JPH0972596A - 空調システム診断方法 - Google Patents

空調システム診断方法

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Publication number
JPH0972596A
JPH0972596A JP7229950A JP22995095A JPH0972596A JP H0972596 A JPH0972596 A JP H0972596A JP 7229950 A JP7229950 A JP 7229950A JP 22995095 A JP22995095 A JP 22995095A JP H0972596 A JPH0972596 A JP H0972596A
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JP
Japan
Prior art keywords
conditioning system
model
air conditioning
qualitative
diagnosed
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Application number
JP7229950A
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English (en)
Inventor
Fusachika Miyasaka
房千加 宮坂
Yoshimitsu Ishikawa
良光 石川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
YAMATAKE KEISO KK
Azbil Corp
Original Assignee
YAMATAKE KEISO KK
Azbil Corp
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Publication date
Application filed by YAMATAKE KEISO KK, Azbil Corp filed Critical YAMATAKE KEISO KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 少ないセンサ情報で空調システムの診断を行
えるようにする。 【解決手段】 診断すべき空調システムに対してその確
率的定性モデルを作成し、このモデルに基づいて空調シ
ステムの1ステップ先(t=1)においてとり得る遷移
状態(S1〜S10)を推論する。この推論した遷移状
態を存在確率の高い順にソートし、その存在確率の合計
値がしきい値0.7を超えた以降のものをカットする。
残された遷移状態と測定値とを比較して一致しない遷移
状態をカットする。残存する遷移状態の存在確率を正規
化したうえ、次のステップの親状態として、10ステッ
プ先まで同様の処理を繰り返し、各ステップにおける正
規化前の存在確率の合計値を掛け合わせた値の10乗根
をしきい値0.7で割った値を測定値一致度とし、この
測定値一致度に基づき空調システムを診断する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、確率的定性推論
を利用して空調システムの診断を行う空調システム診断
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】最近、空調システムの診断装置として、
専用コンピュータネットワークを持つ設備診断システム
が提案されている。この設備診断システムでは、異常検
知の切り分けを、すべて測定値に基づいて行っている。
すなわち、測定値の上下限や偏差値チェックなどによ
り、異常の検知を行っている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
設備診断システムでは、上述した如く異常検知の切り分
けをすべて測定値に基づいて行っているため、センサが
多く、コストが高くなり、実現性に乏しかった。
【0004】本発明はこのような課題を解決するために
なされたもので、その目的とするところは、少ないセン
サ情報で空調システムの診断を行うことができ、低コス
トで、実現性の高い空調システム診断方法を提供するこ
とにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、第1発明(請求項1に係る発明)は、診断す
べき空調システムに対してその確率的定性モデルを作成
し、この確率的定性モデルを利用して空調システムの診
断を行うようにしたものである。この発明によれば、確
率的定性モデル(正常モデルや異常モデル)を利用し
て、空調システムの診断が行われる。
【0006】第2発明(請求項2に係る発明)は、診断
すべき空調システムに対してその確率的定性モデルを作
成し、この確率的定性モデルの測定値一致度を求め、こ
の測定値一致度の経年変化によって空調システムの劣化
