JP2537503C - - Google Patents
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【発明の詳細な説明】産業上の利用分野
本発明は、電子写真、静電記録、静電印刷などにおける静電荷像を現
像するためのトナー及びその製法に関する。従来技術
従来、一般に広く用いられて来たトナーは懸濁重合により得られるスチレン/
アクリレート系共重合体粉末にカーボンブラツクのような着色剤、随意帯電制御
剤及び/又は磁性体をドライブレンドして後押出し機等で溶融混練し、次いで粉
砕・分級することによって製造されて来た(特開昭51ー23354号参照)。 しかし、上記のような溶融混練−粉砕法で得られる従来のトナーは、トナーの
粒径の制御に限界があり、実質的に10μ以下、特に8μ以下、殊に5μ以下の
平均粒径のトナーを歩留りよく製造することが困難である許りか、現像剤にした
場合解像度が低く且つかぶりが発生するという欠点を避けることが困難であった
。本発明の目的 本発明は従来一般に広く用いられて来たトナーの有した上記の欠点を大巾に改
善し、しかも新規な製法を用いることによって従来法のトナーよりも安価なトナ
ーを提供することを目的とするものである。本発明の特徴 本発明の静電荷像現像用トナーは、酸性極性基又は塩基性極性基を有する重合
体(以下「極性基を有する重合体」という)、好ましくは酸性極性基を有する重合体
の一次粒子及び着色剤粒子並びに随意帯電制御剤を含有してなる二次粒子の会合
粒子であることを特徴とする静電荷像現像用トナーである。 本発明で用いられる極性基を有する重合体の一次粒子は0.05〜0.5μ、
好ましくは0.1〜0.3μの平均粒径を有する熱可塑性重合体 の粒子であって、一般に乳化重合法によって好適に得られる。本発明のトナーで
ある上記会合粒子を構成する二次粒子は、0.01〜0.5、好ましくは0.0
3〜0.1μの平均粒径をもつ着色剤粒子と極性基を有する重合体の一次粒子と
がイオン性結合、水素結合、金属配位結合、弱酸−弱基結合、或いはフアンデア
ワールス力等の結合力によって凝集している粒子であって、一般に0.5〜5μ
、好ましくは1μ〜4μの平均粒径をもっている。第1図は本発明のトナー製造
工程において生成した二次粒子の一例を示す倍率1,000倍の走査電子顕微鏡
写真である。 本発明の会合粒子は上記二次粒子が凝集して生成した不定形の粒子であって、
その平均粒径は一般に3〜25μ、好ましくは5〜15μ、最もしくは5〜13
μである。第2図は本発明のトナーである会合粒子の一例を示す倍率1,000
倍の走査電子顕微鏡写真である。 本発明の好適な態様では、上記会合粒子を構成する二次粒子間の接触部分の少
くとも一部、好ましくは二次粒子間の接触部分の大半、が造膜融着している会合
粒子が用いられる。第3図は本発明の二次粒子間の接触部分の少くとも一部が造
膜融着した会合粒子の倍率1,000倍の走査形電子顕微鏡写真である。 本発明のトナーである会合粒子は、極性基を有する重合体と着色剤の合計当り
、極性基を有する重合体を20〜99.9重量%、好ましくは30〜98重量%
、最も好ましくは40〜95重量%及び着色剤を80〜0.1重量%、好ましく
は70〜2重量%、最も好ましくは60〜5重量%含有してなるものである。 本発明で用いられる極性基を有する重合体の好ましい例はスチレン類、 アルキル(メタ)アクリレート及び酸性極性基又は塩基性極性基を有するコモノ
マー(以下「極性基を有するコモノマー」という)の共重合体である。 このような共重合体の好ましい例は、 (イ)、 (イ)及び(ロ)の合計に基づいてスチレン類90〜20重量%、好まし
くは70〜30重量%、 (ロ)、 (イ)及び(ロ)の合計に基づいてアルキル(メタ)アクリレート10〜8
0重量%、好ましくは30〜70重量%及び (ハ)、 (イ)及び(ロ)の合計を100重量部とした場合極性基を有するコモノ
マー0.05〜30重量部、好ましくは1〜20重量部 を含有してなる共重合体である。また、上記共重合体は、(イ)、(ロ)及び(ハ)の
モノマー以外に、本発明のトナーの性能を損じない程度に共重合し得る他のコモ
ノマーを随意含有していてもよい。 上記(イ)のスチレン類の例としては、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチ
ルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−エチルスチレン、2
,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p
−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−
n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フエ
ニルスチレン、p−クロルスチレン、3,4−ジクロルスチレン、p−クロロメチ
ルスチレンなどを挙げることができ、スチレンが特に好ましい。 上記(ロ)のアルキル(メタ)アクリレートの例としてはアクリル酸メチル、ア
クリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸プ
ロピル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸ドデシ ル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリ
