JP2538357Y2 - アンカーの引張材 - Google Patents
アンカーの引張材Info
- Publication number
- JP2538357Y2 JP2538357Y2 JP1991022301U JP2230191U JP2538357Y2 JP 2538357 Y2 JP2538357 Y2 JP 2538357Y2 JP 1991022301 U JP1991022301 U JP 1991022301U JP 2230191 U JP2230191 U JP 2230191U JP 2538357 Y2 JP2538357 Y2 JP 2538357Y2
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- filled
- anchor
- tensile
- steel
- hardening material
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
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- Piles And Underground Anchors (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この考案はアンカーの引張材に関
するものであり、特に定着長部での付着切れの生じない
アンカーの引張材に関するものである。
するものであり、特に定着長部での付着切れの生じない
アンカーの引張材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば法面上にコンクリート構造物を固
定するための地山アンカーとして、図5に示すように複
数本の鋼線aを束ねた鋼より線を引張材bとして使用す
るアンカーが使用されている。引張材bの所望長さはア
ンボンドシースcの中に挿通し、この中に防錆グリース
dを充填して自由長部とする。これより先は剥出しにし
て硬化材と付着させる定着長部とするものである。複数
本をシースの中に通して地山に形成した掘削孔内に配
し、この掘削孔内に硬化材を充填して定着長部を定着す
る。引張材の自由長部はアンボンドシースの中で自由に
伸縮移動が可能であり、プレストレス力を与えることを
可能とするものである。
定するための地山アンカーとして、図5に示すように複
数本の鋼線aを束ねた鋼より線を引張材bとして使用す
るアンカーが使用されている。引張材bの所望長さはア
ンボンドシースcの中に挿通し、この中に防錆グリース
dを充填して自由長部とする。これより先は剥出しにし
て硬化材と付着させる定着長部とするものである。複数
本をシースの中に通して地山に形成した掘削孔内に配
し、この掘削孔内に硬化材を充填して定着長部を定着す
る。引張材の自由長部はアンボンドシースの中で自由に
伸縮移動が可能であり、プレストレス力を与えることを
可能とするものである。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】このような引張材bに
は以下のような課題がある。 (ア) 引張材bを掘削孔内に配する前に現場に放置して置
くことがあるが、この間に自由長部が日照よって温めら
れると、アンボンドシースc内のグリースdが溶けて定
着長部側に流れ出してしまうことがあった。このように
グリースdが付いた引張材bを掘削孔に配して硬化材を
充填しても、このグリースdが硬化材と引張材bとの付
着を阻害して、付着切れを生じさせることがあった。グ
リースdの流れ出しが引張材の外表面側に現われていれ
ば、視認して拭き取ることも可能であるが、通常は図5
のZ部に示すように中心の鋼線aとその周囲の鋼線aと
の隙間を伝って流れ出るため、作業者が判らずそのまま
掘削孔内に挿入してしまうことが多くあった。掘削孔内
でグリースが流れ出して鋼線aの硬化材と付着する面に
付着して、硬化材と鋼線aの付着を阻害することもあっ
た。
は以下のような課題がある。 (ア) 引張材bを掘削孔内に配する前に現場に放置して置
くことがあるが、この間に自由長部が日照よって温めら
れると、アンボンドシースc内のグリースdが溶けて定
着長部側に流れ出してしまうことがあった。このように
グリースdが付いた引張材bを掘削孔に配して硬化材を
充填しても、このグリースdが硬化材と引張材bとの付
着を阻害して、付着切れを生じさせることがあった。グ
リースdの流れ出しが引張材の外表面側に現われていれ
ば、視認して拭き取ることも可能であるが、通常は図5
のZ部に示すように中心の鋼線aとその周囲の鋼線aと
の隙間を伝って流れ出るため、作業者が判らずそのまま
掘削孔内に挿入してしまうことが多くあった。掘削孔内
でグリースが流れ出して鋼線aの硬化材と付着する面に
付着して、硬化材と鋼線aの付着を阻害することもあっ
た。
【0004】(イ) 現場に放置して置くと、剥出しになっ
た引張材bの定着長部が錆びることがあり、この錆によ
って引張材が破断してしまうことがあった。 (ウ) 鋼より線を掘削孔内に定着して引っ張ると、この大
きな引っ張り力によって鋼線の間に出来た隙間の方へ絞
られるように、鋼より線全体の太さが収縮変形する。こ
の収縮変形によって鋼線の表面が周囲の硬化材から剥が
れるようにして付着が切れてしまうことがあった。
た引張材bの定着長部が錆びることがあり、この錆によ
