JP2536249Y2 - 果物選別装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （イ）考案の属する技術分野 この考案は、例えば、梨やリンゴ、伊予かん、温州み
かん等の被選果物が果物選別プレートに穿設した選別孔
を通過するか否かによって、複数等級の大きさ別に被選
果物を選別する果物選別装置に関する。

（ロ）従来の技術 従来、上述の果物選別装置としては、例えば、第４図
に示すように（符号は第５図、第６図をも参照）、当出
願人が既に開発済みの果物選別装置１がある（実公昭56
−41812号公報参照）。

この果物選別装置１は、積層体８を構成する多数枚の
各果物選別プレート２〜７を周回移動させて、選別位置
で２本の各プレートガイド10,10によりガイドして水平
移動させ、例えば、伊予かんのような大きい果物Ａの場
合であれば、積層体８を構成する下層側の小物選別用の
各果物選別プレート2,3,4を下方に垂下し、上層側の大
物選別用の各果物選別プレート5,6,7を各プレートガイ
ド10,10により水平姿勢に支持して、該果物選別プレー
ト5,6,7に穿設した各選別孔5a,6a,7aを通過するか否か
によってサイズの大きい果物Ａを選別する。

このような選別処理において、次に、これら各果物選
別プレート5,6,7を用いて選別する果物Ａ（伊予かん）
よりも、サイズの小さい果物Ａ（温州みかん）を選別す
るとすれば、下方に垂下姿勢で周回移動していた各果物
選別プレート2,3,4をプレートガイド10,10が作用する水
平姿勢に引起さなければならない。

（ハ）考案が解決しようとする課題 上述の各果物選別プレート2,3,4引起し作業は、プレ
ートガイド10,10間に各果物選別プレート2,3,4が垂下さ
れているので、例えば、果物選別プレート４を各プレー
トガイド10,10をガイドとして使用し、直接水平姿勢に
引起す目的で、各プレートガイド10,10の対向間隔を狭
くしても、果物選別プレート４の両側端部に各プレート
ガイド10,10が当接して挟み込むだけであって、各プレ
ートガイド10,10を幅狭方向に移動させることができな
い。

したがって、上述した例の小物選別用の果物選別プレ
ート2,3,4の引起しは、積層体８の周回移動を停止し
て、作業者の手作業で引起すことになる。

すなわち、垂下された果物選別プレート４を手で持上
げた状態で各プレートガイド10,10の対向間隔を調節
し、多数架設された各積層体８…の各果物選別プレート
４…を１枚ずつ順次引起さなければならず、このプレー
トの引起し作業に人員、手間、時間が掛かるという問題
点を有している。

この考案は上記問題に鑑み、積層体の下方に垂下され
て周回移動する果物選別プレートを２本の各プレートガ
イドに固定した引起しガイドによって水平姿勢に引起す
特異な構成により、果物選別プレートの引起し作業が機
械の作用を受けて容易に行え、複数階級の大きさに連続
してサイズチェンジすることが簡単にできる果物選別装
置の提供を目的とする。

（ニ）課題を解決するための手段 この考案は、各プレートガイドの移送経路を挟んで対
向する対向間隔を選別に使用する果物選別プレートの大
きさに対応して拡縮調節自在に設け、前記各選別位置で
対設した各プレートガイドの対向する内側位置に、前記
各果物選別プレートのガイド片とその移送方向で対向し
て接する面に各プレートガイドの対向間で垂下姿勢の果
物選別プレートをプレートガイドの水平位置に引起す引
起し面を形成した引起しガイドを夫々固定した果物選別
装置であることを特徴とする。

（ホ）作用 この考案は、温州みかんや伊予かん等の被選果物の大
きさに対応して積層体を構成する各果物選別プレートを
用いる場合、多数架設した各積層体を移送経路に沿って
周回移動させながら、２本の各プレートガイドの対向間
隔を徐々に狭くして、プレートガイドに固定した引起し
ガイドを下方に垂下された果物選別プレートの揺動範囲
内に移動することで、プレート自体の揺動作用により、
プレートガイドに固定した引起しガイドに果物選別プレ
ートのガイド片が係止され、プレートガイドによって水
平姿勢に支持される高さ位置に果物選別プレートをガイ
ドする。