ル、アクリル酸2−クロルエチル、α−クロルアクリル酸メチル、メタアクリル
酸メチル、メタアクリル酸エチル、メタアクリル酸プロピル、メタアクリル酸n
−ブチル、メタアクリル酸イソブチル、メタアクリル酸n−オクチル、メタアク
リル酸ドデシル、メタアクリル酸ラウリル、メタアクリル酸2−エチルヘキシル
、メタアクリル酸ステアリルを挙げることができるが、中でも炭素原子数1〜1
2、好ましくは3〜8、特に好ましくは4の脂肪族アルコールの(メタ)アクリ
ル酸エステルが用いられる。 上記(ハ)の酸性極性基を有するモノマーとしては、(i)カルボキシル基(−C
OOH)を有するα、β−エチレン性不飽和化合物及び(ii)スルホン基(−SO3
H)を有するα,β−エチレン性不飽和化合物を挙げることができる。 (i)の−COO基を有するα,β−エチレン性不飽和化合物の例としては、ア
クリル酸、メタアクリル酸、フマール酸、マレイン酸、イタコン酸、ケイ皮酸、
マレイン酸モノブチルエステル、マレイン酸モノオクチルエステル、およびこれ
らのNaZn等の金属塩類等を挙げることができる。 (ii)の−SO3H基を有するα,β−エチレン性不飽和化合物の例としてはスル
ホン化スチレン、そのNa塩、アリルスルホコハク酸、アリルスルホコハク酸オ
クチル、そのNa塩等を挙げることができる。 また、上記(ハ)の塩基性極性基を有するコモノマーとしては、(i)アミン基あ
るいは4級アンモニウム基を有する炭素原子数1〜12、好ましくは2〜8、特
に好ましくは2の脂肪族アルコールの(メタ)アクリル 酸エステル、(ii)(メタ)アクリル酸アミドあるいは随意N上で炭素原子数1〜1
8のアルキル基でモノー又はジー置換された(メタ)アクリル酸アミド、(iii)N
を環員として有する複素環基で置換されたビニール化合物及び(iv)N,N−ジア
リル−アルキルアミンあるいはその四級アンモニウム塩を例示することができる
。中でも、(i)のアミン基あるいは四級アンモニウム基を有する脂肪族アルコー
ルの(メタ)アクリル酸エステルが塩基性基を有するコモノマーとして好ましい。 (i)のアミン基あるいは四級アンモニウム基を有する脂肪族アルコールの(メ
タ)アクリル酸エステルの例としては、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジ
メチルアミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノエチルアクリレート、ジエ
チルアミノエチルメタクリレート、上記4化合物の四級アンモニウム塩3−ジメ
チルアミノフエニルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−メタクリルオキシプロ
ピルトリメチルアンモニウム塩等を挙げることができる。 (ii)の(メタ)アクリル酸アミドあるいはN上で随意モノ−又はジ−アルキル置
換された(メタ)アクリル酸アミドとしては、アクリルアミド、N−ブチルアクリ
ルアミド、N,N−ジブチルアクリルアミド、ピペリジルアクリルアミド、メタ
クリルアミド、N−ブチルメタクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド
、N−オクタデシルアクリルアミド等を挙げることができる。 (iii)のNを環員として有する複素環基で置換されたビニール化合物としては
、ビニールピリジン、ビニールピロリドン、ビニルN−メチルピリジニウムクロ
リド、ビニルN−エチルピリジニウムクロリド等を挙げることができる。 (iv)のN,N−ジアリルアルキルアミンの例としては、N,N−ジアリルメチル
アンモニウムクロリド、N,N−ジアリルエチルアンモニウムクロリド等を挙げ
ることができる。 本発明で用いられる極性基を有する重合体のガラス転移点は−90〜100℃
、好ましくは、−30〜80℃、最も好ましくは、−10〜60℃であり、また
そのゲル化度は、アセトン還流下ソツクスレー抽出時の不溶分で表わして0.0
〜99.9重量%、好ましくは1〜30重量%である。ガラス転移点が100℃
を越えて高過ぎては、低温定着性が悪くなる傾向があって好ましくなく、また−
90℃未満と低すぎては、トナーの粉体流動性が低下する傾向があるので好まし
くない。一方、ゲル化度が50重量%を超えて高すぎては低温定着性が悪くなる
傾向があるので好ましくない。 本明細書で「着色剤」の語は、静電荷像現像剤として必要な色彩を該現像剤に
与える着色性の添加剤と言う意味で用いられるもので、マグネタイトのような磁
性体やニグロシン染料のような帯電制御剤のように磁性又は帯電制御性のような
着色剤以外の性能を現像剤に賦与する添加剤も現像剤に所期の着色性を与えるな
らば「着色剤」に含まれるものである。 本発明で用いられる着色剤としては、無機顔料又は、有機顔料及び有機染料、
好ましくは、無機顔料又は、有機顔料が用いられるが、一種、又は二種以上の顔
料又は/及び一種又は二種以上の染料を必要に応じて組合せて用いてもよい。こ
のような無機顔料としては、 (イ) 金属粉系顔料、 (ロ) 金属酸化物系顔料、 (ハ) カーボン系顔料、 (ニ) 硫化物系顔料、 (ホ) クロム酸塩系顔料、 (ヘ) フエロシアン化塩系顔料 等が好適である。 このような(イ)金属粉系顔料の例としては、亜鉛粉、鉄粉、銅粉等が挙げられ
