JP2534960B2 - 幅厚比の大きい金属パネルのロ―ル圧延成形法および成形装置 - Google Patents

幅厚比の大きい金属パネルのロ―ル圧延成形法および成形装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、幅厚比の大きい金属パ
ネルのロール圧延成形法および成形装置に係り、詳しく
は、建築物の内外装用壁板などに使用される薄い金属板
材、特に、一方向へ延びる隣りあう二つの折り曲げ部の
間に広い平坦面が形成される広幅断面材にポケットウエ
ーブの発生するのを抑制できるようにした金属パネルの
ロール成形方法や、それを実現するロール成形装置に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】工場や倉庫などの鉄骨構造物の内外壁や
建築物内の仕切壁として、例えば上下に延びる折り曲げ
部を形成した鋼板製のパネル材がしばしば採用される。
この建築用のパネル材は大小の平坦面と各種角度の折り
曲げ部からなるので面剛性が高く、何枚もを並べるよう
に配置し相互の端部を重ね合わせて接続すれば、左右方
向に凹凸の繰り返された美麗な模様を呈する壁面を連続
して形成させることができる。このような建築用パネル
材はプレス成形されることもあるが、断面形状が一定で
あることから、成形素材をロール圧延して製造されるこ
とが多い。とりわけ、幅厚比が大きく折り曲げ部を幾つ
も備える形状の場合には、パスラインに沿って多数の成
形ロールを並べた成形機が使用され、パネル材は連続冷
間圧延によって成形される。すなわち、所定寸法に裁断
された長くて平らな素材パネルは、成形機に入ると最初
の成形ロールによって僅かに変形され、成形ロールを順
次通過するたびに平坦面の維持と共に曲げ加工部位が所
望角度に徐々に折り曲げられるようになっているこのよ
うなロール成形によった場合、素材パネルの先端部が最
終の成形ロールを出た時点で所望する断面形状となる
が、後続部分は成形途中の状態にある。しかし、成形機
を一パスさせれば、一枚の成形素材は先端部から後端部
まで同一断面を備えたパネル製品となる。なお、図6で
は広幅断面材6の厚みがやや誇張して示されているが、
その実線のごとく、折り曲げ部が多くまたその形状が多
様な場合でも、その複雑な形状は一パスで成形される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記した建
築用パネル材は折り曲げ部を境にして幾つかの平坦面が
形成されるが、図6において仮想線で示す一枚の金属パ
ネル1を、図示したごとくの左右の折り曲げ部3a,3
bの成形によって、幅Wの広い平坦面1aが確保された
広幅断面材6に加工したい場合がある。この場合のそれ
ぞれの折り曲げ部3a,3bは塑性変形によって形成さ
れるが、成形素材が一枚の平らなパネルであることか
ら、その大きな塑性変形に原因して、以下の問題が生じ
る。折り曲げ部3a,3bにおいて、一般的には外側が
伸び内側が縮むことになるが、幅厚比の大きい薄い金属
パネルの場合には、幅方向の伸びが主体となる。その伸
びを発生させる際に、その折り曲げ部3a,3bとその
近傍には応力が集中して歪を残留させる。この歪が過大
になると、二つの折り曲げ部3a,3bによって画成さ
れる平坦面1aに対して面内方向の圧縮力が発生し、平
坦部の弾性座屈応力を超えると破線で示したような例え
ば下方に膨らむ浅い周期的な撓みP(以下、ポケットウ
エーブという)が生じる。建材品としての広幅断面材に
上記のようなポケットウエーブが生じていると、それが
外装壁材として使用された場合などには外観を損なった
り、形状不良のパネルとなってしまい、金属パネルのロ
ール成形における歩留りを低下させる問題がある。
【0004】本発明は上記の問題に鑑みなされたもの
で、その目的は、幅厚比の大きい金属パネルをロール圧
延して広幅断面材に成形する場合、長手方向に形成され
る折り曲げ部やその近傍に残留する歪を可及的に取り除
き、広い平坦面にポケットウエーブが生じるのを抑制し
て、建材品などとしてのパネル材の外観を向上させ、品
質の向上を図ることができるようにした幅厚比の大きい
金属パネルのロール圧延成形法および成形装置を提供す
ることである。なお、本発明は、隣りあう折り曲げ部の
