JP2538274B2 - 石抜機付脱▲ふ▼風選装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （イ）産業上の利用分野 本発明は、籾を脱しその摺落物を風選する装置であ
って、その穀粒中に混在する小石・金属片などの異物を
除去する石抜機を備えるところの脱風選装置に関する
ものである。

（ロ）従来の技術 従来、上記のような脱風選装置に類するものにおい
ては、実開昭50−35770号公報に開示されるが如き技術
構成のものに石抜機が配設されているのである。

すなわち、穀粒を先ず選別したのちに石抜機でもって
穀粒中に混在する異物を除去するようにしている。

このような従来の技術構成にして後行程に石抜機を配
設すると、本発明のような脱風選装置では籾中に混在
する異物が籾と共に脱部に供給されて摺落され風選さ
れたのちに石抜機によって異物が除去されるようにな
り、それがため、脱部におけるゴムロールは異物によ
って損傷を受けて寿命を短くし、且つ異物の除去作用に
おいては脱風選後の玄米と異物の比重差は脱前の異
物との比重差よりも小になり石抜機による除去作用が低
下する等の問題点を有しているのである。

（ハ）発明が解決しようとする課題 上記のように従来の技術構成による石抜機の配置にす
ると脱部におけるゴムロールの損傷は免れずその寿命
を短くし、且つ石抜機による異物の除去作用が低下する
等の問題点を有しているから、本発明にあっては、これ
らの問題点を解決して耐久性を有し高性能のものにしな
がら、装置全体を纒まったものにしてコンパクト化した
石抜機付脱風選装置を提供せんとして発明するに至っ
たものである。

（ニ）課題を解決するための手段 そこで、本発明は前項に記載の石抜機付脱風選装置
を提供するために、脱部の前行程に、多孔選別板の下
側にファンを内蔵する圧風ファンを用いた比重選別式石
抜機を、脱部と風選部を上下に配設してなる脱風選
装置の風選部上に位置させ脱部に隣設させて一体的に
構成させるとともに、前記圧風ファンケースと脱部の
脱ケース内とを吸入筒により連通し、籾中に混在する
異物を除去したのち脱する構成にしたのである。

（ホ）作用 この構成にすれば、籾は先ず比重選別式石抜機に供給
されて、この籾中に混在している小石・金属片などの異
物が除去され、この除去された籾が脱部に供給される
ようになって摺落され風選されるのである。そして、比
重選別式石抜機のファンは脱ケース内の空気を吸入し
てゴムロールを冷却する。これにより耐久性を有し高性
能のものになりながら装置全体は纒まりコンパクトなも
のになるのである。

（ヘ）実施例 以下、本発明を実施例図によって具体的に説明する。
即ち、第１図において、（Ａ）は脱風選装置、（Ｂ）
は比重選別式石抜機、（Ｃ）は籾揚穀機であって、比重
選別式石抜機（Ｂ）を脱風選装置（Ａ）を構成する脱
部（ａ）の前行程に設けるのに籾揚穀機（Ｃ）の出口
（C1）とこの脱部（ａ）との間における風選部（a1）
上に位置させて脱部（ａ）に隣接してある。

脱風選装置（Ａ）は風選部（a1）の前がわ上に脱
部（ａ）を載設して脱部（ａ）と風選部（a1）を上下
にして構成し、その脱部（ａ）は籾タンク（１）と脱
用のゴムロール（２）等から成り、風選部（a1）は略
々密閉状の機体内の中央部に起風ファン（３）を内蔵
し、この起風ファン（３）によって起こされる風を吐風
口（４）から斜め下方に吹出せしめる起風室（５）を設
け、この起風室（５）の前がわ上方には選別風路（６）
を斜設するとともに後がわには塵埃分離室（７）を形成
し、選別風路（６）の始端がわは前記吐風口（４）に、
また終端がわは起風室（５）の背後を経て塵埃分離室
（７）に通じ、この塵埃分離室（７）を起風室（５）の
吸入がわに連通させて循環経路（８）を構成している。

そして、前記の選別風路（６）に脱部（ａ）からの
摺落物を供給する落下口（９）をのぞませ、塵埃分離室
（７）の底部には一側に向けて搬送するスクリューコン
ベヤ（10）を横設し、このスクリューコンベヤ（10）の
一側がわをエアロックバルブ（11）を介して横断流ファ
ン（12）によって起風される風が吹送する塵埃排出路
（13）に連通してある。