る。 (ロ)金属酸化物系顔料の例としてはマグネタイト、フエライト、ベンガラ、酸
化チタン、亜鉛華、シリカ、酸化クロム、ウルトラマリーン、コバルト青、セル
リアンブルー、ミネラルバイオレツト、四酸化三鉛、などが挙げられる。 (ハ)カーボン系顔料としてはカーボンブラツク、サーマトミツクカーボン、ラ
ンプブラツク、フアーネスブラツク、などが挙げられる。 (ニ)硫化物系顔料としては硫化亜鉛、カドミウムレツド、セレンレツド、硫化
水銀、カドミウムイエロー、などが挙げられる。 (ホ)クロム酸塩系顔料としてはモリブデンレツド、バリウムイエロー、ストロ
ンチウムイエロー、クロムイエロー、などが挙げられる。 (ヘ)フエロシアン化化合物系顔料としてはミロリブルーなどが挙げられる。 また前記の有機顔料としては、下記のものを例示できる。 (イ) アゾ系顔料: ハンザイエローG、ベンジジンイエロー、ベンジジンオレンジ、パーマネント
レツド4R、ピラゾロンレツド、リソールレツド、ブリリアントスカーレツトG
、ボンマルーンライト、など−。 (ロ) 酸性染料系顔料及び 塩基性染料系顔料、 オレンジII、アシツトオレンジR、エオキシン、キノリンイエロー、タートラ
ジンイエロー、アシツドグリーン、ピーコツクブルー、アルカリブルー等の染料
を沈殿剤により沈殿したもの。ローダミン、マゼンタ、マラカイトグリーン、メ
チルバイオレツト、ビクトリアブルー等の染料をタンニン酸、吐酒石、PTA、
PMA、PTMAなどで沈殿したものなど−。 (ハ) 媒染染料系顔料 ヒドロキシアンスラキノン類の金属塩類、アリザリンマーダーレーキなど−。 (ニ) フタロシアニン系顔料 フタロシアニンブルー、スルホン化銅フタロシアニンなど−。 (ホ) キナクリドン系顔料及びジオキサン系顔料 キナクリドンレツド、キナクリドンバイオレツト、カルバゾールジオキサジン
バイオレツトなど−。 (ニ) その他 有機蛍光顔料、アニリンブラツクなど−。 また、前記の有機染料としては、ニグロシン染料、アニリン染料が用いられる
。 本発明のトナーは、前記のように、必要に応じ、帯電制御剤や磁性体等を含有
するものである。このような帯電制御剤としては、プラス用としてニグロシン系
の電子供与性染料、その他ナフテン酸または高級脂肪酸の金属塩、アルコキシル
化アミン、四級アンモニウム塩、アルキルア ミド、キレート、顔料、フツ素処理活性剤など、マイナス用として電子受容性の
有機錯体、その他塩素化パラフイン、塩素化ポリエステル、酸基過剰のポリエス
テル、銅フタロシアニンのスルホニルアミンなどが例示できる。 また、本発明のトナーは、必要により流動化剤等の添加剤と共に用いることが
でき、そのような流動化剤としては疎水性シリカ、酸化チタン、酸化アルミニウ
ム等の微粉末を例示でき、トナー100重量部当り0.01〜5重量部、好まし
くは0.1〜1重量部用いられる。 本発明のトナーの好適な製法を例示すれば、以下の通りである。乳化重合によ
り得られた酸性極性基又は塩基性極性基を有する重合体のエマルジヨンに所要量
の着色剤粉末並びに随意帯電制御剤を添加混合して均一に分散させ0.5〜4時
間、好ましくは1〜3時間撹拌を続けると極性基を有する重合体の一次粒子と着
色剤粒子は次第に凝集して第1図の写真に示したような0.5〜5μの平均粒径
をもった二次粒子に生長する。このような分散体を更にそのまま0.5〜3時間
、好適には1〜2時間撹拌を続けると二次粒子が更に凝集して第2図の写真に示
したような5〜25μの平均粒径をもった会合粒子に生長する。本発明のトナー
の最も好適な製法では、このようにして生成した分散液を、更に、極性基を有す
る重合体のガラス転移点〜ガラス転移点より20℃高い温度に1〜6時間、好適
には2〜4時間撹拌を続けると第3図の写真に示したように、二次粒子間の接触
部分の少くとも一部が造膜融着した会合粒子が生成する。このような会合粒子は
、二次粒子間が造膜融着しているので、貯蔵、輸送、現像剤製造時等に殆んど崩
壊することが無いので静電荷像現像用現像剤としては特に好適である。 本発明のトナーは、鉄、ガラスビース等のキヤリアと混合されて現像剤とされ
るが、トナー自体がフエライト等を既に着色剤として含有するような場合には、
フエライト等はキヤリアの働きもするので、その場合にはトナーはそのまま現像
剤として用い得る。なお、上記キヤリアーとしては、樹脂被覆、好ましくは弗素
系樹脂被覆により負の摩擦帯電特性を有する鉄粉が殊に好適である。本発明の効果 本発明のトナーは、粒度分布が比較的狭く且つ平均粒径が比較的小さいので、
静電荷像現像剤にした場合、従来品に較べ解像度が著しく向上し且つかぶりの発
生が殆んど無いといった優れた効果を奏し、更に粉砕分級を要しない等製法が従
来法に較べて簡略化され且つ必要なトナー粒分の収率も高いので経済性において
も優れているといった効果を奏するものである。 以下に実施例により本発明を具体的に説明する。なお、特記しない限り数量は
重量によって表示した。 実施例1 酸性極性基含有重合樹脂の調整 スチレンモノマー(ST) 60部 アクリル酸ブチル(BA) 40部 アクリル酸(AA) 8部 以上のモノマー混合物を 水 100部 ノニオン乳化剤 1部 (エマルゲン950) アニオン乳化剤 1.5部 (ネオゲンR) 過硫酸カリウム 0.5部 の水溶液混合物に添加し、撹拌下70℃で8時間重合させて固形分50%の酸性
