JPH0739968U - 塊状青果物の選別装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 〔目的〕 球状青果物，円筒状青果物を円滑に多量選別
し得る簡易の塊状青果物の選別装置を提供する。 〔構成〕 一対のローラチェーン２間にローラ３を一定
間隔に軸架するチェーン駆動ローラコンベヤ１におい
て、一定間隔のリンクプレートに昇降用縦長孔５を穿っ
た支持片４を突設し、この縦長孔５にローラ軸を挿入し
昇降型フリーローラ６とし、これに隣接のローラを他の
リンクプレートに直接軸架し固定ローラ８とし、固定ロ
ーラ８には転動用チェーン１３を掛け渡し、且つコンベ
ヤのキャリア部の下面位置に段階的昇降摺動面１０をも
つ選別ガイド帯９を敷設し、この選別ガイド帯９で受け
て移行する前記フリーローラ６を、昇降摺動面１０に追
従降下して固定ローラ間に間隙変位を生じせしめ、この
各種間隙変位に応じてフリーローラ６と固定ローラ８間
に載置の塊状青果物を選別落下させる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案はミカン，ジャガイモ，花の球根，ニンジン等の球・長塊状を呈する 塊状青果物の撰別装置に関するもである。

【０００２】

【従来の技術】

一般に、ミカンの撰果場などにおいて用いられている球・長塊状青果物の粒（ Ｓ，Ｍ，Ｌ・・等の階級）の選別装置としては、旧くから使用の回転ドラムタイ プでは回転ドラムのドラム面に所定寸法をもつ階級孔を穿ち、該回転ドラム内に 搬入した青果物を転落させて階級選別をするものとか、新しくは１列給送の青果 物に対し側部から光線を投射しその光線の通過量を計測して行う光線判別機と排 出機構を組合わせた光線電子式選別装置等が知られている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、前者の選別装置ではミカン等の如く球塊状青果物でないと階級孔から 落下せず、ニンジン，さつまいも等の円筒形状の青果物までは落下せず最適な階 級選別とならず、且つドラム本体の大きな回転に起因し青果物を転動又はずれ動 かすために品物が傷み易かった。また、後者の光線電子式選別装置では１列給送 をし、１個単位ごとに光学的に測定しこの値をコンピュータ処理した後に別途自 動排出手段を作動させて回収コンベヤに落下させるため、多量の青果物を一挙に 選別することはできず非能率的で、且つ装置全体が高価に付く等の欠陥を有して いた。

【０００４】 本考案は上記実情に鑑み、ローラコンベヤにおいてローラの間隙を搬送中に適 宜変更するようにし連続的な階級落下をさせる機械的選別とすことで、上記課題 を解決する簡略機構の塊状青果物の選別装置を提供することを目的としたもので ある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案では、左右一対のローラチエーン間にローラを一定間隔に軸架するチェ ーン駆動ローラコンベヤにおいて、チェーン本体の一定間隔のリンクプレートに 昇降用縦長孔を穿った支持片を突設し、この縦長孔にローラ軸を挿入し昇降型フ リーローラとし、該フリーローラに隣接のローラを他のリンクプレートに直接軸 架し固定ローラとすると共に、この固定ローラには転動用チェーンを掛け渡し、 且つコンベヤのキャリア部の下面位置に前記昇降型フリーローラ端を受ける段階 的昇降摺動面をもつ選別ガイド帯を所定長さ敷設し、昇降摺動面に追従降下した フリーローラと隣接の固定ローラ間に形成される間隙変位で青果物を選別するよ うにしたものである。

