JP2538348B2 - カラ―単板積層品 - Google Patents

カラ―単板積層品

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JP2538348B2 JP1221080A JP22108089A JP2538348B2 JP 2538348 B2 JP2538348 B2 JP 2538348B2 JP 1221080 A JP1221080 A JP 1221080A JP 22108089 A JP22108089 A JP 22108089A JP 2538348 B2 JP2538348 B2 JP 2538348B2
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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、極薄または薄化粧単板を利用した新規なカ
ラー単板積層品に関する。この積層品は、箪笥、食器棚
などの家具調度品の表面化粧材を始め、事務用机などの
の表面材、建築物の内装材、並びに船舶等の内面材など
に適用することができる。
(従来の技術) 近年、単板切削技術の向上により、いわゆる薄き単
板よりもさらに薄い厚さ0.04〜0.18mmの極薄化粧単板を
天然銘木より安定した品質で切り出すことが可能となっ
た。
この極薄化粧単板は、銘木の単位量あたり高い歩留ま
りで生産できる点で経済的に有利であることから、従来
の単板の用途もさることながら、それを利用した新たな
製品の開発が必要とされていた。
一方、最近では、消費者の嗜向の変化により、単板を
用いた製品ではあるが天然銘木の色合いとは全く異なる
色合い、例えば黄色系、青色系、灰色系などの色合いを
有する着色化商品についての需要が特に増大している。
かかる商品における従来の着色化方法には、製作した
単板製品の単板表面に、着色剤を直接塗布するかまたは
これを含む塗料を吹き付け塗装する方法(以下、方法A
という)、また単板それ自体を、予め漂白剤によりいく
らか脱色した後、繊維の染色方法と類似の手法に従い、
染色性樹脂溶液の中に浸漬して着色する方法(以下、方
法Bという。)、さらに過マンガン酸カリウム、重クロ
ム酸カリウム、硫酸鉄、木酢酸鉄などの水溶液を塗布ま
たは浸漬により単板に接触させて、木材の成分(主にタ
ンニン)と化学変化を起させ着色する薬品着色方法(以
下、方法Cという。)があった。
方法Aは、家具、キャビネット等の分野で最も普通に
行なわれている方法である。また、方法BおよびCは、
同じ分野において場合や条件によって利用されている方
法である。
また、従来より、着色剤は単板を用いた積層製品によ
く利用されてきたが、その第一の目的は、単板の下側の
材料を隠蔽し該材料の色合いが単板等を通して製品の表
面に映し出されるのを防止することにあった。例えば、
特開昭62−99105号公報や特開昭63−92403号公報等は、
かかる隠蔽の方法等に関連した技術を示すものである。
また、製品の割れ、破損やあるいは接着剤のしみ出し
を防止することを目的として、単板や基材などの表面の
割れ目や細孔を同色系の着色剤で埋めるという手段もよ
く採られていた。例えば、特開昭60−154060号公報や特
開昭60−154060号公報等は、かかる目的の下での着色剤
の適用技術を記載するものである。
さらに、春材部と夏材部の間の木目立ちの明瞭化とい
う特殊な目的で以て、着色剤を接着剤中または単板に含
有させる樹脂の中に混合する着色木材の製法技術(以
下、技術Dという。)も、すでに知られている(特開昭
60−174603号公報、特開昭60−176715号公報、特開昭63
−102902号公報 参照)。
技術Dは、着色剤の特殊な利用の仕方であり、家具等