極性基含有樹脂エマルジヨンを得た。 トナーの調整(1) 酸性極性基含有樹脂エマルジヨン 120部 マグネタイト 40部 ニグロシン染料 5部 (ボントロンN−04) カーボンブラツク 5部 (ダイヤブラツク#100) 水 380部 以上の混合物をスラツシヤーで分散撹拌しながら約30℃に2時間保持した。そ
の後、さらに撹拌しながら70℃に加温して3時間保持した。この間顕微鏡で観
察して、樹脂粒子とマグネタイト粒子とのコンプレツクスが約10μに生長する
のが確認された。冷却して、得られた液状分散物をブフナーロ過、水洗し、50
℃真空乾燥10時間させた。 この得られたトナー100重量部に流動化剤としてシリカ(日本アエロジル社
製アエロジルR972)を0.5重量部を添加混合し、試験用現像剤とした。 このトナーで用いた上記重合体のTgは45℃、ゲル化度は5%、軟化点は1
48℃、トナーの平均粒径は、12μであった。 上記現像剤を市販の複写機(キヤノン製NP−270Z)に入れ複写を 行ったところ、濃度の高い、かぶりの少ない複写画が得られた。結果を表−2に
示した。 実施例2〜7 表−1に示したモノマー組成を用い実施例1と同様の操作を繰り返した。結果
を表−2に示す。なお、表−1で用いた略記号の意味を以下に示す。 2EHA;アクリル酸2エチルヘキシル MAA;メタクリル酸 MBM;マレイン酸モノブチル BQA;2−ヒドロキシプロピル−N,N,N−トリメチルアンモニウムクロライ
ドアクリレート DMAA;アクリル酸ジメチルアミノエチル LMA;メタクリル酸ラウリル VP;ビニルピリジン DMPC;N,N−ジアリルメチルアンモニウムクロライド 実施例8 実施例1と同様の酸性極性基含有樹脂エマルジヨンを調整した後、トナー調整
時に以下の操作を行った。 トナーの調整(2) 実施例1の酸性極性基含有樹脂 エマルジヨン 184部 クロム染料(ボントロンE−81) 1部 カーボンブラツク(リーガル330R) 7部 水 307部 以上の混合物を実施例1と同様の操作を行って、試験用トナーを調整した。得ら
れた重合体のTgは、43℃、ゲル化度590、軟化点147℃、トナーの平均
粒径は、10.5μmであった。このトナーを市販の複写機(東芝製レオドライ
BD−4140)に入れ、複写を行ったところ、濃度の高い、かぶりの少ない複
写画が得られた。結果を表−2に示す。 実施例9〜11 表−1に示すモノマー組成を用い実施例8と同様の操作を繰り返した。結果を
表−2に示す。 実施例12 実施例1における会合粒子形成反応時、70℃、2時間保持の代りに60℃加
温2時間に保持したところ、粒子成長が制御され収率60%で平均粒径5μmの
トナーが得られた。このトナーにより複写試験を行ったところ、非常に解像度の
良好で、濃度が高く、かぶりの少ない画像がえられた。 比較例1 表−1に示すように、実施例1の樹脂モノマー組成中酸性極性基モノマーであ
るAAを添加せず重合した樹脂エマルジヨンを用いたところ、会合粒子の成長が
なく、試験用トナーがえられなかった。 比較例2 実施例1における樹脂エマルジヨンをスプレードライヤー(アシザワニロアト
マイザー製、モービルマイナー)で入口温度120℃、出口温度90℃、供給量
1.5l/min、アトマイザー3×104rpmの運転条件にて乾燥させ、樹脂を得
た。この樹脂60部、マグネタイト40部、 ニグロシン染料(ボントロンN−04)5部、カーボンブラツク(ダイヤブラツク
#100)5部を溶融混練、粉砕して平均粒径5μmのトナーを得た。この時の収
率は、35%であった。 この得られたトナー100重量部に流動化剤としてシリカ(日本アエロジル社
製R−972)を0.5重量部を添加混合し、試験用現像剤とした。 この現像剤は、非常に流動性の悪いものであった。この現像剤を用いて、実施
例1と同様の複写試験を行ったところ、非常にかぶりの多い画像がえられた。 比較例3 比較例2と同様の操作を行い表−1に示すような樹脂組成を得て、比較例2と
同様の配合で溶融混練、粉砕して収率55%で平均粒径12.0μmのトナーを
得た。このトナーを用いて、同様の複写試験を行った。結果を表−2に示す。複写画解像度評価方法 データクウエスト社テストパターンAR−4を複写し、1mmあたりのライン数
を目視確認して、解像度の評価とした。本評価方法において、表−1の樹脂組成
では、解像度6.3以上で良好、3.6以下で不良と判断できる。複写画かぶり評価法 : 村上カラーラボラトリー社製CM−53Pの反射率計を用いて、光角45°に
て複写前の白紙の反射率と複写後の非文字部分の反射率を比較し、反射率比にて
かぶり濃度(%)とした。かぶり濃度0.7以下でかぶり良好、1.0以上で不良
と判断できる。
アクリレート系共重合体粉末にカーボンブラツクのような着色剤、随意帯電制御
剤及び/又は磁性体をドライブレンドして後押出し機等で溶融混練し、次いで粉
砕・分級することによって製造されて来た(特開昭51ー23354号参照)。 しかし、上記のような溶融混練−粉砕法で得られる従来のトナーは、トナーの
粒径の制御に限界があり、実質的に10μ以下、特に8μ以下、殊に5μ以下の
平均粒径のトナーを歩留りよく製造することが困難である許りか、現像剤にした
場合解像度が低く且つかぶりが発生するという欠点を避けることが困難であった
。本発明の目的 本発明は従来一般に広く用いられて来たトナーの有した上記の欠点を大巾に改
善し、しかも新規な製法を用いることによって従来法のトナーよりも安価なトナ