診断を行うようにしたものである。この発明によれば、
確率的定性モデル(正常モデルや異常モデル)の測定値
一致度が求められ、この測定値一致度の経年変化によっ
て空調システムの劣化診断が行われる。
【0007】第3発明(請求項3に係る発明)は、第1
発明において、診断すべき空調システムの状態が1ステ
ップ(1単位時間)進む毎に、その空調システムの診断
を自動的に行うようにしたものである。第4発明(請求
項4に係る発明)は、診断すべき空調システムに対する
確率的定性モデルとして正常モデルおよび各種の異常モ
デルを作成し、この正常モデルおよび各種の異常モデル
を利用して空調システムの診断を行うようにしたもので
ある。
【0008】第5発明(請求項5に係る発明)は、第4
発明において、正常モデルおよび各種の異常モデルを利
用した診断結果をランク付けて表示するようにしたもの
である。第6発明(請求項6に係る発明)は、第4発明
において、メモリに正常モデルと異常の種別毎にモデル
変更情報を記憶させておき、各種の異常モデルを正常モ
デルに対して該当するモデル変更情報に置換させて作成
するようにしたものである。
【0009】第7発明(請求項7に係る発明)は、第4
発明において、正常モデルおよび各種の異常モデルを利
用した診断結果から異常を特定することができない場
合、その時の空調システムの状態を新たな異常モデルと
して学習するようにしたものである。第8発明(請求項
8に係る発明)は、クレーム発生後、診断すべき空調シ
ステムに対する確率的定性モデルとして作成される各種
の異常モデルを利用して空調システムの診断を行い、こ
の診断結果から空調システムに生じているであろう異常
の種別を特定し、この特定した種別の異常を除去した
後、前記と同様にして空調システムの診断を行い、この
診断結果から空調システムに生じているであろう次の異
常の種別を特定するようにしたものである。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施の形態に基づ
き詳細に説明する。先ず、実施の形態の説明に入る前
に、確率的定性モデルについて説明する。図2は確率的
定性モデルの表現例である。計装図と制御内容を基に人
間の定性的な思考過程をモデル化するうえで、図2のよ
うな表現方法を用いる。
【0011】〔確率的定性モデルの表現〕同図におい
て、1,2,3はノード、4は関数を示す。ノードと
は、一定時間継続するイベントを表し、定性値を持つ。
この例では、ノード1を室温の測定値、ノード2を室温
の設定値、ノード3を変化値とする。また、定性値をA
〜Eと表し(図3参照)、あるしきい値より大きい量、
小さい量を区別する値とする。すなわち、この例では、
定性値Aは28℃より大きい値、定性値Bは26℃〜2
8℃、定性値Cは24℃〜26℃、定性値Dは22℃〜
24℃、定性値Eは22℃より小さい値とする。関数4
は、ノード1およびノード2より定性値を入力し、変化
方向〔up(上がる)/const(変化なし)/do
wn(下がる)〕と発生確率(%)を出力する。図4に
関数4からの出力例を示す。
【0012】また、ノード1,2,3や関数4との間を
接続する線をアークと呼び、ノードや関数間で影響が伝
わる方向を示す。また、アークに付記されている「(s
td)0.6」などを伝播規則と呼び、伝播内容(+:
正比例、−:反比例、std:影響なし)と伝播速度
(判定周期の整数倍:0,1,2…)を表す。このアー
クと伝播規則とを併せて動作規則と呼ぶ。ノード1とノ
ード2とを結ぶアークの場合、伝播規則として、ノー
ド1の定性値の変化に対してノード2が影響を受けず、
その確率が0.6であることを「(std)0.6」と
表し、逆方向に1単位時間後(1ステップ後)に変化
し、その確率が0.4であることを「(−1)0.4」
と表している。ノード3とノード2とを結ぶアークの
場合、伝播規則として、同方向に1単位時間後(1ステ
ップ後)に変化し、その確率が1.0であることを
「(+1)1.0」と表している。
【0013】〔状態遷移〕ノード1,2,3の定性値が
それぞれC,C,Cである時、このモデルの状態を
〔C,C,C〕と表現する。t=0でノード1がBに変
化した場合、〔B,C,C〕と表す。このt=0での遷
移状態を初期状態S0とした場合、その存在確率は1.
0である(図5参照)。ここで、1ステップ後のt=1
での遷移状態を考えると、関数4の出力は図4から「c
onst(0.5)」,「down(0.5)」とな
る。
【0014】この場合、アークでの伝播規則を「(s
td)0.6」、関数4の出力を「const(0.
5)」とした場合、t=1での遷移状態S1は〔B,
C,C〕となり、この場合の存在確率は0.6×0.5
=0.3となる。また、アークでの伝播規則を「(s
td)0.6」、関数4の出力を「down(0.
5)」とした場合、t=1での遷移状態S2は〔B,
C,D〕となり、この場合の存在確率は0.6×0.5
=0.3となる。また、アークでの伝播規則を「(−
1)0.4」、関数4の出力を「const(0.
