JP2536551B2 - プロセスの異常原因診断方法 - Google Patents

プロセスの異常原因診断方法

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JP2536551B2
JP2536551B2 JP62263105A JP26310587A JP2536551B2 JP 2536551 B2 JP2536551 B2 JP 2536551B2 JP 62263105 A JP62263105 A JP 62263105A JP 26310587 A JP26310587 A JP 26310587A JP 2536551 B2 JP2536551 B2 JP 2536551B2
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  • Alarm Systems (AREA)
  • Testing Or Calibration Of Command Recording Devices (AREA)
  • Monitoring And Testing Of Nuclear Reactors (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は、符号付き有向グラフによるプロセスの異常
原因診断方法の改良に関するものである。
<従来技術> プラント内のプロセスの各種の状態変数(流量,圧
力,温度,レベル等)間に存在する物理的な因果関係を
利用して、測定点より発生中の異常信号(複数個)に基
づいて異常原因候補を推定する場合、プロセスの状態変
数(測定点及び非測定点)をノード(点)で、また状態
変数間の因果関係を矢印付きの枝で表し、因果関係を
“+”(助長)と“−”(抑制)とに分類し、それぞれ
に対応する因果関係の枝に符号を与えた符号付き有向グ
ラフを用いて推定する方法が提案されている。
第10図乃至第13図により符号付き有向グラフによる異
常原因推定の概念を説明する。
第10図は、カスケード接続された自然落下式2段水槽
1及び2を示しており、状態変数の記号F0は水槽1への
流入流量、L1は水槽1の水位、F1は水槽1から2への流
出,流入流量、L2は水槽2の水位、F2は水槽2からの流
出流量である。
以上の状態変数間の因果関係は次ぎのようになる。
(1)F0が増えるとL1も増える。
(2)L1が増えるとF1も増える(自然落下のため)。
(3)F1が増えるとL1は減る。
(4)F1が増えるとL2は増える。
(5)L2が増えるとF2も増える。
(6)F2が増えるとL2は減る。
この関係を符号付き有向グラフに表現すると第11図の
ようになる。図中円は状態変数(ノード)を示し、矢印
は因果関係を示す。実線は“+”の因果関係を、破線は
“−”の因果関係を示す。
次にこのグラフによる異常原因推定の診断アルゴリズ
ムについて第12図,第13図により説明する。
基本的な考え方は、アラーム発生中のノード間の因果
関係を矢印の向きとは反対方向に辿り、上流側からの
“異常”の伝潘入力がないのに、下流側に“異常”を伝
潘しているノードを異常原因と推定する。
各状態変数には第12図(A)に示すようにプロセスの
状態に応じて次の3段階の符号が与えられている。
+:信号が異常に高い 0:正常である。
−:信号が異常に低い。
更に、有効点,有効枝が次のように定義されている。
有効点:プラス又はマイナスの異常を示す点。
有効枝:異常の伝わる経路となっている枝(枝の始点と
終点の異常符号の積とその枝の因果関係の符号とが一致
する枝)。
第10図のプロセスで例えば水槽1と2の間の管路に詰
りを生じたと仮定するとき、L1は増加(+)と、F1,L2,
F2は減少(−)する。
第12図(A),(B)はこの関係を符号付き有向グラ
フに反映させ、同時に異常符号,有効点,有効枝を記入
したものであり、ノードF0が正常、L1がプラス異常、
F1,L2,F2がマイナス異常を示している。(B)は有効点
を示しており、F0が正常符号のために無効点となり、他
のノードはすべて異常符号を取るために有効点となる。
次に異常が伝わる経路となっている枝,有効枝は、上
記定義により枝の始点と終点の符号の積とその枝の因果
関係符号が一致するものであるから、この定義を満足す
る有効枝は第13図に示すように添字(3),(4),
(5)を付したの3本である。
L1のF1との間の添字(2)は、L1の異常はプラス、F1
はマイナスであり、その積はマイナスであるが添字
(2)の枝は因果関係でプラスであるから不一致とな
