JP2534616Y2 - 折り戸の支持装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ＜産業上の利用分野＞ 本発明は折り戸の支持装置に関し、特に折り畳んだ状
態で左右に移行できるようにした折り戸の下部走行体に
関するものである。

＜従来の技術＞ 一般に折り戸を折り畳んだ時、左右の戸板の吊り元即
ち走行体が近接してあたかも１点で吊り下げられている
状態となって横揺れ等が生じやすく開閉しにくいという
欠点がある。このような折り畳み時における横揺れを防
止するために、例えば実公昭62−7832号で示すような技
術が開示されている。この公知の考案では各走行体より
互いに他の走行体に向けて突合せ突部（５）、（５）を
突設し、この突部の両側面にガイドコロを設けて、前記
各突部の先端を戸折り畳み時に当接させることによっ
て、左右の戸板が略平行状態になるまで折り畳まない
で、略ハの状態の姿勢を保持するようにし、これにより
前記した折り畳み時における横揺れを防止している。

＜考案が解決しようとする問題点＞ しかしながら前記の考案では折り畳み時に略平行姿勢
にならないで角度を大きく開いたハの字状になっている
為その分だけ出入りの為の開口部が阻害されるという大
きな欠点がある。特に複数の折り戸を組み合わせてこれ
ら折り戸をレールに沿って左右に移行できるようにした
間仕切り等では、折り畳み姿勢がハの字になっていたの
では間仕切り解放時における開度が著しく阻害され、従
って折り戸を取り外すようにしない限り実質的に間仕切
りとして使用することができない。

そこで本考案は、常に安定した状態でスムースに走行
することのできる下部走行体を付加せしめることによっ
て、左右の戸板面が互いに近接する程度まで略平行な姿
勢に折り畳んだ時でも、横揺れやガタツキが生じること
なく安定した動作を行うことが出来るようにした装置を
簡潔な構成によって提供することを主たる目的とするも
のである。

＜問題を解決する為の手段＞ 上記の目的を達成する為に本考案は、ヒンジを介して
回動可能に連結された左右一対の戸板から成る折り戸に
於いて、前記戸板の下部には下部走行体を支持する下部
走行体支持部材が取り付けられており、該下部走行体は
上面開口部を狭くしたチャンネル状下部レールに沿って
走行するように形成されており、そしてこの走行体は前
記レール上壁の上面を走行する垂直ローラーと、チャン
ネル状下部レールの内部で走行する水平ローラーとから
成り、前記水平ローラーの直径は前記レールの内面巾と
略等しく形成されている構成としたものである。

＜作用＞ 上記のごとく構成された折り戸では、折り戸開閉時や
折り畳んだ状態での左右移行時において、前記水平ロー
ラーによって折り戸の浮き上がりと横揺れを確実に防止
できると共に、垂直ローラーがチャンネル状下部レール
の上壁の上面を走行するように形成されているので、垂
直ローラーの左右側方や上方は解放されてこれに接触す
るものはなく、従ってローラーの側面接触による軋みや
異常な負荷の発生を未然に防止することができてよりス
ムースな開閉操作や移行が達成出来ると共に、垂直ロー
ラーがレール上面に出ているので、外部からローラーと
レールとの走行状態を容易に管理調整することが出来、
常に良好な走行状態を保持する事ができる。

＜実施例＞ 以下図面について本考案の実施例を説明する。

図に於いて、符号Ａはヒンジ25を介して折り畳み自在
に連結された左右一対の戸板1a,1bからなる折り戸であ
って、各戸板1a,1bはその上部の一端部に持ち出し式の
スライド蝶番2a、2bを介して上部走行ライナー支持部材
3a,3bが設けられており、該支持部材に走行ライナー4a,
4bが夫々取り付けられている。そして前記走行ライナー
支持体3a,3bから相対する他方の走行ライナーの方向に
向かってステー5a,5bが延設されている。このステー3a,
3bは近接させたときに互いに衝突しないように位相線上
に配置されており、該ステーの先端に互いに異なるレー
ル上を走行する補助ライナー6a,6bが設けられている。
図面で示した実施例では前記走行ライナー4aと補助ライ
ナー6aとが断面チャネル状レール材７の一方のレール7a
を、他方の走行ライナー2bと補助ライナー6bが片方のレ
ール7bを走行するように形成されいる。

又、前記走行ライナー支持体3a,3bには縦軸の回りで
回転する安定ローラ８が設けられている。この安定ロー
ラ８は前記チャネンル状レール材７の開口部7cに介装さ
れて走行時における折り戸の前後方向の揺れを防止す
る。

更に前記走行ライナー支持部材3a,3bは前記スライド
蝶番2a,2bに対して高さ調整手段９並びに水平方向調整
手段10を介して取付位置調整可能に取り付けられてい
る。

前記高さ調整手段９は第１図並びに第５図に示すよう
に、走行ライナー支持部材3a,3bから垂下された軸部材1
1と、スライド蝶番2a,2bの一片に連結され且つ前記軸部
材11を受け入れる筒部12を有する取付部材13とを含み、
前記軸材11は上部の異径部分11aによって回動が阻止さ
れた状態で上下方向にのみ移動自在に前記筒部12に嵌入
され、そして先端のネジ部分11bが前記筒部材12の中間
部に回動のみ自在に装着されたナット部材14に螺合され
ている。従ってこのナット部材14を回動することによっ
て簡単に走行ライナー4a,4aを上下調整することができ
る。