って引張材が破断してしまうことがあった。 (ウ) 鋼より線を掘削孔内に定着して引っ張ると、この大
きな引っ張り力によって鋼線の間に出来た隙間の方へ絞
られるように、鋼より線全体の太さが収縮変形する。こ
の収縮変形によって鋼線の表面が周囲の硬化材から剥が
れるようにして付着が切れてしまうことがあった。
【0005】この考案は以上のような課題を解決するた
めになされたもので、引張材と硬化材との付着切れが生
じず、また引張材の破断も生じないアンカーの引張材を
提供することを目的とする。
めになされたもので、引張材と硬化材との付着切れが生
じず、また引張材の破断も生じないアンカーの引張材を
提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】この考案にかかるアンカ
ーの引張材は、引張材である鋼より線を充填硬化材料の
中に浸して、引張材の外周に充填硬化材料を被覆すると
ともに、鋼線の間に出来た隙間にも充填硬化材料を充満
させて、鋼線同士の間にできた隙間も埋めるものであ
る。この充填硬化材料として、ラッカーなどの合成樹脂
系の塗料を使用することができる。またエポキシ樹脂の
ような合成樹脂を使用することも可能である。
ーの引張材は、引張材である鋼より線を充填硬化材料の
中に浸して、引張材の外周に充填硬化材料を被覆すると
ともに、鋼線の間に出来た隙間にも充填硬化材料を充満
させて、鋼線同士の間にできた隙間も埋めるものであ
る。この充填硬化材料として、ラッカーなどの合成樹脂
系の塗料を使用することができる。またエポキシ樹脂の
ような合成樹脂を使用することも可能である。
【0007】
【作用】充填硬化材料によって鋼線同士の間にできた隙
間を埋めたため、鋼線と鋼線との間の隙間にグリースが
入り込んだり、ここを伝って流れ出すことがない。充填
硬化材料が引張材の錆び付きを防止する。充填硬化材料
が鋼線間の隙間を埋め、鋼線が大きく変形することが無
くなり、硬化材との付着切れもなくなる。
間を埋めたため、鋼線と鋼線との間の隙間にグリースが
入り込んだり、ここを伝って流れ出すことがない。充填
硬化材料が引張材の錆び付きを防止する。充填硬化材料
が鋼線間の隙間を埋め、鋼線が大きく変形することが無
くなり、硬化材との付着切れもなくなる。
【0008】
【実施例】以下、図に示す一実施例に基づきこの考案を
詳細に説明する。図4においてAはアンカーであって、
法面上に載置したコンクリート構造物Bを固定するため
に使用されている。アンカーAは図3に示すように複数
本の引張材1によって構成されている。
詳細に説明する。図4においてAはアンカーであって、
法面上に載置したコンクリート構造物Bを固定するため
に使用されている。アンカーAは図3に示すように複数
本の引張材1によって構成されている。
【0009】各引張材1として複数本の鋼線2を束ねて
撚った鋼より線が使用されている。この引張材1の周囲
には充填硬化材料3の被覆が施されている。充填硬化材
料3としては様々なものが考えられるが、ラッカーなど
の合成樹脂系塗料でももよく、またエポキシ樹脂などの
合成樹脂でもよい。引張材1への被覆は、引張材を充填
硬化材料の中に含浸させて被覆する。これによって充填
硬化材料3は鋼線2の外周に充分被覆されるとともに、
隣合う鋼線2間に出来た隙間にも入り込ませて埋めるよ
うにする。すなわち、図1及び図2に示すように、中心
の鋼線2とその周囲の鋼線2によって作られた各隙間
に、充填硬化材料3を充分に埋めて、断面に全く隙間が
生じないようにする。
撚った鋼より線が使用されている。この引張材1の周囲
には充填硬化材料3の被覆が施されている。充填硬化材
料3としては様々なものが考えられるが、ラッカーなど
の合成樹脂系塗料でももよく、またエポキシ樹脂などの
合成樹脂でもよい。引張材1への被覆は、引張材を充填
硬化材料の中に含浸させて被覆する。これによって充填
硬化材料3は鋼線2の外周に充分被覆されるとともに、
隣合う鋼線2間に出来た隙間にも入り込ませて埋めるよ
うにする。すなわち、図1及び図2に示すように、中心
の鋼線2とその周囲の鋼線2によって作られた各隙間
に、充填硬化材料3を充分に埋めて、断面に全く隙間が
生じないようにする。
【0010】引張材1は自由長部と定着長部からなって
おり、引張材1の自由長部はアンボンドシース4の中に
挿通してある。アンボンドシース4にはポリエチレン製
シースが使用されている。このアンボンドシース4の中
には防錆用のグリース5が充填してある。定着長部は充
填硬化材料3を被覆した状態で剥出しのままにしてお
く。
おり、引張材1の自由長部はアンボンドシース4の中に
挿通してある。アンボンドシース4にはポリエチレン製
シースが使用されている。このアンボンドシース4の中
には防錆用のグリース5が充填してある。定着長部は充
填硬化材料3を被覆した状態で剥出しのままにしてお
く。
【0011】このような複数本の引張材1がシース6・
7の中に挿通してある。引張材1の自由長部は合成樹脂
製のストレートシース6の中に通してあり、定着長部は
ステンレス製のワインデイング異形シース7の中に通し
てある。このように構成されたアンカーAが地山に形成
した掘削孔8内に配され、シース6・7の内外にセメン
トグラウト系硬化材9が充填され定着されている。引張
材1にプレストレス力を与えると、自由長部部分はアン
ボンドシース4の中で自由に伸長し、定着長部部分は硬
化材9との付着によって定着を確保する。