の分野のうちごく限られた用途や範囲にのみ利用されて
いるにすぎない。
(発明が解決しようとする課題) しかし、上記の方法Aは、着色剤の層を単板上に形成
しそれで以て単板表面を被覆する方法であるので、天然
木材が本来具える木理の意匠をある程度隠蔽し、その鮮
明さや秀逸さが半減し、場合によっては殆ど失われてし
まうという重大な欠点があった。
これに対し、方法Bおよび方法Cは、最終的には、通
常透明な塗膜を単板表面に形成するので、方法Aの場合
程悪くなく、単板の木理意匠が製品表面に映し出され
る。
とは言っても、着色剤の含浸により単板の微細な木理
がかなり消滅するので、映し出される木理意匠は、充分
満足できる程に鮮明かつ秀逸なものでは無かった。
その上、単板内部への着色剤の充分な含浸を達成する
のに必要な浸漬時間は一般に数時間ないし数十時間と極
めて長く、方法Bおよび方法Cは、処理に長時間を要し
生産性が低いという欠点があった。この欠点は、上記技
術Dについても当てはまる。
また、方法Bは、処理中に単板の破損が大変起きやす
く、単板の取扱いにとりわけ注意を要するという不便さ
もあった。仮に極薄化粧単板を同方法に適用したなら
ば、その破損事故の発生はますます多くなるであろう。
さらに、上記の技術Dにおいては、含有着色剤が単板
の内部より表面ににじみ出でくる場合があり、その場合
にじみ出た部分とにじみ出ない部分の濃淡の差は極めて
大きいことから、その後に行なう単板表面の着色は必然
的に濃い色合いでせざるを得ないという問題があった。
本発明は、上述の事情を考慮してなされたもので、そ
の目的とするところは、最近開発された極薄化粧単板ま
たは薄化粧単板を利用した着色化製品であって、例えば
木材色調とは異なる色合いと単板の木理模様とが重なり
映し出され、しかも単板の微細な木理が忠実に顕現する
カラー単板積層品を提供することにある。
(課題を解決するための手段) 本発明は、一定範囲の透明度を有する極薄または薄化
粧単板を透明な接着剤等とともに採用し、極薄または薄
化粧単板の色調とその下側に位置する着色材(着色紙、
着色不織布または樹脂フィルム)の色合いとの混色(減
法混色)の作用により、普通の木材色調とは異なる色合
いと単板の木理模様とが重なり合って映し出され、か
つ、単板の微細な木理についてはそのまま忠実に現出さ
れるようにしたものである。
明確には、本発明は、着色紙、着色不織布または着色
樹脂フィルムを基材の上に、隠蔽剤が配合されたスチレ
ンブタジエンゴム系熱硬化性接着剤を介して接着し、そ
してその上に、次式(1) t=100−d(%) (1) [式中、dは、JIS P−8138に定める試験に従い、緑
色フィルターを用いて測定された反射率の値より決定さ
れる不透明度(%)を表わす。]より算出された透明度
tが10ないし70%である極薄または薄化粧単板を、スチ
レンブタジエンゴム系熱硬化性透明接着剤を介して貼着
し、さらに該極薄または薄化粧単板の表面をポリウレタ
ン系樹脂透明塗料により被覆してなることを特徴とする
カラー単板積層品に関する。
すなわち、本発明に係るカラー単板積層品は、上から
下へ、ポリウレタン系樹脂透明塗料層、10〜70%の
透明度tを有する極薄または薄化粧単板、スチレンブ
タジエンゴム系熱硬化性透明接着剤、例えば赤色系、
青色系もしくは黄色系などの着色紙、着色不織布または
着色樹脂フィルム、隠蔽剤配合のスチレンブタジエン
ゴム系熱硬化性接着剤、および基材の順で積層一体化
された積層体製品である。
本発明者は、極薄または薄化粧単板を用いた新規な積
層製品を開発するべく鋭意研究を重ね、その研究の過程
の中で、極薄または薄化粧単板とその下側の着色材によ
り生じる混色作用を十分満足に発揮せしめるためには、
まず、(i)緑色ないし黄緑色の光に対して一定の範囲
の透明度を有する化粧単板を着色材の上に透明な接着剤