間に形成される平坦部にポケットウエーブが生じるメカ
ニズムを種々の研究によって解明したものであり、折り
曲げ部およびその近傍に残留する歪に着目して、その伸
び歪および縮み歪に方向性のあることを見出すと共に、
その特性を逆に利用すればポケットウエーブの発生を軽
減することができるという知見に基づき完成されたもの
である。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、幅厚比の大き
い金属パネルが多数の成形ロールを通過して順次変形さ
れ、広い平坦な成形面を挟んで該金属パネルが移動する
長手方向に沿って延びる折り曲げ部を形成させるように
した連続冷間圧延による金属パネルのロール成形法に適
用される。その特徴とするところは、金属パネルを成形
ロールに送り込む前の段階で、折り曲げ部が形成される
曲げ加工部位をその金属パネルの移動方向へ伸ばして、
長手方向の塑性伸び歪を残留させておく。そして、成形
ロールによって折り曲げ部が形成される際に生じる金属
パネルの長手方向の残留塑性縮み歪を、曲げ加工部位に
残留させた塑性伸び歪によって低減させ、平坦な成形面
にポケットウエーブが発生するのを抑制した広幅断面材
を圧延できるようにしたことである。成形装置の発明
は、図1を参照して、折り曲げ部3a,3bが形成され
る曲げ加工部位3A,3Bを金属パネル1の表裏から部
分圧延することによって、金属パネル1に長手方向の残
留伸び歪α(図2参照)を予め与える圧延ロール4A,
4Bが、多数の成形ロールからなる成形機2の入り側に
配置されていることである。
【0006】
【作用】成形素材である金属パネル1を成形機2に送り
込む前に、折り曲げ部3a,3bが形成される曲げ加工
部位3A,3Bを、その金属パネル1の移動方向に伸ば
しておく。これによって曲げ加工部位3A,3Bが塑性
変形するとき、金属パネル1の移動する長手方向に伸び
歪α(図2参照)が残留される。そのような状態で、幅
厚比の大きい金属パネル1を成形機2に通すと多数の成
形ロールによって折り曲げ部3a,3bが順次所望する
角度に形成される。その折り曲げ方向の如何によらず、
成形中には幅方向の伸び歪β(図3参照)に対応して長
手方向に縮み歪γ1 (図4参照)が集中的に発生する。
この縮み歪はγ1は、成形ロールを出た後にやや減少す
るが、縮み歪γ(図4参照)として折り曲げ部3a,3
bなどに残留しようとする。その折り曲げ部3a,3b
には予め長手方向の残留伸び歪αが存在し、結局は、爾
後的に発生する縮み歪γが伸び歪αに吸収されて、両歪
が相殺されるか、残留歪が小さくされる。したがって、
広い平坦な成形面1aを挟んで長手方向に延びる二つの
折り曲げ部3a,3bを形成させても、その折り曲げ部
やその近傍に残留する歪は可及的に少なく、平坦面1a
に作用する圧縮力が弱められて弾性座屈応力にまでは至
らず、ポケットウエーブの発生が軽減される。
【0007】このような挙動を実現するために、折り曲
げ部3a,3bが形成される曲げ加工部位3A,3Bを
金属パネル1の表裏から部分圧延して、金属パネル1に
長手方向の伸び歪αを予め与える圧延ロール4A,4B
が、成形機2の入り側に配置される。この圧延ロール4
A,4Bは、広い平坦面1aを画成する隣りあう折り曲
げ部3a,3bに重なっており、金属パネル1の移動に
よって直線状の変形を与える。これによって、折り曲げ
部3a,3bの成形される部位には、長手方向の塑性伸
び歪αが残留される。このような伸び歪αを残留させた
金属パネル1が多数の成形ロールからなる成形機2に導
入され、曲げ加工部位3A,3Bに折り曲げ部3a,3
bが順次所定角度となるように形成される。折り曲げ部
やその近傍には幅方向の伸び歪βが生じるが、それに対
応して長手方向の縮み歪γが発生する。この縮み歪γが
残留しようとしても、成形機2へ導入する前に与えられ
た長手方向の残留伸び歪αと相殺される。
【0008】
【発明の効果】本発明によれば、長手方向の伸び歪を予
め残留させ、それ以後に折り曲げ部に生じようとする長
手方向の縮み歪を吸収させて、歪の残留を可及的に少な
くすることができる。したがって、折り曲げ部の間に形
成される平坦面に圧縮力の作用するのが軽減され、ポケ
ットウエーブの発生が抑制される。幅厚比の大きい金属
パネルをロール圧延して広幅断面材を製造する場合、建