【０００６】

【作用】

上記のような構成のため、所定幅をもつローラコンベヤ上に供給された青果物 は、順次キャリア部を前方へ移送されが、ここで交互に配設されたフリーローラ と固定ローラ中、フリーローラは端部が選別ガイド帯で受けられ移行しているた め、フリーローラが選別ガイド帯の下方へ変位した昇降摺動面に臨むとローラ軸 は支持片の昇降用縦長孔を追従降下するので、該フリーローラとキャリア面とな る固定ローラ間のローラ間隙が大きくなり、この選別孔となるローラ間隙に見合 った青果物が落ち込み下方位置の回収コンベヤに排出される。以下、選別ガイド 帯の昇降摺動面の変位に伴ってローラ間隙が順次変化し、該ローラ間隙に応じた 青果物が落下選別される。この支持片の昇降用縦長孔の最下位に臨んだフリーロ ーラはリターン側に移行したときに該昇降用縦長孔の最上位に戻る。

【０００７】 この場合、固定ローラ自体は別途の転動用チェーンにて回しているため、キャ リア面で青果物が重なることもない。

【０００８】

【実施例】

以下、本考案を実施例の図面に基づいて説明すれば、次の通りである。

【０００９】 １は左右一対の無端のローラチェーン２にローラ３を一定間隔をもって軸架す るローラコンベヤで、この場合、１本おきのローラ３の軸架は、チェーン本体中 の一定間隔のリンクプレート（アウトリンクプレート）２ａの中央に鉤折突設し た支持片４に穿っ昇降用縦長孔５にローラ軸３ａを挿入し、該縦長孔５中を上下 移動自在となるフリーローラ６とすると共に、該フリーローラ６に隣接のローラ ３を他のリンクプレート（アウトリンクプレート）２ｂの中央の軸孔７に直接挿 入して固定ローラ８としている。９はローラコンベヤ１のキャリア部１ａの両側 の下面位置にあって前記フリーローラ６の端部６ａを直接受け走行案内する段階 的な昇降摺動面１０を形成した選別ガイド帯で、この支持面となる昇降摺動面１ ０は階級数に応じた選別段部１０ａ，１０ｂ，１０ｃ・・（図示にあっては３段 階）に順次下げたレール構成としている。また、各固定ローラ８の端部に設けた スプロケット１１には前記ローラチェーン２と別途の機枠１２に架設した転動用 チェーン１３を掛け、該転動用チェーン１３は下方に設置のモータ１４で回動し 固定ローラ８を転動させ、これら全体の構成で塊状青果物の選別装置１５となる 。１６はコンベヤヘッド部１ｂのキャリア面の下方に配設した上向き傾斜のロー ラ戻しガイドで、１７はコンベヤテール部１ｃの軸１ｄに設けたローラ案内ドラ ムである。１８，１８′はローラコンベヤ１のスプロケットを示す。なお、この 選別ガイド帯９は段階的昇降摺動面１０の数に分割された連結構成で、各昇降摺 動面１０ごとにスライド機構２０を備え、各昇降摺動面１０を上下スライドし選 別間隙を調整自在としている。

【００１０】 いまこの作用を説明すると、先ず適宜の青果物、例えばミカンＡをこのローラ コンベヤ１のキャリア部１ａに供給載置すれば、ミカンＡはコンベヤ自体の移動 により順次前方へ移送される。この場合、キャリア部１ａの下面位置の選別ガイ ド帯９は、その昇降摺動面１０が搬入部分となる手前側では選別段部はなく基準 摺動面１０′を呈し、該基準摺動面１０′で受けられたフリーローラ６のローラ 軸３ａは隣接の固定ローラ８のローラ軸３ａと同一線上に軸承され平坦なキャリ ア面を構成し所定の搬送を行う。

【００１１】 この後、所定のフリーローラ６が選別ガイド帯９の昇降摺動面１０中、最小の 降下位置（１段目）となる選別段部１０ａに達すると、この選別段部１０ａの降 下量Ｌだけフリーローラ６が、支持片４の昇降用縦長孔５にローラ軸３ａをスラ イドさせて沈むものとなる。従って、このフリーローラ６と固定ローラ８間に階 級間隙ａが形成されるため、該フリーローラ６と固定ローラ８間に載置されてな るミカンＡ中、この階級間隙ａに対応するミカンＡのみが落下する。この階級間 隙ａを落下したミカンＡはキャリア部１ａの下方に直交に設置した別途の搬出ベ ルトコンベヤ２１より外方へ繰り出す。