7の中に挿通してある。引張材1の自由長部は合成樹脂
製のストレートシース6の中に通してあり、定着長部は
ステンレス製のワインデイング異形シース7の中に通し
てある。このように構成されたアンカーAが地山に形成
した掘削孔8内に配され、シース6・7の内外にセメン
トグラウト系硬化材9が充填され定着されている。引張
材1にプレストレス力を与えると、自由長部部分はアン
ボンドシース4の中で自由に伸長し、定着長部部分は硬
化材9との付着によって定着を確保する。
【0012】
【考案の効果】この考案は以上のような構成を有し、以
下の効果を得ることができる。 鋼より線の各鋼線同士間に出来る隙間にも充填硬化材
料を充填して隙間を埋めたため、グリースが鋼線と鋼線
との間の隙間に入り込むことはない。したがって作業者
の知らぬ間にグリースが定着長部に流れて硬化材との付
着を阻害するなどというようなことが発生しない。 外周に被覆した充填硬化材料によって引張材の錆び付
きを防ぐ。 硬化充填材料が鋼線間の隙間を埋めているため、鋼よ
り線を引っ張ったときに各鋼線が隙間の方へ寄ることが
なく、鋼より線の収縮変形が小さく、付着切れの発生も
小さい。
下の効果を得ることができる。 鋼より線の各鋼線同士間に出来る隙間にも充填硬化材
料を充填して隙間を埋めたため、グリースが鋼線と鋼線
との間の隙間に入り込むことはない。したがって作業者
の知らぬ間にグリースが定着長部に流れて硬化材との付
着を阻害するなどというようなことが発生しない。 外周に被覆した充填硬化材料によって引張材の錆び付
きを防ぐ。 硬化充填材料が鋼線間の隙間を埋めているため、鋼よ
り線を引っ張ったときに各鋼線が隙間の方へ寄ることが
なく、鋼より線の収縮変形が小さく、付着切れの発生も
小さい。
【図1】この考案にかかるアンカーの引張材を示すもの
で、図3のX部拡大断面図である。
で、図3のX部拡大断面図である。
【図2】図3のY部拡大断面図である。
【図3】アンカーの一部断面図である。
【図4】アンカーの使用状態を示す説明図である。
【図5】従来のアンカーの引張材の断面図である。
1 引張材 2 鋼線 3 防錆材 4 アンボンドシース 5 グリース 6 ストレートシース 7 ワインデイング異形シース 8 掘削孔 9 セメントグラウト系硬化材 A アンカー B コンクリート構造物
Claims (1)
- 【請求項1】 地表から所要長さはアンボンドシースの
中に挿通し、そのアンボンドシースの中に防錆グリース
を充填して自由長部とし、それよりも掘削孔底部側は剥
き出しにして掘削孔内に充填した硬化材と付着させて定
着長部とするアンカーの引張材であって、複数本の鋼線
を撚った鋼より線を充填硬化材料の中に浸して鋼より線
の周囲に充填硬化材料を被覆するとともに、各鋼線の間
の空隙にも充填硬化材料を充填して鋼線の間の空隙を埋
めたことを特徴とするアンカーの引張材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1991022301U JP2538357Y2 (ja) | 1991-03-13 | 1991-03-13 | アンカーの引張材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1991022301U JP2538357Y2 (ja) | 1991-03-13 | 1991-03-13 | アンカーの引張材 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04112931U JPH04112931U (ja) | 1992-10-01 |
JP2538357Y2 true JP2538357Y2 (ja) | 1997-06-11 |
Family
ID=31907826
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1991022301U Expired - Lifetime JP2538357Y2 (ja) | 1991-03-13 | 1991-03-13 | アンカーの引張材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2538357Y2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3057625B2 (ja) * | 1993-12-07 | 2000-07-04 | 黒沢建設株式会社 | グラウンドアンカー |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS60110446A (ja) * | 1984-06-16 | 1985-06-15 | 住友電気工業株式会社 | Pc鋼材及びその製造方法 |
JP3079337U (ja) * | 2001-01-31 | 2001-08-17 | 株式会社電力テック | 電気設備格納用屋外鉄箱 |
-
1991
- 1991-03-13 JP JP1991022301U patent/JP2538357Y2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04112931U (ja) | 1992-10-01 |
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