を介して重ね合わせるべきであることを見出し、そして
さらに、(ii)化粧単板と着色材を透明な接着剤で貼着
するだけでは不十分であり、化粧単板の表面をも透明な
塗料で被覆すること、(iii)接着剤が化粧単板および
着色材の内部を通過してその上側の表面にまで浸出する
現象(所謂しみ出し)の発生を抑えること、および、
(iv)着色材の表面より見て、基材の色および模様がま
ったく映し出されないようにすること等の点に、とりわ
け考慮すべきであることを見出した。
本発明は、かかる知見に基づいて、化粧単板として、
主として波長500nm〜600nm(特に550nm付近)の光を透
過する率(正確には上記に定義される透明度t)が10な
いし70%であるところの極薄または薄化粧単板を採用し
たのである。
この範囲の透明度を有する極薄または薄化粧単板を透
明な接着剤とともに使用すると、該化粧単板とその下側
の着色材との混色作用により、木材色調とは異なる色合
いと単板の木理模様とが重なり合って映し出され、か
つ、単板の微細な木理が忠実に現出される。一方、上記
の範囲外の透明度を有する極薄または薄化粧単板を透明
な接着剤とともに使用しないと、下地の着色材の色合い
が透明接着剤および化粧単板を透かし通って、製品の表
面に映し出されてこない。
そして、本発明者は、上記の知見に基づいてさらに研
究を進めたところ、表面の透明塗料層としては、ポリウ
レタン系樹脂透明塗料が大変好適であり、また、化粧単
板および着色材へのしみ出しを抑止する接着剤として
は、スチレンブタジエンゴム系熱硬化性(透明)接着剤
が最適であり、さらに、基材の色の影響を無くすには、
着色材と基材との間の接着剤に隠蔽剤を配合するのが有
効であることを確認した。
表面層として、ポリウレタン系樹脂透明塗料を設ける
と、化粧単板の木理模様と下地の着色材の色合いとがと
もに十分に写し出され、両者の混色作用が満足に発揮さ
れるが、ポリウレタン系樹脂透明塗料の表面層を設けな
いと、化粧単板の木理模様と下地の着色材の色合いとが
不十分にしか写し出されず、混色効果がほぼ半滅する。
化粧単板と着色材の間の接着剤として、スチレンブタ
ジエンゴム系硬化性透明接着剤を使用すると、接着剤が
化粧単板の内部を通ってその上側の表面に浸出すること
がなく、しみ出し現象の発生が抑えられるので、カラー
単板積層品の意匠的価値つまり商品価値の減少をひきお
こさない。一方、他の透明接着剤を使用したときには、
接着剤が化粧単板の上面に浸出して、しみ出しが起きる
場合がある。
同様に、着色材と基材の間の接着剤として、スチレン
ブタジエンゴム系熱硬化性接着剤を使用すると、同接着
剤は着色紙、着色不織布または着色樹脂フィルム中に含
まれる着色剤との相容性が悪いため、それが接着剤中に
溶存することがなく、かつ、接着剤それ自体が着色材の
内部を通ってその上側の表面に浸出せず、しみ出し現象
の発生が抑えられ、従って、カラー単板積層品の意匠的
価値、つまり商品価値の減少を招かない。一方、他の種
類の接着剤を使用したときには、着色材に含まれる着色
剤が接着剤中に溶存して着色材の色合いが変化(悪化)
する場合や、接着剤が化粧単板の上面に浸出して所謂し
み出し斑点が形成される場合が起きうる。
さらに、隠蔽剤(例えばチタンホワイト)を着色材と
基材との間のスチレンブタジエンゴム系熱硬化性接着剤
に配合すると、基材の色の影響を無くし、着色材それ自
体の色合いを十分に反映させることができる。一方、隠
蔽剤を配合せず、透明なスチレンブタジエンゴム系熱硬
化性接着剤を着色材と基材の間に適用すると、着色材の
表面より見て、基材の模様がいくらか認められ、また着
色材の色合いがくすんだものとなり、最終的に、基材の
色合いおよび模様がカラー単板積層品の表面に写し出さ
れ、その商品価値が著しく低下する。
要するに、本発明に係るカラー単板積層品は、ポリウ