り、この枝を通って異常は伝潘していないので、有効枝
から省かれる。
この様にして有効枝のみを残した第13図において、入
る有効枝のないノードを捜すと、F1が該当するので、F1
を異常原因と推定する。
実際のプラントにおける測定点,非測定点をノードと
する有向符号付きグラフの例を第2図に示す。第10図の
例はすべてのノードが測定点であったが、非測定点をグ
ラフに取り込むことも可能であり、第2図の例では、下
部にハッチング部分を持つノード(例えばSP8)が測定
点、ハッチングを有しないノード(例えばP8)が非測定
点である。
この様に、非測定点をグラフに取り込む場合は、診断
の途中でこれらの非測定点、にプラス又はマイナスの異
常を仮定し、得られるすべての有効グラフ(有効点と有
効枝のみで構成されたグラフ)について原因点の推定が
実行される。
<発明が解決しようとする問題点> 以上説明した有向符号付きグラフによる異常原因の診
断は、複雑に影響しあっているプロセスの複数の異常発
生に対して原因点を推定するための手段として極めて有
効であるが、次のような問題点がある。
(1)独立した2箇所以上で同時に故障が発生した2
重,多重の故障には対応できない。実際のプラント、ボ
イラのような時定数の大きい系では、2箇所以上の故障
が同時に発生することはないとしても短い時間間隔で警
報として現れてくる可能性がある。
(2)警報の設定が上記例のように3段階の場合は、警
報の設定レベルが不適切であると正常,異常の信頼性が
低下する危険がある。
この問題に対処する−手法として5段階による異常パ
ターンの設定(+,+?,0,−?,−)により診断するシス
テムも提案されている(化学工業論文集VOL.10,NO.2,19
84)が、パターン判断と処理が複雑となること、無駄な
警報の多発などが考えられ、ノードが複雑多岐にわたる
場合は診断の処理時間が大幅に増大する欠点がある。
本発明は、このような問題点を解消した有向符号付き
グラフによる異常点診断方法の提供を目的とする。
<問題点を解決するための手段> 本発明方法の特徴は、プロセスの複数の測定点並びに
非測定点をノードとする符号付き有向グラフにより、上
記測定点の正常,異常パターンデータに基づいて異常原
因ノードを診断するプロセスの異常原因診断方法におい
て、 (a)異常を示さない無効測定点を除いて、異常を示す
有効測定点をグループ分けすると共に、各グループ内の
非測定点のパターンを符号付き有向グラフにしたがって
有効測定点と仮定し、グループ内のすべての有効測定点
に矛盾なく対応した点が存在する場合にはその点を異常
原因と見なし、存在しない場合にはそのグループの診断
は不能と判断する機能と、 (b)異常を示さない無効測定点に出会った場合には、
その無効測定点に対応するパターンを仮定し、出会った
回数をカウントアップすると共に、それ以上の異常伝潘
を無視して仮定過程を中止する機能と、 (c)グループ毎の診断が終了した時点で無効測定点を
チェックし、もし2つ以上のグループから同じ異常パタ
ーンが仮定されている無効測定点が存在する場合には、
関係するすべてのグループがこの無効測定点によって結
ばれていると見なし、この測定点に対する異常パターン
の設定入力をマンマシンインタフェースを介してオペレ
ータに問い合わせる機能と、 (d)オペレータにより上記設定入力があった場合に
は、各関係グループを融合して新たなグループを作り、
このグループ内で上記(a)の機能により再度異常原因
の診断を実行すると共に、設定入力がない場合には多重
故障として診断を続行する機能とよりなる。
<作用> 異常を示す有効測定点がグループ分けされ、各グルー
プ内の非測定点のパターンを符号付き有向グラフにした
がって有効測定点と仮定し、グループ毎に故障原因の診
断が実行される。診断の過程で異常を示さない無効測定
点に出会った場合には、その無効測定点に対応するパタ
ーンが仮定され、出会った回数がカウントアップされ
る。
グループ毎の診断が終了した時点で無効測定点がチェ
ックされ、もし2つ以上のグループから同じ異常パター
ンが仮定されてる無効測定点が存在する場合には、この
測定点に対する異常パターンの設定入力をマンマシンイ
ンタフェイスを介してオペレータに問い合わせる。
オペレータが異常の入力をした場合には、各関係グル
ープを融合して新たなグループが作られて、このグルー
プ内で再度異常原因の診断が実行される。
<実施例> 第1図は、本発明を実施する場合の分散形制御装置の
ハードウェア構成を示すものであり、マンマシンインタ
フェイス3とプラントとの情報交換を実行する複数の制