築用パネル材などとしての見栄えが保たれ、また、ロー
ル成形における歩留りも向上する。成形機の入り側に圧
延ロールを設置するだけの簡素な構成によってポケット
ウエーブの発生が緩和され、成形機の構造の複雑化を招
いたり、成形ロールに特殊な細工を施す必要もない。そ
れゆえ、既成設備に対しても容易に適用することがで
き、大幅な設備投資は回避される。
【0009】
【実施例】以下に、本発明の幅厚比の大きい金属パネル
のロール圧延成形法を、詳細に説明する。この成形法
は、多数の成形ロールに幅厚比の大きい金属パネルを通
過させ、その一パスの間に順次所望する形状に変形させ
る連続冷間ロール圧延の場合に適用される。そして、金
属パネルが移動する長手方向に沿って延びる折り曲げ部
を形成させる際に、その折り曲げ部によって画成される
広くて平坦な成形面に、ポケットウエーブなどの弾性座
屈による面撓み、すなわち、浅くて大きい波状の凹みが
発生するのを緩和することができる。図1は、金属パネ
ル1が成形機2に導入される直前の状態を平面的に示し
たものであり、これに基づいて述べる。なお、金属パネ
ル1は予め表面処理や塗装の施された薄板鋼板などであ
り、広幅断面材に成形されると建築用の例えば外装壁材
として使用されるものである。
【0010】この金属パネル1を成形機2によって広幅
断面材にロール成形するとき、金属パネル1を成形機2
の図示しない成形ロールに送り込む前の段階で、爾後的
に折り曲げ部3a,3bを形成する曲げ加工部位3A,
3Bが圧延ロール4A,4Bによって部分的に圧延され
る。すなわち、金属パネル1の移動する矢印方向に沿っ
て曲げ加工部位3A,3Bを機械的に伸ばし、その部分
には次に述べる長手方向の塑性伸び歪を残留させてお
く。その圧延ロール4A,4Bは図2に示すように金属
パネル1の表裏から押圧するものであり、金属パネル1
を挟む上ロール4mと下ロール4nとからなっている。
金属パネル1を上下から押圧作用する圧延ロール4A,
4Bによって生じる塑性伸び歪αは、金属パネル1が移
動する長手方向に発生するものであり、金属パネル1の
幅方向を横軸にして重ねて表示された二点鎖線の分布線
Qから分かるように、圧延ロール4A,4Bの通過した
曲げ加工部位3A,3Bに集中して残留される。
【0011】圧延ロール4A,4Bは、図1のように成
形機2の入り側に設置されるが、その箇所には金属パネ
ル1の姿勢を正して成形機2に送り込む溝付きガイドロ
ーラ5,5が設けられており、図示しない支持フレーム
を共用するなどして圧延ロール4A,4Bが取りつけら
れる。左右に位置して上下一対のロールからなる圧延ロ
ール4A,4Bは、左右端のガイドローラ5,5間にあ
って、金属パネル1の折り曲げ部3a,3bに相当する
位置に配列される。なお、金属パネル1に形成される平
坦面1aの幅Wが異なる場合には、その折り曲げ部3
a,3bに一致するように位置が変えられるようになっ
ている。そして、所定位置での部分圧延を可能にし、か
つ、所望する押圧力を与えることができるように、圧延
ロール4A,4Bの上下の各ロールを支持する図示しな
いロール軸には、圧下装置が取りつけられている。上記
のガイドローラ5,5は高さ調整可能であり、また、金
属パネル1の幅方向に変位して幅寸法の異なる金属パネ
ルにも対応できるようになっている。これは、前方側か
らローラテーブル上を移動する金属パネル1の両側を挾
持してパスラインの高さに合わせる一方、成形機2によ
るロール圧延時には、金属パネル1の移動に伴って回転
しながら金属パネル1の送り込みを案内する。
【0012】上記のようにして、圧延ロール4A,4B
により長手方向の塑性伸び歪αが残留された金属パネル
1は成形機2に導入され、多数の成形ロールを通過する
たびに順次所定の形状となるように変形される。すなわ
ち、幾つかの成形ロールを経て、図3に示す最終段もし
くはそれに近い成形ロール2m,2nによって金属パネ
ル1に折り曲げ部3a,3bが形成される。このように
して成形された金属パネル1には、図示した折り曲げ部
3a,3bに大きい幅方向の塑性伸び歪βが生じる。こ
の伸び歪βを発生させるべくそれに対応して長手方向に
は、図4中に一点鎖線で示すような縮み歪γ1 が生じる
が、これは成形ロール直下にあるときの歪であって、成
形ロールを通過した後の折り曲げ部3a,3bなどに残