レタン系樹脂透明塗料層/10ないし70%の透明度tを有
する極薄または薄化粧単板/スチレンブタジエンゴム系
熱硬化性透明接着剤層/着色紙、着色不織布または着色
樹脂フィルム/隠蔽剤配合のスチレンブタジエンゴム系
熱硬化性接着剤層/基材という積層構成をとることによ
り、普通の木材色調とは全くかけ離れた色合いを有する
が、天然木本来の木理模様が忠実に製品表面に映し出さ
れ、その鮮明さや秀逸さが何ら失われていないところの
着色積層品に仕上げられたものである。
本発明に用いる極薄または薄化粧単板は、厚さ0.05な
いし0.25mmの単板、好ましくは0.10ないし0.18mmの極薄
単板のうち、透明性の高い主に淡色系単板であって、次
式(1) t=100−d(%) (1) [式中、dは、日本工業規格紙の不透明度試験方法JIS
P−8138に従う試験により測定された不透明度(%)を
表わす。]より算出された透明度tが10ないし70%であ
ることが必要とされる。
透明度tがこの範囲にあると、その透明さにより下地
の着色紙、着色不織布または着色樹脂フィルムの色合い
が鮮明に表面側に透かし出され、かつ下地の色合いが単
板の木理模様の現出を何ら妨げない。
これに対し、透明度tが10%未満であると、単板の不
透明さにより下地の着色紙等の色合いが明瞭に透かし見
えず、一方透明度tが70%を越えると、透明さが高過ぎ
て、却って単板の微細な木理が下地の紙等の強い色合い
により消され、単板木理が製品表面に不明瞭に映し出さ
れる。またtが70%を越えると、大変極薄となるので、
切削後の取扱い、積層化プロセスでの取扱いが困難にな
る。
極薄または薄化粧単板の樹種としては、例えばシルバ
ーハート、メープル、トチノキ、カバ、クス、ブナ、マ
ツ、ツガなどが挙げられるが、これに限定されない。好
ましいものは、トチノキ、メープル、クス等である。
極薄または薄化粧単板は、所望の厚さに切削加工した
板を直接積層接着に用いることも可能であるが、通常
(特に極薄化粧単板の場合)は、積層接着の後、例えば
#240の粗いサンドペーパーを用いて研摩処理を行な
い、例えば0.25mm厚の単板から0.15mm厚の単板へのよう
に、所望の厚さにまで薄く加工し、そして次工程の透明
塗装に供される。その際、補色の意味で適当な着色剤を
単板表面に塗工してもよい。また、単板は、予め漂白処
理を行なったものや樹脂を含浸させたものを使用しても
よい。
また、着色紙、着色不織布および着色樹脂フィルム
は、色合いについて何ら限定されるものでなく、所望の
色合いに付された材料、特に最近流行している木材色と
全く異なった色の材料例えば濃い灰色や青色の材料を利
用すればよい。また、これら着色材は、二色以上の色分
け模様となっていてもよく、さらに図柄や絵柄などが形
成されていてもよい。なお、これら紙、不織布または樹
脂フィルムに対する着色は、色むら防止のため、均一で
あることが必要とされる。
基材は、特に制限されず、板材例えばベニヤ合板で
も、シート例えば白色コート紙でもよい。
(実施例) 以下、本発明の実施例を図面により説明する。
実施例1 第1図に示す本実施例のカラー単板積層品は、樹種メ
ープル、厚さ0.13mmで上記式(1)に従う透明度tが2
7.2%である極薄化粧単板1を用いた製品で、上方よ
り、ポリウレタン系塗料の透明塗料層6、該極薄化粧単
板1、SBR系熱硬化性接着剤(非着色)の透明接着剤層
5、藍色の着色紙4、SBR系熱硬化性接着剤(着色)の
接着剤層3、そしてラワン合板の基材2を積層圧着して
成り、次のないしの工程を経て製作した。
まず、藍色の着色剤で坪量40g/m2の白色薄葉紙を着色
して、着色紙4を作る。
隠蔽剤(チタンホワイト)入りSBR系熱硬化性接着剤
(着色)を基材2に塗布し、次いで着色紙4をその上に
重ね合せ、6kg/cm2×110℃×90秒の条件で熱圧締した。