なお、（14）は１番物取出樋、（15）は２番物取出樋
である。

また、比重選別式石抜機（Ｂ）は前記風選別（a1）の
後がわ上に位置して脱部（ａ）に隣接させて一体的に
構成し、その機体内に板面には多数の噴風口（16）を設
けて凹凸面に形成した多孔選別板（17）を摺動自在に装
架し、この多孔選別板（17）の下側にファン（18）を内
蔵する圧風ファンケース（19）が設置されていてファン
（18）の回転により起風される風が多孔選別板（17）の
下側から噴風口（16）を抜けて吹き上がるように構成さ
れ、その多孔選別板（17）の傾斜下位がわには籾取出樋
（20）が接続されている。

そして、比重選別式石抜機（Ｂ）における多孔選別板
（17）の傾斜上位がわから選出される異物は機体内を落
下して繰出し羽根（21）により前記の塵埃分離室（７）
の上部に落下する構成にし、傾斜下位がわの籾取出樋
（20）は脱部（ａ）の籾タンク（１）にのぞませ、圧
風ファンケース（19）の側部に開口せる吸入口（22）と
脱部（ａ）の脱ケース（24）内とを吸入筒（23）に
より連通している。なお、（Ｍ）はこの装置の駆動源で
あるモーターを示してある。

したがって、籾揚穀機（Ｃ）により揚上される籾はそ
の出口（C1）から多孔選別板（17）上に供給され、この
多孔選別板（17）の揺動とファン（18）によって起風さ
れる風とにより籾中に混在する異物は揺上げられて多孔
選別板（17）の傾斜上位がわに選出されるところとなっ
て落下し繰出し羽根（21）によって塵埃分離室（７）の
上部に繰出され、異物が除去された籾は傾斜下位がわの
籾取出樋（20）から籾タンク（１）に流入しゴムロール
（２）により摺落される。

このとき、比重選別式石抜機（Ｂ）のファン（18）は
吸入筒（23）によって脱ケース（24）内の空気を吸収
し、これによってゴムロール（２）を冷却するのであ
る。

そして、この摺落物は落下口（９）から選別風路
（６）に落下し起風ファン（３）によって循環経路
（８）を回流する風により風選され、１番物と２番物は
１番物取出樋（14）と２番物取出樋（15）からそれぞれ
取出され、籾殻と前記の繰出し羽根（21）により繰出さ
れた異物は塵埃分離室（７）の底部に下降しスクリュー
コンベヤ（10）によって一側に搬送されたのちエアロッ
クバルブ（11）で塵埃排出路（13）に繰出されて所定の
ところに一括して搬出されるのである。

（ト）発明の効果 本発明は、以上説明したように、脱部の前行程に、
多孔選別板の下側にファンを内蔵する圧風ファンを用い
た比重選別式石抜機を、脱部と風選部を上下に配設し
てなる脱風選装置の風選部上に位置させ脱部に隣接
させて一体的に構成させるとともに、前記圧風ファンケ
ースと脱部の脱ケース内とを吸入筒により連通し、
籾中に混在する異物を除去したのち脱する構成にした
のであるから、籾中に混在している小石・金属片などの
異物が石抜機によって除去され、この除去された籾が脱
部に供給されて脱されるので、異物の通過によって
ゴムロールが損傷を受けることがなくその寿命を長く
し、且つ異物の除去は籾のときにその籾中から選出され
るから、脱風選後の玄米と異物の比重差よりも脱前
の籾と異物の比重差は大であって比重選別石抜機による
異物の除去作用は効果的に行われ、もって耐久性を有し
高性能のものになりながら、比重選別式石抜機を脱風
選装置を構成する風選部上に位置させ脱部に隣接させ
て一体的に構成したので、装置全体が纒まったものにな
ってコンパクトになるのである。また、比重選別式石抜
機の配置によって石抜機のファンを利用して脱部のゴ
ムロールの冷却も容易にでき、籾中から選出した異物も
風選部の塵埃排出路を利用して所定のところへの一括搬
出が簡単に行えるようにもなる。

【図面の簡単な説明】

図面は、本発明の実施態様を例示したものであって、第
１図はこの装置の縦断側面図である。 Ａ……脱風選装置、Ｂ……比重選別式石抜機、ａ……
脱部 a1……風選部、17……多孔選別板、18……ファン 19……圧風ファンケース、23……吸入筒、24……脱ケ
ース

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】脱部（ａ）の前行程に、多孔選別板（1
   7）の下側にファン（18）を内蔵する圧風ファン（19）
   を用いた比重選別式石抜機（Ｂ）を、脱部（ａ）と風
   選部（a1）を上下に配設してなる脱風選装置（Ａ）の
   風選部（a1）上に位置させ脱部（ａ）に隣設させて一
   体的に構成させるとともに、前記圧風ファンケース（1
   9）と脱部（ａ）の脱ケース（24）内とを吸入筒（2
   3）により連通し、籾中に混在する異物を除去したのち
   脱する構成にしたことを特徴とする石抜機付脱風選
   装置。