さらに、２本の各プレートガイドの対向間隔を狭くす
ると、プレートガイドに固定した引起しガイドと果物選
別プレートとの係止量が増加して、相互が確実に係止さ
れると共に、引起しガイドによって引起される果物選別
プレートの片側ガイド部がプレートガイドに係止され、
プレートガイドと果物選別プレートとの係止量が増加し
て、相互が確実に係止される。

以下同様に、上述の各プレートガイドの対向間隔を徐
々に狭くして、積層体の下方に垂下された所定枚数の果
物選別プレートを水平姿勢に順次引起すことができる。

なお、上述の各プレートガイドの対向間隔を徐々に広
げることで、積層体を構成する各果物選別プレートが下
層側から順次下方に垂下される。

（へ）考案の効果 この考案によれば、積層体を移送経路に沿って周回移
動させながら、この積層体の中で下方に垂下姿勢で周回
移動する所定枚数の果物選別プレートを水平姿勢に順次
引起すことができるので、果物選別プレートの引起し作
業が容易に行え、プレートの引起し作業に要する人員、
手間、時間を短縮して、選別作業の能率アップを図るこ
とができる。

しかも、移送経路の両側部に架設した各プレートガイ
ドの対向間隔を拡縮調節することで、多数枚の各果物選
別プレートを１枚ずつ順次下方に垂下したり、或いは、
下方に垂下された各果物選別プレートを１枚ずさ順次上
方に引起すことができ、水平姿勢に支持される果物選別
プレートの選別孔の大きさを、伊予かんや温州みかん等
の被選果物と対応した複数階級の大きさに連続してサイ
ズチェンジすることができる。

（ト）考案の実施例 この考案の一実施例を以下図面に基づいて詳述する。

図面は果物を複数等級の大きさに選別する果物選別装
置を示し、第４図乃至第６図に於いて、この果物選別装
置１は、果物Ａを移送及び選別するための６枚の各果物
選別プレート2,3,4,5,6,7を上下に順次積層して成る積
層体８と、積層体８を無端の移送経路Ｂに沿って周回移
動するチェーンコンベア９と、これら各果物選別プレー
ト２〜７を水平姿勢に支持する２本の各プレートガイド
10,10とから構成している。

上述の積層体８を構成する各果物選別プレート２〜７
には、最下層の果物選別プレート２から最上層の果物選
別プレート７になるほど順次大径となる複数個の各選別
孔2a,3a,4a,5a,6a,7aを上下対応する位置に連通して夫
々形成し、これら各果物選別プレート２〜７の両端部に
は、最下層の果物選別プレート２から最上層の果物選別
プレート７になるほど両側に順次突出して各ガイド片2
b,3b,4b,5b,6b,7bを夫々形成し、さらに、これら各果物
選別プレート２〜７の基端部に複数個の各丸孔2c,3c,4
c,5c,6c,7cを上下対応する位置に連通して夫々形成して
いる。

前述のチェーンコンベア９の前段側には、多数の果物
Ａを連続的に搬送するベルトコンベア11と、このベルト
コンベア11から移載された果物Ａを、積層体８を構成す
る最上層に積層した果物選別プレート７の各選別孔7a…
と対応する位置に整列させて移載するシュータ12とを架
設している。

上述のチェーンコンベア９は、移送経路Ｂに沿って２
本の各フレーム13,13を平行に架設し、これら各フレー
ム13,13の前後両端部に夫々軸支した各スプロケット14,
15間に２本の各チェーン16,16を夫々張架し、これら２
本の各チェーン16,16間には、移送経路Ｂの方向に所定
等間隔に隔てて多数本の各支軸17…を平行に架設してい
る。

上述の支軸17上には、第１図乃至第３図に示すよう
に、複数個の各リング18……を所定等間隔に隔てて固定
し、これら各リング18…を６枚積層した各果物選別プレ
ート２〜７の各丸孔2c,3c,4c,5c,6c,7cに挿通して、こ
れら各果物選別プレート２〜７を移送方向Ｂに対して回
動可能に吊設し、且つ、軸方向に対してｌ寸法を揺動可
能に吊設している。