次に、スプレッダー(NRC)を用いてSBR系熱硬化性接
着剤(非着色)を着色紙4の上に塗布し、続いてリバー
スロールコーター(RRC)で該接着剤層5を均一に掻き
ならした。
そして、極薄化粧単板1を接着剤層5の上に重ね、続
いて6kg/cm2×110℃×90秒の条件で熱圧締した。
その後、サンドペーパー#800でもって単板1の表面
を研摩した。
最後に、ポリウレタン系塗料を単板1の表面に塗装し
て、塗料層6を形成した。
この実施例の積層品は、メープルの木目と下地の藍色
とがともに明瞭に映し出され、それらが重なり合った特
異な意匠となった。
他の実施例および試験例 単板1に代えて、樹種、厚さの異なる種々の極薄化粧
単板を用い、日本工業規格JIS P−8138に従う試験によ
り不透明度dを測定して、各単板の透明度t(=100−
d)を算出した後、実施例1に記載した手順に従い、以
下の実施例および比較例のカラー単板積層品を製作し
た。
上記の試験は、温度20±1℃、湿度65±2%の条件の
下、試料に白色および黒色標準板の裏当てをし、緑色フ
ィルターを用いてそれぞれの反射率を測定することによ
り行ない、前者に対する後者の比をもって不透明度d
(%)と決定した。
この結果および得られた積層品の外観評価を次の表1
に要約して示す。
なお、この表において、◎は最良の外観、○は良好な
外観、そしてXは不良の外観を示す。
この表よりわかるように、実施例のように透明度tが
10〜70%である極薄または薄化粧単板を使用した場合、
優れた意匠的効果が得られた。
他の試験例 −試験例A(透明塗料表面層の有無の比較)− 次の材料を使用して、以下のプロセスに従い、透明塗
料表面層を有する実施例8のカラー単板積層品と透明塗
料表面層を有しない比較例3のカラー単板積層品とを製
造し、そして、これら二種の単板積層品を対比して評価
した。
(1)材料 (a)塗料表面層: 実施例8にあっては、ポリウレタン系樹脂透明塗料
層、 比較例3にあっては、表面塗装無し。
(b)化粧単板:樹脂メープル、厚さ0.13mm、透明度t
=27.2%。
(c)単板と着色紙との間の接着剤A層:SBR系熱硬化性
透明接着剤の層。
(d)着色紙:桃色の着色剤で坪量40g/m2の密目の白色
薄葉紙を桃色に着色したもの。
(e)着色紙と基材との間の接着剤B層:隠蔽剤(チタ
ンホワイト)が配合されたSBR系熱硬化性接着剤の層。
(f)基材:合板。
(2)製造プロセス i)接着剤Bを基材の上に塗布し、次いで着色紙を接着
剤B層の上に重ね合わせ、6kg/cm2×110℃×90秒の条件
で熱圧締する。
ii)次に、リバースロールコーターを用いて接着剤Aを
着色紙の上に塗布し、均一に掻きならした接着剤A層を
設け、次いで、化粧単板を接着剤A層の上に重ね合わ
せ、続いて、6kg/cm2×110℃×90秒の条件で熱圧締す
る。
iii)その後、サンドペーパー#800を用いて、化粧単板
の表面を研摩する。
iv)実施例8にあっては、ポリウレタン系樹脂透明塗料
を研摩された単板表面に塗装して、塗料表面層を形成す
る。
(3)評価 実施例8のカラー単板積層品は、メープル単板の木理
模様と下地(着色紙)の桃色色調とがともに十分に写し
出され、両者の混色作用が満足に発揮された。
これに対して、ポリウレタン系樹脂透明塗料の表面層
を設けない比較例3の積層品は、メープル単板の木理模
様と下地(着色紙)の桃色色調とがともに不十分に写し
出され、混色効果が半減した。
−試験例B(着色材と基材の間の接着剤層について隠蔽
剤配合の有無の比較)− 次の材料を使用して、以下のプロセスに従い、着色材
と基材の間に隠蔽剤が配合されていない透明接着剤層を
有する比較例4の単板積層品を製造し、そして、この単
板積層品と上記の実施例8のカラー単板積層品とを対比
して評価した。実施例8のカラー単板積層品は、隠蔽剤