ーを提供することを目的とするものである。本発明の特徴 本発明の静電荷像現像用トナーは、酸性極性基又は塩基性極性基を有する重合
体(以下「極性基を有する重合体」という)、好ましくは酸性極性基を有する重合体
の一次粒子及び着色剤粒子並びに随意帯電制御剤を含有してなる二次粒子の会合
粒子であることを特徴とする静電荷像現像用トナーである。 本発明で用いられる極性基を有する重合体の一次粒子は0.05〜0.5μ、
好ましくは0.1〜0.3μの平均粒径を有する熱可塑性重合体 の粒子であって、一般に乳化重合法によって好適に得られる。本発明のトナーで
ある上記会合粒子を構成する二次粒子は、0.01〜0.5、好ましくは0.0
3〜0.1μの平均粒径をもつ着色剤粒子と極性基を有する重合体の一次粒子と
がイオン性結合、水素結合、金属配位結合、弱酸−弱基結合、或いはフアンデア
ワールス力等の結合力によって凝集している粒子であって、一般に0.5〜5μ
、好ましくは1μ〜4μの平均粒径をもっている。第1図は本発明のトナー製造
工程において生成した二次粒子の一例を示す倍率1,000倍の走査電子顕微鏡
写真である。 本発明の会合粒子は上記二次粒子が凝集して生成した不定形の粒子であって、
その平均粒径は一般に3〜25μ、好ましくは5〜15μ、最もしくは5〜13
μである。第2図は本発明のトナーである会合粒子の一例を示す倍率1,000
倍の走査電子顕微鏡写真である。 本発明の好適な態様では、上記会合粒子を構成する二次粒子間の接触部分の少
くとも一部、好ましくは二次粒子間の接触部分の大半、が造膜融着している会合
粒子が用いられる。第3図は本発明の二次粒子間の接触部分の少くとも一部が造
膜融着した会合粒子の倍率1,000倍の走査形電子顕微鏡写真である。 本発明のトナーである会合粒子は、極性基を有する重合体と着色剤の合計当り
、極性基を有する重合体を20〜99.9重量%、好ましくは30〜98重量%
、最も好ましくは40〜95重量%及び着色剤を80〜0.1重量%、好ましく
は70〜2重量%、最も好ましくは60〜5重量%含有してなるものである。 本発明で用いられる極性基を有する重合体の好ましい例はスチレン類、 アルキル(メタ)アクリレート及び酸性極性基又は塩基性極性基を有するコモノ
マー(以下「極性基を有するコモノマー」という)の共重合体である。 このような共重合体の好ましい例は、 (イ)、 (イ)及び(ロ)の合計に基づいてスチレン類90〜20重量%、好まし
くは70〜30重量%、 (ロ)、 (イ)及び(ロ)の合計に基づいてアルキル(メタ)アクリレート10〜8
0重量%、好ましくは30〜70重量%及び (ハ)、 (イ)及び(ロ)の合計を100重量部とした場合極性基を有するコモノ
マー0.05〜30重量部、好ましくは1〜20重量部 を含有してなる共重合体である。また、上記共重合体は、(イ)、(ロ)及び(ハ)の
モノマー以外に、本発明のトナーの性能を損じない程度に共重合し得る他のコモ
ノマーを随意含有していてもよい。 上記(イ)のスチレン類の例としては、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチ
ルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−エチルスチレン、2
,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p
−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−
n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フエ
ニルスチレン、p−クロルスチレン、3,4−ジクロルスチレン、p−クロロメチ
ルスチレンなどを挙げることができ、スチレンが特に好ましい。 上記(ロ)のアルキル(メタ)アクリレートの例としてはアクリル酸メチル、ア
クリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸プ
ロピル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸ドデシ ル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリ
ル、アクリル酸2−クロルエチル、α−クロルアクリル酸メチル、メタアクリル
酸メチル、メタアクリル酸エチル、メタアクリル酸プロピル、メタアクリル酸n
−ブチル、メタアクリル酸イソブチル、メタアクリル酸n−オクチル、メタアク
リル酸ドデシル、メタアクリル酸ラウリル、メタアクリル酸2−エチルヘキシル
、メタアクリル酸ステアリルを挙げることができるが、中でも炭素原子数1〜1
2、好ましくは3〜8、特に好ましくは4の脂肪族アルコールの(メタ)アクリ
ル酸エステルが用いられる。 上記(ハ)の酸性極性基を有するモノマーとしては、(i)カルボキシル基(−C
OOH)を有するα、β−エチレン性不飽和化合物及び(ii)スルホン基(−SO3
H)を有するα,β−エチレン性不飽和化合物を挙げることができる。 (i)の−COO基を有するα,β−エチレン性不飽和化合物の例としては、ア
クリル酸、メタアクリル酸、フマール酸、マレイン酸、イタコン酸、ケイ皮酸、
マレイン酸モノブチルエステル、マレイン酸モノオクチルエステル、およびこれ