留する実際の歪は破線で示すように少し小さい塑性縮み
歪γとなる。しかし、折り曲げ部3a,3bには図2に
示した塑性伸び歪αが残留されており、上記の縮み歪γ
はその伸び歪αと相殺される恰好になる。したがって、
折り曲げ部3a,3bにおける歪の残留は可及的に低減
され、その残留歪が大きければ発生する幅方向の圧縮力
は弱められ、平坦面1aにポケットウエーブの生じるこ
とは抑制される。幅厚比の大きい金属パネルを素材とし
た建築用壁材などとしての図6に示した広幅断面材6の
外観が損なわれることはなくなり、ロール成形における
歩留りも向上する。
【0013】ここで、ポケットウエーブの発生するメカ
ニズムを述べる。上記した説明からも分かるように、金
属パネル1に折り曲げ加工を施す場合に、金属パネル1
には図3の折り曲げ部3a,3bの形成によって、その
部分に幅方向の伸び歪βがそれぞれ発生する。その伸び
歪βはロール成形によって曲げられたために必然的に発
生するが、この歪の発生に対応して金属パネル1の長手
方向に図4に示すような縮み歪γが発生する。このよう
な長手方向の縮み歪γが折り曲げ部3a,3bに残留す
ると、金属パネル1の長手方向に圧縮力が作用し、平坦
面1aにポケットウエーブを発生させるということが、
本発明者らの研究によって判明した。すなわち、成形機
2を通過する間に発生する折り曲げ部3a,3bでの長
手方向の縮み歪γの残留をなくすようにすれば、ポケッ
トウエーブの発生を緩和させることができると推測し、
それに基づいてロール成形前に爾後的に発生する残留塑
性縮み歪γをキャンセルさせるべく予め長手方向の伸び
歪αを与えてみた。そして、成形機にかけたところ、折
り曲げ部によって画成される平坦面ではポケットウエー
ブの発生が少なくなることが確認された。このようなこ
とから、予め伸び歪αの与えられていない金属パネルを
折り曲げた場合には、その曲げ加工部位において長手方
向の塑性縮み歪γが発生していたことが裏づけられ、本
発想が妥当なものであると実証された。一方、圧延ロー
ルによる押圧力をどの程度にするかは、金属パネルの厚
み,幅厚比,平坦面の幅寸法など種々の要因が影響す
る。しかし、金属パネルの寸法や材質を特定すれば、そ
れぞれのパネルについて個々に実稼動状態を再現するこ
とにより、所定の圧下力を容易に把握することができ
た。いずれにしても、圧延時の圧下量は、この残留する
伸び歪αが成形機の成形ロールで生じる長手方向の縮み
歪γに少しでも近づくように調整されることになる。
【0014】ところで、金属パネルは平らな薄板材に限
らず、表面に凹凸が予め形成されているエンボス鋼板を
採用することもある。この場合も、前述と同様に、予め
残留塑性伸び歪αを与えるべく折り曲げ部に相当する曲
げ加工部位に部分圧延を施しておけばよい。すなわち、
エンボス鋼板はエンボス加工によりすでに長手方向に縮
んでおり、エンボスを圧下すれば長手方向に伸び戻すこ
とができるため、平らなパネル材の場合よりも容易に伸
び歪を与えることができる。したがって、エンボス深さ
がやや浅くなる程度に圧延するだけで、長手方向の縮み
歪を相殺できる長手方向の伸び歪が与えられる。それゆ
え、エンボス鋼板に予め伸び歪を与える場合には、図5
に示すような圧下調整の簡便な圧延ロール7A,7Bを
採用することができる。これは、上下のロール軸7p,
7qに幅方向の距離Wを隔てて取り付けた上下二対の圧
延ロール7m,7nと、ロール軸7p,7qの両端に装
着された上下のクリアランスδを規定する調整ロール8
m,8nとからなる。一般的に、金属パネルとしてのエ
ンボス鋼板1Aのエンボス9の深さは予め分かっている
ので、ロールクリアランスδを設定するとき、上記の調
整ロール8mをロール軸7pと共に下降させて下の調整
ロール8nに当接させれば、部分圧延に適したロールク
リアランスδを与える位置がおのずと再現される。これ
は、平らな金属パネルを部分圧延する場合に比べると、
曲げ加工部位に長手方向の伸び歪を与えるとき、エンボ
スを変形させるだけで済むことになる。このようにし
て、曲げ加工部位に位置するエンボスに長手方向の伸び
歪を与えておけば、前述した例と同じく、成形機によっ
て折り曲げ部を形成させるときに残留しようとする長手
方向の縮み歪が低減される。したがって、エンボス鋼板