(チタンホワイト)が配合されたSBR系熱硬化性接着剤
層を着色材と基材の間に有する製品である。
(1)材料 (a)塗料表面層:ポリウレタン系樹脂透明塗料の表面
層。
(b)化粧単板:樹種メープル、厚さ0.13mm、透明度t
=27.2%。
(c)単板と着色紙との間の接着剤A層:SBR系熱硬化性
透明接着剤の層 (d)着色紙:桃色の着色剤で坪量40g/m2の密目の白色
薄葉紙を桃色に着色したもの。
(e)着色紙と基材との間の接着剤B層:SBR系熱硬化性
透明接着剤の層。
(f)基材:合板。
(2)製造プロセス i)接着剤Bを基材の上に塗布し、次いで着色紙を接着
剤B層の上に重ね合わせ、6kg/cm2×110℃×90秒の条件
で熱圧締する。
ii)次に、リバースロールコーターを用いて接着剤Aを
着色紙の上に塗布し、均一に掻きならした接着剤A層を
設け、次いで、化粧単板を接着剤A層の上に重ね合わ
せ、続いて、6kg/cm2×110℃×90秒の条件で熱圧締す
る。
iii)その後、サンドペーパー#800を用いて、化粧単板
の表面を研摩する。
iv)最後に、ポリウレタン系樹脂透明塗料を研摩された
単板表面に塗装して、塗料表面層を形成する。
(3)評価 実施例8のカラー単板積層品は、基材の色および模様
の影響を何ら受けず、下地(着色紙)の桃色色調がメー
プル単板の木理模様とともに十分に写し出され、満足な
混色効果が得られた。
これに対して、隠蔽剤を配合せず、透明なSBR系熱硬
化性透明接着剤を着色材と基材の間に適用した比較例4
の積層品は、表面より見て、基材の色合い(合板の黄褐
色)が多少映し出され、また着色紙の色調がくすんだ桃
色の色調に変わる。さらに、基材(合板)表面における
黒褐色の節部が、積層品の表面からも、黒い陰部分とな
って視認される。このように、比較例4の積層品は、基
材の色および模様の影響を受けたものとなり、従って商
品価値が大変低いものになる。
−試験例C(化粧単板と着色材との間の接着剤層の種類
の比較)− 次の材料を使用して、以下のプロセスに従い、化粧単
板と着色材との間に酢酸ビニル透明接着剤層を有する比
較例5の単板積層品と、化粧単板と着色材との間にSBR
系熱硬化性透明接着剤層を有する実施例9のカラー単板
積層品とを、下記の2種類の着色材についてそれぞれ、
製造し、そしてこれらを対比して評価した。
(1)材料 (a)塗料表面層:ポリウレタン系樹脂透明塗料の表面
層。
(b)化粧単板:樹種メープル、厚さ0.13mm、透明度t
=27.2%。
(c)単板と着色紙との間の接着剤A層: 比較例5にあっては、酢酸ビニル透明接着剤の層、 実施例9にあっては、SBR系熱硬化性透明接着剤層。
(d)着色紙:2種類、着色紙Aおよび着色紙B 着色紙A:藍色の着色剤で坪量40g/m2の白色薄葉紙を藍色
に着色したもの 着色紙B:黄白色の着色剤で坪量40g/m2の白色薄葉紙を黄
白色に着色したもの (e)着色紙と基材との間の接着剤B層:隠蔽剤(チタ
ンホワイト)が配合されたSBR系熱硬化性接着剤の層。
(f)基材:合板。
(2)製造プロセス i)接着剤Bを基材の上に塗布し、次いで、着色紙A
(もしくは着色紙B)を接着剤B層の上に重ね合わせ、
6kg/cm2×110℃×90秒の条件で熱圧締する。
ii)次に、リバースロールコーターを用いて接着剤Aを
着色紙A(もしくは着色紙B)の上に塗布し、均一に掻
きならした接着剤A層を設け、次いで、化粧単板を接着
剤A層の上に重ね合わせ、続いて、6kg/cm2×110℃×90
秒の条件で熱圧締する。
iii)その後、サンドペーパー#800を用いて、化粧単板
の表面を研摩する。
iv)最後に、ポリウレタン系樹脂透明塗料を研摩された
単板表面に塗装して、塗料表面層を形成する。
(3)評価 −実施例9のカラー単板積層品について− (a)藍色の着色紙A使用のとき、化粧単板の表面への