らのNaZn等の金属塩類等を挙げることができる。 (ii)の−SO3H基を有するα,β−エチレン性不飽和化合物の例としてはスル
ホン化スチレン、そのNa塩、アリルスルホコハク酸、アリルスルホコハク酸オ
クチル、そのNa塩等を挙げることができる。 また、上記(ハ)の塩基性極性基を有するコモノマーとしては、(i)アミン基あ
るいは4級アンモニウム基を有する炭素原子数1〜12、好ましくは2〜8、特
に好ましくは2の脂肪族アルコールの(メタ)アクリル 酸エステル、(ii)(メタ)アクリル酸アミドあるいは随意N上で炭素原子数1〜1
8のアルキル基でモノー又はジー置換された(メタ)アクリル酸アミド、(iii)N
を環員として有する複素環基で置換されたビニール化合物及び(iv)N,N−ジア
リル−アルキルアミンあるいはその四級アンモニウム塩を例示することができる
。中でも、(i)のアミン基あるいは四級アンモニウム基を有する脂肪族アルコー
ルの(メタ)アクリル酸エステルが塩基性基を有するコモノマーとして好ましい。 (i)のアミン基あるいは四級アンモニウム基を有する脂肪族アルコールの(メ
タ)アクリル酸エステルの例としては、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジ
メチルアミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノエチルアクリレート、ジエ
チルアミノエチルメタクリレート、上記4化合物の四級アンモニウム塩3−ジメ
チルアミノフエニルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−メタクリルオキシプロ
ピルトリメチルアンモニウム塩等を挙げることができる。 (ii)の(メタ)アクリル酸アミドあるいはN上で随意モノ−又はジ−アルキル置
換された(メタ)アクリル酸アミドとしては、アクリルアミド、N−ブチルアクリ
ルアミド、N,N−ジブチルアクリルアミド、ピペリジルアクリルアミド、メタ
クリルアミド、N−ブチルメタクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド
、N−オクタデシルアクリルアミド等を挙げることができる。 (iii)のNを環員として有する複素環基で置換されたビニール化合物としては
、ビニールピリジン、ビニールピロリドン、ビニルN−メチルピリジニウムクロ
リド、ビニルN−エチルピリジニウムクロリド等を挙げることができる。 (iv)のN,N−ジアリルアルキルアミンの例としては、N,N−ジアリルメチル
アンモニウムクロリド、N,N−ジアリルエチルアンモニウムクロリド等を挙げ
ることができる。 本発明で用いられる極性基を有する重合体のガラス転移点は−90〜100℃
、好ましくは、−30〜80℃、最も好ましくは、−10〜60℃であり、また
そのゲル化度は、アセトン還流下ソツクスレー抽出時の不溶分で表わして0.0
〜99.9重量%、好ましくは1〜30重量%である。ガラス転移点が100℃
を越えて高過ぎては、低温定着性が悪くなる傾向があって好ましくなく、また−
90℃未満と低すぎては、トナーの粉体流動性が低下する傾向があるので好まし
くない。一方、ゲル化度が50重量%を超えて高すぎては低温定着性が悪くなる
傾向があるので好ましくない。 本明細書で「着色剤」の語は、静電荷像現像剤として必要な色彩を該現像剤に
与える着色性の添加剤と言う意味で用いられるもので、マグネタイトのような磁
性体やニグロシン染料のような帯電制御剤のように磁性又は帯電制御性のような
着色剤以外の性能を現像剤に賦与する添加剤も現像剤に所期の着色性を与えるな
らば「着色剤」に含まれるものである。 本発明で用いられる着色剤としては、無機顔料又は、有機顔料及び有機染料、
好ましくは、無機顔料又は、有機顔料が用いられるが、一種、又は二種以上の顔
料又は/及び一種又は二種以上の染料を必要に応じて組合せて用いてもよい。こ
のような無機顔料としては、 (イ) 金属粉系顔料、 (ロ) 金属酸化物系顔料、 (ハ) カーボン系顔料、 (ニ) 硫化物系顔料、 (ホ) クロム酸塩系顔料、 (ヘ) フエロシアン化塩系顔料 等が好適である。 このような(イ)金属粉系顔料の例としては、亜鉛粉、鉄粉、銅粉等が挙げられ
る。 (ロ)金属酸化物系顔料の例としてはマグネタイト、フエライト、ベンガラ、酸
化チタン、亜鉛華、シリカ、酸化クロム、ウルトラマリーン、コバルト青、セル
リアンブルー、ミネラルバイオレツト、四酸化三鉛、などが挙げられる。 (ハ)カーボン系顔料としてはカーボンブラツク、サーマトミツクカーボン、ラ
ンプブラツク、フアーネスブラツク、などが挙げられる。 (ニ)硫化物系顔料としては硫化亜鉛、カドミウムレツド、セレンレツド、硫化
水銀、カドミウムイエロー、などが挙げられる。 (ホ)クロム酸塩系顔料としてはモリブデンレツド、バリウムイエロー、ストロ
ンチウムイエロー、クロムイエロー、などが挙げられる。 (ヘ)フエロシアン化化合物系顔料としてはミロリブルーなどが挙げられる。 また前記の有機顔料としては、下記のものを例示できる。 (イ) アゾ系顔料: ハンザイエローG、ベンジジンイエロー、ベンジジンオレンジ、パーマネント
レツド4R、ピラゾロンレツド、リソールレツド、ブリリアントスカーレツトG
、ボンマルーンライト、など−。 (ロ) 酸性染料系顔料及び 塩基性染料系顔料、 オレンジII、アシツトオレンジR、エオキシン、キノリンイエロー、タートラ
