JP2536172B2 - ヒ―トポンプシステム - Google Patents

ヒ―トポンプシステム

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明はドライ運転可能なヒートポンプシステムに
関するものである。
(従来の技術) 従来のこの種ヒートポンプシステムを空気調和機に採
用した場合を、本発明の実施例図面である第1図で説明
すると、圧縮機1の吐出管2から吸込管3へ接続する冷
媒配管4に、第1室外熱交換器10及び第2室外熱交換器
11、減圧弁12、第1室内熱交換器13及び第2室内熱交換
器14を順次に介設し、上記冷媒配管4と吐出管2及び吸
込管3との接続部に四路切換弁15を設け、更に第1室内
熱交換器13と第2室内熱交換器14と間の冷媒配管4に第
1開閉弁16と絞り17との並列回路を介設して冷房、暖房
及びドライ運転可能な冷凍サイクルを構成している。そ
して減圧弁12と第1室内熱交換器13との間の冷媒配管4
にはレシーバ20が分岐接続され、冷房時と暖房時間の冷
媒量を調節するようになされている。また、上記第1室
外熱交換器10及び第2室外熱交換器11近傍には室外ファ
ン21が設けられ、第1室内熱交換器13及び第2室内熱交
換器14近傍には室内ファン22が設けられている。
上記冷房時と暖房時との冷媒調整は、冷房時には流通
冷媒量が暖房時よりも多くなるように行われるが、その
理由は次の通りである。すなわち、熱交換器の容量は、
一般的に室内熱交換器13、14よりも室外熱交換器10、11
の方が大きくなっており、従って容量の大きな室外熱交
換器10、11が高圧側で凝縮器として機能する冷房運転時
の流通冷媒量は、これよりも容量が小さな室内熱交換器
13、14が高圧側で凝縮器として機能する暖房運転時の流
通冷媒量よりも少なくなる。つまり高圧側で凝縮器とし
て機能する熱交換器の容量の大小によって流通冷媒量が
大きく左右されることになるのであり、このため冷媒量
を冷房時に最適なものとした場合には、上述のように暖
房時に余剰冷媒が生じることになるのである。
そしてこの余剰冷媒を貯溜するため、暖房時に高圧側
となる位置にレシーバ20を分岐接続することにより、冷
媒量の調節を行っているのである。
なおこの発明に関連する先行技術としては、実願平1
−40048号(実願平3−27571号)がある。
(発明が解決しようとする課題) ところで上記のようなヒートポンプシステムにおい
て、ドライ運転は、第1室内熱交換器13を凝縮器とし、
また第2室内熱交換器14を蒸発器としてそれぞれ機能さ
せることによって行われる。この場合、室外熱交換器1
0、11を機能させないので、熱交換器の容量は通常の冷
暖房時よりも小さくなることから、流通冷媒量を減少さ
せるのが好ましいことになる訳であるが、上記従来例で
はドライ運転時において暖房時よりもさらに冷媒量を減
らすように調節することができないという問題がある。
一方上記レシーバ20とは別のレシーバをドライ運転時の
冷媒貯溜用に設けることも考えられるが、この場合に
は、別のレシーバと開閉弁等が必要になり、構造が複雑
になってしまうという問題がある。
この発明は上記従来の欠点を解消するためになされた
ものであって、その目的は、ドライ運転時専用のレシー
バ等を設けずに、ドライ運転時に流通冷媒量を減少させ
るように冷媒量を調節できると共に、圧縮機の廃熱を有
効に活用することが可能なヒートポンプシステムを提供
することにある。
(課題を解決するための手段) そこで第1請求項のヒートポンプシステムにおいて
は、圧縮機1の吐出側から吸込側へ接続する冷媒配管4
に、圧縮機側から室外熱交換器10,11、ドライ運転時に
は開度減少制御される減圧機構12、第1及び第2室内熱
交換器13、14を順次に介設し、第1及び第2室内熱交換
器13、14間にドライ運転時には閉制御される第1開閉弁
機構16と絞り機構17とを互いに並列に設け、上記室外熱
交換器10、11へ送風可能でドライ運転時には停止制御さ
れる室外ファン21を設けたヒートポンプシステムであっ
て、上記室外熱交換器10、11の冷媒通路33に形成された
分岐接続部34と上記減圧機構12より第1室内熱交換器側
の冷媒配管4とをバイパス通路30で接続すると共に、上