5)」とした場合、t=1での遷移状態S3は〔B,
D,C〕となり、この場合の存在確率は0.4×0.5
=0.2となる。また、アークでの伝播規則を「(−
1)0.4」、関数4の出力を「down(0.5)」
とした場合、t=1での遷移状態S4は〔B,D,D〕
となり、この場合の存在確率は0.4×0.5=0.2
となる。
【0015】さらに、1ステップ後のt=2での遷移状
態を考えると、遷移状態S1,S2ではノード1の定性
値がB、ノード2の定性値がCであるので、関数4の出
力は図4から「const(0.5)」,「down
(0.5)」となる。これにより、遷移状態S1から
は、関数4の出力が「const(0.5)」の場合に
は遷移状態S5(〔B,C,C〕)となり、その存在確
率は0.3×0.5=0.15となる。また、関数4の
出力が「down(0.5)」の場合には遷移状態S6
(〔B,C,D〕)となり、その存在確率は0.3×
0.5=0.15となる。
【0016】また、遷移状態S2からは、t=1でノー
ド3がCからDへ変化したため、アークでの伝播規則
「(+1)1.0」によりノード2がDへ変化し、関数
4の出力が「const(0.5)」の場合には遷移状
態S7(〔B,D,D〕)となり、その存在確率は0.
3×0.5=0.15となる。また、関数4の出力が
「down(0.5)」の場合には遷移状態S8
(〔B,D,E〕)となり、その存在確率は0.3×
0.5=0.15となる。また、遷移状態S3,S4で
はノード1の定性値がB、ノード2の定性値がDである
ので、関数4の出力は図4から「down(1.0)」
となる。これにより、遷移状態S3からは、遷移状態S
9(〔B,D,D〕)となり、その存在確率は0.2×
1.0=0.2となる。また、遷移状態S4からは、t
=1でノード3がCからDへ変化したため、アークで
の伝播規則「(+1)1.0」によりノード2がEへ変
化し、遷移状態S10(〔B,E,E〕)となり、その
存在確率は0.2×1.0=0.2となる。
【0017】以下、同様にして、t=3,t=4・・・
t=nでの遷移状態を推論することができる。なお、t
=2での遷移状態および存在確率を集計し、ソートする
と、〔B,D,D〕=0.35、〔B,E,E〕=0.
2、〔B,C,C〕=0.15、〔B,C,D〕=0.
15、〔B,D,E〕=0.15となる。
【0018】〔実施の形態1:第1発明〕このような基
本的な考えに基づき、本実施の形態では、次のようにし
て空調システムの診断を行う。診断すべき空調システム
に対して、計装図と制御内容を基に確率的定性モデルを
作成し、t=0での初期状態S0を決定し、その存在確
率を1.0とする。その後、以下に説明する〜の処
理を1単位時間毎に設定回数(本実施の形態では10
回)繰り返し、すなわち1単位時間を1ステップとして
10ステップ先まで〜の処理を繰り返し、各ステッ
プの残存する遷移状態の存在確率から測定値一致度を求
め、この測定値一致度に基づいて診断を行う。
【0019】〔状態分割〕図1(a)に示すように、
t=0での初期状態S0から、t=1においてとり得る
遷移状態S(この場合、S=S1〜S10)を推測す
る。
【0020】〔存在確率の低い状態のカット〕そし
て、推測した遷移状態を存在確率の高い順にソートし、
その存在確率の合計値が予め定められたしきい値(本実
施の形態では0.7)を超えた以降の遷移状態をカット
する。この例では、図1(b)に示すように、存在確率
の高い順として遷移状態S6,S3,S8,S2,S
5,S1,S4,S7,S9,S10が並べられ、遷移
状態S6,S3,S8,S2,S5までの存在確率の合
計値が0.71となることから、遷移状態S1,S4,
S7,S9,S10がカットされる(図1(c)参
照)。これにより、遷移状態Sの爆発を防ぐことがで
き、メモリの消費を抑えることができる。
【0021】〔測定値不一致状態のカット〕次に、残
った遷移状態と測定値とを比較して一致しない遷移状態
をカットする。すなわち、t=1での測定値から考え
て、あり得ない遷移状態をカットする。また、遷移状態
の同じものはまとめる。この例では、図1(d)に示さ
れるように、遷移状態S6およびS2があり得ない遷移
状態としてカットされ、遷移状態S3とS8とS5とが
残され、この残された遷移状態のうち遷移状態S3とS
5とが同じものとしてまとめられる。この結果、遷移状
態S3とS8とが残され、遷移状態S8の存在確率は
0.15とそのままであるのに対し、遷移状態S3の存
在確率は0.15+0.12=0.27とされる。
【0022】〔残存状態の存在確率の正規化〕残った
遷移状態の存在確率の合計で、それぞれの存在確率を割
り、合計が1.0になるように正規化する。この例で
は、遷移状態S3とS8とが残され、その存在確率が
0.27と0.15であるので、存在確率の合計は0.