においても、その平坦面にポケットウエーブが生じるの
を少なくすることが可能となる。なお、折り曲げ部にお
ける曲げ方向が上もしくは下の如何によらず、その曲げ
によって発生する長手方向の縮み歪は、予め与えられ長
手方向の伸び歪によって吸収される。ちなみに、上記の
説明において圧延ロールを左右二か所配置しているが、
広幅断面材に広い平坦面が複数形成される場合には、そ
れを画成する折り曲げ部も多くなる。したがって、成形
機に導入される前の段階では、長手方向の縮み歪の生じ
る折り曲げ部に対応して、伸び歪を与える圧延ロールを
並べておけばよいことは言うまでもない。
【0015】以上の説明から分かるように、薄板鋼板や
エンボス鋼板をロール圧延によって広幅断面材に成形す
る以前に、圧延ロールの部分圧延によって移動方向へ伸
ばしておけば、それらに長手方向の伸び歪を簡単に与え
ることができる。そのような伸び歪を残留させた金属パ
ネルを成形機によってロール成形すると、その成形によ
って発生する長手方向の縮み歪が少なくされ、折り曲げ
部によって画成される平坦面はポケットウエーブのない
美麗な面となり、壁材などに使用した場合の見栄えがよ
くなる。そして、ロール成形工程での歩留りも改善され
る。なお、ロール成形前に部分圧延する装置を成形機に
設けるにしても、成形機の入り側に設置されるだけであ
るので、既存の成形機にも適用させやすく、ロール成形
機の大幅な変更が要求されず、設備投資も少ないもので
済む。
【図面の簡単な説明】
【図1】 金属パネルの曲げ加工部位に予め長手方向の
伸び歪を与える圧延ロールを配置した成形機入り側の平
面図。
【図2】 金属パネルを部分圧延する圧延ロールの配置
と、それによって与えられる長手方向の伸び歪の分布を
表した模式図。
【図3】 ロール成形によって折り曲げ部を形成させる
状態の一例と、それによって生じる幅方向の伸び歪の分
布を表した模式図。
【図4】 折り曲げ部が成形されているときに生じる長
手方向の縮み歪の分布および成形後の長手方向の縮み歪
の分布を表した模式図。
【図5】 エンボス鋼板を部分圧延する状態の概略説明
図。
【図6】 金属パネルからロール成形された広幅断面材
と、それに現れるポケットウエーブの説明図。
【符号の説明】
1…金属パネル、2…成形機、3a,3b…折り曲げ
部、3A,3B…曲げ加工部位、4A,4B…圧延ロー
ル、6…広幅断面材、7A,7B…圧延ロール、α…長
手方向の伸び歪、γ…ロール通過後の長手方向の縮み
歪、P…ポケットウエーブ。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 幅厚比の大きい金属パネルが多数の成形
    ロールを通過して順次変形され、広い平坦な成形面を挟
    んで該金属パネルが移動する長手方向に沿って延びる折
    り曲げ部を形成させるようにした連続冷間圧延による金
    属パネルのロール成形法において、 上記金属パネルを成形ロールに送り込む前の段階で、上
    記折り曲げ部が形成される曲げ加工部位を該金属パネル
    の移動方向へ伸ばして長手方向の塑性伸び歪を残留さ
    せ、前記成形ロールによって折り曲げ部を形成する際に
    生じる金属パネルの長手方向の残留塑性縮み歪を、前記
    曲げ加工部位に残留させた塑性伸び歪によって低減さ
    せ、広幅断面材に圧延するとき平坦な成形面にポケット
    ウエーブが発生するのを抑制できるようにしたことを特
    徴とする幅厚比の大きい金属パネルのロール圧延成形
    法。
  2. 【請求項2】 幅厚比の大きい金属パネルを通過させて
    順次変形し、広い平坦な成形面を挟んで該金属パネルが
    移動する長手方向に沿って延びる折り曲げ部を形成する
    ための多数の成形ロールを備えた連続冷間圧延ロール成
    形装置において、 上記折り曲げ部が形成される曲げ加工部位を該金属パネ
    ルの表裏から部分圧延することによって、金属パネルに
    長手方向の残留伸び歪を予め与える圧延ロールが、前記
    多数の成形ロールからなる成形機の入り側に配置されて
    いることを特徴とする幅厚比の大きい金属パネルのロー
    ル圧延成形装置。
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