記分岐接続部34より室外熱交換器10、11の出口側の部分
にドライ運転時に冷媒を貯溜する冷媒貯溜部36を形成
し、上記バイパス通路30にドライ運転時には開制御され
る第2開閉弁機構31を介設している。
また上記ヒートポンプシステムにおいては、上記バイ
パス配管30の第2開閉弁機構31よりも第1室内熱交換器
13側に蓄熱熱交換器32を介設し、この蓄熱熱交換器32を
圧縮機1に対して熱交換可能に配置している。
(作用) 上記第1請求項のヒートポンプシステムにおいては、
ドライ運転時に冷媒を室外熱交換器10、11から両室内熱
交換器13、14へ圧縮機1で圧送しながら、室外ファン21
を停止し、減圧機構12の開度を減少させ、第1開閉弁機
構16を閉弁し、第2開閉弁機構31を開弁する。以上のド
ライ運転状態では圧縮機1で圧縮された冷媒は室外熱交
換器10、11からバイパス通路30を通って第1室内熱交換
器13において凝縮し、そして絞り機構17を通過する際に
減圧されて第2室内熱交換器14で蒸発して上記圧縮機1
へ戻る。このとき両室内熱交換器13、14が配置されてい
る室内側では、まず第2室内熱交換器14で冷却、除湿さ
れた後に、第1室内熱交換器13で再加熱されて、低湿度
の空気が吹き出される。
以上のドライ運転時においては、必要とされる冷媒量
が少ないので、冷媒配管14等を流通する冷媒量を減少さ
せなければならない。この時、上記室外熱交換器10、11
の冷媒貯溜部36、36はドライ運転時に開度減少制御され
る減圧機構12によって冷媒の流通が抑制された状態にな
っているので、この冷媒貯溜部36、36に圧縮機1から圧
送されて来る冷媒が凝縮して貯溜する。したがってドラ
イ運転時の余剰な冷媒が上記室外熱交換器10、11の冷媒
貯溜部36、36に貯溜されることになる。
上記ヒートポンプシステムにおいては、ドライ運転状
態でバイパス通路30を流れる冷媒が上記蓄熱熱交換器32
を通過する際に、圧縮機1からの放熱で加熱されて第1
室内熱交換器13へ供給される。そして第1室内熱交換器
13では冷媒が凝縮する際に発生する熱を放熱して、室内
側の空気を再加熱するが、この再加熱時に放熱可能な熱
量が上記蓄熱熱交換器32において加熱される熱量分だけ
増えることになり、第1室内熱交換器13での再加熱能力
が向上する。したがって、圧縮機1から放熱される廃熱
を第1室内熱交換器13での再加熱に熱源として利用する
ことが可能になる。
(実施例) 次にこの発明のヒートポンプシステムの具体的な実施
例について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
本発明を冷房、暖房及びドライ運転可能な空気調和機
に採用した場合を示す第1図において、上記従来例と同
一符号で示した部分は従来例と同一又は相当部分を示し
ており、以下相違部分を主に説明する。
第1図中において、第1室外熱交換器10及び第2室外
熱交換器11の出口側近傍部分(詳しくは後述)と冷媒配
管4における減圧弁12(減圧機構)の第1室内熱交換器
13側近傍部分との間には、バイパス通路30が接続されて
おり、バイパス通路30の途中には第2開閉弁31(第2開
閉弁機構)が介設されている。そして第2開閉弁31より
も第1室内熱交換器13側のバイパス通路30には蓄熱熱交
換器32が介設されており、この蓄熱熱交換器32は上記圧
縮機1の側面を囲むように熱交換可能に配置されてい
る。蓄熱熱交換器32の内部には蓄熱材が内蔵されてお
り、この蓄熱材に圧縮機1から発生する熱を蓄熱してお
き、バイパス通路30を流通する冷媒に熱を付与するよう
になされている。
第1図の要部を示す第2図において、第1室外熱交換
器10及び第2室外熱交換器11の冷媒通路33、33の出口近
傍部分には、分岐接続部34、34が形成されており、この
分岐接続部34、34に上記バイパス通路30の枝管35、35が
分岐接続している。したがって、この分岐接続部34、34
より出口側部分の冷媒通路33、33が冷媒貯溜部36、36に
なっており、ドライ運転時には冷媒貯溜部36、36内に余
剰な冷媒を貯溜するようになされている。
次に上記一実施例装置の作動状態を説明する。まず冷
房時には圧縮機1の吐出管2から圧送された冷媒を第1
図中の冷媒配管4における右回り方向に流すように四路