SBR系熱硬化性透明接着剤のしみ出しは全く認められな
かった。単板積層品の仕上がり具合は良好であり、下地
(着色紙)の藍色の色調が積層品の表面に十分に写し出
され、その藍色色調とメープル単板の木理色調とが重な
り合って満足な混色作用が発揮され、かつ、メープル単
板の微細な木理が忠実に現出されたものになる。
(b)黄白色の着色紙B使用のとき、化粧単板の表面へ
のSBR系熱硬化性透明接着剤のしみ出しは全く認められ
なかった。単板積層品の仕上がり具合は良好であり、下
地(着色紙)の黄白色の色調が積層品の表面に十分に写
し出され、その黄白色色調とメープル単板の木理色調と
が重なり合い、その混色によりメープル本来の色調に近
い色調が得られ、かつ、メープル単板の微細な木理が忠
実に現出されたものになる。
−比較例5のカラー単板積層品について (a)藍色の着色紙A使用のとき、化粧単板の表面への
酢酸ビニル透明接着剤のしみ出しは、表面層の塗料を塗
装する前の段階ですでに相当認められ、塗装後において
も、酢酸ビニル透明接着剤接着剤がしみ出した部分は、
藍色の斑点状となって化粧単板の表面に残った。斑点状
の藍色部分は顕著に目立ち、単板積層品の意匠的価値
(商品価値)は大変悪いものになる。
(b)黄白色の着色紙B使用のとき、化粧単板の表面へ
の酢酸ビニル透明接着剤のしみ出しは、表面層の塗料を
塗装する前の段階でいくらか認められたが、表面塗料の
塗装の後においては、しみ出し(特に、斑点状の痕跡)
は外見上殆ど認められなくなった。このため、単板積層
品は一応良好な仕上がり具合を有するものとなったが、
積層品の内部においては、接着剤のしみ出しがそのまま
残存しているものと思われる。
接着剤が化粧単板の表面にまでしみ出した部分は透明
性が周囲よりも大変高い個所になるので、その個所は相
対的により濃色な、所謂ねれ色の痕跡(斑点等)となっ
て積層品の表面に写し出される。この結果、しみ出しが
生じると、単板積層品の表面は色むらがある表面とな
り、意匠上重大な問題を生じる。このため、化粧単板の
表面への接着剤のしみ出しは絶対に避けるべきである。
そこで、本発明では、しみ出しを生じにくい種類のうち
最適な接着剤として、SBR系熱硬化性透明接着剤を採用
したのである。
−試験例D(2つの接着剤層の種類の比較)− 次の材料を使用して、以下のプロセスに従い、着色材
と基材の間に尿素系接着剤を適用する比較例6および比
較例7の単板積層品を製造し、そして、これらの単板積
層品と上記の実施例8のカラー単板積層品とを対比して
評価した。比較例6の単板積層品は化粧単板と着色材の
間に接着剤を適用しない製品であり、比較例7の単板積
層品は化粧単板と着色材の間にSBR系熱硬化性透明接着
剤を適用した製品である。
(1)材料 (a)塗料表面層:ポリウレタン系樹脂透明塗料の表面
層 (b)化粧単板:樹種メープル、厚さ0.13mm、透明度t
=27.2% (c)単板と着色紙との間の接着剤A層: 比較例6にあっては、接着剤層無し、 比較例7にあっては、SBR系熱硬化性透明接着剤の
層。
(d)着色紙:藍色の着色剤で以て、坪量40g/m2の粗目
の白色薄葉紙を藍色に着色したもの (e)着色紙と基材との間の接着剤B層:比較例6、7
とも、尿素系接着剤の層。
(f)基材:合板 (2)製造プロセス −比較例6の単板積層品について− i)接着剤Bを基材の上に塗布し、次いで、着色紙を接
着剤B層の上に重ね、さらに化粧単板を着色紙の上に重
ね合わせ、続いて、6kg/cm2×110℃×90秒の条件で熱圧
締する。
ii)次に、サンドペーパー#800を用いて、化粧単板の
表面を研摩する。
iii)その後、ポリウレタン系樹脂透明塗料を研摩され
た単板表面に塗装して、塗料表面層を形成する。
−比較例7の単板積層品について− i)接着剤Bを基材の上に塗布し、次いで着色紙を接着