【００１２】 また、このとき、固定ローラ８自体は転動用チェーン１３で移行中に回転して いるため、該固定ローラ８とフリーローラ６間に載置されたミカンＡが重なるこ とはなく、階級間隙に対する目詰まり，誤選別を招かない。

【００１３】 以下、次にローラチェーン２が走行し前記フリーローラ６が２段目の選別段部 １０ｂに達すると、このフリーローラ６が更に沈み、該フリーローラ６と固定ロ ーラ８の階級間隙ｂが大きくなり、この間隙に見合ったミカンＡが落下選別され る。このように、フリーローラ６は選別ガイド帯９の選別段部１０ａ，１０ｂ， １０ｃ・・に応じて階級間隙を広げて行き、この間隙変位にて順次選別する。

【００１４】 なお、キャリア部１ａにあって最下位に降下した前記フリーローラ６は、コン ベヤヘッド部１ｂに配設した上向き傾斜のローラ戻しガイド１６にて順次上昇さ れて戻されリターン部１ｅ位置でローラ軸３ａが支持片４の昇降用縦長孔５の端 （上位）になって移動する。

【００１５】 また、このコンベヤは所定幅をもつローラコンベヤ構造としてなるため、ミカ ンの如く球塊青果物は勿論のこと、ニンジとうの長青果物にあっても対処し得る 。

【００１６】

【考案の効果】 上述の様に、本考案の塊状青果物の選別装置はローラコンベヤのローラを固定 ローラとフリーローラに構成し、該フリーローラをキャリア部の下面位置に配設 の段階的昇降摺動面に摺動するようにし、この昇降摺動面の降下位置に追従して フリーローラが下動し基準位置の固定ローラとの間の間隙変位に応じて自動的に 青果物を階級選別ができる。この場合、固定ローラ自体は転動用チェーンにて自 転させてなるためにコンベヤ上を搬送の青果物が重なる虞れもなく、目詰まり， 誤選別を招かない。しかも、所定幅をもつローラ使用のため、多量の青果物をそ の幅分に亘り載置することができ能率の良い選別となり、且つニンジン等の長尺 の青果物においても階級選別が可能となる。更に、本考案は基本的にローラコン ベヤ方式を採るため、簡略構造となり、誤動作，故障等を招かず長期使用に耐え る等の実用的効果を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の塊状青果物の選別装置の実施例を示
す要部の側面図である。

【図２】同要部縦断面図である。

【図３】固定ローラとフリーリローラ及び選別ガイドと
の関係を示す側面図ある。

【図４】同要部の下方から見た斜視図である。

【図５】固定ローラとフリーリローラの平面図である。

【図６】青果物の選別の説明図である。

【図７】支持片付きリンクプレートの説明図であり、
（Ａ）は正面を示し、（Ｂ）は側面を示す。

【符号の説明】

１ ローラコンベヤ ２ ローラチェーン ３ ローラ ４ 支持片 ５ 昇降用縦長孔 ６ フリーローラ ８ 固定ローラ ９ 選別ガイド帯 １０ 段階的昇降摺動面

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 左右一対のローラチェーン間にローラを
   一定間隔に軸架するチェーン駆動ローラコンベヤにおい
   て、チェーン本体の一定間隔のリンクプレートに昇降用
   縦長孔を穿った支持片を突設し、この縦長孔にローラ軸
   を挿入し昇降型フリーローラとし、該フリーローラに隣
   接のローラを他のリンクプレートに直接軸架し固定ロー
   ラとすると共に、この固定ローラには転動用チェーンを
   掛け渡し、且つコンベヤのキャリア部の下面位置に前記
   昇降型フリーローラ端を受ける段階的昇降摺動面をもつ
   選別ガイド帯を所定長さ敷設し、昇降摺動面に追従降下
   したフリーローラと隣接の固定ローラ間に形成される間
   隙変位で青果物を選別することを特徴とした塊状青果物
   の選別装置。