又、第６図に示すように取付部材13に筒部12に対して
下方からナット部材14をはめ込んでカップリング15によ
り抜け脱しないように回動自在にとりつけておけば下方
から容易に上下調整することができよう。

又、前記水平方向調整手段10は、蝶番部材2a、2bの一
片に水平方向に調整可能に固定された台板26が取付部材
13に対して長孔27と固定ビス28とによって水平方向調整
可能に取り付けることによって形成されている。

尚、取付部材13の筒部12を第５図で示したように中間
部で分断して上下筒部12a,12bを上下対称に形成し、こ
の上下筒部12a,12bの間に軸部材10が螺合するナット部
材14をはめ込むように形成しておけば、これを反転して
使用することにより左右の何れに取付部材としても使用
できて部品点数を削減することができる。

而して前記戸板1a,1bの下部にはスライド蝶番16、取
付部材17を介して下部走行体18が夫々取り付けられてい
る。該下部走行体18は上方に延びる垂直な軸部18aを備
えていてこれが前記取付部材17の筒部17aに上下方向移
動自在に挿入されており、そして上端に常時下方に押し
付けるクッションスプリング24が装着されている。これ
により走行時における上下振動を緩和するようになって
いる。尚、下部走行体18は軸部18a対して回動可能に設
定しておくことが好ましい。而して、前記下部走行体18
は第８図並びに第９図に示すように、上面開口部20aを
狭くしたチャンネル状下部レール20の上壁20bの上面に
沿って走行する前後二対の垂直ローラー19、19と、チャ
ンネル状下部レール20の内部で走行する前後一対の水平
ローラー21、21とを備えている。前記水平ローラー21の
直径はレール20の内面巾と略等しく形成されている。こ
の構成により戸板1a,1bの浮き上がりを防止すると共に
横揺れ等の発生も抑えている。又、垂直ローラー19、19
はチャンネル状下部レール20の上壁20bの上面を走行す
るように形成されているので、垂直ローラー19の左右側
方や上方は解放されてこれに接触するものはなく、従っ
てローラーの側面接触による軋みや異常な負荷が発生す
ることが完全になくなって、よりスムースな開閉操作や
移行が達成出来ると共に、垂直ローラーがレール上面に
出ているので、外部からローラーとレールとの走行状態
を容易に管理調整することが出来る。

更に、前記下部走行体18には他方の下部走行体18に向
かって突出する当接体22が設けられており、この当接体
22の先端に弾性カバー22aがかぶせられている。これに
より左右の戸板1a、1bがヒンジ25を介して折り畳まれた
時に当接体同士が当接して戸板に与える衝撃を緩和する
と共に、戸板が傷付くことを防止している。

尚、この実施例では、垂直ローラー19並びに水平ロー
ラー21を夫々前後に設置したが、垂直ローラーが前後２
つで水平ローラーを１つにした組み合わせや、垂直ロー
ラーが１つで水平ローラーが前後２つにした組み合わ
せ、あるいは夫々１つずつとした組み合わせでも良い。

＜考案の効果＞ 本考案は以上詳述したごとく、下部走行体が下部レー
ルの上壁の上面を走行する垂直ローラーと、チャンネル
状下部レールの内部で走行する水平ローラーとから構成
され、前記水平ローラーの直径が前記レールの内面巾と
略等しく形成されているものであるから、折り戸開閉時
や折り畳んだ状態での左右移行時において、前記水平ロ
ーラーによって折り戸の浮き上がりと横揺れを確実に防
止できると共に、垂直ローラーがチャンネル状下部レー
ルの上壁の上面を走行するように形成されているので、
垂直ローラーの左右側方や上方は解放されてこれに接触
するものはなく、従ってローラーの側面接触による軋み
や異常な負荷の発生を未然に防止することができてより
スムースな開閉操作や移行が達成出来ると共に、垂直ロ
ーラーがレール上面に出ているので、外部からローラー
とレールとの走行状態を容易に管理調整することが出
来、常に良好な走行状態を保持する事ができる等の優れ
た効果がある。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示すもので、 第１図は本考案の上部走行ライナー部分を示す斜視図、 第２図は折り戸閉鎖時の平面図、 第３図は折り畳み時の平面図、 第４図は縦断面図、 第５図は上部走行ライナーの高さ調整手段を示す断面
図、 第６図は高さ調整手段の他の実施例を示す断面図、 第７図は下部走行体部分を示す斜視図、 第８図は下部走行体部分を示す１部断面側面図、 第９図は下部走行体部分を示す１部断面正面図である。 1a,1bは戸板、2a,2bは蝶番部材、3a3bは走行ライナー支
持部材、4a,4bは走行ライナー、5a,5bはステー、6a,6b
は補助ライナー、18は下部走行体、19は垂直ローラー、
20は下部レール、20aは下部レールの開口部、20bは下部
レールの上壁、21は水平ロールである。

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ヒンジを介して回動可能に連結された左右
   一対の戸板から成る折り戸に於いて、前記戸板の下部に
   は下部走行体を支持する下部走行体支持部材が取り付け
   られており、該下部走行体は上面開口部を狭くしたチャ
   ンネル状下部レールに沿って走行するように形成されて
   おり、そしてこの走行体は前記レールの上壁の上面を走
   行する垂直ローラーと、チャンネル状下部レールの内部
   で走行する水平ローラーとから成り、前記水平ローラー
   の直径は前記レールの内面巾と略等しく形成されている
   折り戸の支持装置。