ジンイエロー、アシツドグリーン、ピーコツクブルー、アルカリブルー等の染料
を沈殿剤により沈殿したもの。ローダミン、マゼンタ、マラカイトグリーン、メ
チルバイオレツト、ビクトリアブルー等の染料をタンニン酸、吐酒石、PTA、
PMA、PTMAなどで沈殿したものなど−。 (ハ) 媒染染料系顔料 ヒドロキシアンスラキノン類の金属塩類、アリザリンマーダーレーキなど−。 (ニ) フタロシアニン系顔料 フタロシアニンブルー、スルホン化銅フタロシアニンなど−。 (ホ) キナクリドン系顔料及びジオキサン系顔料 キナクリドンレツド、キナクリドンバイオレツト、カルバゾールジオキサジン
バイオレツトなど−。 (ニ) その他 有機蛍光顔料、アニリンブラツクなど−。 また、前記の有機染料としては、ニグロシン染料、アニリン染料が用いられる
。 本発明のトナーは、前記のように、必要に応じ、帯電制御剤や磁性体等を含有
するものである。このような帯電制御剤としては、プラス用としてニグロシン系
の電子供与性染料、その他ナフテン酸または高級脂肪酸の金属塩、アルコキシル
化アミン、四級アンモニウム塩、アルキルア ミド、キレート、顔料、フツ素処理活性剤など、マイナス用として電子受容性の
有機錯体、その他塩素化パラフイン、塩素化ポリエステル、酸基過剰のポリエス
テル、銅フタロシアニンのスルホニルアミンなどが例示できる。 また、本発明のトナーは、必要により流動化剤等の添加剤と共に用いることが
でき、そのような流動化剤としては疎水性シリカ、酸化チタン、酸化アルミニウ
ム等の微粉末を例示でき、トナー100重量部当り0.01〜5重量部、好まし
くは0.1〜1重量部用いられる。 本発明のトナーの好適な製法を例示すれば、以下の通りである。乳化重合によ
り得られた酸性極性基又は塩基性極性基を有する重合体のエマルジヨンに所要量
の着色剤粉末並びに随意帯電制御剤を添加混合して均一に分散させ0.5〜4時
間、好ましくは1〜3時間撹拌を続けると極性基を有する重合体の一次粒子と着
色剤粒子は次第に凝集して第1図の写真に示したような0.5〜5μの平均粒径
をもった二次粒子に生長する。このような分散体を更にそのまま0.5〜3時間
、好適には1〜2時間撹拌を続けると二次粒子が更に凝集して第2図の写真に示
したような5〜25μの平均粒径をもった会合粒子に生長する。本発明のトナー
の最も好適な製法では、このようにして生成した分散液を、更に、極性基を有す
る重合体のガラス転移点〜ガラス転移点より20℃高い温度に1〜6時間、好適
には2〜4時間撹拌を続けると第3図の写真に示したように、二次粒子間の接触
部分の少くとも一部が造膜融着した会合粒子が生成する。このような会合粒子は
、二次粒子間が造膜融着しているので、貯蔵、輸送、現像剤製造時等に殆んど崩
壊することが無いので静電荷像現像用現像剤としては特に好適である。 本発明のトナーは、鉄、ガラスビース等のキヤリアと混合されて現像剤とされ
るが、トナー自体がフエライト等を既に着色剤として含有するような場合には、
フエライト等はキヤリアの働きもするので、その場合にはトナーはそのまま現像
剤として用い得る。なお、上記キヤリアーとしては、樹脂被覆、好ましくは弗素
系樹脂被覆により負の摩擦帯電特性を有する鉄粉が殊に好適である。本発明の効果 本発明のトナーは、粒度分布が比較的狭く且つ平均粒径が比較的小さいので、
静電荷像現像剤にした場合、従来品に較べ解像度が著しく向上し且つかぶりの発
生が殆んど無いといった優れた効果を奏し、更に粉砕分級を要しない等製法が従
来法に較べて簡略化され且つ必要なトナー粒分の収率も高いので経済性において
も優れているといった効果を奏するものである。 以下に実施例により本発明を具体的に説明する。なお、特記しない限り数量は
重量によって表示した。 実施例1 酸性極性基含有重合樹脂の調整 スチレンモノマー(ST) 60部 アクリル酸ブチル(BA) 40部 アクリル酸(AA) 8部 以上のモノマー混合物を 水 100部 ノニオン乳化剤 1部 (エマルゲン950) アニオン乳化剤 1.5部 (ネオゲンR) 過硫酸カリウム 0.5部 の水溶液混合物に添加し、撹拌下70℃で8時間重合させて固形分50%の酸性
極性基含有樹脂エマルジヨンを得た。 トナーの調整(1) 酸性極性基含有樹脂エマルジヨン 120部 マグネタイト 40部 ニグロシン染料 5部 (ボントロンN−04) カーボンブラツク 5部 (ダイヤブラツク#100) 水 380部 以上の混合物をスラツシヤーで分散撹拌しながら約30℃に2時間保持した。そ
の後、さらに撹拌しながら70℃に加温して3時間保持した。この間顕微鏡で観
察して、樹脂粒子とマグネタイト粒子とのコンプレツクスが約10μに生長する
のが確認された。冷却して、得られた液状分散物をブフナーロ過、水洗し、50
℃真空乾燥10時間させた。 この得られたトナー100重量部に流動化剤としてシリカ(日本アエロジル社
製アエロジルR972)を0.5重量部を添加混合し、試験用現像剤とした。 このトナーで用いた上記重合体のTgは45℃、ゲル化度は5%、軟化点は1
48℃、トナーの平均粒径は、12μであった。 上記現像剤を市販の複写機(キヤノン製NP−270Z)に入れ複写を 行ったところ、濃度の高い、かぶりの少ない複写画が得られた。結果を表−2に
示した。 実施例2〜7 表−1に示したモノマー組成を用い実施例1と同様の操作を繰り返した。結果