御ステーション4とがバス5に接続されて通信が行われ
る。
6は本発明による診断アルゴリズムにより駆動される
故障診断装置であり、バス5に接続され、このバスを介
して制御ステーション側より各測定点の警報状態データ
がアップロードされ、このデータに基づいて故障原因の
診断を行う。
第2図は既に説明したように、プラントの複数の測定
点,非測定点を因果関係を示す符号付きの枝で結んだ符
号付き有向グラフの例である。
次に第3図により本発明の診断方法の特徴を説明す
る。
(1)グループ分け診断 本発明の第1の特徴であり、異常を示さない無効測定
点P0,F0,R0,S0…を除いて、異常を示すと共に枝で結合
される有効測定点群Q1,Q2,Q3のグループをG1、L1,F1,
L2,F2のグループをG2…のようにグループ分けする。
次に各グループ内において非測定点のパターンを符号
付き有向グラフにしたがって有効測定点と仮定して各グ
ループごとに故障原因の診断を実行する。
グループ内のすべての有効測定点に矛盾なく対応した
点が存在する場合にはその点を異常原因と見なし、存在
しない場合にはそのグループの診断は不能と判断する (2)無効測定点のカウントアップ 各グループの診断の過程において、異常を示さない無
効測定点に出会った場合には、その無効測定点に対応す
るパターンを仮定し、出会った回数を各無効測定点ごと
にカウントアップする。この無効測定点に関してはカウ
ントアップのみを実行して、それ以上の異常伝播を無視
して仮定過程を中止する (3)オペレータへの問い合わせ グループ毎の診断が終了した時点で無効測定点をチェ
ックし、もし2つ以上のグループから同じ異常パターン
が仮定されてカウントアップ数が2以上の無効測定点が
存在する場合には、関係するすべてのグループがこの無
効測定点によって結ばれていると見なし、この測定点に
対する異常パターンの設定入力をマンマシンインタフェ
イスを介してオペレータに問い合わせる (4)再診断 オペレータにより無効測定点に対する異常パターンの
強制的な設定入力があった場合には、この無効測定点に
より結ばれる各関係グループを融合して新たなグループ
が作られる。
そして、この新たなグループ内で上記(1)の機能に
より再度異常原因の診断が実行される。
オペレータがこの無効測定点に対して異常パターンの
入力をしないと決定した場合は、多重故障として診断が
続行される。
第4図乃至第9図は、以上説明した本発明の診断の信
号処理手順をフローチャートで示したものである。
第4図はメインフローチャートであり、リセット割り
込み処理ルーチンAを経てまず初期化が実行され、プロ
セスの因果関係を表すすべての測定点,非測定点を表す
データベースを配列化し、診断可能な状態となる。
そしてアラームの有無がチェックされ、アラーム増加
ならばB1〜B2ルーチンが実行され、アラームが減少なら
ばC1〜C2ルーチンが実行され、アラームが反転ならばD
のルーチンが実行された後に最終ルーチンEが実行され
て初期化状態に戻る。
第5図は、リセット割り込みルーチンのフローであ
り、診断終了又は診断不能に陥った後の再試行リセット
の割り込み機能である。
第6図は、アラームが増加した場合の処理ルーチンの
フローであり、新規検出アラームのみを診断の対象と
し、グループ分けを実行する。即ち、グループ番号を新
たな有効測定点に与え、以降のパターン仮定過程におい
て非測定点のグループ番号とする。但し、新規有効測定
点にすでに番号が与えられている場合は、その番号を用
いる。
次に、新規有効測定点と関連するノードに対応したパ
ターンを与え、各ノードついて有効に成立する枝の数が
カウントされる。但し、新しい仮定パターンが前回の仮
定パターンの逆転(高低)である場合、そのノードを
無効化して異常の原因とはならないものとする。
第7図は、アラームの数が前回診断の後に減少した場
合の処理ルーチンのフローである。アラームが減少した
としても、その異常だったパターンを内部で保持し、そ
れに関連する有効測定点に対してパルス状のフラグを立
てるパルス処理が実行される。
第8図は、アラームが反転する場合の処理ルーチンの
フローである。振動を伴なう異常の診断アルゴリズムが
現時点では実現困難であるから、発振処理を実行した後
に診断を中断する。
第9図は、最終処理ルーチンのフローであり、まず、
診断結果の表示が実行される。即ち、B1〜B2ルーチンの
処理結果をチェックし、各グループ毎にそのグループに
含まれているアラーム数だけカウントアップされている
有効ノードを異常原因としてそのパターンと共にCRTな