27+0.15=0.42となる。これにより、遷移状
態S3の正規化後の存在確率は0.27/0.42=
0.64となり、遷移状態S8の正規化後の存在確率は
0.15/0.42=0.36となる(図1(e)参
照)。そして、この残された遷移状態S3およびS8を
次のステップの親状態として、上記〜の処理を繰り
返す。
【0023】〔測定値一致度〕各ステップにおける正
規化前の存在確率の合計値を掛け合わせた値の10乗根
をしきい値0.7で割った値を測定値一致度とする。本
実施の形態では、10ステップ先の測定値一致度(以
下、この10ステップ先の測定値一致度を確率的定性モ
デルの測定値一致度と呼ぶ)で、この空調システムの診
断を行う。作成した確率的定性モデルを正常モデルとし
た場合、その正常モデルの測定値一致度が大きければ
(0.5程度)正常と判断し、小さければ(0.001
程度)異常と判断する。また、作成した確率的定性モデ
ルを異常モデルとした場合、その異常モデルの測定値一
致度が大きければ(0.5程度)、その異常モデルに応
じた種別の異常が発生していると判断する。
【0024】これにより、本実施の形態によれば、限ら
れた少ないセンサ情報で空調システムの診断を行うこと
が可能となり、すなわち既存のセンサ情報で空調システ
ムの診断を行うことが可能となり、多数のセンサを配置
する必要がないことから、低コストとして、実現性を高
めることができる。
【0025】〔実施の形態2:第2発明〕実施の形態1
では診断タイミングについては説明しなかった。この場
合、診断タイミングとしては、クレーム発生時とするこ
とが考えられる。しかし、これでは、クレームが発生し
てからでないと対応することができない。そこで、実施
の形態2では、確率的定性モデルを正常モデルとし、こ
の正常モデルを利用して定期的に診断を行うようにし、
その正常モデルの測定値一致度の経年変化によって空調
システムの劣化診断を行うようにする。これにより、ク
レームが発生する前に、予防保全を行うことが可能とな
る。なお、確率的定性モデルを異常モデルとし、正常モ
デルの場合と同様にして劣化診断を行うことも考えられ
る。
【0026】〔実施の形態3:第3発明〕実施の形態2
では定期的に診断を行うようにした。これに対し、実施
の形態3では、その空調システムの状態が1ステップ進
む毎に、自動的に診断を行うようにする。すなわち、1
単位時間が経過する毎に、新たな測定値を得て確率的定
性モデルの測定値一致度を求めなおす。この場合、確率
的定性モデルとして正常モデルおよび各種の異常モデル
を作成し、これらのモデルの測定値一致度を求め、この
求めた各測定値一致度を各モデル毎に時系列でグラフ表
示するようにすれば、その空調システムの正常・異常を
異常の種別を含めて画面上で監視することができる。
【0027】〔実施の形態4:第4発明〕実施の形態1
では、確率的定性モデルを正常モデルとして正常・異常
のみを判断するようにしてもよいし、確率的定性モデル
を異常モデルとしてその異常のみを監視するようにして
もよい。これに対して、実施の形態4では、確率的定性
モデルとして正常モデルおよび各種の異常モデルを作成
し、これらのモデルの測定値一致度を同時に求める。こ
れにより、一度に、その空調システムの正常・異常を異
常の種別を含めて知ることができる。
【0028】〔実施の形態5:第5発明〕実施の形態4
において、正常モデルおよび各種の異常モデルの測定値
一致度を表示するようにすれば(図6参照)、画面上で
一目で現在の空調システムの状態を知ることができる。
なお、図6(a)は正常な場合、図6(b)は異常の場
合を示している。図6(a)では、正常モデルの測定値
一致度が他のモデルと比べて桁違いに大きいため、正常
と判断することができる。図6(b)では、異常モデル
の測定値一致度が他のモデルと比べて桁違いに大きい
ため、異常モデルに応じた種別の異常が発生している
と判断することができる。なお、この実施の形態では、
測定値一致度を表示するようにしたが、測定値一致度の
高い順に表示するようにしてもよく、そのランク付け表
示は種々考えられる。
【0029】〔実施の形態6:第6発明〕実施の形態4
では、確率的定性モデルとして正常モデルに加え、各種
の異常モデルを作成するものとした。この場合、各種の
異常モデルは、正常モデルと同様にそのモデル構造全体
