JP2536262Y2 - 電子部品 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 イ．考案の目的 〔産業上の利用分野〕 本考案は、電子装置等に実装するトランス、チョーク
コイル等の電子部品に関し、特に、分割磁性コアをコア
ホルダを用い把持固定するための磁性コア保持構造に関
する。

〔従来の技術〕

従来のトランス、チョークコイルにおける磁性コア保
持構造は、第２図に示すように、例えばＵ字形磁性コア
2aを２個切断面を突き合わせ組み合わせるか、又はＥ形
磁性コアを２個突き合わせてロの字形又は日の字形と
し、これら分割磁性コアの外周を突き合わせ面を中央に
してコの字形のコアホルダ3aにより把持する構造であ
り、前記磁性コアを保持する従来のコアホルダは、ステ
ンレス等で作られた内側方向に弾性を持つコの字形で磁
性との接触面は平板な構造のコアホルダ3aであった。

〔考案が解決しようとする課題〕

前述した従来のコアホルダの場合、分割磁性コア（以
下磁性コアと称す）に接し保持する部分は平らな断面構
造のみであるため、Ｕ字形磁性コアやＥ形磁性コアを突
き合わせ外面を保持する際、前記磁性コアとコアホルダ
に位置ずれが生じ、２つの磁性コアを常に均一に保持出
来ず、磁性コア突き合わせ部分に位置ずれを生じ、特性
の変化を修正するために位置ずれを後工程で手直しをす
る必要が あるという問題があった。

本考案の目的は、コアホルダのずれと外れを防止し、
かつ磁性コアのずれも防止する磁性コア保持構造を提供
することにある。

ロ．考案の構成 〔課題を解決するための手段〕 本考案は、２つの磁性コアの、突き合わせ部分の背面
のコアホルダが接する面の中央部分に縦長の凸部を設
け、磁性コアを把持固定するコの字形のコアホルダの、
磁性コアの凸部に対応し嵌合する両側部分に、縦長の切
溝を形成するもので、前記磁性コアとコアホルダとを組
み合わせた際、磁性コア側の凸部とコアホルダの切溝は
嵌合し、磁性コアとコアホルダとのずれ等が起こること
のない磁性コア保持構造としたことを特徴とする。

即ち、本考案は、コイルボビンへ導線を巻回し、コの
字形の２つの磁脚とそれをつなぐ磁継部からなる磁性コ
アを左右からコイルボビンに挿入し突き合わせて閉磁路
を形成し、磁性コアの両側から２つの脚部と背部からな
るコの字形コアホルダにより磁性コアを保持し構成する
磁性コア保持構造において、突き合わせ組み合わせた前
記磁性コアの磁継部の長手方向の両外側の中央に縦長の
凸部をそれぞれ一箇所設け、前記コアの突き合わせ面を
把持するコの字形のコアホルダの２つの前記脚部に分割
磁性コアの前記凸部に嵌合する端部の中央から背部に向
かって長手方向に切り落とされた縦長の切溝を設けて、
前記凸部と前記切溝とを嵌合して、前記コアを前記コア
ホルダにより組み付けるように構成したことを特徴とす
る電子部品である。

〔作用〕

磁性コアの突き合わせ面の背面、即ち前記磁性コアの
磁継部の長手方向の両外側の中央に細く長い縦長の凸部
をそれぞれ一箇所設け、一方、コアホルダの前記脚部の
端部の中央から背部に向かって長手方向に切り落とされ
た縦長の切溝を設けて、前記凸部と前記切溝とを嵌合し
て、コアホルダにより磁性コアの突き合わせ背面を把持
し、更に、樹脂接着剤により接合面を接着することによ
り、磁性コアとコアホルダを強固に固定する。

本考案のコアホルダでは、前記縦長の凸部を除いて磁
性コアの背面を押す構造としていることや、前記縦長の
凸部と前記切溝は金型でプレスされて成形されるので、
寸法が非常に精度よくできていることや、前記コアの凸
部と前記ホルダの切溝の頂点が完全に嵌合されること等
が達成されるので、突き合わせ部の位置ずれが起こり難
い構造となっている。

〔実施例〕

次に図面を参照して本考案の実施例を説明する。

第１図は、本考案による磁性コア保持構造を示す磁性
コア２とコアホルダ３を示すものである。磁性コア２
は、コの字形で、２つの脚部７と磁継部９を形成し、突
き合わせ面の背面にあたる磁継部９の外側面の中央部
に、長手方向に対して平行に稜と接しない縦長の凸部４
を形成している。一方、コアホルダ３は、 磁性コアと同様なコの字形をし、磁性コアの突き合わせ
面を押さえるため、２つの脚部７と背部６とからなり、
２つの脚部７の中央には端部から背部６に向かって切り
落とされ、磁性コアの前記縦長の凸部に嵌合する縦長の
切溝５を設けてある。磁性コア２の縦長の凸部４はプレ
ス成形時に金型に予め取り付けておき、磁性コアの粉末
プレスによる形の成形及びコア焼結により作られる。コ
アホルダ３の両側に設けた２つの縦長の切溝５は、コア
ホルダの成形時にプレス等を用いて加工をする。磁性コ
アの縦長の凸部４とコアホルダの縦長の切溝５は嵌合固
定する形状に作ってあるので、磁性コア２の縦長の凸部
４とコアホルダ３の縦長の切溝５は容易に嵌合し、互い
に保持し合い、コアホルダ３と磁性コア２のずれを防ぐ
ことが出来、特性の変動を防止出来る。

ハ．考案の効果 〔考案の効果〕 以上に説明したように、磁性コアの背面に縦長の凸部
と、コアホルダには前記凸部に嵌合するコの字形コアホ
ルダの両側に縦長の切溝を設けた本考案の磁性コア保持
構造とすることにより、コアホルダのずれ、及び外れを
防ぎ、更にＵ字形コア、Ｅ形コア等を突き合わせた際の
磁性コアの相互のずれも合わせて防ぐことが出来る。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案による磁性コア保持構造の一実施例を
示す斜視図。 第２図は、従来のチョークコイルの構造を示す分解斜視
図。 １……コイルボビン、２……磁性コア、2a……Ｕ字形磁
性コア、3,3a……コアホルダ、４……縦長の凸部、５…
…縦長の切溝、６……背部、７……脚部、８……磁脚、
９……磁継部、10……ピン端子。

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】コイルボビンへ導線を巻回し、コの字形の
   ２つの磁脚とそれをつなぐ磁継部からなる磁性コアを左
   右からコイルボビンに挿入し突き合わせて閉磁路を形成
   し、磁性コアの両側から２つの脚部と背部からなるコの
   字形コアホルダにより磁性コアを保持し構成する磁性コ
   ア保持構造において、突き合わせ組み合わせた前記磁性
   コアの磁継部の長手方向の両外側の中央に縦長の凸部を
   それぞれ一箇所設け、前記磁性コアの突き合わせ面を把
   持するコの字形のコアホルダの前記２つの脚部に分割磁
   性コアの前記凸部に嵌合する端部の中央から背部に向か
   って長手方向に切り落とされた縦長の切溝を設けて、前
   記凸部と前記切溝とを嵌合して、前記磁性コアを前記コ
   アホルダにより組み付けるように構成したことを特徴と
   する電子部品。