剤B層の上に重ね合わせ、6kg/cm2×110℃×90秒の条件
で熱圧締する。
ii)次いで、化粧単板を着色紙の上に重ね合わせ、続い
て、6kg/cm2×110℃×90秒の条件で熱圧締する。
iii)その後、サンドペーパー#800を用いて、化粧単板
の表面を研摩する。
iv)最後に、ポリウレタン系樹脂透明塗料を研摩された
単板表面に塗装して、塗料表面層を形成する。
(3)評価 比較例6の積層品も、また比較例7の積層品も、尿素
系接着剤が着色紙の内部に浸透しさらにその上側の表面
にまでしみ出す現象が顕著に認められた。接着剤がしみ
出した個所は、積層品の表面より見て、周囲の色に比し
てより濃い藍色の斑点部分として容易に認めることがで
き、よって、細かい斑点状の色むらが生じた積層品表面
になる。従って、これら比較例の単板積層品は、不規則
な、まだら模様の表面を有する製品となり、意匠的価値
(商品価値)として大変劣るものになる。
これに対して、実施例8のカラー単板積層品にあって
は、接着剤のしみ出しが生じず、斑点状の色むらは全く
認められなかった。混色作用により下地の藍色の色調と
メープル単板の木理模様とが重なり合った満足な色調が
得られ、かつ、メープル単板の微細な木理が忠実に現出
されたものになる。
(発明の効果) 以上説明したように、本発明にかかるカラー単板積層
品は、極薄または薄化粧単板のうち一定範囲の透明度を
有するものを、基材上に貼られた着色材に、透明接着剤
を介して貼着し、さらに透明塗料層により単板表面を被
覆した積層構成としたことにより、着色材の色合いと単
板の木理模様とが明瞭に重なり映し出され、しかも単板
の微細な木理が忠実に顕現したものになるという効果が
得られる。
特に、下地の着色材として、例えば灰色系、赤色系、
だいだい色系、黄色系あるいは青色系などの色合いの着
色紙または着色不織布を採用することにより、木材色調
とは全くかけ離れた色合いの着色製品ではあるが、天然
木本来の木理は忠実に製品表面に映し出されその模様の
秀逸さ、鮮明さが全然失われていない新規商品となり、
最近の消費者の嗜向にまさに充分合致した商品を提供で
きる。
その上、本発明の積層品は、従来製品に見られたよう
な、表面への着色剤のしみ出しによる色むら、光沢むら
なども生じない。また、基材として合板を使用した場
合、単板と合板の間の着色材が緩衝材として働き、本来
経時的に割れやすい極薄化粧単板のクラックや破損もい
たって発生し難いという効果も得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施例のカラー単板積層品を示す拡大
断面図である(倍率およそ25倍)。 図中、 1……極薄化粧単板、4……着色紙 2……基材、5……透明接着剤層 3……接着剤層、6……透明塗料層

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】着色紙、着色不織布または着色樹脂フィル
    ムを基材の上に、隠蔽剤が配合されたスチレンブタジエ
    ンゴム系熱硬化性接着剤を介して接着し、そしてその上
    に、次式(1)より算出された透明度tが10ないし70%
    である極薄または薄化粧単板を、スチレンブタジエンゴ
    ム系熱硬化性透明接着剤を介して貼着し、さらに該極薄
    または薄化粧単板の表面をポリウレタン系樹脂透明塗料
    により被覆してなることを特徴とするカラー単板積層
    品。 t=100−d(%) (1) [式中、dは、JIS P−8138に定める試験に従い、緑
    色フィルターを用いて測定された反射率の値より決定さ
    れる不透明度(%)を表わす。]
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