をハードディスク等のメモリに記憶させておくようにし
てもよい。しかし、このようにすると、メモリ量を過大
に必要とする。そこで、実施の形態6では、メモリに正
常メモリと異常の種別毎にモデル変更情報を記憶させて
おき、各種の異常モデルを正常モデルに対して該当する
モデル変更情報に置換させて作成するようにする。これ
により、メモリ量を節約することができる。
【0030】〔実施の形態7:第7発明〕実施の形態4
において、各確率的定性モデルを利用した診断結果から
異常の種別を特定することができない場合、その時の空
調システムの状態を新たな異常モデルとして学習させ
る。これにより、既存の各種異常モデルに新たに学習さ
れた異常モデルが加わり、その診断能力が徐々にアップ
する。この場合、そのモデルの構造全体をメモリに記憶
するようにしてもよいが、実施の形態6と同様にモデル
変更情報のみを記憶するようにすればメモリ量を節約す
ることができる。
【0031】〔実施の形態8:第8発明〕例えば、実施
の形態1において、確率的定性モデルを各種の異常モデ
ルとし、クレーム発生時にその異常の種別を特定するよ
うにした場合、複数種類の異常が同時発生している可能
性がある。実施の形態8では、このような場合を想定
し、クレーム発生後、各異常モデルの測定値一致度を求
め、まず最初の異常の種別を特定する。そして、この特
定した異常を除去した後、同様にして各異常モデルの測
定値一致度を求め、次の異常の種別を特定する。以下、
同様にして、異常を取り除きながら、異常の種別を特定
して行く。これにより、1つずつ異常が絞り込まれ、最
終的にすべての異常が取り除かれるものとなる。
【0032】図7に本発明を適用してなる診断装置のシ
ステム構成を示す。同図において、11はCPU、12
はメモリ、13はキーボード、14はマウス、15はC
RT、16はインターフェイス、17はハードディス
ク、18はプリンタ、T1〜Tnは空調システムに配備
されたセンサである。正常モデル(基本定性モデル)や
異常に対するモデル変更情報はハードディスク17に記
憶されている。また、センサT1〜Tnから得られる測
定値(時系列データ)は、ハードディスク17に記憶さ
れる。CPU11は、ハードディスク17に記憶されて
いるデータに基づき、推論部11−1および診断部11
−2との間での遣り取りにより、本発明による方法を適
用して空調システムの診断を行う。この際、各種モデル
に対して推論される遷移状態や存在確率等は、メモリ1
2に一時的に格納される。
【0033】なお、図7のシステムでは、CPU11に
おいて推論および診断を行うようにしたが、サーバのC
PUを設けて分割してその処理を行うようにしてもよ
い。また、CPU11で得られた診断結果を通信回線を
介して遠隔監視センタへ送るようにしてもよい。
【0034】
【発明の効果】以上説明したことから明らかなように本
発明によれば、第1発明では、確率的定性モデル(正常
モデルや異常モデル)を利用して空調システムの診断が
行われるものとなり、これにより限られた少ないセンサ
情報で空調システムの診断を行うことが可能となり、す
なわち既存のセンサ情報で空調システムの診断を行うこ
とが可能となり、多数のセンサを配置する必要がないこ
とから、低コストとして、実現性を高めることができ
る。第2発明では、確率的定性モデル(正常モデルや異
常モデル)の測定値一致度が求められ、この測定値一致
度の経年変化によって空調システムの劣化診断が行われ
るものとなり、クレームが発生する前に予防保全を行う
ことが可能となる。
【0035】第3発明では、診断すべき空調システムの
状態が1ステップ(1単位時間)進む毎にその空調シス
テムの診断が自動的に行われ、その診断結果を時系列で
グラフ表示するようにすれば、その空調システムの状態
を画面上で監視することができるようになる。第4発明
では、診断すべき空調システムに対する確率的定性モデ
ルとして正常モデルおよび各種の異常モデルが作成さ
れ、この正常モデルおよび各種の異常モデルを利用して
空調システムの診断が行われるものとなり、一度に、そ
の空調システムの正常・異常をその異常の種別を含めて
知ることが可能となる。第5発明では、正常モデルおよ
び各種の異常モデルを利用した診断結果がランク付けて