どに表示する。
次に、複数のグループにおいて異常原因が存在する場
合は、多重故障と認定される。そして多重故障の場合、
正常を示す無効測定点に対して2個以上の同じパターン
が仮定されている場合には、その測定点のアラームしき
い値が不適切であったと見なし、この測定点に対する異
常パターンの強制的な設定入力をオペレータに問い合わ
せる追加入力要求の処理が実行される。
追加入力がオペレータにより実行された場合は、この
アラームは以降のサンプリング処理で新たなアラームと
して検出され、新たなグループ分けが行われて再診断が
実行される。
本発明の診断方法では、アラームのしきい値を3段階
又はそれ以上とすることも可能であるが、追加アラーム
の設定入力が可能であるから、3段階パターンで十分な
診断精度が期待される。
<発明の効果> 以上説明したように、本発明の診断方法によれば、 (1)グループ分けにより各グループ内で独立に異常原
因の診断が実行されるために、同時発生又は極めて近接
した連続発生の異常に対してその原因点の推定が可能と
なる。
(2)異常パターンの設定過程において、当初正常であ
るとした無効測定点に出会った場合に、その測定点に対
して「異常ではないか?」とし、伝潘してくる異常パタ
ーンを与え、仮定される回数をカウントアップすること
により、オペレータに対して異常パターンの強制的な追
加入力の機会が与えられるので、アラームのしきい値設
定が不適切であった場合でもこの処理により回復でき、
新たなグループ設定により再診断できるので、3段階設
定を採用した場合でも精度の高い故障原因の診断が可能
であり、従来方式による5段階設定の診断に比較して診
断時間を大幅に短縮することが可能である。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明方法が実施された分散形プロセス制御装
置のハードウェア構成図、第2図はプラントの測定点,
非測定点をノードとする符号付き有向グラフの一例、第
3図は本発明方法によるグループ分けに関する動作説明
図、第4図は本発明方法の信号処理手順を示すメインフ
ローチャート図、第5図はリセット割り込み処理のフロ
ーチャート図、第6図はアラーム増加処理のフローチャ
ート図、第7図はアラーム減少処理のフローチャート
図、第8図はアラーム反転処理のフローチャート図、第
9図は最終処理のフローチャート図、第10図乃至第13図
は符号付き有向グラフによる故障診断の説明図である。 3……マンマシンインターフェイス、4……制御ステー
ション、5……バス、6……故障診断装置

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】プロセスの複数の測定点並びに非測定点を
    ノードとする符号付き有向グラフにより、上記測定点の
    正常、異常パターンデータに基づいて異常原因ノードを
    診断するプロセスの異常原因診断方法において、 (a)異常を示さない無効測定点を除いて、異常を示す
    有効測定点をグループ分けすると共に、各グループ内の
    非測定点のパターンを符号付き有向グラフにしたがって
    有効測定点と仮定し、グループ内のすべての有効測定点
    に矛盾なく対応した点が存在する場合にはその点を異常
    原因と見なし、存在しない場合にはそのグループの診断
    は不能と判断する機能と、 (b)異常を示さない無効測定点に出会った場合には、
    その無効測定点に対応するパターンを仮定し、出会った
    回数をカウントアップすると共に、それ以上の異常伝播
    を無視して仮定過程を中止する機能と、 (c)グループ毎の診断が終了した時点で無効測定点を
    チェックし、もし2つ以上のグループから同じ異常パタ
    ーンが仮定されている無効測定点が存在する場合には、
    関係するすべてのグループがこの無効測定点によって結
    ばれていると見なし、この測定点に対する異常パターン
    の設定入力をマンマシンインタフェースを介してオペレ
    ータに問い合わせる機能と、 (d)オペレータにより上記設定入力があった場合に
    は、各関係グループを融合して新たなグループを作り、
    このグループ内で上記(a)の機能により再度異常原因
    の診断を実行すると共に、設定入力がない場合には多重
    故障として診断を続行する機能、とよりなるプロセスの
    異常原因診断方法。
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