前述のプレートガイド10は３本のガイドレール10a,10
b,10cから構成され、第５図にも示すように、移送経路
Ｂに沿って平行に架設した各フレーム13,13の内側に、
プレートガイド10を構成するガイドレール10a,10b,10c
を相対向して夫々架設し、前段の各ガイドレール10a,10
aの後端部外側面には中段の各ガイドレール10b,10bの前
端部内側面をオーバラップし、中段の各ガイドレール10
b,10bの後端部外側面には後段の各ガイドレール10c,10c
の前端部内側面をオーバラップさせて夫々架設すると共
に、これらガイドレール10a,10b,10cの対向面には、上
述の各果物選別プレート２〜７の揺動寸法ｌよりも幅狭
に形成し、接する果物選別プレートを垂下位置からガイ
ドレール10,10の水平位置にまで引起す円弧状の引起し
面を前面側に形成した複数枚の各引起しガイド19…を千
鳥状に固定している。

上述の各プレートガイド10,10は各フレーム13,13の上
面側に夫々配設した各スライダ20,20の内側端部に固定
し、これら各スライダ20,20の外側端部に２本の各ネジ
軸21,21を回動可能に連結して、これら各ネジ軸21,21の
基端部に固定した各ハンドル22,22を回動操作すること
で、両側部に架設した２本の各プレートガイド10,10を
拡縮する方向に水平移動する。

上述のガイドレール10a,10b,10cの後端部下方には、
移送経路Ｂに沿って３本の各ベルトコンベア23…を所定
等間隔に隔てて夫々配設し、これら各ベルトコンベア23
…の後段側には、選別済みの果物Ａを装置側部に移送す
るための３本の各ベルトコンベア24…を移送経路Ｂと直
交して夫々配設している。

図示実施例は上記の如く構成するものとして、例え
ば、上層側の各果物選別プレート5,6,7を用いたサイズ
の大きい果物Ａ（伊予かん）の選別作業から、下層側の
各果物選別プレート2,3,4を用いたサイズの小さい果物
Ａ（温州みかん）の選別作業に移行するときの果物選別
装置１のプレート引起し動作を説明する。

先ず、チェーンコンベア９を駆動して、多数架設した
各積層体８…を移送経路Ｂに沿って周回移動させなが
ら、周回毎に各プレートガイド10,10の対向間隔を徐々
に狭くして、一方のプレートガイド10を積層体８の下方
に垂下された各果物選別プレート２〜４の一端側に近接
する。

第１図に示すように、前段のガイドレール10aに固定
した引起しガイド19を、下方に垂下した果物選別プレー
ト４の揺動範囲内に移動させると、果物選別プレート４
の揺動作用により、ガイドレール10aに固定した引起し
ガイド19のガイド面19aに果物選別プレート４の片側ガ
イド片4bが係止される。

この時、第３図に示すように、果物選別プレート４は
引起しガイド19のガイド面19aに沿って摺接移動し、プ
レートガイド10に対して果物選別プレート４の片側ガイ
ド片4aを係止可能な高さ位置まで引起され、周回毎に各
プレートガイド10,10の対向間隔を狭くして、第２図に
示すように、引起しガイド19と果物選別プレート４との
係止量を増加させ、周回する各積層体８…の各果物選別
プレート４…を引起しガイド19上に順次係止する。

さらに、周回毎に各プレートガイド10,10の対向間隔
を狭くして、引起しガイド19によって引起される果物選
別プレート４の片側ガイド片4bをプレートガイド10上に
係止すると共に、プレートガイド10と果物選別プレート
４との係止量を増加させ、周回する各積層体８…の各果
物選別プレート４…をプレートガイド10上に順次係止す
る。

以下同様に、他方のプレートガイド10を果物選別プレ
ート４の他端側に近接して、各積層体８…の各果物選別
プレート４…を水平姿勢に順次引起こすと共に、周回毎
に各プレートガイド10,10の対向間隔を徐々に狭くし
て、各積層体８…の下方に垂下された各果物選別プレー
ト2,3を一枚ずつ順次引起す。