表示されるものとなり、画面上で一目で現在の空調シス
テムの状態を知ることが可能となる。
【0036】第6発明では、各種の異常モデルについて
は、正常モデルに対するモデル変更情報のみを記憶する
ものとして、メモリを節約することができる。第7発明
では、既存の各種異常モデルに新たに学習された異常モ
デルが加わるものとなり、その診断能力が徐々に高まっ
て行く。第8発明では、複数種類の異常が発生している
場合、異常が取り除かれながら、その異常の種別が順次
に特定されて行く。これにより、1つずつ異常を絞り込
み、最終的にすべての異常を取り除くことが可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1においてその診断過程
を説明するための図である。
【図2】 確率的定性モデルの表現例を示す図である。
【図3】 図2において各ノード1,2,3の持つ定性
値を例示する図である。
【図4】 図2において関数4の出力例を示す図であ
る。
【図5】 初期状態S0から推論される各ステップの遷
移状態を説明するための図である。
【図6】 正常モデルおよび各種の異常モデルの測定値
一致度の表示例を示す図である。
【図7】 本発明に係る空調システム診断方法を適用し
てなる診断装置のシステム構成図である。
【符号の説明】
1,2,3…ノード、4…関数、11…CPU、12…
メモリ、13…キーボード、14…マウス、15…CR
T、16…インターフェイス、17…ハードディスク、
18…プリンタ、T1〜Tn…センサ。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 診断すべき空調システムに対してその確
    率的定性モデルを作成し、この確率的定性モデルを利用
    して前記空調システムの診断を行うようにしたことを特
    徴とする空調システム診断方法。
  2. 【請求項2】 診断すべき空調システムに対してその確
    率的定性モデルを作成し、この確率的定性モデルの測定
    値一致度を求め、この測定値一致度の経年変化によって
    前記空調システムの劣化診断を行うようにしたことを特
    徴とする空調システム診断方法。
  3. 【請求項3】 請求項1において、診断すべき空調シス
    テムの状態が1ステップ進む毎に、その空調システムの
    診断を自動的に行うようにしたことを特徴とする空調シ
    ステム診断方法。
  4. 【請求項4】 診断すべき空調システムに対する確率的
    定性モデルとして正常モデルおよび各種の異常モデルを
    作成し、この正常モデルおよび各種の異常モデルを利用
    して前記空調システムの診断を行うようにしたことを特
    徴とする空調システム診断方法。
  5. 【請求項5】 請求項4において、正常モデルおよび各
    種の異常モデルを利用した診断結果をランク付けて表示
    するようにしたことを特徴とする空調システム診断方
    法。
  6. 【請求項6】 請求項4において、メモリに正常モデル
    と異常の種別毎にモデル変更情報を記憶させておき、各
    種の異常モデルを正常モデルに対して該当するモデル変
    更情報に置換させて作成するようにしたことを特徴とす
    る空調システム診断方法。
  7. 【請求項7】 請求項4において、正常モデルおよび各
    種の異常モデルを利用した診断結果から異常を特定する
    ことができない場合、その時の空調システムの状態を新
    たな異常モデルとして学習するようにしたことを特徴と
    する空調システム診断方法。
  8. 【請求項8】 クレーム発生後、診断すべき空調システ
    ムに対する確率的定性モデルとして作成される各種の異
    常モデルを利用して前記空調システムの診断を行い、こ
    の診断結果から前記空調システムに生じているであろう
    異常の種別を特定し、この特定した種別の異常を除去し
    た後、前記と同様にして前記空調システムの診断を行
    い、この診断結果から前記空調システムに生じているで
    あろう次の異常の種別を特定するようにしたことを特徴
    とする空調システム診断方法。
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