切換弁15を切換操作し、第2開閉弁31を閉弁し、且つ第
1開閉弁16(第1開閉弁機構)を開弁して室外ファン21
及び室内ファン22を駆動し、第1室外熱交換器10及び第
2室外熱交換器11で凝縮した冷媒を、第1室内熱交換器
13及び第2室内熱交換器14で蒸発させ、室内ファン22で
送風される室内の空気を冷却し、冷房する。このとき、
減圧弁12は第2室内熱交換器14からの流出ガス冷媒の過
熱度を略一定にするような開度制御がなされる。この冷
房時において上記レシーバ20には減圧弁12を通過した後
の低圧冷媒が流れ込むので、レシーバ20内に貯溜される
冷媒量は僅かであり、冷房時に必要な冷媒量が上記冷媒
配管4等の冷凍サイクル内を循環する。次に暖房時には
逆に、冷媒を冷媒配管4の左回りに流すように四路切換
弁15を切り換え、第2開閉弁31を閉弁し、且つ第1開閉
弁16を開弁して室外ファン21及び室内ファン22を駆動
し、第1室内熱交換器13及び第2室内熱交換器14での凝
縮熱を利用して室内を暖房する。このとき上記第1室外
熱交換器10及び第2室外熱交換器11は蒸発器として機能
するが、減圧弁12は、各室外熱交換器10、11からの流出
ガス冷媒の過熱度を略一定にするような開度制御がなさ
れる。またデフロスト時には、四路切換弁15は暖房位置
のままで、第1開閉弁16及び第2開閉弁31を開弁、減圧
弁12を閉弁、室外ファン21及び室内ファン22を停止と
し、圧縮機1からの吐出冷媒を第2及び第1室内熱交換
器14、13、蓄熱熱交換器32を順に経由して室外熱交換器
10、11から圧縮機1へと返流される流れとする。このよ
うにすれば、蓄熱熱交換器32で圧縮機1からの廃熱を回
収でき、これをデフロストに利用できる。上記暖房時に
おいて第2開閉弁31を閉弁しているのは、暖房時には圧
縮機1からの廃熱を回収するのではなく、むしろ暖房時
には蓄熱を行い、これを上記のようにデフロスト時に利
用することで迅速なデフロストを行うためである。な
お、上記暖房時にレシーバ20には、減圧弁12の前位の高
圧冷媒が流入するので、冷房時より多量の冷媒がレシー
バ20内に貯溜され、上記冷凍サイクル内を流通する冷媒
量が冷房時より減少することになる。
そしてドライ運転時には上記冷房運転サイクルで減圧
弁12を閉弁又は開度減少制御すると共に、第2開閉弁31
を開弁し、且つ第1開閉弁16を閉弁して室外ファン21を
停止する。このドライ回路状態では第1室外熱交換器10
及び第2室外熱交換器11を出た冷媒はバイパス通路30を
通って減圧弁12をバイパスすることになるので、冷媒は
第1室外熱交換器10及び第2室外熱交換器11では凝縮さ
れることはなく、蓄熱熱交換器32で圧縮機1からの放熱
を受熱して第1室内熱交換器13へ流れる。第1室内熱交
換器13へ流れ込んだ冷媒は、第1開閉弁16が閉弁してい
るために絞り17(絞り抵抗)の流路抵抗が存在すること
から、第1室内熱交換器13内で凝縮することになる。次
いで冷媒は絞り17を通過した後に、第2室内熱交換器14
で蒸発し、空気を冷却、除湿することになる。したがっ
て、室内ファン22で送風される空気はまず第2室内熱交
換器14で冷却、除湿された後に、第1室内熱交換器13で
再加熱され、低湿度の空調空気となって吹き出される。
以上のドライ運転時においては、必要な冷媒量は暖房
時よりも更に少ないので、余剰の冷媒をどこかに貯溜し
なければならないが、第2図に示すように、第1室外熱
交換器10及び第2室外熱交換器11の冷媒通路33、33にお
ける分岐接続部34、34より出口側の冷媒貯溜部36、36は
上記減圧弁12によって冷媒の流通が抑制された状態にな
っているので、この冷媒貯溜部36、36に凝縮した冷媒が
貯溜することになる。しかも上記レバー20は、絞り17の
前位、つまり高圧側に位置しているので、レシーバ20に
は暖房運転時と略同量の冷媒が貯溜される。そのためド
ライ運転時には、冷媒貯溜部36、36の貯溜量だけ上記暖
房時より回路内を流れる冷媒量がさらに減少し、ドライ
運転に適した冷媒量になる。そして上記第1室内熱交換
器13へ流れ込む冷媒は蓄熱熱交換器32を通過する際に、
圧縮機1の熱を受けて加熱されているので、その分だけ
第1室内熱交換器13での再加熱時に発生する熱量が増
え、外気温が低く、また自然風の存在する場合のように
