Styrolpolymere und Verfahren zur Herstellung davon.
JP2710324B2 (ja) スチレン系重合体成形品とその製造方法
JPH0628869B2 (ja) 圧延品の製造方法
JP3973248B2 (ja) コンデンサー絶縁フィルム
KR930001482B1 (ko) 입체 규칙성 아크릴로니트릴 중합체 및 그를 함유하는 조성물
JP2707446B2 (ja) スチレン系重合体繊維状成形品
JPH0253909A (ja) 立体規則性ポリスチレンの高強度繊維
JPH0356504A (ja) スチレン系重合体の残留揮発分の除去方法
JP3649257B2 (ja) スチレン系樹脂製シート・フィルムの製造方法
DE69605355T3 (de) Syndiotaktische Styrolterpolymere
JP3734892B2 (ja) スチレン系樹脂製延伸シート
JP2019512615A (ja) メルトブロー工程における断糸可能性を合成樹脂の流変学的物性から予測する方法

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 19960402

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees