JP2534754Y2 - 棚板スライド構造を備えた陳列棚 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、棚板を前方に引き出すことができる陳列棚
に関し、詳しくは所定量引出した棚板をその状態で保持
することができる棚板スライド構造を備えた陳列棚に関
するものである。

（従来の技術） 従来、店舗等において使用される陳列棚として、棚板
の段数を多くして多数の商品を陳列しつつ、任意の棚板
を前方に引出して棚板の奥に載置した商品の出し入れを
容易にするようにした棚板スライド構造を備えた陳列棚
が提案されており、例えば、実願昭59-54141号（実開昭
60-107566号）『棚板スライド式陳列棚』が知られてい
る。

この棚板スライド式陳列棚は、棚板側に設けられたフ
ックであって棚本体側に固定された横向部材に係合する
フックと、フックに連結された操作杆等を備え、操作杆
によってフックを回動させることによって横向部材とフ
ックとの係合を外して棚板を引き出すことができるよう
にしたものである。この棚板スライド式陳列棚は、棚板
を奥に押し入れるとフックが横向部材に再び係合するこ
とによって棚板が奥に保持されるようになっている。

（考案が解決しようとする課題） ところが、前記従来の棚板スライド式陳列棚において
は、フックや操作杆等を用いているため、構造が複雑と
なり、部品点数が多く高価となるという問題がある。
又、棚板の裏側の見えないところに設けられた操作杆を
操作しなければならず、操作に手間がかかり不便である
という問題がある。

そこで、本考案の目的は、構造が簡単であり、部品点
数を少なくして安価に製造することができる棚板スライ
ド構造を備えた陳列棚を提供することにある。

又、本考案の目的は、棚板の引出し操作及び押し入れ
操作が容易である棚板スライド構造を備えた陳列棚を提
供することにある。

さらに、本考案の目的は、所定量引出した棚板をその
状態で保持することができる棚板スライド構造を備えた
陳列棚を提供することにある。

（課題を解決するための手段） 上記目的を達成するために、本考案は、「棚本体側の
ブラケットに固定された左右一対のガイドレールと、 前記ガイドレールの前端部に固定され、棚板の左右両
端部下面を支持する固定ローラと、 当該ガイドレールの後端位置及びその後端位置から前
方に所定間隔をおいた位置に対をなすように設けられた
収納位置棚本体側係合凹部と、 当該収納位置棚本体側係合凹部のやや前方に前記所定
間隔をおいて設けられた少なくとも一対の引出し位置棚
本体側係合凹部と、 棚板の左右両端部において棚板の後端部及び棚板のほ
ぼ中央部に前記所定間隔をおいて取り付けられ、棚板の
前後移動につれて前記ガイドレール上を前後に移動する
とともに、対となっている前記各棚本体側係合凹部に順
次係合する移動ローラと、 前記移動ローラが前記各棚本体側係合凹部に嵌合する
と同時に、前記固定ローラが嵌合するように棚板の左右
両端部下面に複数設けられた棚板側係合凹部と を備えたことを特徴とする棚板スライド構造を備えた陳
列棚。」をその要旨としている。

（作用） 前記した構成により、この棚板スライド構造を備えた
陳列棚においては、ガイドレールの固定ローラが棚板の
左右両端部下面を支持するとともに、移動ローラがガイ
ドレール上を前後に移動することにより、棚板の前後移
動がスムーズに行われる。

さらに、この棚板スライド構造を備えた陳列棚におい
ては、棚板が棚の奥部に収納されている際に棚板の移動
ローラが収納位置棚本体側係合凹部に係合するととも
に、固定ローラが棚板側係合凹部に係合するため、棚板
が棚の奥部に収納された状態で保持される。

そこで、棚板を手によって操作して前方へ引くと、前
記係合凹部とローラとの係合状態が解除され、棚板は前
記ガイドレール及びローラ等によりスムーズに引き出さ
れる。そして、今度は棚板の移動ローラが引出し位置棚
本体側係合凹部に係合するとともに、固定ローラが別の
棚板側係合凹部に係合するため、棚板が引き出された状
態で保持される。

一方、棚板を操作して後方へ押すと、係合凹部とロー
ラの係合が解除され、棚板はスムーズに移動して再び棚
板の移動ローラが収納位置棚本体側係合凹部に係合する
とともに、固定ローラが棚板側係合凹部に係合するた
め、棚板が棚の奥部に収納された状態で保持される。

（実施例） 次に、本考案を具体化した棚板スライド構造を備えた
陳列棚について図面に従って説明する。

第１図及び第２図等に示すように、この実施例の棚板
スライド構造を備えた陳列棚（10）は、棚本体に立設固
定された左右一対の支柱（11）と、その支柱（11）の前
面に水平に突出するように着脱自在に取着され、互いに
平行をなすブラケット（12）と、そのブラケット（12）
間に両端部が載置された棚板（20）とを備えている。

さらに、この陳列棚（10）は、棚本体側の前記ブラケ
ット（12）に固定された左右一対のガイドレール（13）
と、前記ガイドレール（13）の前端部に固定され、棚板
（20）の左右両端部下面に固定された棚レール（21）を
支持する固定ローラ（14）とを備えている。尚、前記ガ
イドレール（13）の前端部には、透孔にスポットナット
が固定され、第３図に示すようにそのスポットナットに
ボルト（15）が下方から螺合されるようになっている。
さらに、前記ガイドレール（13）の裏面には、略横形
状の補強板（13a）が配置されている。

又、この陳列棚（10）は、前記ガイドレール（13）の
後端位置及びその後端位置から前方に所定間隔（Ｌ）を
おいた位置に対をなすように設けられた収納位置棚本体
側係合凹部としてガイドレール（13）に切欠形成された
収納位置係合部（16）と、当該収納位置棚係合部（16）
のやや前方に前記所定間隔（Ｌ）をおいて設けられた少
なくとも一対の引出し位置棚本体側係合凹部としてガイ
ドレール（13）に切欠形成された引出し位置係合部（1
7）とを備えている。

さらに、棚板（20）の左右両端部において棚板（20）
の後端部及び棚板のほぼ中央部に対応する前記棚レール
（21）に前記所定間隔（Ｌ）をおいて取り付けられ、棚
板（20）の前後移動につれて前記ガイドレール（13）上
を前後に移動するとともに、対となっている前記各棚本
体側係合部（16）（17）に順次係合する移動ローラ（2
2）と、前記移動ローラ（22）が前記各棚本体側係合部
（16）（17）に嵌合すると同時に、前記固定ローラ（1
4）が嵌合するように棚板（20）の左右両端部下面に複
数設けられた棚板側係合凹部（23）とを備えている。

前記移動ローラ（22）は、棚板（20）が最大限引出さ
れたとき、前記ボルト（15）に当接して棚板（20）がブ
ラケット（12）から外れ落ちるのを防止するようになっ
ている。

さて、上記構成された棚板スライド構造を備えた陳列
棚（10）の作用について説明する。

まず、この棚板スライド構造を備えた陳列棚（10）に
おいては、ガイドレール（13）の固定ローラ（14）が棚
板（20）の左右両端部下面の棚レール（21）を支持する
とともに、移動ローラ（22）がガイドレール（13）上を
前後に移動することにより、棚板（20）の前後移動がス
ムーズに行われる。

さらに、この棚板スライド構造を備えた陳列棚（10）
においては、第６図に示すように棚板（20）が棚の奥部
に収納されている際に棚板（20）の移動ローラ（22）が
棚板（20）の自重により収納位置係合部（16）に係合す
るとともに、固定ローラ（14）が棚板側係合凹部（23）
に係合するため、棚板（20）が棚の奥部に収納された状
態で保持される。

そこで、棚板（20）を手によって操作して前方へ引く
と、棚板（20）の自重に抗して前記各係合部（16）（2
3）とローラ（14）（22）との係合状態が解除され、棚
板（20）は前記ガイドレール（13）及びローラ（14）等
によりスムーズに引き出される。そして、今度は第７図
及び第８図に示すように棚板（20）の移動ローラ（22）
が棚板（20）の自重により引出し位置係合部（17）に係
合するとともに、固定ローラ（14）が別の棚板側係合凹
部（23）に係合するため、棚板（20）が引き出された状
態で停止し、保持される。

一方、棚板（20）を操作して後方へ押すと、係合部
（17）（23）とローラ（14）（22）の係合が解除され、
棚板（20）はスムーズに移動して再び棚板（20）の移動
ローラ（22）が収納位置係合部（16）に係合するととも
に、固定ローラ（14）が棚板側係合凹部（23）に係合す
るため、棚板（20）が棚の奥部に収納された状態で保持
される。

従って、この棚板スライド構造を備えた陳列棚（10）
においては、棚板（20）の自重を利用して各係合部（1
6）（23）とローラ（14）（22）とを係合させ、棚板（2
0）の停止状態を維持するようにしているため、構造が
簡単であるため部品点数及び工数が少なくて済み、安価
に供給することができ、又、棚板（20）の引出し操作及
び押し入れ操作を容易に行うことができる。又、係合部
（17）及び棚板側係合凹部（23）の数を増減することが
容易であり、棚板（20）の停止位置を簡単に増減するこ
とができる。

さらに、この棚板スライド構造を備えた陳列棚（10）
においては、固定ローラ（14）及び二つの移動ローラ
（22）によって棚板（20）の重量を支えているため、棚
板（20）を引出した場合においても確実に棚板（20）及
び棚板（20）上の商品等を安定して支えることができ
る。

尚、本考案は、前記各実施例に限定されるものではな
く、引出し位置係合凹部及び棚板側係合凹部の数を増減
したり、ガイドレール等の大きさや形状等を適宜変更し
て実施する等本考案の趣旨から逸脱しない範囲で適宜変
更して実施してもよい。

（考案の効果） 以上詳述したように、本考案は、棚板（20）の自重を
利用して各係合部とローラとを係合させ、棚板の停止状
態を維持するようにしているため、構造が簡単であるた
め部品点数及び工数が少なくて済み、安価に供給するこ
とができ、又、棚板の引出し操作及び押し入れ操作が容
易である棚板スライド構造を備えた陳列棚を提供するこ
とができるという優れた効果を奏する。

又、本考案は、所定量引出した棚板をその状態で容易
に保持することができるとともに、係合部及び棚板側係
合凹部の数を増減することが容易であり、棚板の停止位
置を簡単に増減することができる。

さらに、本考案においては、固定ローラ及び二つの移
動ローラによって棚板の重量を支えているため、棚板を
引出した場合においても確実に棚板及び棚板上の商品等
を安定して支えることができるという優れた効果を奏す
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案を具体化した棚板スライド構造を備えた
陳列棚の全体斜視図、第２図は棚板スライド構造の正面
図、第３図はブラケットとガイドレールの斜視図、第４
図はブラケットとガイドレールの平面図、第５図は棚板
の底面図、第６図から第８図はそれぞれ棚板の移動する
様子を示す棚板の平面図である。 符号の説明 10……棚板スライド構造を備えた陳列棚、11……支柱、
12……ブラケット、13……ガイドレール、14……固定ロ
ーラ、16……収納位置棚本体側係合凹部としての収納位
置係合部、17……引出し位置棚本体側係合凹部としての
引出し位置係合部、20……棚板、21……棚レール、22…
…移動ローラ、23……棚板側係合凹部。

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】棚本体側のブラケットに固定された左右一
   対のガイドレールと、 前記ガイドレールの前端部に固定され、棚板の左右両端
   部下面を支持する固定ローラと、 当該ガイドレールの後端位置及びその後端位置から前方
   に所定間隔をおいた位置に対をなすように設けられた収
   納位置棚本体側係合凹部と、 当該収納位置棚本体側係合凹部のやや前方に前記所定間
   隔をおいて設けられた少なくとも一対の引出し位置棚本
   体側係合凹部と、 棚板の左右両端部において棚板の後端部及び棚板のほぼ
   中央部に前記所定間隔をおいて取り付けられ、棚板の前
   後移動につれて前記ガイドレール上を前後に移動すると
   ともに、対となっている前記各棚本体側係合凹部に順次
   係合する移動ローラと、 前記移動ローラが前記各棚本体側係合凹部に嵌合すると
   同時に、前記固定ローラが嵌合するように棚板の左右両
   端部下面に複数設けられた棚板側係合凹部と を備えたことを特徴とする棚板スライド構造を備えた陳
   列棚。