不足傾向になり易い再加熱時の熱量が増加する。このよ
うに圧縮機1で発生する廃熱を第1室内熱交換器13での
再加熱に利用することが可能になり、熱効率が向上する
と共に、圧縮機1が冷媒の略凝縮温度で冷却されるので
圧縮機1の効率も向上する。
以上にこの発明の具体的な実施例について説明した
が、この発明は上記実施例に限定されるものではなく、
この発明の範囲内で種々変更して実施することが可能で
ある。例えば上記実施例においては、第1室外熱交換器
10及び第2室外熱交換器11を並列に設けているが、室外
熱交換器の個数は任意に選択し得る。また第1開閉弁16
及び第2開閉弁31は開閉可能な弁機構であれば、形状記
憶合金を利用したような他の弁機構にすることもでき
る。さらに減圧弁12はキャピラリチューブ等の他の減圧
機構でもよいし、絞り17もオリフィス等の他の絞り機構
でもよい。
(発明の効果) 上記したように、第1請求項のヒートポンプシステム
においては、回路中を流通する冷媒量を減少させること
が好ましいドライ運転時に、室外熱交換器の冷媒貯溜部
は減圧機構によって冷媒の流通が抑制された状態になっ
ているので、この冷媒貯溜部に冷媒を凝縮して貯溜する
ことができる。したがってドライ運転時の余剰な冷媒が
上記室外熱交換器の冷媒貯溜部に貯溜されることにな
る。しかも、この構成では、ドライ運転専用のレシーバ
等を設ける必要がなく、構造が簡単になる。
上記ヒートポンプシステムにおいては、ドライ運転状
態でバイパス通路を流れる冷媒が蓄熱熱交換器を通過す
る際に圧縮機からの熱で加熱されて第1室内熱交換器へ
供給される。そして第1室内熱交換器での再加熱時に放
熱可能な熱量が上記蓄熱熱交換器において加熱される熱
量分だけ増えることになり、第1室内熱交換器での再加
熱能力を向上させることができる。したがって圧縮機か
ら放熱される廃熱を第1室内熱交換器での再加熱に熱源
として利用することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明のヒートポンプシステムを示す配管系統
図、第2図は第1図の要部拡大断面図である。 1……圧縮機、4……冷媒配管、10……第1室外熱交換
器、11……第2室外熱交換器、12……減圧弁(減圧機
構)、13……第1室内熱交換器、14……第2室内熱交換
器、16……第1開閉弁(第1開閉弁機構)、17……絞り
(絞り機構)、21……室外ファン、30……バイパス通
路、31……第2開閉弁(第2開閉弁機構)、32……蓄熱
熱交換器。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】圧縮機(1)の吐出側から吸込側へ接続す
    る冷媒配管(4)に、圧縮機(1)側から室外熱交換器
    (10,11)、ドライ運転時には開度減少制御される減圧
    機構(12)、第1及び第2室内熱交換器(13)(14)を
    順次に介設し、第1及び第2室内熱交換器(13)(14)
    間にドライ運転時には閉制御される第1開閉弁機構(1
    6)と絞り機構(17)とを互いに並列に設け、上記室外
    熱交換器(10、11)へ送風可能でドライ運転時には停止
    制御される室外ファン(21)を設けたヒートポンプシス
    テムであって、上記室外熱交換器(10、11)の冷媒通路
    (33)に形成された分岐接続部(34)と上記減圧機構
    (12)よりも第1室内熱交換器(13)側の冷媒配管
    (4)とをバイパス通路(30)で接続すると共に、上記
    分岐接続部(34)より室外熱交換器(10、11)の出口側
    の部分にドライ運転時に冷媒を貯溜する冷媒貯溜部(3
    6)を形成し、上記バイパス通路(30)にドライ運転時
    には開制御される第2開閉弁機構(31)を介設して成
    り、さらに上記バイパス配管(30)の第2開閉弁機構
    (31)よりも第1室内熱交換器(13)側に蓄熱熱交換器
    (32)を介設し、この蓄熱熱交換器(32)を圧縮機
    (1)に対して熱交換可能に配置したことを特徴とする
    ヒートポンプシステム。
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