を表−2に示す。なお、表−1で用いた略記号の意味を以下に示す。 2EHA;アクリル酸2エチルヘキシル MAA;メタクリル酸 MBM;マレイン酸モノブチル BQA;2−ヒドロキシプロピル−N,N,N−トリメチルアンモニウムクロライ
ドアクリレート DMAA;アクリル酸ジメチルアミノエチル LMA;メタクリル酸ラウリル VP;ビニルピリジン DMPC;N,N−ジアリルメチルアンモニウムクロライド 実施例8 実施例1と同様の酸性極性基含有樹脂エマルジヨンを調整した後、トナー調整
時に以下の操作を行った。 トナーの調整(2) 実施例1の酸性極性基含有樹脂 エマルジヨン 184部 クロム染料(ボントロンE−81) 1部 カーボンブラツク(リーガル330R) 7部 水 307部 以上の混合物を実施例1と同様の操作を行って、試験用トナーを調整した。得ら
れた重合体のTgは、43℃、ゲル化度590、軟化点147℃、トナーの平均
粒径は、10.5μmであった。このトナーを市販の複写機(東芝製レオドライ
BD−4140)に入れ、複写を行ったところ、濃度の高い、かぶりの少ない複
写画が得られた。結果を表−2に示す。 実施例9〜11 表−1に示すモノマー組成を用い実施例8と同様の操作を繰り返した。結果を
表−2に示す。 実施例12 実施例1における会合粒子形成反応時、70℃、2時間保持の代りに60℃加
温2時間に保持したところ、粒子成長が制御され収率60%で平均粒径5μmの
トナーが得られた。このトナーにより複写試験を行ったところ、非常に解像度の
良好で、濃度が高く、かぶりの少ない画像がえられた。 比較例1 表−1に示すように、実施例1の樹脂モノマー組成中酸性極性基モノマーであ
るAAを添加せず重合した樹脂エマルジヨンを用いたところ、会合粒子の成長が
なく、試験用トナーがえられなかった。 比較例2 実施例1における樹脂エマルジヨンをスプレードライヤー(アシザワニロアト
マイザー製、モービルマイナー)で入口温度120℃、出口温度90℃、供給量
1.5l/min、アトマイザー3×104rpmの運転条件にて乾燥させ、樹脂を得
た。この樹脂60部、マグネタイト40部、 ニグロシン染料(ボントロンN−04)5部、カーボンブラツク(ダイヤブラツク
#100)5部を溶融混練、粉砕して平均粒径5μmのトナーを得た。この時の収
率は、35%であった。 この得られたトナー100重量部に流動化剤としてシリカ(日本アエロジル社
製R−972)を0.5重量部を添加混合し、試験用現像剤とした。 この現像剤は、非常に流動性の悪いものであった。この現像剤を用いて、実施
例1と同様の複写試験を行ったところ、非常にかぶりの多い画像がえられた。 比較例3 比較例2と同様の操作を行い表−1に示すような樹脂組成を得て、比較例2と
同様の配合で溶融混練、粉砕して収率55%で平均粒径12.0μmのトナーを
得た。このトナーを用いて、同様の複写試験を行った。結果を表−2に示す。複写画解像度評価方法 データクウエスト社テストパターンAR−4を複写し、1mmあたりのライン数
を目視確認して、解像度の評価とした。本評価方法において、表−1の樹脂組成
では、解像度6.3以上で良好、3.6以下で不良と判断できる。複写画かぶり評価法 : 村上カラーラボラトリー社製CM−53Pの反射率計を用いて、光角45°に
て複写前の白紙の反射率と複写後の非文字部分の反射率を比較し、反射率比にて
かぶり濃度(%)とした。かぶり濃度0.7以下でかぶり良好、1.0以上で不良
と判断できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明のトナー製造時の二次粒子の粒子構造を示す電子顕微鏡写真の
図面代用写真、第2図は本発明トナーの会合粒子の粒子構造を示す電子顕微鏡写
真の図面代用写真、第3図は二次粒子間の接触部分の少くとも一部が造膜融着し
た会合粒子の粒子構造を示す電子顕微鏡写真の図面代用写真である。
図面代用写真、第2図は本発明トナーの会合粒子の粒子構造を示す電子顕微鏡写
真の図面代用写真、第3図は二次粒子間の接触部分の少くとも一部が造膜融着し
た会合粒子の粒子構造を示す電子顕微鏡写真の図面代用写真である。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1.酸性極性基または塩基性極性基を有する重合体からなり、着色剤を含まな
い一次粒子及び着色剤粒子並びに随意帯電制御剤を含有する二次粒子の複数個か
らなる会合粒子であることを特徴とする静電荷像現像用トナー。 2.該二次粒子間の接触部分の少くとも一部が造膜融着している特許請求の範
囲第1項記載のトナー。 3.重合体エマルジヨンに着色剤並びに随意帯電制御剤を添加し、20〜45
℃で1〜3時間撹拌下加熱し、次いで重合体のガラス転移点〜ガラス転移点より
20℃高い温度に1〜3時間撹拌下加熱して生成した会合粒子を、随意濾過し、
乾燥することを特徴とする、酸性極性基又は塩基性極性基を有する重合体からな
り、着色剤を含まない一次粒子及び着色剤粒子並びに随意帯電制御剤を含有する
二次粒子の複数個からなる会合粒子である静電荷像現像用トナーの製法。 4.(1)酸性極性基又は塩基性極性基を有する重合体からなり、着色剤を含
まない一次粒子及び着色剤粒子並びに帯電制御剤を含有する二次粒子の複数個か
らなる会合粒子である静電荷像現像用トナー及び (2)キヤリヤー を含有してなる静電荷像現像用現像剤。
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