次に、水平姿勢に引起した３枚の各果物選別プレート
2,3,4を用いて果物Ａを選別する場合、チェーンコンベ
ア９を駆動して、多数架設した各積層体８…を移送経路
Ｂに沿って水平移動させ、これら各果物選別プレート2,
3,4を、プレートガイド10を構成するガイドレール10a,1
0b,10cの後端部から順次脱落させる。

すなわち、果物選別プレート２は各ガイドレール10a,
10aにより水平姿勢に支持し、果物選別プレート３は各
ガイドレール10b,10bにより水平姿勢に支持し、水平姿
勢に支持される各果物選別プレート2,3,4の各選別孔2a,
3a,4aよりも小さい果物Ａのみを順次落下させて選別す
る。

このように多数架設した各積層体８…を移送経路Ｂに
沿って周回移動させながら、これら各積層体８…の下方
に垂下された各果物選別プレート2,3,4を水平姿勢に順
次引起すので、これら各果物選別プレート2,3,4の引起
し作業が容易に行え、プレートの引起し作業に要する時
間を短縮して、選別作業の能率アップを図ることができ
る。

しかも、移送経路Ｂの両側部に架設した各プレートガ
イド10,10の対向間隔を拡縮調節することで、積層体８
を構成する多数枚の各果物選別プレート２〜７を下層側
から１枚ずつ順次下方に垂下したり、或いは、下方に垂
下された各果物選別プレート２〜７を上層側から１枚ず
つ順次上方に引起すことができ、伊予かんや温州みかん
等の果物Ａと対応した複数階級の大きさに連続してサイ
ズチェンジすることができる。

なお、この考案は、上述の実施例の構成のみに限定さ
れるものではない。

例えば、上述の各プレートガイド10,10の対向位置に
２枚の各引起しガイド19,19を夫々固定し、積層体８の
下方に垂下された各果物選別プレート２〜４を各プレー
トガイド10,10に固定した各引起しガイド19,19によって
同時に引起してもよい。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の一実施例を示し、 第１図は、プレートガイドと果物選別プレートとの係止
状態を示す要部拡大縦断面図、 第２図は、プレートガイドと果物選別プレートとの係止
状態を示す動作説明図、 第３図は、引起しガイドによる果物選別プレートの引起
し状態を示す動作説明図、 第４図は、果物選別装置の概略側面図、 第５図は、プレートガイドと引起しガイドとの架設状態
を示す果物選別装置の中央部拡大平面図、 第６図は、果物選別装置の幅方向拡大縦断面図である。 Ａ……果物、Ｂ……移送経路 １……果物選別装置、２〜７……果物選別プレート 2b〜7b……ガイド片、８……積層体 10……プレートガイド、19……引起しガイド 19a……ガイド面

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】多数枚の果物選別プレートを積層すると共
   に、各果物選別プレートの両端部に該果物選別プレート
   の下層から上層に順次外側に突出するガイド片をそれぞ
   れ形成して成る積層体の多数体を所定の間隔を隔てて移
   送経路に沿って周回移動させ、 上記積層体における果物選別プレートの下層から順次上
   層のガイド片と選別位置で接して果物選別プレートの水
   平支持を許容すると共に、選別に使用の果物選別プレー
   トに対しては選別位置で下側の果物選別プレートの水平
   支持を開放して垂下させ、選別に不使用の果物選別プレ
   ートに対しては下方に垂下した姿勢での通過を許容して
   成すプレートガイドを、移送経路の複数の選別位置の各
   位置で各果物選別プレートのガイド片と対応する移送経
   路の両側部に対設し、 選別に使用する果物選別プレートをプレートガイドによ
   り水平姿勢に支持して選別孔を通過するか否かによって
   被選果物を選別し、選別に不使用の果物選別プレートを
   プレートガイドに接しない垂下姿勢で周回移動させる果
   物選別装置であって、 前記各プレートガイドの移送経路を挟んで対向する対向
   間隔を選別に使用する果物選別プレートの大きさに対応
   して拡縮調節自在に設け、 前記各選別位置で対設した各プレートガイドの対向する
   内側位置に、前記各果物選別プレートのガイド片とその
   移送方向で対向して接する面に各プレートガイドの対向
   間で垂下姿勢の果物選別プレートをプレートガイドの水
   平位置に引起す引起し面を形成した引起しガイドを夫々
   固定した 果物選別装置。